防水工法の種類の見分け方!4つの種類の特徴と選び方のポイント
2024.07.23 (Tue) 更新
防水工事は建物の寿命を延ばし、快適な生活環境を保つために欠かせない作業です。
しかし、防水工事と一言に言っても、その種類や方法は多岐にわたります。
自分に適した防水の種類を選ぶためには、それぞれの特徴と適用方法を理解することが重要です。
そこでこの記事では、防水の種類を4つに分類し、それぞれの防水の特徴と見分け方を解説します。
目次
□防水工法の種類と特徴
防水工事にはさまざまな工法がありますが、特に一般的に使用されるものとしてウレタン防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水の4種類が挙げられます。
これらの防水工法は、それぞれ異なる特徴を持ち、適用場所や条件によって使い分けることが求められます。
1:ウレタン防水
ウレタン防水は、液体のウレタン樹脂を塗布して防水膜を形成する方法です。
この工法は柔軟性があり、細かい場所や複雑な形状にも対応可能です。
ウレタン防水には、コンクリート下地に全面接着する密着工法と、通気層を設けて下地の影響を受けにくくする通気緩衝工法の2種類があります。
密着工法は比較的安価ですが、信頼性では通気緩衝工法が優れています。
2:FRP防水
FRP防水は、ポリエステル樹脂とガラス繊維を組み合わせて強度を高めた防水工法です。
この方法は、耐久性が高く、特にベランダやバルコニーなどの小規模な場所に適しています。
表面が硬く、軽く叩くとコンコンと音がするのが特徴です。
3:シート防水
シート防水は、塩化ビニル樹脂やゴムなどのシートを使用して防水層を形成する方法です。
この工法は、耐久性が高く、施工が比較的簡単です。
シート防水には、全面接着する接着工法と、固定ディスクでシートを固定する機械的固定工法があります。
機械的固定工法は耐風圧性が低いことに注意が必要です。
4:アスファルト防水
アスファルト防水は、熱や冷気を利用してアスファルトルーフィングを接着する方法です。
この工法は非常に信頼性が高く、大規模な建物に適しています。
熱工法、冷工法、トーチ工法の3種類があり、それぞれ特徴と適用場所が異なります。
□防水の種類の見分け方
防水工法にはさまざまな種類がありますが、それぞれの見分け方を知ることは、適切な防水対策を行うために重要です。
ここでは、ウレタン防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水の見分け方について詳しく説明します。
1:ウレタン防水の見分け方
ウレタン防水はウレタン樹脂を塗布して形成された防水膜です。
この工法の特徴として、表面がフラットでつなぎ目がない点が挙げられます。
色はグレーやグリーンが多く、柔らかいため、爪で押すと凹みますがすぐに元に戻ります。
また、下地はコンクリートが多く、叩いてもあまり音がしないのが特徴です。
2:FRP防水の見分け方
FRP防水は、ポリエステル樹脂とガラス繊維を組み合わせて強度を高めた防水工法です。
この方法の特徴は、色がグレーであることが多く、表面が硬く、繊維状の凹凸を感じることがあります。
軽く叩くとコンコンと軽い音がし、下地材がベニヤや石膏系材のため、畳の大きさごとに継ぎ目ラインが見えることが多いです。
3:シート防水の見分け方
シート防水は、塩化ビニル樹脂でできたシート状の防水材を貼った工法です。
この工法の特徴は、色がグレーであること、シートの重なりが直線状にあり、重なり幅が約40mm程度であることです。
表面には凹凸柄があり滑り止めになっています。
また、隅の立ち上がり部分が緩やかに折り込んで曲げられているのが特徴です。
4:アスファルト防水の見分け方
アスファルト防水は、合成繊維不織布にアスファルトを含浸・コーティングしたシート状の防水材を貼り重ねる工法です。
この工法の特徴は、使用頻度が高いベランダにはあまり施工されないこと、シートの重なりが直線状にあり、重なり幅が約100mm程度であることです。
表面には砂の層があり、上塗材にはシルバーが塗装されていることが多いです。
□防水工法の選び方
防水工事は、建物の状態や用途によって最適な方法が異なります。
適切な防水工法を選ぶためには、使用場所や環境を考慮することが重要です。
ここでは、具体的な状況に応じた防水工法の選び方を解説します。
1:ベランダの防水工法
ベランダは屋根に比べて面積が狭く、形状が複雑なことが多いです。
そのため、柔軟性があり複雑な形状にも対応できるウレタン防水が一般的におすすめです。
しかし、ベランダでBBQやガーデニングを楽しみたい方には、より耐久性が高いFRP防水が適しています。
FRP防水は耐久性に優れており、頻繁に使用するベランダでも長持ちします。
2:陸屋根の防水工法
陸屋根とは水平な屋根のことで、紫外線や熱にさらされやすい場所です。
陸屋根には、耐久性とコストパフォーマンスに優れた塩化ビニル樹脂系のシート防水が適しています。
この工法は、価格が安い上にメンテナンスもほとんど必要なく、耐用年数が長いことが特徴です。
3:大規模なマンションの防水工法
大規模なRCマンションの陸屋根には、アスファルト防水が最適です。
アスファルト防水は非常に耐久性が高く、耐用年数が長いため、メンテナンスコストを抑えられます。
一方、戸建て住宅にはオーバースペックになるため、大規模な建物に限定して使用するのが合理的です。
□まとめ
防水工事の種類は多岐にわたりますが、この記事では主にウレタン防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水の4つを紹介しました。
それぞれの特徴や見分け方、適した使用場所を理解することで、読者は自分に最適な防水工法を選ぶことができます。
ウレタン防水は、柔軟性があり複雑な形状に適しています。
FRP防水は、耐久性が高く頻繁に使用する場所に向いています。
シート防水は、耐久性とコストパフォーマンスが優れており、メンテナンスが少ないのが特徴です。
アスファルト防水は、大規模な建物での使用に最適で、非常に高い耐久性を持っています。
このように、建物の状態や用途に応じた最適な防水工法を選ぶことが、効果的な防水対策の鍵となります。
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