押さえコンクリートとは何?劣化症状と改修方法を紹介します
2024.07.01 (Mon) 更新
建物の維持管理は、建物の長寿命化を図るうえで非常に重要です。
特に屋上やバルコニーは、雨風や紫外線などの外的要因に常にさらされているため、適切なメンテナンスが欠かせません。
押さえコンクリートは、防水層を保護し、建物の寿命を延ばすために欠かせない存在ですが、長年使用していると劣化が進んでしまい、適切な対策が必要になります。
この記事では、押さえコンクリートの役割や劣化症状、改修方法について解説します。
効果的なメンテナンス方法を探している方は、この記事を読んで押さえコンクリートの理解を深めてくださいね。
目次
□押さえコンクリートとは?
押さえコンクリートとは、防水層を保護するために、その上から打設されるコンクリートのことです。
防水層の保護だけでなく、歩行や荷重にも耐えられるように施工されることも多く、建物の耐久性向上に大きく貢献しています。
*押さえコンクリートの役割
押さえコンクリートは、防水層を保護する役割を担います。
防水層は、雨水や湿気から建物内部を守る重要な役割を担っていますが、紫外線や温度変化によって劣化しやすく、その保護が不可欠です。
押さえコンクリートは、防水層を外的要因から守ることで、防水層の寿命を延ばし、建物の耐久性を向上させる役割を担っています。
*押さえコンクリートの目的
押さえコンクリートの目的は、主に以下の3つに分けられます。
1:防水層の保護
押さえコンクリートは、防水層を外部からの衝撃や紫外線、温度変化から保護し、防水層の劣化を抑制します。
2:歩行や荷重への対応
屋上やバルコニーに人が歩いたり、荷物を置いたりする場合、押さえコンクリートは防水層を保護しながら、歩行や荷重に耐えられる強度を保ちます。
3:美観の向上
押さえコンクリートは、仕上げによってさまざまなデザインが可能です。
建物全体の美観を向上させる役割も担っています。
4:押さえコンクリートの用途
押さえコンクリートは、主に屋上やバルコニーなどの防水層の保護に使用されます。
近年では、軽量コンクリートや特殊な配合のコンクリートが開発され、建物の負担を軽減し、耐久性を向上させられるようになっています。
押さえコンクリートの用途は、建物の構造や用途に合わせて、さまざまな場面で活用されています。
□押さえコンクリートの劣化症状
押さえコンクリートは、長年使用していると、さまざまな要因によって劣化が進みます。
劣化が進行すると、防水層の保護機能が低下し、雨水や湿気が建物内部に浸入するリスクが高まります。
そのため、押さえコンクリートの劣化症状を早期に発見し、適切な対策を講じることが重要です。
1:ひび割れの発生
押さえコンクリートは、温度変化や乾燥収縮によってひび割れが発生することがあります。
ひび割れは、最初は小さく目立たない場合もありますが、時間の経過とともに大きくなり、雨水が浸入しやすくなります。
ひび割れは、防水層の保護機能を低下させるだけでなく、建物の強度を弱める原因にもなります。
2:コンクリートの浮き
コンクリートの浮きは、ひび割れから雨水が浸入し、凍結融解を繰り返すことで発生します。
コンクリート内部の水分が凍結すると体積が膨張し、融解時には体積が収縮します。
この凍結融解を繰り返すことで、コンクリート内部に圧力がかかり、浮きが発生します。
3:伸縮目地の劣化
伸縮目地は、コンクリートの伸縮によるひび割れを防ぐために設置されます。
しかし、伸縮目地も長年使用していると劣化し、その機能が低下します。
伸縮目地の劣化は、ひび割れや浮きの発生を促進し、防水層の保護機能を低下させます。
4:水たまりの発生
押さえコンクリートの劣化が進むと、雨水が浸入しやすくなり、水たまりが発生することがあります。
水たまりは、建物の防水性を低下させるだけでなく、カビや藻の発生を促進し、美観を損なう原因にもなります。
□押さえコンクリートの改修方法
押さえコンクリートの劣化が進行すると、適切な改修が必要です。
改修方法には、かぶせ工法と撤去工法の2つの方法があります。
それぞれの工法の特徴やメリット、デメリットを理解し、建物の状況に合わせて適切な工法を選択することが重要です。
1:かぶせ工法
かぶせ工法は、既存の押さえコンクリートの上に新しい防水層をかぶせる工法です。
既存の押さえコンクリートをすべて撤去する必要がないため、工期が短く、費用を抑えられます。
また、既存の防水層を下層防水層として活用することで、高い防水効果を実現できます。
2:撤去工法
撤去工法は、既存の押さえコンクリートをすべて撤去し、新しい防水層を新設する工法です。
既存の押さえコンクリートの劣化が激しい場合や、防水層の性能を大幅に向上させたい場合に適しています。
ただし、既存の押さえコンクリートを撤去する必要があるため、工期が長く、費用が高くなるというデメリットがあります。
□まとめ
この記事では、押さえコンクリートの役割、劣化症状、改修方法について解説しました。
押さえコンクリートは、防水層を保護し、建物の耐久性を向上させる重要な役割を担っています。
しかし、長年使用していると劣化が進行し、適切な対策が必要です。
押さえコンクリートの劣化症状を早期に発見し、適切な改修を行うことで、建物の寿命を延ばし、快適な生活空間を維持できます。
これらの情報を参考に、建物の状況に合わせて適切なメンテナンスを実施することで、建物を長寿命化できますよ。
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