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【岡崎市】外壁塗装で庇を美しく!塗装の魅力とポイント

こんにちは!岡崎市の外壁塗装・屋根塗装・防水工事専門店、愛知建装です(/・ω・)/ 岡崎市の皆さまのために今日も全力です( 。•o•。)و  外壁塗装・屋根塗装・防水工事を検討されているならぜひ!愛知建装に相談お待ちしています! 外壁塗装は「アイチケンソー」! ぜひ覚えてください☆笑     はじめに 岡崎市にお住まいの皆さん、岡崎市の外壁塗装は家の美しさを保ち、寿命を延ばすために非常に重要なポイントです。特に、庇(ひさし)の塗装は、岡崎市の外観の印象を大きく左右する要素となります。庇は岡崎市の雨や日差しから家を守る役割を果たすだけでなく、岡崎市の家のデザインを引き立てる重要な部分でもあります。そのため、庇の美しさを保つことは、全体の印象を高めるうえで欠かせません。 岡崎市の外壁塗装の重要性と庇の役割 外壁塗装は、岡崎市の住宅の美しさを保つだけでなく、劣化を防ぐ重要な役割を果たしています。岡崎市の住宅の外壁塗装面は、常に岡崎市の雨風や紫外線、さらには温度変化からの影響を受けています。これにより、外壁塗装面が劣化すると、見た目が悪くなるだけでなく、構造自体にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、定期的な外壁塗装が必要です。庇は、外壁塗装面と屋根の間に位置する部分で、主に雨や日差しから岡崎市の家の内側を守る役割を持っています。庇があることで、雨水が直接外壁塗装面に当たることを防ぎ、雨漏りのリスクを減少させます。また、強い日差しからも岡崎市の家を守るため、特に夏場の室内温度上昇を抑える効果もあります。このように、庇は外壁塗装面と同様に劣化しやすい部分でもあります。庇が劣化すると、見栄えが悪くなるだけでなく、庇自体の機能が低下し、最終的には修繕費がかさんでしまうこともあります。そのため、庇も外壁塗装の対象として、適切なメンテナンスが必要です。外壁塗装を行う際には、庇も同時に塗装することで、全体のバランスが良くなり、岡崎市の家全体が美しく整います。塗料選びや施工方法にも注意が必要です。最近では、耐久性の高い塗料やUVカット機能を持つ塗料など、さまざまな選択肢があります。これらの塗料を使用することで、塗装後の美しさを長持ちさせることができます。また、庇のデザインや色にこだわることで、岡崎市の住宅の印象を大きく変えることができます。明るい色に外壁塗装することで、岡崎市の家全体が明るく見え、逆に淡いトーンを選ぶことで、落ち着いた印象を与えることも可能です。デザインの選択肢を広げるために、専門業者に相談することもおすすめします。さらに、岡崎市の外壁塗装には季節や天候に適したタイミングがあります。特に雨の多い季節や極端に湿度の高い期間は、外壁塗装に適していません。そのため、適切な時期を見極めることも、庇を含む外壁塗装を成功させるポイントです。以上のように、外壁塗装は住宅の美観だけでなく、耐久性や居住性にも深く関与しています。岡崎市での外壁塗装を検討されている方々は、ぜひ、庇の塗装にも目を向けていただきたいと思います。 庇の塗装が外観にもたらす効果 庇は、岡崎市の建物の外観において非常に目立つ部分です。そのため、庇の塗装は外観の印象を大きく左右します。色や仕上げによって全体の雰囲気が変わるため、適切なカラー選びが重要です。まず、庇を塗装することで、外観の統一感が生まれます。例えば、壁や屋根の色と調和する庇のカラーを選ぶことで、家全体のバランスが良くなります。逆に、個性的な色を選ぶことで、アクセントを加えることもできます。これにより、単調な印象から抜け出し、魅力的な外観に仕上げることができます。さらに、庇の塗装は建物の保護にも寄与します特に、紫外線や雨風によるダメージを軽減するために、耐候性の高い塗料を使うことで、庇の寿命を延ばすことができます。このように機能性と美しさを両立することができる点が、庇の塗装の大きな魅力です。庇の色合いや質感によって、昼と夜での印象も大きく異なります。昼間は明るい色を選ぶことで、自然光を反射し明るく見せることができます。一方で、落ち着いた色味を選ぶことで、昼間でもシックで洗練された印象を与えることが可能です。夜間は、庇にライティングを施すことで、さらにその魅力を引き出すことができます。また、庇の塗装は岡崎市の住宅の加齢を感じさせないためにも重要です。年月が経つにつれて、外壁塗装面はどうしても色あせてしまいますが、庇を新たに塗装することで、それに対するカラーバランスを整えることができます。これにより、全体的に若々しい印象を保つことができ、岡崎市の住宅の価値を維持することにも繋がります。庇は時には屋外の家具や植物を保護する役割も果たします。そのため、塗装を通じてそのデザイン性を強調することができるのも魅力の一つです。最後に、庇の塗装はメンテナンス面でも利点があります。定期的に塗装を行うことで、汚れや苔、カビの発生を防ぎ、常に清潔感を保つことができます。 岡崎市ならではの気候を考慮した塗料選び 岡崎市は四季が豊かで、夏は蒸し暑く、冬は乾燥した寒さが特徴です。このような気候条件は、外壁塗装において非常に重要な要素です。そのため、岡崎市の外壁塗装を行う際には、岡崎市の気候を十分に考慮した塗料選びが欠かせません。まず、岡崎市の夏の高温多湿な環境を考慮する必要があります。この季節には、外壁塗装面や庇が直射日光を浴びることが多く、岡崎市の紫外線による劣化が懸念されます。これに対抗するためには、UVカット機能を持つ塗料を選ぶと良いでしょう。こうした塗料は、外観を長持ちさせるだけでなく、熱の蓄積も抑えることができます。次に、湿気対策としては防カビ性能が重要です。岡崎市は湿度が高く、カビや藻が発生しやすい地域です。そのため、抗菌・防カビ塗料を選ぶことで、庇の美しい仕上がりを維持し、メンテナンスの手間を減らすことができます。冬は乾燥する一方で、風による影響を受けやすい季節です。このため、塗料は耐久性に優れたものを選ぶことがポイントです。特に、耐候性の高い塗料を使用することで、寒風によるダメージを最小限に抑えることが可能です。また、岡崎市は雨も多い地域であり、雨水が外壁塗装面や庇に与える影響を考慮することも大切です。撥水性の高い塗料を選ぶことで、雨水が外壁塗装面に染み込みにくくなり、構造材を守ることができます。これにより、腐食や劣化の進行を抑えることができるでしょう。さらに、塗料の色選びも重要です。明るい色合いは熱を反射し、内部温度の上昇を防ぐ効果があります。逆に、暗い色は熱を吸収し、夏の暑さを増幅させる可能性があるため、地域の気候に合わせた選択をすることが望ましいです。特に庇の色は外観だけでなく、室内環境にも影響を与えるため慎重に選ぶべきです。以上のように、岡崎市特有の気候を考慮した塗料選びは、外壁塗装において欠かせない要素です。岡崎市の外壁塗装を行う際は、地域の環境に合った特性を持つ塗料を選ぶことで、見た目だけでなく、機能性や耐久性も高めることができます。結果として、庇を美しく保ち、長期間にわたって住まいを守ることができるのです。 施工の流れと成功のコツ 外壁塗装を行う際の施工の流れは、主に以下のステップで進みます。1. **事前準備**まずは、施工する場所の下地確認を行います。外壁塗装面のひび割れや剥がれがあれば、その程度を確認し、適切な補修を行います。また、庇の状態もチェックし、必要に応じて清掃します。この段階での準備が、後の作業の成功に繋がります。2. **養生**次に、塗装を行わない部分への養生を施します。塗料が付着してしまうと、仕上がりに影響を及ぼすため、マスキングテープやシートを使用してしっかりと保護します。このステップを怠ると、後での修正が手間となりますので注意が必要です。3. **下塗り**下地の補修が終わったら、下塗りを開始します。下塗りは塗料の接着を良くし、仕上がりを美しくするために欠かせません。庇の部分も忘れずに下塗りを行い、しっかりとした基盤を作ります。4. **中塗りと上塗り**次に、中塗りと上塗りを行います。これらの塗装は、塗料の特性に応じて異なる厚さで行うことがポイントです。中塗りは、塗料の色をしっかりと確認できる大事なステップとなります。上塗りでは、最終的な仕上がりを決定づける重要な工程ですので、丁寧に行いましょう。5. **乾燥と確認**塗装が終わったら、乾燥を待ちます。乾燥時間は塗料の種類によって異なりますので、必ずメーカーの指示に従い、十分な時間を置きます。その後、仕上がりを確認し、気になる点がないかチェックします。6. **後片付け**最後に、使用した道具や養生材の撤去を行います。周囲を清掃し、施工前の状態に戻して完了です。この時、施主の方にも最終確認をしていただき、問題があればこの段階で対処することが望ましいです。### 成功のコツ施工を成功させるためのポイントは、次の3つです。- **適切な塗料の選定**庇は日光や雨風にさらされるため、耐久性の高い塗料を選ぶことが大切です。防水効果やUVカット機能がある製品を検討すると良いでしょう。- **天候を考慮する**塗装は天候に左右されるため、施工する日時を慎重に選ぶ必要があります。雨や風の強い日を避け、晴れた穏やかな日を選ぶことで、効率よく作業が行えます。- **経験豊富な施工業者選び**信頼できる施工業者を選ぶことが、成功の鍵です。施工実績やクチコミを参考にし、自分のニーズに合った業者を選びましょう。以上が、岡崎市の外壁塗装における施工の流れと成功のコツです。これらのポイントを押さえて、自宅の庇を美しく蘇らせましょう。 大府市・豊明市・岡崎市で外壁塗装・屋根塗装なら愛知建装にお任せください! 愛知建装は地域密着の外壁塗装・屋根塗装・雨漏り専門店です。 お見積もり提案から施工まで親切・丁寧・バカ真面目をモットーに、お客様にとって最善のご提案を心がけております。 弊社所属の経験豊富な熟練の一級塗装技能士の職人による正直な施工で、地域の皆様に愛される「地域優良一番店」を目指しております。 お問い合わせは、お電話またはメールにて承ります!      相談無料・診断無料・見積もり無料 お電話の場合はこちら:0120-38-8221 メールの場合はこちら:お問合せ専用フォーム 来店予約の場合はこちら:ショールーム詳細ページ 雨漏り診断の場合はこちら:無料診断依頼用フォーム 料金表についてはこちら:サービス・料金詳細ページ 施工事例も定期的に更新しておりますのでぜひご覧ください!

2025.09.23(Tue)

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コラム

【大府市】ダイワハウスのお住まいの外壁塗装・屋根塗装のお見積もりのご依頼、ありがとうございます!!ハウスメーカーの塗装工事は愛知建装

大府市の外壁塗装・屋根塗装・防水工事専門の愛知建装です。 あなたへより良い塗装工事のために、おいしい食パンを届けて頑張っております!!   しつこい営業は一切なし!無料お見積もりはこちら!!   塗料に関する熱量がハンパない!!…外壁塗装・屋根塗装・防水工事専門業者の愛知建装の三浦です。   外壁塗装・屋根塗装などその他の工事はこちら!!   大府市の皆様、こんにちは! 本日の熱量がハンパないブログはこちら!   とっても納得のお見積もりをご希望の方はこちら!!   今回は大府市のお客様のお宅に外壁塗装・屋根塗装の見積もりのご依頼で現地調査へ行きました! 築35年のダイワハウスのお住まい、さっそく見ていきましょう!!   ①ザ・大和ハウス!! 外壁塗装と屋根塗装の施工の見積もりになります。   ②角度チェンジ! 傷んでなさそうに見えますね(笑)   ⓷一見、艶があり、すぐの外壁塗装工事の必要はなさそうですが・・・。   ④雨樋や屋根などは塗装のタイミングを迎えています。 まさしく屋根塗装ヌリヌリ~!   ⓹このような窓飾りも施工していくのですが、職人の腕が試されますね!   まずは他社さんに負けない提案をして、愛知建装に任せてもらえるように頑張ります!   丁寧な工事を心掛けて…、これこそが『愛知建装クオリティー』!!   このように当社のセールスポイントは他社を圧倒する丁寧さです!! 当社はお客様のために、国家資格である一級塗装技能士が施工・管理を行い、徹底的に外壁塗装・屋根塗装工事を行っております。   愛知建装は外壁塗装・屋根塗装・防水工事以外の工事でも、瓦屋根の漆喰工事・コーキング工事・板金工事などの工事を安心・安全・お値打ち価格にて承っております!! ただ単純に外壁塗装工事だけではなく、ひと手間を惜しむ業者さんがほとんどの昨今、愛知建装では長く持たせるためのひと手間を惜しみません!! お客様の『ありがとう』が私たちのエネルギーです!   しつこい営業は一切なし!無料お見積もりはこちら!!   それ以外のことでも当社では経験豊富な専任スタッフによる、的確かつ丁寧な説明でお客様にご安心頂ける提案をしております。 お客様の利益のために、安心・安全を心がけて日々精進して参ります!! 些細なことでも外壁塗装・屋根塗装・防水工事に関しましては専門業者である愛知建装へお任せください!   はじめに 大府市にお住まいで、ダイワハウスにお住まいの方の中には「外壁の塗装をそろそろ考えないと…」と感じている方も多いのではないでしょうか。ダイワハウスは大手ハウスメーカーであり、高品質な住宅を提供していることで有名です。しかし、どんなに優れた住宅であっても、年月とともに外壁や屋根の塗装は劣化していきます。その際に「どこに依頼すべきか」で悩む方が非常に多いのが実情です。 ここでおすすめしたいのが、大府市を中心に活動している 愛知建装 です。本記事では「なぜダイワハウスの塗装工事を愛知建装に依頼するのがメリットなのか」を徹底的に解説します。 ダイワハウスの住宅と塗装の特徴 ダイワハウスの住宅は、独自の工法や外壁材を採用しているため、一般的な戸建て住宅とは異なる塗装知識が必要です。たとえば、 プレハブ工法による構造 特殊な外壁材(ALCやサイディングなど) 高断熱仕様に伴う塗膜の選定ポイント これらを正しく理解して施工できる業者でなければ、せっかくのリフォームが台無しになる可能性があります。ダイワハウス住宅の塗装には「経験豊富な専門業者」の存在が不可欠です。 愛知建装に依頼するメリット 1. ダイワハウス施工経験が豊富 愛知建装は大府市を中心に、多くのダイワハウス住宅の施工実績があります。住宅メーカーごとに特徴が異なるため、経験の有無は施工の仕上がりや耐久性に大きな差を生みます。愛知建装は過去の実績から、最適な塗料選びや施工方法を熟知しています。 2. 地元密着型で安心サポート 大府市に根ざした塗装会社であるため、施工後のアフターフォローも迅速です。大手ハウスメーカーに直接依頼するよりも、地元企業ならではのスピード感と柔軟な対応が期待できます。「ちょっと気になる部分がある」という相談にも気軽に対応してもらえる点は、大きな安心材料です。 3. コストパフォーマンスに優れる 大手ハウスメーカーに塗装工事を依頼すると、中間マージンが発生するため費用が高額になりがちです。一方、愛知建装は自社施工で中間業者を挟まないため、費用を抑えつつ高品質な施工を実現しています。見積もり段階から明確で、追加料金の心配も少ないのが特徴です。 4. 最新塗料と技術の導入 耐久性・美観・遮熱効果などを考慮し、愛知建装では最新の高性能塗料を積極的に導入しています。大府市の気候に適した塗料を選ぶことで、住まいの寿命をさらに延ばすことができます。 5. 長期保証で安心 塗装工事は見た目が美しく仕上がっても、数年後に剥がれたり色あせたりしては意味がありません。愛知建装では長期保証を提供しており、施工後も安心して暮らせる環境を支えてくれます。 他社との比較 大手ハウスメーカーや他の塗装業者に依頼する場合と比較してみましょう。 大手ハウスメーカー直営:安心感はあるが、価格が高額で工期も長くなる傾向がある。 一般的な塗装業者:費用は安めだが、ダイワハウス住宅特有の構造を理解していないケースがある。 愛知建装:コストと品質のバランスが良く、ダイワハウスの施工経験も豊富。 この比較からも、愛知建装は大府市でダイワハウスに住んでいる方にとって最適な選択肢であることが分かります。 塗装工事の流れ(愛知建装の場合) 現地調査:建物の劣化状況を丁寧に確認 見積もり提示:明確で分かりやすい価格設定 塗料の選定:お客様の希望に応じた最適な塗料提案 施工:熟練職人による丁寧な塗装作業 アフターフォロー:施工後の点検や不具合対応 この流れが徹底されているため、安心して任せることができます。 まとめ 大府市でダイワハウスの塗装工事を検討するなら、愛知建装に依頼することを強くおすすめします。施工経験の豊富さ、コストパフォーマンス、地域密着のサポート体制など、他社にはないメリットが数多くあります。長く快適に住み続けるためには、信頼できる塗装業者選びが欠かせません。ぜひ一度、愛知建装へ相談してみてください。 ダイワハウスのお住まいがなぜ外壁塗装が必要なのか? ダイワハウスは日本を代表する大手ハウスメーカーの一つで、堅牢な構造や高品質な住宅で知られています。しかし、どんなに優れた住宅であっても、年月の経過とともに外壁や屋根は劣化していきます。特に外壁は雨風や紫外線に直接さらされる部分であり、定期的な塗装メンテナンスが不可欠です。本記事では「なぜダイワハウスの住宅に外壁塗装が必要なのか」を徹底的に解説していきます。 ダイワハウスの住宅と外壁の特徴 ダイワハウスの住宅は独自の工法や高性能な外壁材を採用している点が特徴です。代表的な外壁仕様には以下のようなものがあります。 ALCパネル(軽量気泡コンクリート):高断熱・高耐火性能を誇るが、表面塗膜の劣化による防水性能低下に注意が必要。 サイディング材:意匠性が高いが、シーリング部分の劣化によって雨水の浸入リスクがある。 タイル外壁:高耐久性を持つが、目地や下地塗装の劣化が起こりうる。 これらの外壁は一見すると長寿命に見えますが、実際には塗装による保護が不可欠です。なぜなら、塗装は「美観維持」だけでなく「防水性能の確保」に直結しているからです。 外壁塗装が必要となる理由 1. 防水機能を維持するため ダイワハウスの住宅は高断熱・高気密が魅力ですが、外壁の防水性能が低下すると内部に湿気や雨水が侵入し、建物の寿命を縮める恐れがあります。塗装によって外壁を保護することで、防水性能を長期間維持できます。 2. 美観を保つため 外壁は住宅の第一印象を決める重要な要素です。色あせや汚れが目立つと、住宅全体が古びて見えてしまいます。外壁塗装を行うことで新築時のような美しさを取り戻すことができます。 3. 構造体の劣化を防ぐため 塗膜が劣化するとひび割れや剥がれが発生し、そこから雨水が浸入します。これにより木材部分や鉄骨部分が腐食・錆びるリスクが高まります。ダイワハウスは鉄骨住宅も多いため、錆びの進行は特に注意が必要です。 4. 光熱費削減につながる 遮熱・断熱効果のある塗料を選ぶことで、夏は涼しく冬は暖かい住まいを実現できます。外壁塗装は単なる修繕ではなく、省エネ効果を高めるリフォームでもあります。 5. 資産価値を維持するため ダイワハウスの住宅は資産価値が高いと評価されていますが、外観の劣化が進むと売却時の価格に影響を与えます。定期的に塗装メンテナンスを行うことで、住宅の資産価値を守ることができます。 外壁塗装のタイミングはいつ? 「外壁塗装はいつやるべき?」という疑問を持つ方も多いでしょう。一般的には 築10年が目安 と言われていますが、外壁材や立地条件によって適切な時期は変わります。以下のサインが見られる場合は要注意です。 外壁の色あせやチョーキング(白い粉が手につく現象) ひび割れや塗膜の剥がれ シーリングのひび割れや痩せ コケやカビの発生 これらの症状が出ている場合は、すぐに専門業者に点検を依頼することをおすすめします。 ダイワハウス住宅の外壁塗装における注意点 ダイワハウス住宅の塗装には一般住宅とは異なる注意点があります。 メーカー仕様を理解している業者に依頼すること: 特殊な外壁材を使用しているため、経験のない業者だと適切な塗料選びができない可能性があります。 高耐久塗料を選ぶこと: ダイワハウスの性能を活かすためには、シリコンやフッ素、無機塗料など耐久性の高い塗料を選ぶのがおすすめです。 シーリングの打ち替えを忘れないこと: サイディング住宅の場合、外壁塗装と同時にシーリング工事を行うことで防水性能を長持ちさせられます。 外壁塗装を依頼する際のポイント 外壁塗装は決して安い工事ではありません。そのため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。 実績があるか確認:ダイワハウス住宅の施工経験が豊富な業者を選びましょう。 見積もりが明確か:内訳が不明瞭な見積もりは注意が必要です。 保証制度があるか:施工後も安心できる保証があるか確認しましょう。 まとめ ダイワハウスのお住まいにおける外壁塗装は、美観を維持するだけでなく、防水性や耐久性を高め、住宅の寿命を延ばすために欠かせない工事です。築年数が10年を超えている、あるいは劣化のサインが見えてきたら、外壁塗装を検討するタイミングです。特にダイワハウスのような高性能住宅の場合、施工実績が豊富な専門業者に依頼することで安心して任せられます。     大府市の外壁塗装専門店、愛知建装へのお問い合わせはこちらから!! 大府市地域密着の外壁塗装専門店の愛知建装自慢の施工実績はこちらから!! 大府市の外壁塗装専門店の愛知建装がいただいたお客様の声はこちらから!! 豊明市・大府市・名古屋市・東郷町・岡崎市・豊田市・刈谷市・知立市・安城市・みよし市・日進市・幸田町の外壁塗装・屋根塗装・コーキング工事・板金工事・防水工事・左官工事は愛知建装へ!

2025.09.23(Tue)

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大府市モルタルスレート塗装工事外壁塗装屋根塗装付帯塗装劣化診断

用語集その②!!~建物の部位解説~

本日も建物の部位に注目して名称解説していきます!!   ①ベランダ(べらんだ) 1. ベランダの定義 **ベランダ(veranda)**とは、住宅の外壁から張り出した屋外スペースで、上部に屋根や庇(ひさし)があるものを指します。主に2階以上の住宅に設けられ、洗濯物を干すスペースとして使われることが多いです。 2. バルコニーとの違い よく混同される「バルコニー」との違いは以下の通りです: 項目 ベランダ バルコニー 屋根の有無 あり(屋根や庇が付いている) なし(完全に屋外) 位置 主に2階以上 同じく2階以上が多い 用途 洗濯物干し・避難・換気など 観賞・ガーデニングなど多目的 ※地域や建築会社によっては、名称があいまいに使われていることもあります。 3. ベランダの主な用途 用途 説明 ✅ 洗濯物干し 屋根付きなので雨の影響を受けにくく、人気の用途。 ✅ 換気・採光 窓とつながっており、風通しと明るさを確保。 ✅ 避難経路 火災時などに避難経路として使用される設計も。 ✅ 物置スペース 室外機や清掃用具の置き場としても活用可能。 4. ベランダの構造・部材 部材名 役割 床面(デッキ) 防水処理が施され、雨水の排水ができるようになっている。 手すり・笠木 安全性を確保するための柵部分。 庇(ひさし)・屋根 雨や日差しから守るための上部構造。 排水口・ドレン 雨水がたまらないよう排水する装置。 5. ベランダの劣化とメンテナンス ベランダは外部に露出しているため、風雨や紫外線の影響を強く受けます。 劣化症状 原因 対処法 床面のひび割れ・剥がれ 防水層の劣化 ウレタン塗膜防水などの再施工 雨漏り 排水不良・防水不良 排水口の清掃、防水工事の再施工 手すりのサビ 金属の酸化 サビ落とし+防錆塗装 カビ・藻の発生 湿気・通気不良 高圧洗浄+防カビ処理 6. 外壁塗装と同時に行うベランダのチェックポイント 外壁塗装のタイミングで、ベランダも同時に点検・補修・防水施工を行うのが非常に効果的です。 足場設置のコストをまとめられる 防水層の劣化を早期に発見 雨漏り防止に直結 手すりの塗装・交換も一緒に可能 まとめ ベランダはただの洗濯物干しスペースではなく、住宅の防水・換気・美観を支える重要な部分です。放置すれば雨漏りや外壁の劣化につながるため、外壁塗装の際にベランダ防水や手すりの補修をセットで行うのがおすすめです。 ②バルコニー(ばるこにー) 1. バルコニーの定義 **バルコニー(balcony)**とは、建物の外壁から張り出した屋外スペースで、基本的に屋根や庇(ひさし)がない構造を指します。主に2階以上に設けられ、洗濯物干しやガーデニング、日光浴などの用途で使われることが多いです。 2. ベランダとの違い よく混同される「ベランダ」との違いは、屋根の有無が最大のポイントです。 項目 バルコニー ベランダ 屋根の有無 なし(屋外空間) あり(庇やひさし付き) 開放性 高い(空が開けている) やや低い(屋根で覆われている) 主な使い道 観賞・ガーデニング・リラックス 洗濯物干し・雨よけ 3. バルコニーの種類 種類 説明 ✅ ルーフバルコニー 下階の屋根部分を利用した広いバルコニー。 ✅ インナーバルコニー 建物の内側に引っ込んだ形で設けられた半屋外空間。 ✅ アウトドアバルコニー 張り出し型で、手すりなどが付いた開放的な空間。 4. バルコニーの用途 用途 詳細 ✅ ガーデニングスペース プランターや鉢植えで家庭菜園や花の管理ができる。 ✅ リラックス空間 椅子やテーブルを置いて朝食や読書にも◎。 ✅ 洗濯物干し 屋根がないため日当たりが良く、乾きが早い。 ✅ 非常時の避難経路 万が一の火災時には避難経路としても有効。 5. バルコニーの構造と素材 部位 特徴 床面(デッキ) 防水処理が必要。FRPやウレタン塗膜が一般的。 手すり・柵 安全確保のため設置。金属やアルミ、ガラスなど多様。 排水口(ドレン) 雨水をスムーズに排出する装置。定期的な清掃が必要。 6. 劣化症状とメンテナンスポイント 劣化箇所 原因 対策 床面のひび割れ 経年劣化・紫外線 防水塗装の再施工 排水不良 落ち葉・ゴミの詰まり 排水口の定期清掃 手すりのサビ 雨水・結露 防錆塗装や部品交換 雨漏り 防水層の劣化 防水工事・シーリング補修 7. 外壁塗装とバルコニー防水の関係 外壁塗装のタイミングで、バルコニーの点検・防水処理も同時に行うのが効果的です。 足場を共用できるためコスト効率が良い 雨漏りリスクを大幅に減らせる 外観の統一感が出て資産価値もアップ まとめ バルコニーは、日常生活の中で癒しの時間を生み出す半屋外のリラックス空間でありながら、防水や排水の管理を怠ると住まいの寿命に大きく影響する部分でもあります。 外壁塗装や住宅のメンテナンスを考える際は、バルコニーの防水・補修・清掃も忘れずにチェックしましょう。 ③シャッターボックス(しゃったーぼっくす) シャッターボックスの基本構造 シャッターボックスは、シャッターの巻き取り機構と収納部を内蔵しており、シャッターを開閉する際に巻き上げたシャッターを格納する場所です。一般的に、上部(または側部)に取り付けられています。 主な構成 シャッター本体(スラット):金属製や樹脂製の板が連結された部分。 巻き取りドラム(スプリング付き):シャッターを巻き上げるための軸。 シャッターボックス:この巻き取りドラムやシャッター本体を収納するカバー。 操作部:手動(ヒモ・チェーン)または電動(リモコンなど)。 🏠 用途・設置場所 用途 設置場所 防犯・防風・防音 戸建住宅の窓・勝手口 日除け・遮光 店舗の出入口や倉庫 プライバシー保護 住宅のバルコニー側窓など 🎨 外壁塗装との関係 外壁塗装・リフォームの現場では、シャッターボックスも塗装対象になることがあります。以下の点が重要です: 素材は主にスチールやアルミ:下地処理や密着性の高い塗料選定が重要。 既存の塗膜が劣化している場合:ケレン(研磨)などでしっかり下処理。 可動部に塗料が入らないように:マスキングが必要。 🧾 メンテナンスのポイント 異音や重さを感じたら:内部のバネやシャフトの劣化かも。 塗装が剥げてきたら:錆が出る前に再塗装。 操作が硬い時:潤滑剤の注油や点検が有効。 🏗️ よくある設置パターン ビルトインタイプ:新築時に外壁に埋め込む。見た目がスッキリ。 後付けタイプ:リフォームなどで追加設置される外付けのボックス。 電動シャッター対応ボックス:モーターが内蔵されており、サイズが大きめ。 ✅ まとめ 項目 内容 定義 シャッターを巻き取って収納するための箱状の部分 主な素材 アルミ、スチール 関連工事 外壁塗装時の塗装対象・メンテナンス対象になることが多い 注意点 動作機構を塗料で固めないよう配慮が必要   ④シャッタースラット(しゃったーすらっと) シャッタースラットとは? シャッタースラットは、横方向に連結された細長い板状のパーツで、シャッターの開閉時に上下に動くことで開口部を開け閉めします。 ▶ スラットの構造 複数のスラットがピンやジョイントで連結されており、柔軟に曲がることで巻き取ることができます。 巻き上げるとシャッターボックスの中に格納されます。 強風や衝撃にも耐えるよう、高い強度と柔軟性を兼ね備えている必要があります。 🏭 主な材質 材質 特徴 ガルバリウム鋼板 耐久性・耐食性が高く、外部に多く使用される アルミ合金 軽量で錆びにくく、住宅用や軽量シャッターに多い ステンレス 高耐久・高価。防錆性能が重要な場所に使われる 樹脂(PVC等) 軽くて静音性が高いが、耐久性はやや低い 🎨 塗装やメンテナンスとの関係 🔧 塗装の注意点 スラットは可動部品のため塗膜の柔軟性が必要です。 塗料が隙間に入り固着すると開閉不良を引き起こします。 塗装前には脱脂・ケレンをしっかり行い、**密着性の高い塗料(2液ウレタン・フッ素系など)**を選ぶのが理想です。 🛠 メンテナンスポイント 歪み・凹みがあると巻き取り不良に。 異音や動きの悪さはスラットの変形やゴミ詰まりが原因の場合あり。 長年使用で塗膜が剥がれる/錆が出る → 再塗装・交換対象。 📌 用語の比較:シャッター構成との違い 用語 内容 シャッター本体 スラットが連なったもの全体。開口部を閉じる役割 シャッターボックス 巻き取ったスラットを収納する箱 スラット 羽根板、シャッター本体を構成する帯状部材 ガイドレール スラットが昇降するための左右のレール ✅ まとめ 項目 内容 定義 シャッター本体を構成する帯状の部材(羽板) 主な材質 ガルバリウム鋼板、アルミ、ステンレス、樹脂 関連工事 シャッター塗装・交換・調整・洗浄 注意点 塗料の選定や可動部への固着防止が重要   ⓹ウッドデッキ(うっどでっき) ウッドデッキの定義 **ウッドデッキ(Wood Deck)**とは、主に以下のような特徴を持つ構造物です。 屋外に設置される床材構造 天然木や人工木で施工される 地面または建物に接続される形で設置 憩い・家族の団らん・BBQなどの利用に最適 🧱 主な材質と特徴 材質 特徴 天然木(ハードウッド) ウリン、イペなど。高耐久・高価・重厚感がある 天然木(ソフトウッド) 杉、ヒノキなど。価格は安価だが定期メンテが必要 人工木(樹脂木) 木粉+樹脂。メンテナンス性が高く腐食しにくい 完全樹脂製 雨や日差しにも強く、変色や腐食がしにくい 🛠 ウッドデッキの構造 ウッドデッキは次のようなパーツで構成されています: 床板(デッキ材):実際に歩く部分。木材や人工木。 根太(ねだ):床板を支える横方向の構造材。 束柱・束石:ウッドデッキを地面に固定する柱や基礎。 幕板:外周を囲う見栄えのよいカバー板。 🏡 主な設置場所と用途 設置場所 用途例 庭(中庭) テーブルやイスを置いて団らんスペースに ベランダ・バルコニー 洗濯物干し場やプランター置き場に 店舗(カフェ・レストラン) テラス席・喫煙スペースに 温泉・旅館 露天風呂周りに設置し高級感を演出 🧽 メンテナンスと耐久性 🔧 天然木のメンテナンス 定期的な**塗装(防腐・防虫・防カビ)**が必要 表面のささくれ・反り・割れに注意 🧼 人工木のメンテナンス 基本は水洗いでOK 直射日光により若干の退色はあるが、腐食しにくい 💡 ウッドデッキのメリット・デメリット メリット デメリット 庭との段差をなくしてバリアフリー空間に 定期メンテナンスが必要(特に天然木) 家族やペットの憩いスペースになる 高温時は表面が熱くなりやすい 家の外観にナチュラル感を演出できる 設置費用が高いこともある ✅ まとめ 項目 内容 定義 屋外に設置する木製または人工木製の床構造物 主な素材 天然木(ウリン、ヒノキなど)、人工木 主な用途 テラス・中庭・バルコニー・店舗の外席など 注意点 素材によってメンテナンスの頻度が異なる   ⑥濡れ縁(ぬれえん) 「濡れ縁(ぬれえん)」とは、**日本の伝統的な住宅建築に見られる屋外の縁側(えんがわ)**の一種で、主に雨ざらしの場所に設けられた板張りのスペースを指します。和風住宅に多く見られ、庭と室内の中間的な空間として、機能性と美しさを兼ね備えた特徴的な構造です。 🏡 濡れ縁の定義 濡れ縁とは: 室内の縁側とは異なり、屋外(雨に濡れる場所)に設けられた、床より一段低い木製の板敷きのスペース。通常は軒先や掃き出し窓の外に設置され、庭との中間領域としての役割を果たします。 🌿 濡れ縁の特徴 特徴 説明 屋外設置 屋根があっても雨が吹き込むことがある場所に設置される 素材は木材が主流 昔ながらの住宅ではヒノキ・杉などが使われる 高さが低い 室内の縁側よりも1段低いことが多い 庭とのつながり 庭に出るためのステップ的な役割を持つ 腰掛け・物干しにも便利 座ったり、洗濯物の一時置きに使われることも 📏 一般的な構造 デッキ材:表面の板。雨風に強い木材を使用。 根太(ねだ)・大引き:床下の構造材。 束柱・束石:地面と接地する支柱と基礎石。 幕板:正面を見栄えよくするための板(オプション)。 🛠 使用される素材(現代) 素材 特徴 天然木(ヒノキ、杉、イペなど) 自然素材で風合いが良いがメンテナンスが必要 樹脂木(人工木) 雨風に強く腐食しにくい。最近は主流になりつつある アルミ製 劣化に強く、耐久性が非常に高い 💡 濡れ縁とウッドデッキの違い 比較項目 濡れ縁 ウッドデッキ 設置場所 掃き出し窓の外、和室前 広い庭、テラス空間 高さ 比較的低め 室内床面と同じか高め 主な用途 庭への出入り、腰掛け 家族の団らん、BBQなど多目的 雰囲気 和風・伝統的 ナチュラル・モダン 🧽 メンテナンス 天然木製の場合:防腐剤や塗装を定期的に塗布する必要あり 人工木製の場合:軽い水洗い程度でOK 雨ざらしになるため、苔・カビの発生や腐食に注意 ✅ まとめ 項目 内容 定義 雨のかかる場所に設けられる外部の縁側(腰掛けや通路) 素材 天然木、人工木、アルミなど 特徴 庭と室内の中間空間として、実用性と美観を兼ねる 用途 腰掛け、庭への出入り、物干しなど メンテナンス 素材によって異なるが、防腐対策は必須   ⑦笠木(かさぎ) 「笠木(かさぎ)」とは、手すりや塀、パラペット(立ち上がり壁)、腰壁などの上部に取り付けられる仕上げ材・保護材のことを指します。建築や外構(エクステリア)において、**見た目の美しさ(意匠性)と、雨水の侵入防止や劣化防止(防水性・耐久性)**の両方の役割を担う重要な部材です。 🧱 笠木の定義と役割 項目 内容 名称 笠木(かさぎ) 設置場所 手すり、腰壁、ベランダ・バルコニーの立ち上がり、ブロック塀、フェンスの上端など 目的 防水・美観・耐久性の向上・仕上げ材の保護 🛡 笠木の主な役割 ☔ 防水保護 雨水が壁やブロック内部に染み込むのを防ぐ 特にバルコニーのパラペット(立ち上がり壁)上部は、笠木がないと雨水が浸透し、雨漏りや構造体の腐食の原因になることも。 🎨 意匠性・デザイン 全体の仕上がりを引き締めるアクセントとなる。 素材や色によって、建物の印象を美しく見せることが可能。 🔧 補強と保護 外的衝撃や紫外線による劣化を軽減。 人が触れる部分の安全性や手触りの向上にも寄与(特に手すりや腰壁)。 🧰 主な素材と特徴 素材 特徴 主な用途 ガルバリウム鋼板 軽量・防錆性が高く、加工しやすい 外壁・バルコニー・手すり アルミ笠木 軽くて耐候性に優れ、カラーも豊富 高層マンション・外構 ステンレス笠木 錆に強く高級感がある 商業施設・屋上 コンクリート製 ブロック塀などに一体成形されることが多い 外構塀 木製(天然木・人工木) 自然な風合いが魅力だが、劣化しやすい ウッドデッキ・和風建築 🏗 よくある設置箇所と例 設置場所 笠木の役割 バルコニーのパラペット 雨水の侵入を防ぐ、防水層保護 屋上の立ち上がり部分 雨仕舞(あまじまい)処理として重要 ブロック塀の上部 水の浸透・凍害の防止、美観の向上 木製フェンスの上 腐食を防ぐための保護カバー ⚠️ 笠木の劣化・不具合のリスク シーリングの劣化による雨水侵入 浮きやズレがあると、台風時に飛散リスク 金属製の場合、塗膜劣化によるサビ発生 見た目の古びた印象にもつながる → 定期的な点検・塗装・シーリング補修が重要! ✅ まとめ 項目 内容 定義 壁・塀・手すりなどの上部に取り付ける仕上げ材・保護材 主な目的 防水、保護、美観 使用素材 ガルバリウム鋼板、アルミ、ステンレス、木材、コンクリートなど 関連工事 外壁塗装・バルコニー防水・外構工事など 注意点 シーリング劣化、錆、浮きなどの点検が必要   ⑧熨斗水切り(のしみずきり) 「熨斗水切り(のしみずきり)」とは、主に日本家屋や和風住宅において、外壁や基礎との取り合い部に取り付けられる水切り板金の一種です。名前の由来は、形状が「熨斗(のし)」に似ていることからきています。 雨水が建物内部に侵入しないようにする防水処理の一環として用いられ、特に和風住宅の意匠に調和するような独特の形状を持っているのが特徴です。 🧱 熨斗水切りとは? 項目 内容 読み方 のしみずきり 別名 熨斗板金、水切り板金(装飾タイプ) 設置位置 外壁と基礎の取り合い、庇の下、幕板の下など 主な目的 雨水の侵入防止・建物の劣化防止・装飾性の向上 💧 役割と重要性 1. 水切り(防水) 外壁を伝って落ちてきた雨水が基礎部分や構造材に染み込まないようにする。 外壁の仕上げ材の末端に取り付けて、雨だれを遮断する。 2. 意匠性(和風デザインとの調和) 熨斗(祝儀袋などに使われる飾り)のように、水平に張り出した段差状の形状が特徴的。 和風住宅の外観と美しく調和するデザイン性がある。 3. 外壁材の保護 壁材の端部に取り付けることで、紫外線や雨風による劣化を防止。 壁の下端が水を吸い上げる「毛細管現象」のリスクも軽減。 🔨 主な素材と形状 素材 特徴 ガルバリウム鋼板 耐久性が高くサビにくい。現代和風に多い トタン(亜鉛メッキ鋼板) 安価だが耐久性はやや劣る 銅板・ステンレス 高級和風建築に使われることもある 形状 一般的な「L型」や「Z型」の水切りに比べて、緩やかに段差をつけた立体的な折り返し構造を持つ。 「のし折り」という伝統的な板金技法による装飾的形状。 🏡 よく使われる場所 設置箇所 理由 外壁と基礎の間 雨水の浸入を防ぎ、基礎の汚れ・劣化を防止 木製外壁の下端 吸水・腐食を防止するための保護材 腰壁・土台水切り上部 土台や内部構造を保護するため ⚠️ メンテナンスのポイント 錆び・浮き・剥がれがあると、雨水が壁内部に侵入するリスク。 シーリングや釘打ち部の劣化にも注意。 塗装工事の際には、水切りの塗装 or 交換も同時に検討されることが多い。 ✅ まとめ 項目 内容 定義 和風住宅で外壁や基礎の間に取り付けられる段差状の水切り板金 目的 雨水の侵入防止・建物の保護・和風意匠との調和 特徴 熨斗のような段差形状・高いデザイン性 素材 ガルバリウム鋼板、銅板、ステンレスなど 関連工事 外壁塗装・板金交換・和風リフォームなど   ⑨土台水切り(どだいみずきり) 「土台水切り(どだいみずきり)」とは、建物の**外壁と基礎(土台)の取り合い部分に取り付けられる金属製の板(板金)**で、雨水の侵入を防ぎ、建物の耐久性を高めるための重要な部材です。現代住宅ではほぼ標準的に採用されています。 🧱 土台水切りとは? 項目 内容 読み方 どだいみずきり 英語表現 Base flashing、Sill flashing など 設置場所 建物の外壁と基礎コンクリートの境目(最下部) 主な目的 雨水を外壁内に侵入させない、水の切れを良くする、防腐・防蟻の補助、見た目の美観 💧 土台水切りの役割 1. 雨水の侵入を防ぐ 外壁を伝って落ちてくる雨水が、壁の内側や構造材(土台・柱)に侵入しないようにガード。 特に「透湿防水シート(タイベックなど)」の末端からの水滴を外部に逃がす出口になる。 2. 毛細管現象の防止 壁材と基礎の境目に隙間があると、雨水が逆に**吸い上げられる(毛細管現象)**ことがある。 土台水切りはこれを物理的に遮断する役割も担う。 3. 防蟻処理との相性 一部の仕様では防蟻薬剤の散布されたゾーンと接する部分に設置され、白蟻の侵入ルートを遮る補助的な役割も。 4. 見た目の美観を整える 基礎と外壁材の取り合い部はデコボコしやすいが、土台水切りできれいにラインを整えることができる。 🛠️ 形状と素材 📐 形状 一般的には「L型」「Z型」や、さらに水返しの折り返しが付いた形(雨仕舞重視)になっている。 上部に**通気用のスリット(穴)**が設けられているタイプもある(※通気工法対応)。 🔩 素材 素材 特徴 ガルバリウム鋼板 軽量・耐久性・耐食性に優れ、現在主流 アルミ 軽くて加工しやすい。住宅用で多用される ステンレス 耐久性・防錆性が非常に高く、高級住宅にも 🏡 よくある使用場所 使用場所 補足説明 外壁材と基礎の境目 サイディングやモルタルなどとの接点 通気工法の最下部 通気層から入った湿気を逃がす出口としても重要 ⚠️ 注意点・劣化のリスク トラブル 原因 シーリングの劣化 水切りと壁材の隙間が開くことで雨水浸入 サビ・腐食 金属板が露出していて塗膜が劣化している場合 浮き・外れ 経年劣化や地震などの影響 通気不良 スリットが詰まっていると湿気が抜けず内部結露リスク ✅ まとめ 項目 内容 定義 外壁と基礎の間に設置する金属製の水切り板 目的 雨水浸入防止・通気・美観の整え・白蟻や腐食リスクの軽減 素材 ガルバリウム鋼板、アルミ、ステンレスなど 施工上のポイント 防水シートの末端処理とセットで施工されることが重要   ⑩基礎 「基礎(きそ)」とは、建物の最下部に設けられる構造部分であり、建物の重さ(自重)や地震・風などの外力を地面に安全に伝えるための非常に重要な構造要素です。 簡単に言えば、**建物を支える「土台のさらに下の部分」**であり、「建物と地面をつなぐ構造体」です。 🏗 基礎の役割 役割 内容 荷重の伝達 建物全体の重さや使用時の荷重を、地盤へ均等に分散して伝える 地盤沈下の防止 不均等な沈下(不同沈下)を防ぎ、建物の傾きを抑える 耐震性の確保 地震力を地盤に逃がすことで、建物の倒壊や損傷を防止 防湿・防蟻 地面からの湿気やシロアリの侵入を抑えるためのバリア的機能 🧱 基礎の構造タイプ 建物の用途・構造・地盤条件によって、以下のような基礎の形式があります。 ① ベタ基礎(スラブ基礎) 建物の床下全体を鉄筋コンクリートで覆うタイプ 戸建住宅や木造住宅で最も主流 防湿性・耐震性が高い ✅ メリット:耐震性・不同沈下への耐性が強い⚠ デメリット:掘削・コンクリート量が多く施工費がやや高め ② 布基礎(ぬのきそ) 建物の柱・壁の下だけに連続してコンクリートを打設するタイプ 昔ながらの木造住宅に多い ✅ メリット:施工が比較的簡単でコストが安い⚠ デメリット:床下全面を覆わないため、防湿性がやや劣る ③ 独立基礎 柱ごとに独立した基礎を設置(主にカーポートや物置、倉庫など) 構造体が軽量・小規模な場合に用いられる ④ 杭基礎(くいきそ) 地盤が軟弱な場合、コンクリートや鋼管の杭を地中深くまで打ち込み、強い地盤まで建物の荷重を伝える 高層ビルや地盤の悪い地域の建物で使用 📏 基礎の構成部材 部材 説明 基礎梁(きそばり) 基礎の上端をつなぐ梁状の構造。水平剛性を高める 立ち上がり(立上り) 地表面より上に立ち上がっている部分。床を支える スラブ ベタ基礎の平らな底盤部分 アンカーボルト 基礎と土台を固定し、地震時のズレを防止 ホールダウン金物 柱と基礎を強固に緊結する金具(耐震補強) 🛠 基礎に関連する工事・用語 用語 意味 地盤調査 地盤の強度や構造を調べ、適切な基礎を選定するために行う調査 配筋工事 コンクリート打設前に鉄筋を組む工程 型枠工事 コンクリートを流し込むための型を設置する工程 打設(だせつ) コンクリートを流し込む作業 養生(ようじょう) コンクリートの硬化を安定させるための乾燥管理期間 ⚠️ 基礎の劣化やトラブル トラブル例 原因 対応方法 クラック(ひび割れ) 乾燥収縮・地盤の動き 0.3mm以上は要補修や注入処理 白華(エフロレッセンス) 水分中の成分が表面に析出 美観的問題。表面洗浄など シロアリ被害 基礎の隙間や通気不良 防蟻処理・点検口設置 錆びたアンカーボルト 防水不良 交換または補強が必要なことも ✅ まとめ 項目 内容 定義 建物の荷重を支え、地盤に伝える最下部構造 目的 荷重分散・防水・防湿・防蟻・耐震性 主な形式 ベタ基礎・布基礎・独立基礎・杭基礎 注意点 クラック・湿気・防蟻処理の有無などのメンテナンスが必要

2025.09.23(Tue)

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コラム外壁・屋根塗装のイロハ

用語集その③、屋根編!!

①屋根(やね) 「屋根(やね)」とは、建物の最上部に設置される構造物で、雨・風・雪・日射などの自然環境から建物内部を保護するための部位です。居住性・耐久性・意匠性に大きく関わる非常に重要な建築要素です。 🏠 屋根の役割 役割 内容 ☔ 防水・防雪 雨や雪から建物を守る 🌬 耐風・耐候性 台風や風圧に耐える構造が必要 🌞 遮熱・断熱・保温 室内環境を快適に保つ 🏡 意匠性(デザイン) 建物全体の印象を大きく左右する 🧱 構造保護 屋根がなければ、外壁や構造部材は劣化が早まる 🧱 屋根の主な種類(形状) 屋根の形状 特徴 切妻屋根(きりづま) 最も一般的な三角屋根。雨水が流れやすい 寄棟屋根(よせむね) 4方向に傾斜を持つ安定感のある屋根 片流れ屋根(かたながれ) 一方向に傾斜。現代的なデザインに多い 陸屋根(ろくやね) フラットな屋根。屋上やバルコニーにもなる 方形屋根(ほうぎょう) 正方形建物の4方向が一点に集まる屋根 入母屋屋根(いりもや) 和風建築に多い重厚な屋根構造 🏗️ 屋根材の種類と特徴 屋根材 特徴 耐用年数(目安) 瓦(和瓦・洋瓦) 高耐久・断熱性◎・重い 30~50年 スレート(カラーベスト) 軽量・安価・定番だが劣化早め 15~25年 金属(ガルバリウム鋼板など) 軽量・耐久・遮熱塗装との相性◎ 20~40年 アスファルトシングル 軽く柔らかく施工性◎・やや風に弱い 15~25年 トタン屋根 古い建物に多く、錆びやすい 10~20年 天然素材(杉板、銅板など) 意匠性高いがメンテが難しい 20~50年(素材による) 🛠 屋根に関連する部位(パーツ) 名称 説明 棟(むね) 屋根の最上部。左右の屋根が交わるライン 軒(のき) 屋根が外壁より張り出している部分 破風(はふ) 屋根の端を覆う板。防風・防火・装飾性あり 谷(たに) 屋根が合わさる凹部。雨水が集中する重要箇所 鼻隠し 軒先の垂木を隠すための横板。美観と保護 屋根裏(小屋裏) 屋根と天井の間の空間。断熱・通気の要 水切り板金 屋根端部や壁際で雨水を外へ流すための板金部材 ⚠️ 屋根のトラブルと注意点 トラブル内容 主な原因 雨漏り 板金の浮き・瓦のズレ・シーリング劣化など 劣化・色あせ 紫外線や酸性雨による塗膜の劣化 サビ 金属系屋根材の表面処理不良や塗膜剥がれ 台風被害 瓦の飛散、棟板金の剥がれ、アンテナ転倒など 🧽 屋根のメンテナンス 項目 内容 点検頻度 少なくとも5年に1回、大雨・台風後にも 塗装メンテ スレート・金属屋根などは10〜15年ごとに塗装が理想 部分補修 棟板金や水切り、瓦の差し替えなど 葺き替え 劣化が進んでいる場合は**全面葺き替え(30年〜)**を検討 ✅ まとめ 項目 内容 定義 建物を外部環境から守る最上部の構造体 主な形状 切妻、寄棟、片流れ、陸屋根など 主な屋根材 瓦、スレート、金属、シングルなど 機能 防水・断熱・耐風・意匠性・構造保護 メンテナンス 定期点検・塗装・補修・葺き替えが重要   ②棟(むね) 「棟(むね)」とは、**屋根の最上部に位置する、傾斜屋根が合わさる頂点のライン(接合部)**のことを指します。建築的にも構造的にも非常に重要な部位であり、雨仕舞(あまじまい:雨水を適切に排水する設計)や屋根全体の耐久性に大きな影響を与える部分です。 🏠 棟の基本的な定義 項目 内容 読み方 むね(棟) 英語表現 Ridge(ridge line, ridge board) 設置位置 屋根の一番高い位置にある水平なライン 機能 屋根材の接合・防水・通気・美観 構造部材 棟木(むなぎ)、棟板金、棟瓦などが用いられる 📐 棟の種類 屋根形状に応じて、棟にもいくつかの種類があります。 種類 説明 大棟(おおむね) 屋根の最上部で、主となる水平ライン 隅棟(すみむね) 寄棟屋根などで、斜め方向に下がる角のライン 下り棟(くだりむね) 入母屋屋根で、大棟から延びる下方向の棟 破風棟(はふむね) 切妻屋根の側面(破風側)に接する部分(※厳密には破風とは別) 🧱 棟の構成部材(瓦屋根・金属屋根によって異なる) ▼ 瓦屋根の場合 部材 説明 棟瓦(のし瓦・冠瓦) 棟にかぶせる装飾性の高い瓦 漆喰(しっくい) 棟瓦の固定や防水に使われる白い粘土材 熨斗瓦(のしかわら) 棟に積み重ねられる平瓦状の飾り瓦 ▼ 金属屋根の場合(スレート・ガルバリウムなど) 部材 説明 棟板金(むねばんきん) 棟部分を覆う金属製カバー(ガルバリウム鋼板など) 貫板(ぬきいた) 棟板金をビスで留めるための下地材(木製や樹脂製) シーリング材 雨水の浸入を防ぐための隙間処理剤 💧 棟の重要性(雨仕舞・耐久性) 棟は屋根材がぶつかり合う接点であり、風雨に最もさらされやすく、トラブルが起きやすい箇所でもあります。 危険ポイント 内容 雨漏りの原因No.1 棟板金の浮き・釘の緩み・漆喰の剥がれ 台風で飛散しやすい 貫板の腐食・ビスの緩みで棟板金が飛ぶ 換気棟の設置箇所 屋根裏の湿気・熱気を逃がすための通気装置を設置することも多い 🛠 棟の点検・補修・メンテナンス メンテ内容 目安時期 備考 棟板金のビス確認・交換 5〜10年ごと 緩んでいたら早めの交換を 貫板の交換(木→樹脂) 10〜20年 腐食のない樹脂製が主流に 棟瓦・漆喰の補修 10〜15年 剥がれ・割れ・崩れのチェック 棟の葺き直し工事 20〜30年 瓦の再使用+漆喰や下地の更新 ✅ まとめ 項目 内容 定義 屋根の一番高い位置にある接合部 機能 雨仕舞・構造の安定・美観・通気 構成部材 棟瓦・漆喰・熨斗瓦/棟板金・貫板など トラブル例 板金の飛散・釘抜け・漆喰の剥離・雨漏り メンテナンス 点検・補修・葺き直しを10〜20年単位で推奨   ③熨斗(のし) 「熨斗(のし)」とは、屋根の「棟(むね)」や「水切り」部分に使われる平たい板状の部材を指す言葉であり、特に**瓦屋根の棟を構成する「熨斗瓦(のしかわら)」**として使われることが多いです。 建築用語としての「熨斗」は、祝儀の「のし紙」に付けられる飾りとは別の意味で、**「平たく積む」「重ねて段差を出す」**といった建築的な形状や施工方法に由来しています。 🧱 建築における「熨斗」の意味 用語 説明 熨斗瓦(のしかわら) 棟の装飾や防水のために水平に積み重ねて使用される平瓦状の瓦 熨斗水切り(のしみずきり) 熨斗瓦のように段差をつけた形状の水切り板金。意匠性と機能性を兼ねる 🧱 熨斗瓦(のしかわら)とは 📌 定義: 棟瓦(屋根の棟部分)を構成するために、横に平らな形をしていて、段々に積み重ねて使う瓦のこと。主に日本瓦(和瓦)の棟部に用いられ、装飾性と防水性を両立する伝統的な建材です。 🧱 使用場所: 大棟(屋根の最上部) 隅棟・下り棟 入母屋屋根の装飾部 🔧 構成例(棟部): 冠瓦(かんむりがわら) ─── 漆喰(しっくい) ─── 熨斗瓦(複数枚を積む) ─── 棟土(粘土)+台土 ─── 棟芯(木材や鉄筋) 🎨 機能と役割: 機能 説明 防水 棟からの雨水の侵入を防ぐ 通気調整 昔の施工では棟内部に空気がこもらないよう考慮されている 意匠性(装飾) 熨斗瓦を複数段重ねることで格式の高さや重厚感を演出 耐久性補強 棟部分を瓦で重ねて守る構造 🛠 熨斗瓦の施工パターン例 積み方 特徴 1段熨斗 軽量・シンプル。現代住宅に多い 2段熨斗 標準的な和風意匠。防水・意匠のバランス良好 3段熨斗以上 寺社仏閣や格式の高い住宅に。重厚で豪華な印象 🧾 熨斗水切りとの関連 熨斗水切りは、熨斗瓦に似た段差構造の板金部材で、特に和風住宅の外壁と基礎の間などに使用されます。 「熨斗」という言葉が共通するのは、**“重ねて段差をつける形状”**が共通しているからです。 ⚠️ 熨斗瓦に関する注意点 注意点 内容 漆喰の劣化 熨斗瓦の下の漆喰が割れると雨水が浸入する 地震・台風に弱い 積み方によっては棟全体が崩れやすい 重量がかかる 屋根が重くなるため、耐震設計に配慮が必要 再施工・葺き直し時のコスト 熨斗瓦の積み直しは技術と時間が必要   ④谷(たに) 「谷(たに)」とは、屋根の構造において2つの屋根面が斜めに交差してできる“内側にくぼんだ部分(谷部)”を指します。この部分は雨水が集中して流れ落ちるため、特に雨仕舞(あまじまい=防水処理)において非常に重要なポイントです。 🏠 屋根における「谷」の基本情報 項目 内容 読み方 たに(谷) 英語表記 Valley(valley gutter) 設置場所 屋根と屋根の内側が接する折れ目部分(谷折れ部) 主な機能 雨水の集中排水・屋根材の継ぎ目の防水補助 📐 谷の具体的な構造と位置 谷は、次のような屋根の形状で発生します: 屋根形状 谷ができる箇所 寄棟屋根 下屋との接続部など 入母屋屋根 下り棟と接する谷部 L字型の建物の屋根 L字の内角部に谷ができる 複雑な切妻屋根 増築部との間などで谷が発生することも 🔧 谷の構成部材 名称 説明 谷板金(たにばんきん) 谷部分に敷設する金属板。雨水を受け止めて排水させる 下地材(合板・防水シート) 板金の下に敷く防水・支持材 シーリング材 板金の継ぎ目・端部を防水処理する材料 雨樋(とい) 谷板金で集めた雨水を適切に排水する装置に接続される 🛠 使用される谷板金の素材 素材 特徴 ガルバリウム鋼板 錆びにくく耐久性が高く、現在主流 銅板 高級和風建築に用いられる。経年で緑青(ろくしょう)が出る ステンレス 高耐久だが高価。酸性雨に強い トタン(亜鉛メッキ鋼板) 古い住宅に多いが、耐久性がやや低い 💧 谷部分の重要性とリスク 谷は雨水が集中して流れる構造上、トラブルの多発箇所でもあります。 🛑 よくあるトラブルと原因 トラブル内容 原因 雨漏り 谷板金の穴あき、劣化、シーリング切れ 腐食・サビ 金属板の表面処理劣化、落ち葉やゴミの堆積 詰まり 落ち葉・鳥の巣などによる排水不良 施工不良 谷板金の継ぎ目の重ね代不足、コーキング不十分 🔍 点検・メンテナンスのポイント 項目 内容 年1回以上の目視点検 ゴミ・落ち葉の詰まりやサビを確認 雨漏りの早期発見 天井のシミ、軒天の染みなどに注意 谷板金の耐用年数 約15〜30年。劣化時は早めの交換を検討 塗装工事の際 谷板金の浮き・釘抜け・シーリング劣化も確認すべき ✅ まとめ 項目 内容 定義 屋根面同士が内側で接して雨水が集中する部分 役割 雨水の排水・防水処理の要 構成部材 谷板金、下地材、防水シート、雨樋など トラブルリスク 雨漏り・腐食・詰まりが特に起きやすい メンテナンス 点検・清掃・交換などを定期的に行う必要あり   ⓹漆喰(しっくい) 「漆喰(しっくい)」とは、主に消石灰(しょうせっかい)を主成分とした、日本の伝統的な塗り壁材・接着材で、調湿性・防火性・抗菌性に優れた天然素材です。屋根や壁の仕上げ材として古くから用いられ、現代でも和風建築・左官工事・屋根の棟仕上げなどに広く使われています。 🧱 漆喰とは?(基本情報) 項目 内容 読み方 しっくい(漆喰) 主成分 消石灰(Ca(OH)₂)+のり(海藻糊など)+すさ(わらすさ等) 用途 壁仕上げ、屋根棟瓦の固定、防水補助、意匠仕上げなど 性質 調湿、防火、防カビ、吸音、耐久、抗菌に優れる 🏠 漆喰の主な使用場所 1. 屋根(棟瓦周り) 棟瓦や熨斗瓦を固定・封じるために漆喰が使われます。 屋根用漆喰は「屋根漆喰」とも呼ばれ、防水と固定の両方の役割。 2. 内壁・外壁 伝統的な土壁の仕上げ材として(京町家・蔵などに多い)。 近年は「健康素材」としてモダン住宅にも採用されている。 3. 蔵や寺社の外壁 火災に強く、湿気を調整する機能により、貯蔵品の保存性が高まる。 🌿 漆喰の特徴(メリット) 特徴 説明 ☁ 調湿性 湿気を吸収・放出して結露を抑える 🔥 防火性 無機質なので燃えない 🦠 抗菌・防カビ性 pHが高くカビが生えにくい(アルカリ性) 👃 脱臭性 室内のニオイを吸収する効果がある 🎨 意匠性 柄・模様を左官職人の技で美しく仕上げられる ⚠️ 漆喰のデメリット・注意点 デメリット 内容 🧱 割れやすい 地震や振動でクラック(ひび割れ)が入ることがある 💧 雨に弱い 完全乾燥前に雨が当たると白華や剥離の原因に 🎨 経年変化 色あせ・汚れ・劣化によりメンテナンスが必要 👷 施工技術 左官職人の技術が仕上がりを大きく左右する 🛠 漆喰と屋根補修の関係 📌 棟瓦と漆喰 熨斗瓦の下や冠瓦との接合部に漆喰が詰められる。 劣化すると【剥がれ・崩れ・雨漏り】の原因となる。 「漆喰詰め直し工事」は10〜15年を目安に必要。 📌 よくある症状と対策 症状 原因 対応 漆喰の剥がれ 経年劣化・風雨・地震 漆喰の「詰め直し」工事 ひび割れ 下地の動き・乾燥不良 クラック補修 or 全面補修 漆喰の白華(エフロ) アルカリ成分と水分が反応 水洗いまたは酸洗浄(状況により) 🔧 種類と製品バリエーション 種類 用途・特徴 本漆喰(伝統配合) 消石灰+のり+すさ。蔵・町家など本格建築に 屋根用漆喰 耐水性・耐候性を高めた配合。コーキングとの併用も多い 既調合漆喰 水を加えるだけで使えるDIY用漆喰。施工性◎ 樹脂配合漆喰(高性能系) 割れにくく、密着性が高い。現代建築にも使いやすい ✅ まとめ 項目 内容 定義 消石灰を主成分とした伝統的な塗り壁・接着材 主な用途 屋根棟の仕上げ、内外壁の意匠仕上げ 特徴 調湿・防火・抗菌・意匠性に優れる 注意点 ひび割れ・剥がれのリスクあり。定期メンテ推奨 メンテナンス周期 屋根漆喰:10〜15年ごとに点検・詰め直し   ⑥瓦棒(かわらぼう) 「瓦棒(かわらぼう)」とは、金属屋根の施工方法の一種で、特に「瓦棒葺き(かわらぼうぶき)」と呼ばれる工法に用いられる屋根材と支持構造(下地)の部材名を指します。また、「瓦棒屋根」とは、棒状の立ち上がり部分が縦方向に等間隔で並ぶ特徴的な形状の屋根のことです。 🏠 瓦棒とは? 項目 内容 読み方 かわらぼう(瓦棒) 定義 金属屋根材を固定するための**下地木材(棒状の桟)**またはその工法全体 工法名 瓦棒葺き(かわらぼうぶき) 主な使用材 トタン、ガルバリウム鋼板、カラー鉄板 など 🔧 瓦棒屋根の構造 瓦棒葺き屋根は、以下のような構成でできています: 上から見た断面イメージ(簡略図): | ┌───┐ ┌───┐ ┌───┐ |──┘ └──┘ └──┘ ← 屋根面(葺き板) | ↑ ↑ ↑ | 瓦棒(立ち上がり部分) 主な部材構成: 部材名 説明 葺き板(ふきいた) 平らな金属板。屋根面を形成する主材 瓦棒(かわらぼう) 屋根材のつなぎ目を覆う縦方向の山状部材。木材や金属製の芯がある 押え板金(おさえばんきん) 瓦棒の上部をカバーして雨水の侵入を防ぐ 下地材(野地板・防水シート) 屋根の基盤になる構造材と防水層 📸 見た目の特徴 屋根表面に**縦方向に等間隔で立ち上がった細長い「山(棒)」**が並んでいる 金属屋根材であっても、見た目にリズム感や陰影が出る 「トタン屋根」として古い住宅や倉庫、アパートなどで多く採用されていた工法 🧰 瓦棒葺きのメリット・デメリット メリット 内容 💧 防水性 瓦棒で継ぎ目を覆うため、雨仕舞に優れる 🔧 修理がしやすい 一部だけの張替えが可能 💡 軽量 瓦などに比べて屋根重量が非常に軽い 💰 比較的安価 シンプルな構造で施工性も良い デメリット 内容 🔩 サビやすい 古いトタン製は錆び・穴あきが起きやすい 🌬 強風に弱い 瓦棒が浮いたり、飛ばされたりすることもある ☀ 断熱性が低い 金属屋根なので直射日光で屋根裏が高温に 🎨 意匠性 現代の建築においてはやや「古くさい」印象も 🏠 現在の主流:立平葺き(たてひらぶき)との違い 比較項目 瓦棒葺き 立平葺き(たてひら) 棒状の立ち上がり あり(山形) なし/フラット寄り 美観 昭和レトロ・実用的 スタイリッシュ・モダン 防水性 良好(棒で押え) 板同士をハゼ折りで接合 メンテ性 一部交換が容易 一体化していて交換は大きくなりがち 🛠 よくあるメンテナンストラブル トラブル 原因・対応 瓦棒の浮き・めくれ 経年劣化・強風 → 再固定・葺き替え サビ・穴あき 表面塗膜の劣化 → サビ止め塗装・張替え 雨漏り 接合部の破損・防水不良 → 部分補修 or カバー工法 ✅ まとめ 項目 内容 定義 金属屋根材を縦方向に桟(棒)で押えて葺く工法。またはその部材 特徴 雨仕舞に優れ、軽量かつ施工しやすい 主な用途 住宅、倉庫、工場、アパート、古民家など メンテナンス周期 塗装:10〜15年ごと/葺き替え:20〜30年ごと 代替工法 立平葺き・縦葺き金属屋根など   ⑦和瓦(わがわら) 「和瓦(わがわら)」とは、日本の伝統的な屋根材である瓦の一種で、波型の形状(S字型)をした陶器製・粘土製の瓦です。古くは寺社仏閣や日本家屋に広く使用されてきたもので、重厚感と耐久性、そして美しい意匠性が特徴です。 🏠 和瓦とは? 項目 内容 読み方 わがわら(和瓦) 分類 粘土瓦(陶器瓦)に属する伝統的な瓦 形状 **波状(S字型)**の立体的な形。主に「丸」と「平」で構成 主な用途 日本家屋・古民家・寺院・和風住宅の屋根仕上げ材 英語表記 Japanese roof tile, Clay tile など 🧱 和瓦の構造と名称 和瓦の屋根は、「丸瓦(まるがわら)」と「平瓦(ひらがわら)」の組み合わせによって構成されます。 部材名 説明 丸瓦(冠瓦) 丸い筒状の瓦で、水返しや継ぎ目のカバーに使われる 平瓦 広い面を覆う基本的な瓦。波形で重ねて施工される 棟瓦・熨斗瓦 棟(屋根の頂点)に使われる装飾兼用の瓦 袖瓦(そでがわら) 屋根の端部に使われる仕上げ用瓦 軒瓦(のきがわら) 軒先を飾る、装飾性の高い瓦 🌿 和瓦の特徴とメリット 特徴 内容 ☀ 耐久性が非常に高い 適切な施工で50年以上持つことも ☁ 断熱・遮音性能に優れる 瓦自体に厚みがあり、熱や音を和らげる ☔ 防水性が高い 瓦同士の重なりと勾配で雨をしっかり流す 🔥 不燃材で火に強い 粘土を焼いているため、火災時にも強い 🎨 美しい和風デザイン 外観に重厚感・格式・風格が出る ⚠ 和瓦のデメリット・注意点 デメリット 内容 ⚖ 重い 屋根材の中でも非常に重量がある(1坪あたり150〜200kg) 🧱 地震に注意 耐震性確保のため、補強施工や金具留めが必要 💸 施工費用が高め 材料費+熟練職人による施工でコストが高い傾向 🛠 施工できる職人が減少中 瓦葺きの技術を持つ職人の高齢化が進む 🔧 和瓦の施工と構造イメージ 和瓦の施工では、次のような構造になります: 上から順に: ● 棟瓦(冠瓦・熨斗瓦) ● 平瓦(波型の基本瓦) ● 下葺き材(ルーフィング) ● 野地板(下地合板) ● 垂木・構造材(屋根骨組み) 現代では、地震対策のために「防災瓦(ロック式でズレない瓦)」や「引っ掛け桟瓦工法」が主流になりつつあります。 🆚 和瓦 vs 洋瓦・スレートとの違い 比較項目 和瓦 洋瓦 スレート屋根 素材 粘土(陶器) 粘土・セメントなど セメント+繊維素材 重量 重い やや重い 非常に軽い 外観 和風・重厚感 南欧風・曲線美 モダン・シンプル 耐久性 ◎(50年以上) ○ △(20〜30年) メンテナンス △(漆喰など必要) △ ○(塗装で済む) 🛠 和瓦屋根のメンテナンス メンテ内容 目安時期 備考 漆喰の詰め直し 約10〜15年 棟瓦の固定強化 瓦のズレ・割れ点検 台風後、年1回 屋根全体のズレを確認 雨漏り点検 不定期 谷板金・下葺き材の劣化に注意 葺き替え 30〜50年が目安 下地や防水層の劣化に応じて検討 ✅ まとめ 項目 内容 定義 日本の伝統的なS字型の粘土瓦 主な用途 和風住宅、古民家、寺社、町家など 特徴 高耐久・重厚感・防火性・断熱性に優れる デメリット 重量・コスト・地震対応の工夫が必要 メンテナンス 漆喰補修・瓦のズレ点検・防水処理確認など   ⑧洋瓦(ようがわら) 「洋瓦(ようがわら)」とは、スペインやフランス、イタリアなどの西洋建築にルーツを持つ屋根瓦で、日本の和瓦とは異なる曲線的・立体的で装飾性の高い形状をしています。南欧風・地中海風・リゾート風の外観デザインに多く使われ、洋風住宅や輸入住宅、分譲住宅などで広く採用されています。 🏠 洋瓦とは? 項目 内容 読み方 ようがわら(洋瓦) 英語表記 Spanish tile, French tile, Roman tile など 主な素材 粘土(陶器瓦)、セメント、コンクリート 主な用途 洋風住宅・南欧風住宅・リゾート建築の屋根材 特徴 丸みのある波形で重厚感があり、華やかな外観を演出 🧱 洋瓦の主な種類 種類 特徴 別名 スパニッシュ瓦 丸型の山と谷が交互に連続する形状 S瓦、スペイン瓦 フレンチ瓦 谷が深く、排水性に優れるデザイン フレンチS瓦など モニエル瓦 セメント製で立体感と重量感がある コンクリート瓦 平板瓦(洋風タイプ) フラットで直線的なモダンデザイン シンプルモダン住宅向け 🎨 和瓦との違い 比較項目 洋瓦 和瓦 外観 曲線的で立体的 波形で重厚感のある伝統的デザイン カラー展開 多彩(テラコッタ、ブラウン、オレンジなど) 主にグレー・黒など 建築様式 洋風住宅・南欧風 和風住宅・古民家・寺社 印象 明るく華やか、南国風 落ち着いた格式・重厚感 歴史 西洋建築に由来 日本の伝統建築に由来 🧰 洋瓦のメリット メリット 内容 🌞 遮熱性・断熱性が高い 瓦の厚みと空気層が夏の熱気を遮断 ☔ 耐候性・防水性が高い 瓦同士が重なり、**雨仕舞(あまじまい)**が優秀 🔥 不燃材で火災に強い セメント瓦・陶器瓦は燃えない素材で安心 🎨 デザイン性が高い 南欧風・リゾート風・洋風モダン住宅にぴったり 🧱 重厚感がある 家のグレードを高く見せる効果も ⚠ 洋瓦のデメリット・注意点 デメリット 内容 ⚖ 重い 屋根材の中でも重量が大きく耐震設計が必要 💸 施工費が高め 材料費+職人技術でコストがやや高い傾向 🧹 コケ・汚れが付きやすい 凹凸が多く、北面などで苔が育ちやすい 🛠 割れやすい 強風や飛来物で割れることがある(特にセメント瓦) 👷 施工対応できる職人が限られる 特殊な瓦形状に熟練技術が必要な場合あり 🏗 洋瓦の構造(施工断面イメージ) 上から順に: ● 棟瓦(冠瓦)またはカバー瓦 ● 洋瓦本体(波形) ● 下葺き材(防水シート) ● 野地板(合板など) ● 垂木・屋根下地構造 多くの場合、引っかけ桟工法やビス止め工法が用いられ、台風対策・地震対策としての緊結施工が重要です。 🛠 洋瓦のメンテナンスと耐久性 項目 内容 寿命(耐用年数) 陶器瓦:50年以上/セメント瓦:30〜40年 主なメンテ項目 瓦のズレ・割れ・苔除去・漆喰補修・棟部点検 点検頻度 5〜10年に1回、または台風・大雨後 メンテ手法 一部交換、漆喰詰め直し、全面葺き替えなど ✅ まとめ 項目 内容 定義 西洋風デザインの曲線的な屋根瓦。南欧風住宅に多用 主な素材 粘土(陶器瓦)、セメント、コンクリート 特徴 遮熱性・防水性に優れ、重厚でデザイン性が高い 注意点 重量、施工技術、割れやすさ、コケ発生に注意 メンテナンス 10年ごとに点検。葺き替えは30〜50年が目安   ⑨セメント瓦(せめんとがわら) 「セメント瓦」とは、セメントと砂を主原料として型に流し込んで成形した屋根材で、特に昭和〜平成初期の日本の住宅で非常に多く使われた屋根瓦です。「モニエル瓦」という商品名でも知られ、洋風瓦のような見た目を持ちながら、価格と施工性に優れていたため、かつて大量に普及しました。 🏠 セメント瓦とは? 項目 内容 読み方 せめんとがわら(セメント瓦) 英語表記 Cement tile / Concrete tile 材質 セメント(ポルトランドセメント)+砂(骨材)+水で成形 見た目 洋瓦(スパニッシュ瓦)に似た波形が多いが、平板型もあり 施工方法 引っかけ桟工法・ビス留めなどが一般的 🧱 セメント瓦の特徴(メリット) 特徴 内容 💸 コストが安い 陶器瓦より製造コスト・材料費が安価 🎨 多彩なデザイン 表面塗装により色や質感のバリエーションが豊富(テラコッタ風・石調など) 🧱 重量感がある 外観に重厚感があり、高級感がある見た目に仕上がる 🔥 不燃材で安心 セメント素材のため火に強い(国土交通省の不燃認定あり) ⚠️ セメント瓦のデメリット・注意点 デメリット 内容 🎨 塗膜の劣化が早い 陶器瓦と違い、表面塗装に頼っているため色あせ・剥がれが早い(10年〜) 💧 吸水性がある セメント自体に吸水性があり、凍害・カビ・コケの発生リスクがある 🧱 重い 屋根材として重く、耐震性には配慮が必要(瓦屋根共通) ⛏ 割れやすい 陶器瓦よりも衝撃に弱く、割れやすい傾向がある 👷‍♂️ 現在は廃番製品も多い 多くのメーカーが製造中止しており、部分補修用の在庫が入手困難なことも 🔍 セメント瓦 vs 陶器瓦(和瓦・洋瓦)比較 比較項目 セメント瓦 陶器瓦(和・洋) 素材 セメント+砂 粘土を高温焼成 色あせ 表面塗装が劣化しやすい 焼き物なので色持ち◎ 吸水性 吸水しやすい 吸水しにくい(釉薬がある) 寿命 30〜40年 50年以上 メンテナンス 10〜15年ごとに再塗装推奨 ほぼ不要(漆喰や棟瓦の補修程度) 🛠 セメント瓦のメンテナンス 項目 内容 🔎 点検タイミング 5〜10年に1回。塗膜の劣化・コケの発生・割れを確認 🎨 再塗装の目安 約10〜15年ごと。遮熱塗料・防カビ塗料が推奨されることも 🧱 割れの補修 差し替え or シーリングでの仮補修。ただし在庫がない場合がある 🔁 葺き替え時期 30〜40年が目安(下地材の劣化・雨漏りの兆候がある場合) ❌ よくある劣化症状 劣化状態 原因・対策 色あせ・チョーキング 紫外線・雨風による塗膜劣化 → 再塗装が必要 コケ・藻の付着 北面や湿気の多い立地 → バイオ洗浄+塗装 割れ・欠け 落下物や経年劣化 → 部分交換 or カバー工法 雨漏り 下葺き材の劣化 → 葺き替え検討 ✅ まとめ 項目 内容 定義 セメントと砂で作られた成形屋根材。昭和〜平成期に普及 特徴 デザイン豊富・コスト安・重厚感あり・不燃性 注意点 塗膜劣化が早い・吸水性あり・重量がある メンテナンス 10〜15年ごとに塗装、30〜40年で葺き替え目安 現在の傾向 製造終了品も多く、カバー工法や金属屋根への変更も検討対象   ⑩スレート(すれーと) 「スレート」とは、屋根材として使用される薄くて平らな板状の建材のことで、現在の日本住宅では特に「化粧スレート(けしょうスレート)」と呼ばれるセメント系スレートが主流となっています。 🏠 スレートとは? 項目 内容 読み方 スレート(slate) 種類 天然スレート / 化粧スレート(人工スレート) 主な用途 屋根材(戸建住宅・アパート・工場・倉庫など) 主成分(人工) セメント+繊維(パルプ・有機繊維など) 別名 カラーベスト、コロニアル(商品名由来) 🧱 スレートの種類と違い 種類 特徴 備考 天然スレート 天然の粘板岩を割って加工。高級感・超耐久 ヨーロッパの寺院や教会屋根で多用される。高価 化粧スレート(人工スレート) セメントと繊維で製造。安価・軽量で住宅向き 現代日本の住宅で主流。商品名:カラーベスト など 🧰 スレート屋根のメリット メリット 内容 ⚖ 軽量で建物への負担が少ない 和瓦の1/2以下の重さで、耐震性アップ 💸 コストが比較的安価 材料費・施工費ともにリーズナブル 🎨 デザインが豊富 フラット〜ウェーブ調、色も黒・グレー・茶など多彩 🏠 現代住宅に多く使われている 新築・リフォーム・分譲住宅などで実績豊富 ⚠ スレート屋根のデメリット・注意点 デメリット 内容 ⏳ 耐久性がやや短い 約20〜30年。定期的な塗装メンテナンスが必須 ☔ 表面塗膜が劣化しやすい 紫外線・酸性雨に弱く、色あせ・チョーキングが出やすい 💧 割れ・反りが起きやすい 材質が薄く、落下物や経年劣化に弱い 🛑 アスベスト含有の製品がある 2004年以前の製品に注意。撤去には特別管理が必要 🔎 スレート屋根の構造 上から順に: ● スレート材(表面塗装あり) ● ルーフィング(防水シート) ● 野地板(構造合板) ● 垂木・屋根下地 ※スレート材は**「釘留め」+「重なり構造」**で雨水を下に流す仕組み。 🎨 スレート屋根のメンテナンス 項目 内容 🧽 塗装の周期 10〜15年ごと。遮熱塗料やフッ素塗料などが人気 🔨 割れ・ヒビの補修 コーキング or 差し替え(ただし、同一製品の入手困難あり) 🧱 棟板金の点検 棟板金の浮き・釘抜け → 雨漏りの原因になりやすい 🛠 カバー工法の検討 葺き替えの代替として、金属屋根材(ガルバリウム)で覆う方法が主流 🛑 アスベスト含有スレートについて 項目 内容 使用時期 2004年以前のスレートにアスベストが使用されている可能性あり 注意点 解体・廃棄には「特別管理産業廃棄物」として処理が必要 対策 調査・分析で判別可能。不明な場合は専門業者へ依頼を推奨 ✅ まとめ 項目 内容 定義 セメント系の板状屋根材。現代住宅における定番屋根材 主な種類 天然スレート(高級)/化粧スレート(主流) 特徴 軽量・安価・施工性良好・デザイン豊富 デメリット 塗膜劣化・割れやすさ・アスベスト含有の懸念 メンテナンス 10年ごとに塗装、20〜30年で葺き替え or カバー工法検討   ⑪カラーベスト(からーべすと) 「カラーベスト」とは、スレート屋根材の一種で、化粧スレート(人工スレート)の代表的な商品名(ブランド名)です。特に株式会社ケイミュー(KMEW)社の登録商標であり、日本全国の住宅において非常に多く使用されている屋根材です。 🏠 カラーベストとは? 項目 内容 読み方 カラーベスト(Color Best) 種類 化粧スレート(セメント系屋根材) 由来 KMEW社(旧:クボタ松下電工外装)の商品名 形状 薄型で板状、長方形の屋根材(厚さ4.5〜6mm程度) 用途 木造戸建て住宅・アパートなどの屋根材として広く採用 🧱 カラーベストの主な特徴 特徴 内容 ⚖ 軽量で建物への負担が少ない 和瓦の約1/2の重量。耐震性アップにつながる 🎨 デザイン・カラーが豊富 スレート調・石目調・モダン・シャープな意匠など多彩 💧 防水・防火性能が高い 防水処理+不燃材で雨・火災にも強い(国交省の不燃認定品) 💸 コストパフォーマンスが高い 瓦より安価で、施工性も良くリフォームでも多用される 📦 カラーベストの代表製品(KMEW) 製品名 特徴 コロニアルグラッサ 退色しにくいグラッサコート仕上げ。耐候性◎ コロニアルクァッド ベーシックな人気製品。コスパ重視 遮熱グラッサシリーズ 夏の暑さを和らげる遮熱効果つき コロニアル遮熱フッ素 高耐久フッ素仕上げ。メンテナンス周期が長い ⚠ カラーベストの注意点・デメリット デメリット 内容 🧽 塗装メンテナンスが必要 塗膜が劣化するため、10~15年ごとに塗り替えが必要 🧱 割れ・ヒビに注意 落下物や経年で割れることがある(薄くて硬いため) 💧 古い製品にアスベスト含有の可能性 2004年以前の製品には石綿(アスベスト)含有の可能性あり 🧰 補修用製品が廃番になっている場合も 古いモデルの一部は既に生産終了 → カバー工法や葺き替えが必要 🛠 メンテナンスと寿命 項目 内容 塗装の目安 10〜15年ごとに再塗装(遮熱・シリコン・フッ素など) 寿命(耐用年数) 約25〜30年(※下地状況により変動) 割れ補修 コーキング or 同型交換(ただし現行品の入手性に注意) 葺き替え目安 25年以降、劣化が激しい場合はガルバリウム屋根などに葺き替えが選ばれる ✅ カラーベストと他の屋根材の比較 項目 カラーベスト 和瓦 金属屋根(ガルバ等) 重量 軽い(約20kg/㎡) 重い(約50kg/㎡) 非常に軽い(約5〜10kg/㎡) メンテ頻度 中(10〜15年で塗装) 低(漆喰補修程度) 中〜高(15年程度で塗装推奨) 意匠性 現代的・シンプル 伝統的・重厚感 スタイリッシュ・シャープ コスト 安価〜中程度 高い 中〜やや高い(遮熱付きは高価) 🛑 アスベスト含有の有無について 内容 詳細 使用時期 〜2004年頃までの製品にアスベスト(石綿)使用 対応方法 解体・撤去は専門業者による安全処理が必要(特別管理産業廃棄物) 確認手段 製造年・品番・メーカー名で判別/分析検査も可能 ✅ まとめ 項目 内容 定義 KMEW社の化粧スレート製屋根材の商品名(人工スレート) 特徴 軽量・デザイン性・施工性・コスパに優れる メンテナンス 10〜15年で塗装、25〜30年で葺き替え検討 注意点 アスベスト含有品の可能性/廃番製品の交換困難リスク 適応建物 戸建住宅、アパート、リフォームなど幅広く使用   ⑫モニエル瓦(もにえるかわら) 「モニエル瓦(モニエルがわら)」とは、セメントと砂を主成分として製造された、洋風デザインのコンクリート瓦の一種で、特に表面にスラリー層(着色セメント層)があるのが大きな特徴です。正式には「乾式コンクリート瓦」と呼ばれ、1970年代〜2000年代初頭にかけて日本全国で広く使用されました。 🏠 モニエル瓦とは? 項目 内容 読み方 モニエルがわら(Monier瓦) 正式分類 乾式コンクリート瓦(セメント瓦) 製造元(旧) 株式会社モニエル(旧・クボタ系)、現在は製造終了 見た目 丸みのある**洋風瓦デザイン(S形、フレンチ形)**が多い 特徴 表面に「スラリー層」という特殊な塗装層を持つ(後述) 🧱 一般的なセメント瓦との違い 比較項目 モニエル瓦 一般的なセメント瓦 主成分 セメント+砂 同上 表面仕上げ スラリー層(着色セメントのコーティング)あり 樹脂塗装や顔料仕上げが多い 塗装の注意点 スラリー層の除去が必須 直接塗装しやすいものも多い 製造状況 既に日本では製造終了 一部メーカーは継続あり 重量感 比較的重い(和瓦に近い) 同等またはやや軽いものもある 🎨 スラリー層とは? モニエル瓦の最大の特徴は、表面にセメント系の着色層(スラリー層)があること。 この層は経年で**粉状に劣化(チョーキング)**しやすく、そのまま塗装すると密着不良や剥がれが起こる可能性が高いため、専用の下地処理が必要です。 🔧 塗装時の注意点 工程 解説 高圧洗浄 通常の洗浄では不十分。スラリー層を除去するまで洗浄が必要 下塗り 専用のスラリー強化シーラーを使用(通常のプライマーでは不可) 上塗り 遮熱塗料・シリコン・フッ素塗料など、環境や予算に応じて選択 📉 現在の流通とメンテナンス事情 項目 内容 製造状況 国内での製造は2007年頃に終了。補修用在庫もほぼ流通せず 修理対応 部分交換が難しいため、カバー工法や葺き替えが現実的 重量 和瓦並に重く、耐震補強の必要性がある場合も 寿命目安 30〜40年(下地が良好な場合) 🧰 モニエル瓦のメリット メリット 内容 🏝️ 洋風の外観にマッチ 南欧風・リゾート風・輸入住宅などに映えるデザイン 🔥 不燃材で安心 火に強く、建築基準法上も不燃材として扱われる 🎨 重厚感のある意匠性 粘土瓦に比べて安価に高級感を演出できる ⚠ モニエル瓦のデメリット・注意点 デメリット 内容 🧱 割れやすい 経年劣化で表面が弱くなり、踏むと割れることも 🧽 苔・汚れが付きやすい 表面がザラついており、北面などでコケが顕著 🎨 塗装トラブルが多い スラリー層を落とさず塗装→数年で剥離などの施工ミス例が多い 🧰 修理困難 補修用瓦の入手がほぼ不可能。部分交換が事実上困難 🔧 葺き替え・リフォームの選択肢 方法 特徴 カバー工法(重ね張り) ガルバリウム鋼板などで覆う。既存瓦の解体不要・工期短縮 全面葺き替え 瓦を撤去して新しい屋根材に交換(スレート・金属屋根など) 塗装リフォーム スラリー層除去+専用下塗り材+塗装で仕上げる(ただし耐用年数は短め) ✅ まとめ 項目 内容 正式名称 モニエル瓦(乾式コンクリート瓦) 特徴 セメント系瓦で、スラリー層あり/洋風意匠/重厚感 使用時期 1970〜2000年代前半にかけて大量普及 メンテナンス注意点 塗装時はスラリー層の除去+専用プライマーが必要 現在の対応 製造終了/補修困難/葺き替え・カバー工法が現実的   ⑬野地板(のじいた) 「野地板(のじいた)」とは、屋根の構造において屋根材(瓦・スレート・金属板など)の下に張る下地の板材であり、屋根の骨組み(垂木)の上に固定される構造部材です。屋根の「土台」ともいえる部分で、屋根全体の耐久性・安全性・防水性に直結する非常に重要な部材です。 🏠 野地板とは? 項目 内容 読み方 のじいた(野地板) 英語表記 Roof sheathing / Roof decking 設置場所 屋根垂木の上、屋根材の下に位置 目的 屋根材の支持・釘打ちのための下地として機能 主な素材 合板(構造用合板)、杉板、パーティクルボードなど 📐 野地板の構造と役割 構造 説明 🎯 屋根材の下地 屋根材(瓦・スレート・板金など)を固定するための土台になる 🔨 釘打ち・ビス止めの基盤 屋根材を施工する際に釘やビスを確実に効かせるために必要 ☔ 防水層の設置面 ルーフィング(防水シート)を貼るための面としても機能 🧱 屋根構造の剛性確保 野地板があることで、屋根全体の構造が一体化し、強度が増す 🔧 主な素材と種類 種類 特徴 備考 構造用合板(コンパネ) 最も一般的。強度・価格のバランス◎ 厚さ9mm〜12mmが多い 杉板・バラ板(無垢材) 昔の在来工法に多い。通気性はあるが経年劣化に注意 隙間あり/再利用困難な場合が多い OSB(配向性ストランドボード) チップ材を圧縮成型。コスト安・軽量 断熱性能はやや低め パーティクルボード 木くずを圧縮。安価だが水に弱い 野地板としては不向きな場合も 🔍 新築・リフォームでの施工断面図(例) 屋根の上から下に向かって: ● 屋根材(瓦・スレート・金属など) ● ルーフィング(防水シート) ● 野地板(構造用合板など) ● 垂木(骨組み) ● 小屋裏空間(断熱材ありの場合も) ⚠ 野地板の劣化・トラブル事例 劣化症状 主な原因 対応策 🔨 たわみ・沈み 経年劣化・雨漏り・過重 増し張り or 野地板張替え 🌧 腐食・カビ ルーフィングの劣化からの雨水侵入 葺き替え工事時に確認・修理 🐜 シロアリ被害 雨漏り放置・通気不良 野地板+垂木の補強 or 交換 ⚠ 野地板の薄さ 古い建物で9mm未満の板使用 12mm以上に張り替え or 上張りが望ましい 🔁 リフォーム時の対応例 施工内容 概要 屋根カバー工法(重ね葺き) 既存屋根+野地板の上に新たに構造用合板を増し張りしてからルーフィング+新屋根材施工 葺き替え工事 既存屋根+ルーフィング+野地板も撤去して新設する。雨漏りがある場合や腐食時に選択されやすい 増し張り(重ね張り) 劣化や強度不足を補うために上から新しい野地板を貼る工法。コストは抑えられる ✅ まとめ 項目 内容 定義 屋根材や防水材を支える下地となる板材 主な素材 構造用合板(9〜12mm厚)、杉板、OSB など 役割 屋根材の支持、防水層の施工面、構造の安定化 劣化対策 点検・増し張り・交換(雨漏り時は必ず確認) 施工対象 新築、葺き替え、カバー工法すべてで関与   ⑭ルーフィング(るーふぃんぐ) 「ルーフィング」とは、屋根の防水層を形成するシート状の建材のことで、屋根材(瓦・スレート・金属屋根など)の下に敷く、防水のための非常に重要な部材です。屋根材だけでは雨を完全に防ぐことはできないため、**雨水の浸入を防ぐ“最後の砦”**として、住宅の耐久性に直結する役割を担います。 🏠 ルーフィングとは? 項目 内容 読み方 ルーフィング(roofing) 和名 防水シート、防水下葺材 位置 屋根材の下、野地板の上に設置される 主な役割 雨水の浸入を防ぎ、野地板や構造材の腐食を防止 形状 ロール状のシート(厚み0.5〜1mm前後) 📐 屋根構造におけるルーフィングの位置関係 上から順に: ① 屋根材(瓦・スレート・金属屋根など) ② ルーフィング(防水シート) ③ 野地板(構造用合板など) ④ 垂木(屋根の骨組み) 🧱 主なルーフィングの種類と特徴 種類 特徴 耐久年数目安 備考 アスファルトルーフィング(940) 最も一般的。黒色。コスト安◎ 約10〜15年 新築住宅で広く使用 改質アスファルトルーフィング(ゴムアス) 柔軟性・耐久性アップ。施工しやすい 約20〜30年 カバー工法・高性能屋根向け 高耐久ルーフィング(ルーフラミテクト、タディスセルフ等) 防水性・耐熱性が非常に高い 約30〜40年 ガルバ屋根・フッ素塗料と併用されることも 自着タイプ(粘着層付き) 釘穴からの雨水侵入を防止。音鳴り少ない 約20〜30年 金属屋根向けに人気上昇中 🎯 ルーフィングの役割・重要性 役割 内容 ☔ 屋根材の裏から侵入する雨水をブロック 台風や強風雨時、瓦の重なりから入り込んだ雨水を最終的に防ぐ 🛠 屋根材の隙間・ズレに対応 経年劣化・地震などで屋根材がズレても、ルーフィングがカバー 🧱 野地板や構造部の腐食防止 水が木材に直接触れないように保護 🔥 火災時の延焼防止 難燃処理済のものは、火災にもある程度耐性あり ⚠ 劣化時のリスクとメンテナンス 劣化症状 リスク 主な対応 破れ・ひび割れ 雨漏り・構造腐食 葺き替え工事で新設 釘穴からの浸水 構造材の腐食 粘着性のあるルーフィングで防止可能 紫外線劣化(露出状態) 粉状化・機能低下 長期放置NG。早期対応が必要 ※ ルーフィングの寿命が尽きると、屋根材が健在でも雨漏りの直接原因になります! 🛠 葺き替え・カバー工法時のルーフィング施工 工事種別 ルーフィングの対応 葺き替え工事 既存屋根材・ルーフィング・野地板まで撤去し、新規ルーフィングを敷設 カバー工法 既存屋根の上に構造用合板を増し張り → その上に新しいルーフィングを敷く ✅ まとめ 項目 内容 定義 屋根材の下に施工する防水シート(下葺材) 主な素材 アスファルトルーフィング、改質アスファルト、粘着タイプなど 耐久性 安価品は10〜15年、高耐久品は30年以上 重要性 屋根材以上に雨漏り防止に直結する要部材 メンテナンス 葺き替え時 or カバー工法時に確実な施工・品質選定が必要   ⑮アスファルトシングル(あすふぁるとしんぐる) 「アスファルトシングル」とは、ガラス繊維の基材にアスファルトを含浸させ、表面に石粒を焼き付けた柔らかくて軽い**屋根材(シート状)**です。主にアメリカで広く普及しており、日本でも洋風住宅・輸入住宅・リゾート物件などで使われています。 🏠 アスファルトシングルとは? 項目 内容 読み方 アスファルトシングル(Asphalt Shingle) 分類 シート状の屋根仕上げ材(防水性+意匠性) 素材構成 ガラス繊維基材 + アスファルト + 着色石粒 特徴 柔軟・軽量・曲面にも対応可・割れない・静音性◎ 📐 屋根構成のイメージ 上から順に: ① アスファルトシングル(仕上げ材) ② ルーフィング(防水シート) ③ 野地板(構造用合板など) ④ 垂木(屋根骨組み) 🎯 アスファルトシングルの主な特徴 特徴 説明 🪶 軽量 瓦の約1/4の重さ。耐震性に有利 🔇 静音性 金属屋根と違って雨音がしにくい 🎨 意匠性◎ 石粒のテクスチャで自然な風合い。洋風・リゾート住宅に好適 🧰 柔軟で施工性が高い 曲面・円形屋根にも施工可能。割れや反りが起きにくい 💸 価格が安い 屋根材の中でも比較的ローコスト 📦 主なメーカー製品(日本) メーカー 商品名 特徴 旭ファイバーグラス リッジウェイ 北米輸入/遮音性・柔軟性◎ オーウェンスコーニング トゥルーディファイニション 米国大手ブランド/カラーバリエ豊富 ニチハ(過去) マルエスシリーズ(販売終了) 日本製品もあったが現在は流通僅少 🔧 施工方法の概要 工程 内容 ① 野地板設置 合板等の下地を整える ② ルーフィング貼付 防水層として改質アスファルトルーフィング等 ③ シングル貼付 専用接着剤 or 釘で重ね張り。上下左右に重ねて施工 ④ 棟部の仕上げ 棟包み用シングルで仕上げる or 板金部材併用 🔍 メリット・デメリット ✅ メリット 💡 軽量で地震に強い 💡 柔軟性があり曲面屋根にも対応 💡 雨音がしにくく、静音性が高い 💡 割れ・凍害が起こりにくい 💡 意匠性が高く、洋風建築にマッチ ⚠ デメリット デメリット 内容 🧽 苔・カビが付きやすい 石粒が水を含みやすく、北面に苔が生えやすい 🧱 強風に弱いことがある 粘着力不足・施工不良ではがれやすくなる場合あり 🔥 火災時に有毒ガスの懸念 石油系材料ゆえ、燃焼時のガスに注意が必要 🧰 施工業者の技術差が出やすい 雑な施工だとめくれ・雨漏りリスクあり 📆 耐用年数とメンテナンス 項目 内容 一般的な耐用年数 約15〜25年(製品グレードにより差あり) メンテナンス 色あせや苔の清掃、10〜15年で再塗装検討も可能 葺き替え時期 20年以上経過 or 接着劣化・剥がれが多い場合は全面交換 ✅ アスファルトシングルが向いている住宅 タイプ 理由 輸入住宅・洋風住宅 デザインとの相性が良く、ナチュラルな風合い 曲面・ドーム屋根 柔軟性で複雑形状にも対応可能 予算重視のリフォーム 材料費・施工費が比較的安価 💬 まとめ 項目 内容 正体 ガラス繊維+アスファルト+石粒の防水兼仕上げ屋根材 特徴 軽量・静音・柔軟・意匠性◎ 耐用年数 約15〜25年(製品と環境による) 適合住宅 洋風住宅・輸入住宅・軽量屋根を求める物件など 注意点 施工品質が重要/強風地域や北面の苔には注意   ⑯スーパーガルテクト(すーぱーがるてくと) 「スーパーガルテクト」とは、アイジー工業株式会社(IG工業)が製造・販売する高耐久・高断熱の金属屋根材です。屋根リフォーム市場では非常に人気が高く、軽量・遮熱・断熱・防錆・高耐久というバランスの取れた性能から、戸建て住宅のカバー工法や葺き替え工事でよく採用されています。 🏠 スーパーガルテクトとは? 項目 内容 製品名 スーパーガルテクト(Super Galtect) メーカー アイジー工業(IG工業株式会社) 屋根材分類 金属製屋根材(ガルバリウム鋼板系) 用途 一般住宅の屋根リフォーム(葺き替え・カバー工法) 特徴 軽量・高耐久・断熱材付き一体型パネル 🧱 スーパーガルテクトの構造(断面構成) スーパーガルテクトは「金属屋根+断熱材一体型パネル」です: ● 表面:遮熱鋼板(塗装高耐久ガルバリウム鋼板) ● 中間層:断熱材(硬質ウレタンフォーム 16mm) ● 裏面:アルミラミネート加工紙(防水・防錆補助) これにより、 高い遮熱性・断熱性 優れた防音性能 軽量・高強度 長寿命 が実現されています。 📌 スーパーガルテクトの主な特徴 特徴 内容 🪶 超軽量 1㎡あたり約5kg未満 → 瓦の1/10以下の重さ。耐震性◎ 🧊 遮熱・断熱性能 表面の遮熱塗装+断熱材付きで夏涼しく、冬暖かい 🔩 高耐久ガルバリウム鋼板 通常のガルバより**3倍長持ちする「SGL鋼板」**を使用 🔇 静音性 金属屋根でありながら雨音を軽減 🛠️ カバー工法対応 既存屋根の上からの施工が可能(葺き替えより低コスト) 🎨 カラーバリエーション(例) ※選べるカラーは施工時期や地域で変動することがあります シェイドブラック シェイドブラウン シェイドブルー シェイドモスグリーン シェイドチャコール いずれもマット調で高級感のある仕上がりです。 📈 グレードと種類 製品名 特徴 スーパーガルテクト 標準モデル。断熱性・耐久性のバランスが良い スーパーガルテクト フッ素 フッ素塗装でさらに色褪せ・耐候性が向上(長期保証向け) スーパーガルテクト C(カラー) 高意匠・高級感重視モデル(デザイン屋根) 🏗️ 施工方法と適用工事 工法 対応状況 カバー工法(重ね葺き) ◎:既存屋根(コロニアル・スレート)に対応可能 葺き替え工事 ◎:古い瓦・セメント瓦などを撤去して新設も可 📆 耐久性・保証 項目 内容 材料耐久年数 約25〜40年(使用環境により変動) 塗膜保証 最長20〜25年(グレードにより異なる) 積雪・風圧対応 耐風圧性・雪止め金具併用で雪国でも施工実績多数 💬 スーパーガルテクトが選ばれる理由 地震対策に「屋根を軽くしたい」 夏の暑さ対策で「断熱性能の高い屋根にしたい」 「コロニアルの劣化で雨漏りしそう」 「葺き替えよりも安価にリフォームしたい」 といったニーズに高いレベルで応える製品です。 ✅ まとめ 項目 内容 名称 スーパーガルテクト(アイジー工業) 特徴 超軽量・断熱材一体・遮熱性・高耐久SGL鋼板 対応工法 カバー工法/葺き替え 両対応 推奨用途 スレート屋根のリフォーム・瓦屋根の軽量化 耐用年数 約30〜40年(メンテ次第)   ⑰コロニアル(ころにある) 「コロニアル」とは、スレート系屋根材の一種で、主にセメントを主成分とした薄い板状の屋根材です。特に「コロニアル」は、旧クボタ松下電工(現在のケイミュー株式会社)が製造・販売していた商品名であり、現在では「スレート屋根=コロニアル」と認識されるほど日本国内で普及しています。 🏠 コロニアルとは? 項目 内容 正式名称 コロニアル(現在は「カラーベスト」シリーズに統合) 分類 スレート系屋根材(セメント系) 製造元 ケイミュー株式会社(旧クボタ+松下電工) 主成分 セメント+繊維素材(初期はアスベスト含有) 用途 一般住宅の屋根材として主流だった(1970年代〜現在) 📌 コロニアルの特徴 特徴 内容 🪶 軽量 瓦の約1/2以下 → 耐震性に有利 💰 価格が安い 材料費・施工費が瓦よりもリーズナブル 🏗️ 施工しやすい カット・釘打ち・下地張りが簡易で工期短縮 🔇 見た目がシンプル 洋風・和風住宅どちらにも合わせやすい 🎨 カラーバリエーションが豊富 黒・茶・グレー・赤など住宅スタイルに対応 🧱 コロニアルとスレートの違いは? 項目 コロニアル スレート 定義 商品名(ケイミュー) 材料の分類名(セメント系板材) 例 コロニアルNEO、カラーベスト、グラッサなど コロニアルを含むスレート屋根材全体 現在の呼び方 「カラーベスト」が後継名称 総称として使われる ※つまり「コロニアル=スレートの一種」と言えます。 ⚠ アスベスト問題と製品変遷 年代 内容 ~2004年頃 アスベスト(石綿)を含む製品が主流(耐久性高) 2004年以降 アスベスト使用禁止 → ノンアスベスト製品に移行 問題点 ノンアス化初期の製品は割れやすく耐久性が低いものも存在 🛠️ メンテナンス・リフォームのポイント 項目 内容 点検目安 10年ごとに塗装・ヒビ割れの有無をチェック 塗装メンテ 10〜15年ごとに再塗装で防水性保持 葺き替え 20〜30年目が目安(割れ・反り・雨漏り時) カバー工法 上から金属屋根(ガルバ等)を重ね葺きする施工も可能 🔍 よくある劣化症状 症状 原因・注意点 ヒビ割れ 凍害・経年劣化。放置は雨漏りの原因に コケ・カビ 北面や日陰に多い。美観・劣化を促進 色あせ・チョーキング 塗膜の劣化。塗装のタイミングサイン 板の反り 乾燥収縮などによる変形。カバー工法か葺き替え検討 ✅ まとめ 項目 内容 正体 ケイミュー(旧クボタ松下)のスレート屋根材の商品名 材質 セメント+繊維素材(2004年以前はアスベスト含有) 特徴 軽量・安価・意匠性◎。ただし耐用年数には限界あり メンテ 10〜15年ごとの塗装/20年以降は葺き替え検討 リフォーム対応 カバー工法・金属屋根化が一般的(スーパーガルテクト等)   ⑱アーバニー(あーばにー) 「アーバニー」とは、ケイミュー株式会社(旧クボタ松下電工)が製造していたスレート系屋根材の商品名のひとつです。見た目が瓦調で高級感があり、洋風住宅やモダン住宅でよく採用されていた人気シリーズでしたが、**現在は廃番(製造終了)**となっています。 🏠 アーバニーとは? 項目 内容 製品名 アーバニー メーカー ケイミュー株式会社(旧:クボタ、松下電工) 分類 スレート屋根材(セメント系) 特徴 瓦調デザイン/軽量/安価/施工性◎ 状況 製造終了品(流通在庫も希少) 🎨 特徴と魅力 特徴 内容 🧱 瓦風デザイン スレート屋根でありながら瓦のような立体感と高級感 🪶 軽量 瓦の約半分以下 → 耐震性に有利 💰 コストパフォーマンス 瓦よりも施工費が安く、短工期 🏗️ 施工性が良い 釘打ち・重ね貼り構造で職人の扱いやすさ◎ 🛠 使用されていた場所の例 1990〜2000年代に建築された住宅 輸入住宅・洋風戸建て住宅 建売住宅(コストとデザイン性のバランスを重視した物件) ⚠ アーバニーのメンテナンス・リフォーム注意点 🔍 劣化の兆候 劣化症状 説明 ヒビ割れ・反り ノンアスベスト初期製品は耐久性が低く割れやすい傾向あり 色あせ・チョーキング 表面塗膜の劣化 → 防水性が低下 苔・カビ・藻の発生 防水性が落ちた状態では生えやすくなる 🔧 メンテナンス手段 方法 説明 再塗装 築10〜15年程度で塗装により保護性能を回復 カバー工法 割れやすい製品の場合、金属屋根材でのカバーが最適(スーパーガルテクトなど) 葺き替え 耐用年数(20〜30年)を超える場合は全面撤去+新設 ❌ 製造終了による問題点 問題 内容 材料の入手困難 破損時に同じ製品での差し替えが不可能な場合あり メンテナンス限界 ひび割れ多数の場合、再塗装では追いつかないケースも多い アスベストの可能性 2004年以前の製品にはアスベスト含有の可能性あり(専門検査推奨) ✅ まとめ 項目 内容 製品名 アーバニー(ケイミュー製 スレート屋根材) 特徴 瓦調デザイン/軽量/施工性良好/コスパ◎ 現状 製造終了・交換部材入手困難 メンテ目安 築10〜15年で塗装、20〜30年で葺き替えやカバー工法 対応策 スーパーガルテクトなどの金属屋根材へのリフォームが推奨   ⑲パミール(ぱみーる) 「パミール」とは、ニチハ株式会社が1996年から2008年頃まで販売していた**スレート屋根材(薄型化粧スレート)**の製品名です。 一見、一般的なスレート屋根材と同様に見えますが、「層間剥離(そうかんはくり)」という重大な欠陥が全国的に多発しており、現在では**“劣化の激しい屋根材の代表格”**として認識されています。多くの住宅で雨漏りや破損が発生し、訴訟や集団調停にも発展した過去があります。 🏠 パミールとは? 項目 内容 製品名 パミール(PAMIR) メーカー ニチハ株式会社 販売期間 1996年〜2008年頃まで 分類 化粧スレート屋根材(セメント系) 特徴 意匠性は高かったが、層間剥離による欠陥が多発 現状 製造終了(補修・再販売なし)/要リフォーム対象 ⚠️ パミールの「層間剥離」とは? 「層間剥離」とは、パミールの屋根材がミルフィーユ状に何層にも分離して剥がれてくる現象です。 🔍 主な劣化症状 症状 内容 📌 層間剥離 板の表面がペリペリと薄皮状にはがれる(雨水が内部に侵入) 📌 ヒビ割れ 極端に割れやすく、風で飛ぶこともある 📌 反り・浮き 板材が湾曲して反り上がる(強風で脱落リスク) 📌 塗装不可 表面がはがれるため、塗装しても定着しない・意味がない 🧪 原因:製品構造と素材の問題 パミールは、ノンアスベスト化初期の製品で、アスベスト(石綿)に代わる素材が十分に強度・耐久性を発揮できなかったことが原因とされています。 接着剤や接合層の劣化が早く、外部環境で分離・反り・剥がれを起こしやすい 特に築10年以内から剥離が始まる例も多い 🧰 メンテナンスと対応策 ❌ 再塗装は不可! 表面が剥がれるため、塗料が密着せず、再塗装してもすぐに剥がれる 業者に「塗装できる」と言われても要注意! ✅ 推奨されるリフォーム方法 方法 内容 カバー工法 古いパミールの上から金属屋根材(スーパーガルテクトなど)を重ね葺きする。安価で工期も短め 葺き替え パミールを完全撤去して、新しい屋根材を設置。初期費用は高めだが、構造から安心したい方におすすめ 📆 パミールの見分け方 以下のような住宅は、パミールの可能性が高いです: チェックポイント 詳細 築年数 1996年〜2008年に建てられた メーカー ニチハの屋根材と聞いている 劣化症状 表面がペラペラとはがれている/反っている/割れている 塗装歴 塗装してもすぐ劣化した or 塗装できないと言われた ⚖️ 補償・訴訟の歴史 一部の所有者はニチハに対して補償請求・訴訟・集団調停を行った過去があります。 ただし現在では時効や対応終了のケースも多く、補償は望みにくい状況です。 ✅ まとめ 項目 内容 名称 パミール(ニチハ製スレート屋根材) 状況 重大な構造的欠陥が多発し、現在は製造中止・要注意屋根材 症状 剥離・反り・割れ → 再塗装不可・雨漏りリスク大 対策 カバー工法 or 葺き替えによる全面的な屋根改修が推奨 見分け方 1996〜2008年築+剥がれ・反りがあるなら疑うべき   ⑳セキスイかわらU(せきすいかわらゆー) 「セキスイかわらU(かわらU)」とは、積水化学工業がかつて製造・販売していた屋根材で、瓦の形状を模した厚型スレート(セメント系屋根材)です。1975年から約30年以上にわたって普及し、全国で50万棟以上の住宅に採用された実績がありますが、現在は製造中止となっており、耐久性・安全性・メンテナンスの観点から注意が必要な屋根材です。以下、その特徴・問題点・対策などを整理します。 🏗 かわらUの特徴 項目 内容 材質 厚型セメント系スレート(瓦を模した形状) yane-takarazuka.com+3protimes-nagano.jp+3arise1.jp+3 発売期間 約1975年~2007年まで販売された arise1.jp+2protimes-nagano.jp+2 製造会社 積水化学工業、および関連会社(積水屋根システム / セキスイルーフテック等) protimes-nagano.jp+2テイガク屋根修理+2 対応性 見た目が瓦風で、瓦より軽く、既存屋根材(スレート・カラーベストなど)の上に被せるカバー工法にも使われた。 yane-takarazuka.com+1 ⚠ 主な問題点 かわらUには2種類のタイプがあり、それぞれで問題となる点が異なります。 タイプ 問題内容 アスベスト含有タイプ(1975年~1990年7月頃) アスベスト入りのため健康リスクあり。素材自体は比較的頑健なものが多く、屋根材としての耐久性が高い方。塗装可能なものもあり。 arise1.jp+1 ノンアスベストタイプ(1990年8月以降~2007年) アスベストを使わずに製造されたもの。素材の強度が十分でなかったため、耐久性に乏しく、塗膜の剥がれ・ひび割れ・割れやすさ・基材の崩れなどの劣化が顕著。 山田工芸+3protimes-nagano.jp+3やねまる+3 具体的な症状としては: 塗装がすぐに剥がれる 山田工芸+1 屋根材が乾湿の繰り返しで反ったり、ヒビが入りやすい 屋根無料見積.com+1 屋根に人が乗るだけで割れてしまうような脆さ protimes-nagano.jp+3yane-takarazuka.com+3やねまる+3 ✅ 判断・見分け方 かわらUがどちらのタイプか、またどの程度劣化しているかを見極めることが重要です。 方法 内容 築年数から推定 1975〜1990年頃 → アスベスト含有タイプの可能性が高い。1990年以降はノンアスベスト。 protimes-nagano.jp+1 刻印を見る 屋根材の棟部分などにロット番号が刻印されており、それでおおよそのタイプがわかることがある。 arise1.jp+1 劣化症状を観察 塗膜の剥がれ、白化、ひび割れ、割れやすさなどがないか。ノンアスベストタイプはこれらの症状が早く出る。 屋根無料見積.com+2やねまる+2 🔧 メンテナンス・リフォームの選択肢 かわらUを使っている家では、次のような対応が取られることが多いです: 対策 内容 再塗装 アスベスト含有タイプで劣化が少ないものには一定効果あり。但しノンアスベストタイプでは塗装後すぐ剥がれることも多いため慎重に判断。 やねまる+1 葺き替え工事 最も確実な対応。かわらUを撤去して、新しい屋根材へ交換。下地も含めて整備することで耐久性を確保。 yane-takarazuka.com+1 屋根のカバー工法 既存かわらUの上に新しい屋根材を被せる工法。但し材質・下地の状態によってはリスクあり。軽量の金属屋根などが選ばれることが多い。 yane-takarazuka.com+1 ⚠ 注意点・リスク 劣化が進んだノンアスベストかわらUでは、屋根に登るだけで割れてしまうことがあるため、 安全性が低くなっているので、上に乗る作業は信頼できる業者に任せることが重要。 屋根無料見積.com+1 アスベスト含有タイプは、切断・破砕・撤去時にアスベストの飛散リスクがあるため、 適切な処理が必要。 やねまる+1 塗装業者の中には「塗れる」と言って塗装を勧めるケースもあるが、見た目が改善しても性能は回復しないことが多い。お金と時間を無駄にする可能性がある。 yane-takarazuka.com+2山田工芸+2   ㉑横暖ルーフ(よこだんるーふ) 「横暖ルーフ(よこだんルーフ)」とは、ニチハ株式会社が製造・販売している高耐久・高断熱性の金属屋根材シリーズです。主にリフォーム市場(屋根のカバー工法や葺き替え)で非常に人気が高く、「軽量」「遮熱」「断熱」「防音」「高耐候」など多機能な屋根材として評価されています。 🏠 横暖ルーフとは? 項目 内容 商品名 横暖ルーフ(よこだんルーフ) メーカー ニチハ株式会社(外壁材なども手がける大手建材メーカー) 分類 金属屋根材(ガルバリウム鋼板+断熱材) 用途 屋根の**リフォーム(カバー工法・葺き替え)**に最適 施工方法 横葺き(※瓦のような縦方向ではなく、板金を横方向に張る) 🧱 横暖ルーフの構造 横暖ルーフは以下のような多層構造になっており、機能性が高いのが特徴です: 表面:高耐候ガルバリウム鋼板(またはSGL鋼板) ↓ 中間層:遮熱塗装(赤外線反射) ↓ 芯材:硬質ウレタンフォーム(断熱材) ↓ 裏面:アルミライナー/防音シートなど(製品による) この構造により、以下の性能が実現されています。 🌟 主な特徴・メリット 特徴 内容 🪶 超軽量 瓦の1/10程度の重さ。耐震対策に有利。 🔇 遮音性 雨音が気になりにくく、静かな屋根。 🔥 断熱性 ウレタンフォーム芯材により、夏涼しく・冬暖かい 🌞 遮熱性 表面の塗膜が赤外線を反射し、屋根表面温度を下げる 💧 防水性 一体成型とジョイント構造で雨仕舞が良い 🛠️ 施工性が高い カバー工法で既存屋根の上から施工できる 💨 耐風性能 風に強い構造で、台風にも安心 🏷 主なラインナップ 製品名 特徴 横暖ルーフαS スタンダードモデル。遮熱鋼板+ウレタン断熱材。 横暖ルーフαプレミアムS 高耐候グレード。フッ素塗装など高性能仕様。 横暖ルーフきわみ ハイグレードモデル。意匠性と耐候性が両立。 横暖ルーフライトα 特に軽量で、リフォーム向けに特化したモデル。 横暖ルーフαプレミアムP(旧製品) 旧モデルながら高機能で根強い人気。 🔧 施工方法:カバー工法に最適 横暖ルーフは、「既存の屋根材(カラーベストやスレートなど)を剥がさずに、その上から重ねて施工できる」=**カバー工法(重ね葺き)**に非常に適しています。 対応可能な旧屋根材 パミール カラーベスト セキスイかわらU コロニアル トタン屋根 など ⏰ 耐用年数・保証 項目 内容 耐用年数 20〜30年(プレミアム仕様ならそれ以上) メーカー保証 製品によって10〜20年程度の穴あき・赤錆・塗膜保証あり(例:プレミアムSで20年保証) 🔍 横暖ルーフが選ばれるケース ケース 理由 築20年以上で屋根に不安 軽量で高性能な屋根材にリフォームしたい パミールなど再塗装不可の屋根 カバー工法での最適解 断熱・遮熱効果を上げたい 真夏の室温上昇対策に効果大 地震対策 重い瓦屋根からの葺き替えに最適(軽量で安心) 📝 注意点・デメリット 注意点 内容 費用は安くはない 高機能な分、一般的な塗装よりは高額(ただし瓦よりは安い) 金属音がゼロではない 遮音対策ありでも、強い雨時には若干聞こえることがある 勾配の確認必要 緩勾配屋根にも対応可能だが、最低勾配の確認は必須 ✅ まとめ 項目 内容 名称 横暖ルーフ(ニチハ製 金属屋根材シリーズ) 特徴 軽量/高断熱/高遮熱/防音/高耐候/カバー工法対応 用途 屋根リフォーム・葺き替え・カバー工法で非常に人気 耐用年数 約20〜30年+保証あり(プレミアムモデルはより長期) 📦 こんな方におすすめ 再塗装できない屋根材(パミール、かわらUなど)の方 暑さ・寒さ・音の悩みがある方 地震対策で瓦から軽量屋根へ変更したい方 将来的なメンテナンスコストを抑えたい方

2025.09.23(Tue)

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コラム外壁・屋根塗装のイロハ

塗料の種類に注目!!

今回は塗料の種類に注目して説明します!!                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    ①アクリル塗料 アクリル塗料とは、合成樹脂であるアクリル樹脂を主成分とする塗料で、外壁塗装の分野で最も歴史の古い塗料の一つです。かつては主流でしたが、現在ではシリコン塗料やフッ素塗料に置き換えられることが多くなりました。 1.特徴 特徴 内容 ✅ 価格が安価 外壁塗装用塗料の中で最も安い部類。 ✅ 発色が良い 色の出方が鮮やかで、見た目が美しい。 ✅ 乾燥が早い 作業効率が良く、DIYにも向いている。 ❌ 耐久性が低い 寿命は3〜5年程度。再塗装の頻度が高い。 ❌ 紫外線に弱い 色あせ・ひび割れが早期に起きやすい。 ❌ 汚れやすい 防汚性や防カビ・防藻性能は高くない。 2. アクリル塗料はどんな場面に使う? 現在の住宅外壁ではあまり使用されなくなってきましたが、以下のような場面では選ばれることもあります。 とにかく低予算で済ませたい場合 仮設住宅・短期的な建物 DIY塗装 3.プロの塗装業者がアクリルを使うことはある? 基本的には「一般住宅の外壁」には使用しません。ただし、古い建物の一時的な美観向上や、予算が限られている物件などで採用される場合もあります。最近では「水性アクリル塗料」の開発が進み、室内や下塗り用としての利用もあります。 結論 アクリル塗料は「低価格で手軽」というメリットがある一方、「短命で汚れやすい」というデメリットがあるため、外壁に長期使用するには不向きです。 ただし、予算が限られている/短期間だけ見た目を改善したいなどのケースでは検討の余地があります。 ②ウレタン塗料 ウレタン塗料とは、ウレタン樹脂(ポリウレタン)を主成分とする塗料で、外壁塗装において長年使われてきた信頼ある塗料です。かつては主流でしたが、近年ではシリコン塗料に主役の座を譲りつつあります。 それでも「適度な耐久性」と「柔軟性」「コスト面のバランス」で、今でも一定の人気があります。 1. ウレタン塗料の特徴 特徴 内容 ✅ 価格が手頃 シリコンより安く、アクリルよりやや高い中間的価格帯。 ✅ 密着性が良い 細かい部分や木部・鉄部にもよく密着する。 ✅ 柔軟性あり 弾性があり、ヒビ割れに強い傾向。 ❌ 耐久性はそこそこ 耐用年数は約5〜8年程度。シリコンには及ばない。 ❌ 汚れやすい 防汚性や防カビ性は中程度で、年数が経つと艶が引けやすい。 2. ウレタン塗料の耐用年数とメンテナンス 耐用年数:5〜8年 おすすめメンテ周期:7年前後で再塗装を検討 劣化症状:艶落ち、チョーキング、ひび割れ、剥がれなどが起こりやすくなる 3. 他の塗料との比較(価格と耐久) 塗料種類 耐用年数 価格感 特徴 アクリル 3〜5年 ◎ 非常に安い 古いタイプ、短命 ウレタン 5〜8年 ○ 安価 柔軟性あり、密着力あり シリコン 8〜12年 △ 中価格 現在の主流 フッ素 12〜15年 ✕ 高価格 高耐久、撥水性良好 無機 15〜20年 ✕✕ 非常に高価 耐久・防汚性抜群 4. ウレタン塗料の向いているケース 木部・鉄部など複雑な素材が多い場所 短期的に費用を抑えたいとき 部分補修・下地補修を中心とする施工 マンションの鉄階段・手すり等の補修塗装 5. プロ業者はウレタンをいつ使う? 最近では外壁全体への使用は減りましたが、以下のような用途には今でも使われます。 木製ドア枠や手すりの塗装 シャッターや鉄柵などの細部 狭小地の短期塗装リフォーム シリコンより安く済ませたいお客様向けプラン ※ただし、外壁メイン部分にはあまり使用されなくなってきています。 6. ウレタン塗料のまとめ 項目 内容 耐用年数 5〜8年 価格 シリコンより安く、アクリルより少し高い メリット 柔軟性、密着性、コストのバランス デメリット 耐久性や防汚性にやや劣る 7. ウレタン塗料はおすすめか? ✅ 向いている人: 初期費用を抑えたい 外壁以外(鉄部・木部)の塗装をしたい 定期的に塗り替える前提で使いたい ❌ 向いていない人: 10年以上塗り替えたくない 汚れやすい立地に住んでいる 耐久重視・高機能塗料を求める人 結論 ウレタン塗料は「コスパ重視」「補修中心」「複雑な部材対応」といったニーズに応えることができますが、外壁全体に長期的な塗膜性能を求めるなら、シリコン以上の塗料を選ぶのがおすすめです。 ③シリコン塗料 シリコン塗料とは、主成分にシリコン系樹脂(有機シリコン)を使用した塗料で、現在の外壁塗装における主流塗料です。 「価格」と「耐久性」のバランスが良く、戸建住宅やアパートなど幅広い建物で使用されており、外壁・屋根ともに選ばれることの多い塗料です。 1. シリコン塗料の主な特徴 特徴 内容 ✅ 耐久性に優れる 耐用年数8~12年程度。ウレタンより長持ち。 ✅ コストパフォーマンスが高い 性能と価格のバランスが良く、一般住宅に最適。 ✅ 汚れに強い 親水性により雨で汚れを洗い流しやすい。 ✅ ツヤ・発色が長持ち 美しい見た目が長期間維持されやすい。 ❌ 密着力はやや劣る 細かい部材にはウレタン塗料の方が適することも。 ❌ 塗膜が硬め 柔軟性が低く、下地のひび割れには追従しにくい。 2. 耐久性と価格感 指標 内容 耐用年数 約8〜12年(使用塗料によって差あり) 塗料グレード 中〜上級クラス 平均価格帯 1㎡あたり2,200〜3,000円(材料+施工費) 備考 日本ペイント「パーフェクトトップSi」やエスケー化研「クリーンマイルドシリコン」などが人気商品。 3. シリコン塗料の向いているケース 10年前後の塗り替えサイクルを希望している方 コストと耐久性のバランスを重視したい方 標準的な住宅外壁に適した塗料を探している方 長持ちする見た目を保ちたい方 4. 他の塗料との比較 種類 耐用年数 価格 特徴 アクリル塗料 3〜5年 ◎ 安価 短命・現在は非推奨 ウレタン塗料 5〜8年 ○ 手頃 柔軟性・密着性◎ シリコン塗料 8〜12年 △ 中価格 現在の主流。コスパ◎ フッ素塗料 12〜15年 ✕ 高価格 高耐久・撥水性に優れる 無機塗料 15〜20年 ✕✕ 非常に高価 半永久的耐久・超高性能 5. よく使われるメーカーと商品例 メーカー 商品名 特徴 日本ペイント パーフェクトトップ ラジカル制御型シリコン塗料。高耐久でコスパ◎ エスケー化研 クリーンマイルドシリコン 低汚染性・防かび・防藻性能に優れる 関西ペイント セラMシリコンⅢ 高光沢・高耐久のハイグレードタイプ 6. 注意点 シリコンでもピンキリ:シリコン含有量や添加剤の差で、グレードが大きく変わる。 下地との相性:既存の塗膜や外壁素材により、下塗り材や施工方法を変える必要がある。 施工技術が重要:どんなに良い塗料でも、職人の技術が伴わないと効果が発揮されない。 7. シリコン塗料はおすすめか? ✅ おすすめな人: 初めて外壁塗装をする 10年周期でメンテナンスしていく予定 長く持って、でも高すぎない塗料を希望する ❌ 向かない人: 15年以上メンテ不要を目指す人(→フッ素・無機を検討) 雨風や紫外線が特に強いエリアに住む方(→高グレードシリコンまたはフッ素) 結論 シリコン塗料は、住宅の外壁塗装において最もバランスの取れた選択肢です。初めての塗り替えでも、リピートでも、多くの施工業者が推奨する「間違いない選択」と言えるでしょう。 ④フッ素塗料 フッ素塗料とは、フッ素樹脂を主成分とする高耐久・高性能な外壁塗料です。東京スカイツリーや高速道路の橋梁など、極めて高い耐久性が求められる建造物にも採用されている塗料です。 一般住宅にも使用されるようになりつつありますが、他の塗料に比べて価格は高めです。 1. フッ素塗料の特徴 特徴 内容 ✅ 耐久性が非常に高い 15年〜20年程度の耐用年数。塗り替え頻度が減らせる。 ✅ 防汚・撥水性能に優れる 汚れにくく、雨で自然に洗い流されやすい。 ✅ 紫外線・熱に強い 劣化・色あせが非常に少ない。 ✅ 光沢感が長続き ツヤのある美しい外観を長期間キープできる。 ❌ 価格が高い シリコン塗料の1.5〜2倍の価格帯。 ❌ 硬くて割れやすい素材に不向き 柔軟性が低いため、動きのある下地には追従しにくい。 2. 耐用年数と価格感 指標 内容 耐用年数 約15〜20年 平均価格帯 1㎡あたり3,500〜4,800円(材料+施工費) コストパフォーマンス 高い初期費用だが、長期的には経済的になるケースも 3. フッ素塗料が向いているケース 長期間塗り替えたくない人 紫外線や塩害の影響を受けやすい地域(例:海沿い、日当たりの強い立地) 美観を長く保ちたい人(艶・色あせが少ない) 高層住宅、店舗など頻繁に足場を組めない建物 4. 他の塗料との比較 塗料 耐用年数 特徴 価格帯 アクリル 3〜5年 安価・短命・汚れやすい ◎ 非常に安い ウレタン 5〜8年 柔軟性あり・コスパ中程度 ○ 安め シリコン 8〜12年 主流塗料・バランス◎ △ 中価格 フッ素 15〜20年 超高耐久・高性能 ✕ 高価格 無機 15〜25年 フッ素以上の超高耐久 ✕✕ 非常に高価 5. 主なメーカーと代表製品 メーカー 商品名 特徴 日本ペイント ファイン4Fセラミック 4フッ化フッ素樹脂使用、高耐久・低汚染性 エスケー化研 クリーンマイルドフッソ 高耐候・耐薬品性に優れた住宅用フッ素塗料 関西ペイント アレスアクアフッソ 水性で環境配慮型、艶あり・なしが選べる 6. 注意点・施工時のポイント 塗料価格が高いため、業者によって見積もり差が出やすい 塗膜が硬めなので、下地の動きがある場所は別塗料を検討 艶消しタイプが少ないため、仕上がりの質感に注意 7. フッ素塗料はおすすめか? ✅ おすすめな人: 外壁を長期間メンテナンスフリーにしたい 美しいツヤを長持ちさせたい 外壁にコケ・カビ・色あせを防ぎたい 塗装コストを“長期的視点”で抑えたい ❌ 向かない人: 初期費用をとにかく安く済ませたい人 短期間で色変更・塗り替えを考えている人 結論 フッ素塗料は「長持ち・キレイ・汚れにくい」という三拍子が揃った高性能塗料です。初期費用は高いものの、長期的には再塗装の回数を抑えられるため、トータルコストを抑えたい方には非常におすすめです。 ⑤ 無機塗料 無機塗料とは、ガラスや石などの無機物を主成分に配合した塗料のことです。無機成分は紫外線や熱、雨風に強く、極めて高い耐久性・防汚性・不燃性を持っています。 有機塗料(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素など)とは異なり、「劣化しにくい性質」が最大の特徴です。 1. 無機塗料の主な特徴 特徴 内容 ✅ 超高耐久性 耐用年数は15〜25年。最長クラスの性能。 ✅ 防汚・防カビ性に優れる 雨で自然に汚れが流れ落ちるセルフクリーニング性能。 ✅ 紫外線に非常に強い 紫外線での塗膜劣化が極めて少ない。 ✅ 不燃性あり 火に強く、燃えにくい特性を持つ。 ❌ 価格が非常に高い シリコン塗料の2〜3倍程度。 ❌ 塗膜が硬いため割れやすいケースも 柔軟性の必要な下地には注意が必要。 2. 耐用年数・コスト 指標 内容 耐用年数 約15〜25年 平均価格 1㎡あたり4,000〜6,000円(材料+施工費) ランニングコスト 初期費用は高いが、長期的には再塗装回数を減らせて経済的 3. 他の塗料との比較 種類 耐用年数 価格感 特徴 アクリル塗料 3〜5年 ◎ 非常に安い 劣化が早く、現在は非推奨 ウレタン塗料 5〜8年 ○ 安め 柔軟性・密着力が高い シリコン塗料 8〜12年 △ 中価格 現在の住宅塗装の主流 フッ素塗料 15〜20年 ✕ 高価格 高耐久・防汚性も高い 無機塗料 15〜25年 ✕✕ 非常に高価 最高クラスの性能と耐久性 4. 主な無機塗料のメーカーと代表製品 メーカー 製品名 特徴 日本ペイント アプラウドシェラスターNEO 無機とフッ素のハイブリッド塗料。超高耐久。 エスケー化研 プレミアム無機 高耐久・高親水性でセルフクリーニング性能あり。 関西ペイント アレスダイナミックMUKI ガラス系無機で光沢長持ち。高密着性能も強み。 5. 無機塗料の向いているケース 将来的に外壁の塗り替え回数を減らしたい方 高層住宅や公共施設など、足場設置コストが高い建物 紫外線や雨風にさらされやすい立地の家(海沿い、山沿い等) 外壁の美しさを20年近くキープしたい方 不燃性能が必要なエリアや建物用途 6. 注意点 柔軟性がやや低いため、ひび割れしやすい外壁(モルタルなど)には適さないことがある。 施工には高い技術力が必要:誰が塗るかによって効果が大きく異なる。 見積の比較が必須:無機といいつつ「実はフッ素が主体」のハイブリッド製品も多い。成分構成を確認すること。 7. 無機塗料はおすすめか? ✅ おすすめな人 20年近く塗り替えたくない人 美観と機能性の両立を求める人 初期投資が可能な方 外壁が比較的動きにくい(サイディング等) ❌ おすすめしづらい人 予算が限られている 木部や鉄部の塗装を中心にしたい 柔軟性の高い塗膜が必要な箇所が多い 結論 無機塗料は「超長寿命」かつ「防汚・不燃・高美観」を誇る最高クラスの外壁塗料です。初期費用は高めですが、1回の塗装で20年近く持たせたい方にとっては、非常にコストパフォーマンスが高い選択肢になります。 無機塗料の採用を検討している方は、「製品の成分構成」や「施工業者の技術力」をしっかり確認したうえで判断すると良いでしょう。 ⑥ウレア塗料 ウレア塗料(ポリウレア塗料)とは、近年注目されている高性能な防水・防食塗料の一種で、ポリウレア樹脂を主成分とした塗料です。建築・土木・工業・防水などさまざまな分野で使われています。 特徴 1. 非常に高い耐久性 摩耗、衝撃、化学薬品、紫外線、塩害に強く、非常に過酷な環境下でも性能を維持します。 通常のウレタンやエポキシよりも優れた耐候性・耐薬品性を持ちます。 2. 超速硬化性 吹き付け後、数秒〜数分で硬化し、短時間で作業完了が可能。 工場の床、防水工事などで「即日復旧」が求められる現場に最適。 3. 伸縮性・柔軟性が高い コンクリートのクラック追従性能があり、下地の動きに対応可能。 屋上や橋梁など、構造物の動きが大きい場所に適しています。 4. 厚膜施工が可能 一度の吹き付けで1mm以上の厚膜形成ができる(一般塗料は100μm前後)。 重防食、防水層としての使用に最適。  成分と構造 ポリウレアは、イソシアネート化合物とポリアミン化合物を高反応で組み合わせて硬化する塗膜です。ポリウレタンのようにポリオールではなく、ポリアミンと反応する点が大きな違いです。 🏗️ 主な用途 用途 具体例 防水工事 屋上、駐車場、地下ピット、防水層 防食工事 工場床、薬品槽、下水処理施設 建築・土木 橋梁、トンネル、護岸構造物 車両・設備 トラック荷台、車両下部、戦車、パイプ保護  注意点 高価:通常のウレタンやシリコン塗料に比べ、材料費・施工費ともに高い。 専用の機器が必要:高圧温調タイプの二液同時スプレー装置での施工が必要。 専門知識と技術が必要:温度管理・混合比管理が難しく、未熟な施工者では不具合が生じる。 まとめ 項目 評価 耐久性 ★★★★★(非常に高い) 施工性 ★★★☆☆(機械と経験が必要) コスト ★★☆☆☆(高価) 用途の広さ ★★★★★ ⑦有機HRC塗料 有機HRC塗料は、主に重防食用途(橋梁・プラント・タンク・港湾構造物など)で使用される高機能塗料で、「高耐久・高機能な有機系重防食塗料」として開発された製品群です。以下に詳しく解説します。 有機HRC塗料とは? 「HRC」は通常、製品やメーカーによって意味が異なる場合がありますが、重防食分野では以下のような意味合いで使われています: HRC = High Rust-protection Coating(高防錆塗料) または、メーカーによっては「Hybrid Resin Coating(ハイブリッド樹脂塗料)」の略として使われることもあります。 つまり「有機HRC塗料」とは、有機樹脂をベースとした高耐久性・高防錆性の塗料のことです。  主な特徴 1. 高い防錆性(重防食) 鉄鋼構造物に対して非常に高い防錆性能を発揮。 塩害や高湿度環境でも長期間腐食を防ぐ。 2. 高耐候性・長寿命 紫外線や熱、風雨などに強く、15年~20年超の長寿命設計も可能。 メンテナンス周期が長く、LCC(ライフサイクルコスト)削減に寄与。 3. 有機無機ハイブリッド技術 無機成分(シリカなど)を配合することで、緻密で強靭な塗膜を形成。 ひび割れ・クラックにも強い。 4. 環境対応型も多数 VOC低減や水性化技術も進んでおり、環境負荷を抑えた製品も登場。 主な用途 適用対象 内容 橋梁 鋼橋の重防食塗装(国交省の防食仕様に適合) 港湾・沿岸部構造物 潮風や塩害対策が必要な鉄部 プラント・煙突 高温・高湿・腐食性ガス環境下 鉄塔・鉄骨構造物 高所・屋外の長期塗装が必要な箇所 構成例(一般的な有機HRC塗装仕様) 工程 使用塗料 塗膜厚 1次 有機ジンクリッチプライマー 75μm 2次 エポキシ中塗り(高固形分) 125μm 3次 有機HRC上塗り(耐候型) 50μm 合計 ― 250μm以上(重防食仕様)  注意点 専門の仕様書や防食基準に基づく選定が必要(例:JIS K 5516、国交省の鋼道路橋防食便覧 など) 一般住宅には使われることはほぼなく、産業・土木インフラ向けの用途が中心です。 製品ごとに「HRC」の意味や性能が異なるため、各メーカーの技術資料を確認するのが確実です。  有機HRC塗料を扱う主なメーカー(例) メーカー 製品名例 特徴 関西ペイント アレスHRC、スーパーコートHRCなど 橋梁やタンク向けの高防食塗料 日本ペイント クリンカラーHRCシリーズなど エポキシとウレタンをベースにした長寿命設計 エスケー化研 SKハイプロンHRCなど 高機能重防食+環境対応型  まとめ 有機HRC塗料とは、有機系高耐久重防食塗料のこと 高防錆・高耐候・長寿命で、橋梁・プラント・沿岸構造物などの重防食用途に用いられる 製品によって「HRC」の定義や機能が異なるため、使用前に必ず製品仕様書の確認が必要 ⑧光触媒塗料 光触媒塗料(ひかりしょくばいとりょう)**とは、太陽光(主に紫外線)に反応して汚れを分解・除去する機能を持つ塗料のことです。防汚性能や空気浄化作用を備えた、高機能外壁塗料として注目されています。  光触媒とは? ▶ 原理(基本メカニズム) 光触媒塗料の主成分は、**酸化チタン(TiO₂)**という物質です。これが紫外線に当たることで下記の働きをします: 分解力(セルフクリーニング) 紫外線を受けると**強力な酸化力(ラジカル)**が発生 有機物(排ガス・油・カビ・菌などの汚れ)を分解 親水性 表面が水と馴染みやすくなり、雨水で汚れを洗い流す 油汚れや排気ガスも付着しにくい 光触媒塗料の特徴とメリット 特徴 内容 🍃 セルフクリーニング効果 雨水で自動的に外壁の汚れが落ちるため、美観を長期間保持できる 🌬 空気清浄機能 NOx(窒素酸化物)やVOC(揮発性有機化合物)を分解し、大気浄化にも貢献 🔥 防カビ・防藻効果 カビや藻の原因菌も分解されやすく、衛生的 💡 長寿命 塗膜そのものの耐久性も高く、15年〜20年以上持つ製品も デメリット・注意点 項目 内容 ☁ 日陰では効果が弱い 紫外線が当たらない面(北面・高架下など)では分解効果が十分に得られない 💰 価格が高い 一般塗料と比較して材料費・施工費が高め(㎡単価で数千円UPも) 🧽 付着した無機汚れには非対応 砂・土・鉄粉など、分解できない汚れには効果が薄い 🎨 選べる色が限られることも 酸化チタンが白いため、暗色系のカラーでは効果が低下する場合がある  光触媒塗料の主な用途 用途 詳細 戸建て住宅 外壁・屋根・塀などの美観維持、防汚効果 マンション・ビル 外壁や外装材の長寿命化・メンテナンスコスト削減 公共施設 環境配慮・大気浄化性能への期待(学校・役所など) 代表的な製品(例) メーカー 製品名 特徴 日本特殊塗料 光触媒コート ECO-EX セルフクリーニング+抗菌防カビ オプティマス ダークサーモ光触媒 遮熱+防汚のハイブリッド機能 TOTO ハイドロテクトカラーコート 外壁タイル向け、空気浄化機能で有名 フッ素系との組合せ 光触媒フッ素塗料 フッ素の耐久性+光触媒の自己洗浄効果  まとめ 項目 内容 寿命 15〜20年と非常に長持ち コスト 中〜高価格帯(シリコンより高く、フッ素に近い) メリット 汚れに強く、美観を長く維持可能。空気もキレイに デメリット 紫外線が届かない面では効果が薄く、コストもやや高め  こんな方におすすめ 美観を長く保ちたいお施主様 高所外壁で足場メンテナンスを頻繁にしたくない方 環境意識の高い公共施設・商業施設の管理者   ⑨遮熱塗料 遮熱塗料(しゃねつとりょう)とは、太陽光に含まれる近赤外線(IR:Infrared)を反射することによって、屋根や外壁の表面温度上昇を抑え、室内温度の上昇を軽減する塗料のことです。特に夏季の冷房負荷を減らす目的で多く使われています。 遮熱塗料の仕組み 遮熱塗料は、赤外線を反射する特殊な顔料(遮熱顔料)を含んでいます。 太陽光のエネルギー構成: 紫外線(UV):約3% 可視光線(目に見える光):約45% 赤外線(IR):約52% ← これが熱の原因! 遮熱塗料はこの「赤外線(近赤外線)」を主に反射し、屋根や外壁の温度上昇を抑えます。  遮熱塗料のメリット 項目 内容 表面温度の抑制 屋根で最大20〜30℃程度、外壁でも10〜15℃の温度差が生じることも 室内温度も低下 2〜4℃程度下がる例もあり、特に2階や最上階で効果が体感されやすい 冷房費削減 空調負荷が減り、省エネ・節電につながる(最大10〜15%削減例も) 建材の劣化抑制 高温による熱膨張や素材劣化の抑制に寄与 環境配慮 都市のヒートアイランド現象対策にも効果あり デメリット・注意点 項目 内容 濃色は遮熱効果が弱い 白や淡色の方が遮熱効果は高く、黒や濃い色は効果が下がる 断熱とは違う 遮熱は熱を反射するだけで、保温性や断熱性はない(冬は効果なし) 効果が落ちる場合も 汚れがつくと反射率が下がり、性能が低下する可能性がある 価格がやや高め シリコン塗料よりやや高く、一般的にはフッ素塗料と同程度  遮熱塗料の主な使用箇所 部位 効果が出やすい理由 屋根(特に金属屋根) 日射を最も受ける場所で、温度差が大きく出る 外壁(南面・西面) 夏季に直射日光が当たる部分に特に効果的 工場・倉庫・体育館 大型建物で空調コストが高い場合に有効 代表的な遮熱塗料製品(国内) メーカー 製品名 特徴 関西ペイント アレスクールシリーズ 高い反射率とカラーバリエーションが豊富 エスケー化研 クールタイトシリーズ コストパフォーマンスが高く戸建て向けに人気 日本ペイント サーモアイシリーズ 下塗りにも遮熱性能があり効果が高い 水谷ペイント 快適サーモシリーズ セメント瓦・スレート・金属屋根に対応可 菊水化学工業 キクスイ遮熱シリーズ 外壁用にも強い遮熱効果を発揮  遮熱効果の数値イメージ(例) 条件 一般塗料 遮熱塗料 屋根表面温度 約65℃ 約40℃(−25℃) 室内温度(最上階) 約32℃ 約29℃(−3℃) 電気代 年間¥100,000 年間¥90,000(−10%) ※ 建物構造・立地・日射条件により異なります  遮熱 vs 断熱の違い 分類 遮熱塗料 断熱塗料 主な作用 赤外線を反射して熱を入れない 熱を蓄えて通さない(保温) 季節 主に夏向き 夏も冬も対応可能 価格帯 中〜高 高め(遮熱より高い傾向) 重ね塗り 薄膜でOK 厚膜が必要で乾燥時間も長い まとめ 項目 評価 断熱性 ❌(なし) 遮熱性 ◎(高い) 寿命 ○(シリコンで10〜15年程度) 費用対効果 △〜◎(建物の条件による)  遮熱塗料がおすすめなケース 2階が非常に暑くて困っている住宅 工場や倉庫など空調コストを削減したい建物 南向き・西向きの壁面が直射日光を受けている物件 屋根に金属素材(ガルバ、折板、トタンなど)を使用している場合 ⑩断熱塗料 断熱塗料(だんねつとりょう)とは、熱の移動(伝導・放射)を抑えることで、夏の遮熱+冬の保温という両方の効果を発揮する高機能塗料です。単なる「遮熱塗料」とは異なり、建物内の温度変化を緩やかにすることを目的とした塗料です。  断熱塗料の仕組み 断熱塗料には、塗膜内に中空セラミックビーズや断熱微粒子が含まれており、以下の3つの熱伝導を抑制します: 伝導熱の抑制:空気層を含む構造で熱が伝わりにくい 対流熱の遮断:熱の移動が起きにくくなる 輻射熱(赤外線)の反射:遮熱顔料と組み合わせて太陽熱も反射 つまり、夏は外からの熱を遮断し、冬は内側の熱が逃げにくくなるのが特徴です。  断熱塗料のメリット 項目 内容 夏涼しく、冬暖かい 遮熱+保温のダブル効果。冷暖房効率アップ 光熱費の削減 電気代やガス代の節約に貢献(10~20%削減例も) 遮音効果 セラミック粒子構造が音も吸収しやすい 耐久性が高い 高機能製品は15〜20年の耐候性あり 環境にやさしい CO₂排出削減・SDGs対策にも有効  断熱塗料のデメリット 項目 内容 価格が高め シリコン塗料の1.5〜2倍程度(㎡単価で+1,000〜2,000円) 色の自由度が少なめ 遮熱性を持たせる関係で明るめの色が多い 施工厚みが必要 通常塗料より厚膜仕上げが求められ、乾燥にも時間がかかる 通気性の確保が重要 塗膜が厚くなりやすいため、通気設計が悪いと結露のリスクも 使用箇所・おすすめ建物 使用部位 理由・効果 屋根(特に折板・ガルバリウム) 夏の熱遮断、冬の保温効果が大きい 外壁(南・西面) 太陽光が長時間当たる箇所に有効 工場・倉庫 室内空調コストを大幅削減可能 学校・病院など公共施設 光熱費削減と快適環境維持の両立に貢献 代表的な断熱塗料製品 メーカー 製品名 特徴 日進産業 ガイナ(GAINA) 宇宙技術応用。断熱+遮熱+遮音+防音+防露+空気清浄 水谷ペイント 快適サーモBio 断熱と遮熱の両立。防カビ抗菌も兼ねる エスケー化研 クールテクトF/Si 遮熱強化型だが、断熱効果も持つハイブリッド 菊水化学 水系ファインコート遮熱NEO 遮熱+断熱+環境対応型の水性塗料 遮熱塗料との違い(比較表) 比較項目 遮熱塗料 断熱塗料 熱の反射 ◎(赤外線を反射) 〇(やや反射) 熱の伝導遮断 ✕ ◎ 夏の効果 ◎ ◎ 冬の効果 ✕ ◎(保温) 価格 中程度 高め 厚み 薄膜(100〜200μm) 厚膜(400μm〜1mm以上) 機能性 単機能 多機能(防音・防露など) 断熱塗料の費用相場(目安) 塗装部位 一般塗料 断熱塗料 屋根(30㎡) 約10万円 約16万円〜 外壁(150㎡) 約60万円 約90万円〜 ※足場代・下地処理など別途 まとめ 断熱塗料 = 夏の遮熱+冬の保温を実現 省エネ+快適な住環境+長寿命塗膜がメリット 初期費用は高いが、光熱費削減+メンテ周期延長で長期的に経済的 遮熱塗料よりも高機能で万能型 ⑪OEM塗料 OEM塗料とは、塗料業界において「OEM(Original Equipment Manufacturer)」の形で製造された塗料のことを指します。つまり、塗料メーカーが他社ブランド名で製造・供給する塗料のことです。 構造のイメージ 【実際に製造しているのは → A社(塗料メーカー)】 【販売される塗料の名前は → B社ブランド名(OEM先)】 たとえば: 実際の製造元:関西ペイント 販売名:○○建装オリジナル塗料「スーパー耐久コート」 → 実際は「アレスダイナミックTOP」と同等だった、というようなケースもあります。 OEM塗料の目的・メリット 項目 内容 差別化 自社専用のブランド塗料として競合との差別化が可能 信頼性の担保 大手塗料メーカーが製造しているため、品質的には安心 ブランド力強化 「○○工務店オリジナル塗料」として、企業ブランド向上に貢献 高利益率確保 自社商品として販売できるため、価格コントロールがしやすい OEM塗料の注意点・デメリット 項目 内容 中身が不透明な場合がある 一般ユーザーには「何の塗料がベースかわからない」ことも 情報がネットで調べにくい 製品名で検索してもデータシートや施工実績が出てこない 後継品・改良品の情報が届きにくい ベースとなる塗料が廃盤になっても気づかないこともある OEM塗料の実例(業界でよくあるケース) OEM塗料名(例) 製造元(実態) 備考 ○○ホーム遮熱プロ 日本ペイント 「サーモアイ」のOEM版 △△リフォーム無機トップ SK化研 「プレミアム無機」と同等クラス XYZ超耐候コート 関西ペイント 「アレスダイナミックTOP」OEM版 ※製品名は仮名ですが、実際にこういったOEM例は多数存在します。 見積書で「OEM塗料」と書かれていたら? 見積書や提案書に「当社オリジナル塗料(OEM)」などと書かれていた場合、以下の点を確認すると良いでしょう: 質問リスト: 製造元はどの塗料メーカーですか? 元になっている市販塗料の名前はありますか? 製品のカタログ・仕様書・期待耐用年数を見せてください JIS規格やF☆☆☆☆などの取得状況は? OEM塗料のまとめ 観点 評価 品質 製造元がしっかりしていれば安心 透明性 低い場合がある(中身がわかりにくい) 価格 高めに設定されるケースが多い 信頼性 情報開示の姿勢次第で変わる おすすめの対応方法 お客様に対しては「OEMだから悪いわけではなく、製造元の明示と性能開示が大事」と説明すると信頼されます。 自社でOEM展開を考える場合も、「差別化+ブランド戦略+品質証明」をセットで進めると効果的です。 ⑫ラジカル制御型塗料 ラジカル制御型塗料(ラジカルせいぎょがたとりょう)とは、外壁塗装における高耐候性塗料の一種で、「塗膜劣化の原因」である“ラジカル”の発生や拡散を抑える機能を持つ塗料です。近年、コストと性能のバランスに優れた次世代塗料として人気が高まっています。 ラジカルとは? ラジカル(radical)とは、紫外線や酸素によって塗料中の顔料(主に酸化チタン)から発生する「劣化因子」**です。 このラジカルが活性酸素のように塗膜を攻撃し、チョーキング(白亜化)やひび割れ、色褪せといった劣化の主な原因になります。 ラジカル制御型塗料の仕組み ラジカル制御型塗料は、以下のメカニズムで塗膜の劣化を抑えます: 機能 内容 高耐候酸化チタン(新顔料) 表面をコーティングした特殊な酸化チタンにより、ラジカルの発生自体を抑制 光安定剤(HALSなど) 発生したラジカルを封じ込める(捕捉して無害化する) 樹脂改良技術 アクリルやシリコンに比べ、紫外線耐性の高い樹脂構造を採用する場合もあり これらの技術により、従来のシリコン塗料よりも高い耐久性を実現しつつ、価格は比較的抑えられています。 メリット(長所) 項目 内容 高耐候性(約12〜15年) シリコンを超える耐候性。無機やフッ素に迫る性能も コストパフォーマンスが高い フッ素塗料よりも安価で、高耐久が得られるため人気急上昇中 チョーキングが起きにくい 白亜化の発生を大幅に抑制できる 幅広い色展開が可能 顔料改良により暗色系でも比較的安定した性能を発揮 戸建て住宅に最適 バランスの取れた性能で、住宅外壁塗装に多く使われている デメリット(短所) 項目 内容 📈 製品ごとの差が大きい ラジカル「制御」技術には定義の幅があり、製品ごとに性能差がある 📄 JIS規格が存在しない 明確な規格や等級がないため、メーカーごとの性能比較が難しい 🔍 ラジカルを完全に防げるわけではない あくまで「抑制・制御」であり、「無発生」ではない 代表的な製品 メーカー 製品名 特徴 関西ペイント アレスダイナミックTOP ラジカル制御の代表格。非常に人気が高い 日本ペイント パーフェクトトップ 戸建てで非常に多く使われる定番塗料 エスケー化研 プレミアムシリコン 耐候性・コスパ・施工性の三拍子揃った塗料 菊水化学 KPアクアグリーンSi 水性で環境対応+ラジカル制御 価格と耐用年数の比較 種類 期待耐用年数 ㎡単価目安 特徴 ウレタン塗料 6〜8年 安い 古いがコスト重視向け シリコン塗料 10〜12年 標準 今も主流 ラジカル制御型塗料 12〜15年 やや高い コスパ最強クラス フッ素塗料 15〜20年 高い 耐久性は最高だが高価 無機塗料 20年以上 非常に高い 超高耐久、プロ仕様 まとめ 観点 評価 耐候性 ◎(シリコン以上) 価格 ○(フッ素より安価) チョーキング防止 ◎(ラジカル制御) コスパ ◎(現在非常に人気) 注意点 メーカー比較が必要(成分や保証の違い) ラジカル制御型塗料はこんな方におすすめ 10年以上長持ちする塗装をしたいが、フッ素や無機は高すぎる 美観(チョーキングや色褪せ)を長く維持したい 費用対効果の高い塗装を求める一般住宅の施主様   ⑬クリヤー塗料 クリヤー塗料とは、顔料を含まない透明な塗料のことで、外壁や素材の意匠(デザイン)や模様、質感をそのまま活かしつつ、保護機能を与える塗料です。 サイディングやコンクリート打ち放し、木部などの「素材感を見せたい外装材」に用いられることが多いです。 クリヤー塗料の定義と役割 特徴 内容 透明性 塗膜に色がつかないため、既存の外壁デザイン(レンガ調・石目調など)をそのまま見せることが可能 保護機能 紫外線・風雨・汚れ・劣化から既存の模様や素材を守る 艶出し・艶消し 艶あり・3分艶・艶なしなど、仕上げ感をコントロールできる 色褪せ対策には不向き 元の外壁が既に劣化・変色していると、それを隠せない(※化粧効果はなし) メリット 項目 内容 デザイン保持 特に「意匠性サイディング」の美しさを残したまま保護できる 素材を活かした塗装 打ち放しコンクリートや木材などの意匠材との相性が良い 汚れにくい フッ素や無機タイプなら高い親水性や防汚性能を持つ 将来の塗替えが柔軟 次回塗装時に色付き塗料に変更可能  デメリット・注意点 項目 内容 劣化面には不向き 外壁にチョーキングや色褪せ、シーリングのひび割れがあると塗装できない(劣化を隠せないため) 下地の状態が重要 汚れ・カビ・クラック・白化などは事前にしっかり補修・洗浄が必要 透明なのでムラが目立つ 塗装不良や吹き残し、艶ムラが目立ちやすい(高い施工技術が必要) やや高価 耐候性を高めるにはフッ素や無機タイプを選ぶことになり、コストが上がる  適用される外壁素材 素材・仕上げ クリヤー塗装の適性 窯業系サイディング(模様入り) ◎(模様や質感を保護) 打ち放しコンクリート ◎(コンクリートの質感維持) 金属サイディング(柄入り) ○(状態次第で施工可) モルタル(単色・劣化あり) ✕(通常は色付き塗料を使用)  主なクリヤー塗料の種類と性能 種類 特徴 耐久年数の目安 アクリルクリヤー 安価だが耐久性は低い 4〜6年 シリコンクリヤー コストと性能のバランス◎ 8〜10年 フッ素クリヤー 高耐候・高耐久。紫外線に強い 12〜15年 無機クリヤー 最高クラスの耐候性・防汚性能 15〜20年  主な製品(例) メーカー 製品名 特徴 日本ペイント ピュアライドUVプロテクトクリヤー 2液弱溶剤型。シリコン/フッ素から選択可 関西ペイント アレスアクアシリカクリヤー 水性クリヤー塗料。耐汚染性が高い エスケー化研 プレミアムUVクリヤーSi/F 高耐候性・高密着。艶選択可 菊水化学 KPクリヤーシリーズ 窯業系サイディング向けのフッ素系クリヤーあり クリヤー塗料が向いているケース ✅ 築7〜10年以内で、外壁の模様が劣化していない家✅ 意匠性サイディングや打ち放しコンクリートなどの見た目を重視したい家✅ 色を変えたくない、今の風合いをそのまま維持したい方 クリヤー塗料が不向きなケース すでに外壁がチョーキング・色褪せ・ひび割れしている シーリングが破断・変色している(打ち直し後、目地が目立ってしまう) 塗装によって色替えやイメージチェンジを希望している まとめ 観点 評価 見た目維持 ◎(模様・質感そのまま) 耐久性 ○〜◎(塗料のグレード次第) 色替え ✕(できない) 費用 やや高め(耐久性を求めると) 下地の要求レベル 高い(劣化していないことが条件) ⑭セメント撥水材 セメント撥水材とは、コンクリートやモルタルなどのセメント系素材に対して、表面からの水の侵入を防ぐために使用する防水・保護材です。塗料ではなく、水を弾く=撥水効果を持たせる専用の液体処理剤で、外壁・基礎・擁壁・打ち放しコンクリートなどの耐久性向上に使用されます。 🧪 セメント撥水材とは? 項目 内容 主成分 シラン、シロキサン、フッ素樹脂など(単体または混合) 対象素材 コンクリート、モルタル、セメント系建材(押出成形板、ALC など) 効果 水・雨・湿気の侵入を防止しつつ、通気性(透湿性)を確保する 使用方法 刷毛・ローラー・スプレーで塗布し、素材に浸透させる セメント撥水材のメリット 特徴 内容 水の侵入を防止 雨水・毛細管水・湿気などから躯体を守る 素材の見た目を変えない 無色透明のものが多く、打ち放しコンクリートやモルタルの意匠をそのまま活かせる 通気性あり(透湿性) 水蒸気は通すため、内部の結露や膨れのリスクを軽減 中性化・劣化の抑制 炭酸ガスや酸性雨などの侵入も抑制し、コンクリートの中性化・鉄筋腐食を防ぐ 汚れ・カビ・エフロ防止 雨だれや白華(エフロ)現象を抑え、美観維持に貢献 注意点・デメリット 項目 内容 効果は永久ではない 製品により5〜10年程度の再処理が必要な場合が多い 表面劣化があると効果減少 クラック・塩害・風化部位には別途補修が必要(下地が健全であることが前提) 色付きはできない 撥水材はあくまで“透明仕上げ”。色を変えたい場合は塗料が必要 防水ではない 「撥水=水を弾く」だけで、完全な防水材とは別物です セメント撥水材の主な種類 種類 特徴 シラン系 粒子が小さく深く浸透、素材を変色させにくい。主に打ち放しコンクリート向け シロキサン系 表面に皮膜を形成、比較的浅い浸透。屋外モルタルやALC向けに使われる フッ素系 高撥水性・防汚性に優れ、やや高価だが高耐久。 複合型(シラン+シロキサンなど) 浸透性と表面保護のバランスが良い。最近の主流製品に多い構成 主な使用箇所・用途 用途 対象箇所 建物外壁 コンクリート打ち放し・モルタル壁・化粧ブロックなど 基礎・擁壁 雨水や地下水による劣化・白華現象防止 屋上パラペット クラックからの水侵入を抑制 外構 RC塀、花壇、階段まわりなど 代表的なメーカーと製品(例) メーカー 製品名 特徴 ABC商会 ハイドロテクトコート撥水剤 無機・有機複合タイプ。建築仕上材向け 大日本塗料 DNアクアガード シラン系浸透性撥水剤。高い耐候性 菊水化学 キクスイ撥水剤S 外壁モルタル・化粧ブロックなどに適応 エスケー化研 SK浸透性撥水材 ALCにも対応。打ち放しコンクリートの保護に最適 施工の注意点 施工前に高圧洗浄・乾燥が必要(浸透を妨げないため) 雨天・結露・含水率が高い場合は施工NG(撥水不良の原因) *浸透型撥水材は塗りすぎないのが基本(ムラや白化の原因になる) まとめ 項目 評価 耐久性 ○(5〜10年目安) 施工性 ◎(刷毛・ローラー・スプレーでOK) 意匠保持 ◎(透明で美観を損ねない) 防水性 △(あくまで撥水、完全防水ではない) 対象素材 ◎(セメント・モルタル・ALC など) ⑮防腐剤 防腐剤塗料(ぼうふざいとりょう)とは、木材や金属などの素材が腐食・腐朽・虫害を受けるのを防ぐために、腐敗防止機能を持たせた塗料のことです。特に木部(ウッドデッキ・外構フェンス・柱など)に使われるケースが多く、防腐・防虫・防カビ・防藻効果を同時に持つ製品が主流です。 防腐剤塗料とは? 項目 内容 目的 素材(主に木材)の腐食や菌・虫害による劣化を防ぐ 成分 防腐剤(有機系 or 無機系)+ 顔料 or 樹脂(油性/水性) 対象素材 木材(屋外木部が主)、一部金属やコンクリート用も存在 主な効果・機能 機能 説明 防腐 腐朽菌や湿気による木材の腐食を抑える 防虫 シロアリ・キクイムシ・甲虫などの食害防止 防カビ・防藻 黒カビ・緑藻などの発生抑制 撥水・耐水性 水の浸透を防ぎ、木材の膨張・割れ・反りを防ぐ 着色保護 着色機能を併せ持つタイプもあり、紫外線劣化を防ぐ 木部用 防腐剤塗料の分類 分類 特徴 用途例 浸透型(ステイン) 木に浸透し内部から保護。木目を活かす ウッドデッキ、ログハウス 造膜型(ペンキ) 表面に塗膜を形成して防水・防虫 屋外木部全般、色を変えたいときに有効 天然系(植物油ベース) 自然素材で環境負荷が少ない。安全性重視 DIY、無垢材など 金属用の防腐剤塗料(防錆塗料との違い) 金属の場合、「防腐」=錆(腐食)を防ぐという意味で、防腐剤塗料 ≒ 防錆塗料と同義で使われることもあります。 金属用の防腐機能 代表製品 サビ止めプライマー エポキシ系防錆プライマー(JIS規格品)など 重防食塗料 ジンクリッチペイント・有機ジンクプライマー 代表的な防腐剤塗料メーカーと製品 メーカー 製品名 特徴 和信化学工業 ガードラックシリーズ 木部用・屋外屋内両対応・多彩な色展開 キシラデコール(大阪ガスケミカル) 標準タイプ/コンゾラン プロ用木部塗料。抜群の浸透性と耐久性 日本エンバイロケミカルズ ノンロットシリーズ 人と環境に優しい防腐塗料。無垢材向け 大谷塗料 バトンシリーズ 浸透型ステイン塗料。和風建築にも多用 日本ペイント 木部用水性防腐ステイン 水性で低臭・屋外木部向け 塗布方法と注意点 手順 内容 ① 表面処理 サンダーやペーパーで旧塗膜・汚れを除去 ② 下地乾燥 木材含水率15%以下が理想(湿っていると撥水不良) ③ 塗布 刷毛・ローラー・スプレーで2回塗りが基本 ④ 定期メンテ 木部の種類や環境により2〜5年ごと再塗装推奨 防腐剤塗料の使用例 使用場所 使用目的 ウッドデッキ 紫外線・雨・シロアリ防止 フェンス・門扉 美観+劣化防止 軒天・木製破風 雨の侵入やカビの防止 室内木材(※対応品のみ) 防カビ・保護(無臭タイプを選定) まとめ 観点 評価 防腐性能 ◎(適切な塗布で高耐久) 防虫性能 ◎(木部の大敵シロアリ対策に有効) 美観保持 ○(木目を活かす浸透型がおすすめ) メンテナンス性 △(再塗装は2〜5年が目安) 安全性 △〜◎(水性や自然系塗料を選べば高評価) ⑯防錆剤 防錆剤(ぼうせいざい)とは、金属が空気中の酸素や水分、塩分などと反応して「サビ(酸化・腐食)」を起こすのを防ぐための薬剤・塗料・コーティング材のことです。鉄・鋼・アルミ・亜鉛・銅など、金属部材の長寿命化に不可欠な材料として、建築・土木・自動車・機械など幅広い分野で使用されています。 防錆剤の基本原理 金属が腐食する原因は主に以下の環境因子: 酸素(O₂) 水分(H₂O) 塩分(特にNaCl) 二酸化炭素(CO₂) 大気中の化学物質(SOx, NOx など) 防錆剤は、これらから金属表面を保護することで、酸化反応(サビ)を抑制します。 防錆剤の種類と分類 ① 塗布型(塗料・コーティング)タイプ 種類 特徴 用途例 防錆塗料 金属表面に塗膜を作り、外気と遮断。エポキシ系やウレタン系が主流 鉄骨・橋梁・機械など さび止めプライマー(下塗り塗料) 塗装の1層目に使う。防錆+上塗り密着力向上 トタン屋根、鉄扉など ジンクリッチペイント(亜鉛系) 鉄より先に犠牲防食する亜鉛粉入り塗料 鉄塔、橋梁、配管など ② 化学処理型(浸透・転換)タイプ 種類 特徴 用途例 防錆油(防錆オイル) 金属表面に油膜を形成。保管中の部品保護などに使用 自動車部品、金型、工具など 防錆剤スプレー 手軽に塗布可能。潤滑+防錆の製品も多い バイク・門扉・農機具など さび転換剤 既存の赤サビを黒サビ(安定酸化物)に変え、腐食を進行させない 旧塗膜の補修現場など 防錆水・防錆液 洗浄後に浸漬して防錆膜を形成 金属加工・機械部品の保管用 ③ 気化性防錆剤(VCI:Volatile Corrosion Inhibitor) 特徴 使用方法 揮発成分が気体になって金属表面に吸着し、保護膜を作る 包装紙・フィルム・袋・カートンに練り込んで金属製品を保護 接触しなくても効果を発揮するのが特長 電子部品・精密機器・輸出用資材などに使われる 用途別・おすすめ防錆剤タイプ 用途 おすすめ防錆剤 屋外鉄部(手すり・門扉・トタン) エポキシ系さび止め塗料+ウレタン上塗り 車・バイクの金属部 潤滑性のある防錆スプレー(CRC 5-56など) 工場部品・金型の保管 防錆油 or 気化性防錆紙包装 配管・鋼橋・鉄骨 ジンクリッチペイント(溶融亜鉛メッキ相当の防食力) 海岸地域の鉄骨 重防食タイプ(JIS K 5621規格品など) 主な製品例 メーカー 製品名 特徴 日本ペイント ハイポン20ファインプライマーⅡ 2液型エポキシ防錆塗料。鉄・非鉄対応 関西ペイント スーパーザウルスEX 高密着型プライマー。シーラー兼用 エスケー化研 SKマイルドボーセイ 鉄部用1液弱溶剤型防錆塗料 シャーウィンウィリアムズ ジンクリッチプライマー 高亜鉛含有。橋梁・鉄骨向け CRC(呉工業) 5-56防錆スプレー 潤滑+防錆+水置換機能でDIYにも便利 防錆処理の注意点 注意点 内容 表面処理が最重要 サビ・油分・旧塗膜を除去しないと密着不良や効果半減 塗布ムラ厳禁 膜厚不足=サビ再発リスク。重ね塗りや2回塗りが原則 天気・湿度管理 湿度85%以上や結露状態では施工NG(逆に錆を助長) 定期的な点検と再処理 防錆塗料も劣化するため、5〜10年を目安に再塗装が必要 まとめ 観点 内容 主な目的 金属の腐食(酸化)を防ぐ 対象素材 鉄、銅、アルミ、亜鉛合金など 使用場面 塗装・部品保管・輸送・建築現場・DIY など幅広い 処理方法 塗布・浸漬・気化性・スプレー など用途に応じて選定 注意点 表面処理・施工環境・定期メンテが肝心 ⑰サビ転換剤 サビ転換剤(さびてんかんざい)とは、すでに発生している「赤サビ(酸化鉄(III))」を化学的に安定な「黒サビ(酸化鉄(II))」に変化(転換)させ、腐食の進行を抑える薬剤です。ケレン(サビ落とし)を完全に行えない現場などで重宝される、下地処理用の防錆剤です。 サビ転換剤の仕組み ▶ 原理 赤サビ(Fe₂O₃)は不安定で水や酸素を呼び込むため腐食が進行します。サビ転換剤はこの赤サビに反応し、安定な黒サビ(Fe₃O₄)や有機鉄錯体に変化させることで、腐食反応をストップさせるのです。 種類 状態 腐食のしやすさ 赤サビ(Fe₂O₃) 酸化鉄(III) ❌ 非常に腐食が進む 黒サビ(Fe₃O₄) 酸化鉄(II,III) ◎ 安定して腐食を抑える サビ転換剤のメリット 項目 内容 重ケレンの省略が可能 完全にサビを落とさなくても使用できるため、省力化につながる 防錆下地として使える そのまま塗装できるタイプも多く、工程短縮に貢献 浸透力が高い サビの奥まで成分が入り込み、転換処理が可能 火気不要・化学反応型 電気や熱を使わず、化学的にサビ処理ができる デメリット・注意点 項目 内容 白サビ・黒皮・旧塗膜には効果なし 赤サビ以外には基本的に反応しない 下地によっては密着不良も 塗料によっては転換被膜との相性に注意が必要 経年で再錆びる可能性あり サビ転換剤自体には恒久的な防錆力はないため、上塗り必須 油・汚れ・水分はNG 表面が汚れていると反応せず、性能が落ちる 主な用途 使用場所 内容 鉄骨・鋼材 橋梁・建築現場などでのサビ補修 トタン屋根・鉄板 ケレンがしにくい場所の簡易サビ処理 フェンス・門扉・手すり DIYや部分補修に有効 自動車・バイク・農機具 赤サビ部へのスポット補修用途で人気 代表的な製品(国内) メーカー 製品名 特徴 関西ペイント ザビシャット 赤サビ専用の転換剤。上塗り前の下地処理に使用 アトムハウスペイント サビ転換防錆剤 ホームセンターでも入手可。刷毛塗りタイプ エーゼット(AZ) サビキラープロ DIYでも人気。黒く変色してすぐ塗装可 ニッペホームプロダクツ サビキラーシリーズ 水性タイプもあり、家庭用にも適応 サビアウト SABIOUT 業務用向けの高反応性タイプ。鉄部修繕に使われる 使用方法(基本手順) 手順 内容 ① 表面処理 ワイヤーブラシやサンドペーパーで浮きサビ・汚れを落とす(軽ケレン) ② 清掃 油・水・ゴミを除去し、乾燥状態を確保 ③ 塗布 刷毛またはローラーで、サビ部に均一に塗布(変色:赤→黒) ④ 乾燥 数時間(製品により異なる)しっかり反応させる ⑤ 上塗り 転換後にサビ止め塗料や仕上げ塗装を行う まとめ 観点 評価 使用対象 主に赤サビの出た鉄部 施工難易度 低(DIYにも使える) メリット 重ケレン不要、工程短縮、コストダウン 注意点 上塗り必須、白サビ・油・水分には効果なし

2025.09.23(Tue)

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コラム外壁・屋根塗装のイロハ

外壁塗装で選択される塗料のメーカー集!

本日は各種塗料のメーカーを解説していきます!!   ①菊水化学工業(最強無機塗料『キクスイラーテル』) 会社の概要・沿革・規模 まず基本情報として、菊水化学について以下のような点が挙げられます: 創業:1959年(昭和34年)に「菊水商事有限会社」として創業 → 1963年に「菊水化学工業株式会社」に改称。 本社所在地:愛知県名古屋市中区  上場:1988年11月2日、名証・東京証券取引所(後に東証スタンダード市場)  規模・従業員:最近の公表によれば、連結で約500名弱規模。 売上・資本金:資本金は約19.7億円。売上高(連結ベース)は200〜230億円程度(最近期)です。 これらの規模感から見ても、地域的にも全国レベルでも事業展開できる中堅~準大手の塗料メーカーと言えます。 事業内容・ビジネスモデル(塗装・塗料に関する部分) 菊水化学は単に塗料を作る会社というだけではなく、塗装工事も含めた「製販施工(メーカー責任施工)」を自前で行うことを特徴としています。以下、主な事業・特徴を列挙します。 領域 内容 特筆すべき点 建材塗料事業 建築物の下地から仕上げまでの建築用塗料や塗材の開発・製造・販売 他社に真似しにくい、総合的な製品ラインアップを強みとする姿勢 販売・提案 販売代理店ルート、官公庁・設計事務所・建設会社などへの提案営業 下地材も含む製品があるため、設計段階から関与できる点が強み 責任施工 特に防火・耐火被覆、アスベスト対策などの専門性の高い塗装工事 ただ製品を売るだけでなく、施工も受け持つ体制を持っている 技術開発 水系化、低VOC、無機技術応用、耐火・断熱機能性素材開発など 環境・機能性への対応を重視した研究開発体制 製品レンジ 内外装仕上塗材、下地調整材、シート状装飾材、工業用塗料など幅広く 水系・溶剤系の両方、また特殊用途の塗料も手がける 施工エリア・実績 新築建築物・リフォーム市場、官庁建物、集合住宅、学校・病院など 多様な建物用途に対応可能  このように、「塗装工事を含んだ一体サービス」ができるのが菊水化学の強みの一つです。これは、製品と施工を分離させるモデルに比べて、品質管理や責任の所在を明らかにしやすいというメリットがあります。 塗料・製品の特徴・強み 塗装工事において使われる「塗料」が事業の核ですが、菊水化学の塗料・製品には以下のような特徴・ウリがあります。 環境配慮・水性化 水系(=水性)塗料・低VOC仕様を積極的に開発・展開しており、環境への負荷を抑えた製品提案をしていることが公表されています。  耐候性・耐久性 特に外壁用塗料(例:水系ファインコートシリコンなど)は、耐候性(紫外線・風雨への耐久性)が高評価されており、業界で「日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研に次ぐ塗料メーカー」として名前が挙がることもあります。 また、菊水の技術紹介資料では、フッ素樹脂塗料(K’sスーパーパワーフッ素など)は特に耐候性・低汚染性を重視している旨の説明もあります。 下地から仕上げまでの一貫性 下地調整塗材・下塗材・中塗材・上塗材まで、自前で揃えられる体制を持っており、それによって「相性不整合リスク」を低くできるという強みがあります。  特殊用途対応 防火・耐火被覆、断熱、アスベスト対策、シート状装飾材など、特殊性の高い用途にも対応できる技術と施工力を備えています。  コスト対応・バリエーション 従来高級だった塗料(たとえばフッ素樹脂塗料など)を、より普及しやすい形で提案する戦略もとっており、コストも含めた選択肢の幅を確保しようという姿勢が見られます。  評判・市場評価 ユーザー・業者からは、環境対応と耐久性の両立点で評価されているという記述が見られます。たとえば、外壁塗料の比較・評価サイトでは、菊水化学の塗料が「環境への配慮」や「耐候性」で高評価を得ているという記事もあります。 注意点・課題・留意すべき点 どんな企業・技術にも弱みや注意すべき点はあるので、塗装工事の観点から特に留意すべき点を挙げておきます: メーカー施工という体制は “責任所在は明確” ですが、地域密着の施工業者に比べてコストが割高になる可能性もあります(現地条件・交通費・施工体制など)。 技術・製品のマッチング(下地の状態、劣化具合、気象条件など)を誤ると、どれほど良い塗料でも期待耐用年数を達成できないリスクがあります。 膨大な製品ラインアップがあることは強みですが、逆に選定ミス・仕様混乱を引き起こすリスクも。提案・施工業者側の技術力・経験が重要になります。 特殊用途(防火、耐火、断熱、アスベスト対応など)は規制や認定が関係するため、設計段階で関係法規や認証をしっかり確認する必要があります。 実際の施工品質(下地処理、天候管理、養生、施工技術など)が最終性能を大きく左右するため、メーカー選定だけでなく、その施工実績や保証体制も確認すべきです。   ②シーカジャパン(スーパーセランフレックス) 基本情報・会社概要 商号:シーカ・ジャパン株式会社(Sika Japan Ltd.)1 設立:1955年(昭和30年)に日本法人設立登録 資本金:4億9千万円(公表値) 従業員数:約1,136名(2024年11月時点)  事業内容:建築・土木・工業用化学製品(防水材、接着剤、保護塗料、補修材、シーリング材など)の製造・販売・技術開発 統合履歴:2023年4月1日、日本シーカ、ダイフレックス、ディックプルーフィング、シーカ・ハマタイト、シーカハマタイト販売の関係会社を統合し、新たな「シーカ・ジャパン株式会社」を設立。これにより、仕上げ材・補修材分野を強化し、ソリューション型提供企業への転換を図っているとの情報がある。  このように、比較的規模が大きく、国内における建築・補修材料分野で製品力を持っている会社です。 外壁塗装分野での取組・製品ラインナップ シーカジャパンは、外壁塗装・仕上げ材分野において「製品+工法」の提案力を持つ体制を整えています。主な特徴・強みを以下にまとめます。 製品・工法の幅 シーカ・ジャパンは、外壁(仕上げ材)、下地処理材、下地調整材、補修材、プライマー・シーラーなどを幅広く取り扱っており、外壁塗装に関わる前後工程の材料を包括的に扱える体制があります。  例えば、外壁用仕上材としては以下のような製品が挙げられています: エコスコートマイルド:水性・環境配慮型、低臭・低VOC、防カビ・防藻性重視  スーパームキロール:通気性を備えた微弾性塗料(水性、防カビ・防藻性)  ノキセラコート:微弾性で透湿性を持つ塗料、耐候性・防藻性も意識された製品 スーパーセランマイルド / スーパーセランアクア:耐候性・低汚染性を持たせた上塗り塗料(弱溶剤、変性無機も含む) 補助材・下地材として、各種プライマー・シーラー、下地調整フィラー、下地補修材などが揃えられています  このように、塗装仕上げにおいて「どこからどこまで」担当できるかという幅が広い点が強みです。 耐久性・無機塗料技術のアピール シーカジャパンは、旧:ダイフレックス社が無機塗料を1995年から扱ってきた歴史を持つという情報が複数の塗装業者サイトで言及されています。 代表的な無機・ハイブリッド無機塗料として 「スーパーセランフレックス」 という製品名が見られ、これを使った施工実績も複数の塗装業者が事例として挙げています。 一部の塗装業者のサイトでは、スーパーセランフレックスを用いた外壁塗装で「耐用年数 24~26年程度」「無機の耐久性を兼ねながら、裂けやひび割れを抑える柔軟性を持たせた設計」などの宣伝がなされているケースもあります。 また、変性無機・超低汚染タイプの上塗りもラインナップされており、耐候性や汚れ抑制性を重視した設計を行っていることが確認できます。 このように、耐久性・機能性を訴求する製品群を重視しており、高機能タイプの外壁塗料を中心に展開している印象です。 総合ソリューション型の体制 シーカジャパンは、建築・土木・補修材・防水材・塗料・接着材・シーリング材といった複数分野の製品を扱っており、外壁塗装だけでなく防水や補修との連携を図った包括的な提案が可能な会社です。  自社製品で下地・補修・仕上げを揃えられるため、材質間の相性を考慮した提案やトータル品質管理が可能な点が強みになります。 統合後の新会社体制は、これまで分かれていた製品・施工分野を一本化して、より“ワンストップ・ソリューション・サプライヤー”を目指す方向性が打ち出されていることが報じられています。 施工実績・認定制度 一部の塗装業者サイトによれば、シーカジャパン(あるいはその前身企業)は特定製品(例:ダイヤスーパーセランフレックス)に対して認定施工店制度を設けており、認定を受けている業者でなければその塗料を取り扱えない、という制約があるという記述があります。 また、愛知建装は東海地区などで「5年連続施工実績 No.1」として表彰されたという実績もあり 施工事例としては、外壁に「シーカ・ジャパン スーパーセランフレックス」を採用した住宅の塗装事例がいくつか見られます。 強み・メリットと注意点・限界 以下は、シーカジャパン(シーカ・ジャパン)が外壁塗装・仕上げ分野で持つと思われる強み・メリットと、利用・評価時に注意すべき点を整理したものです。 強み・メリット 製品ラインナップの充実・ワンストップ対応 塗料・下地材・補修材・防水材などを幅広く取り扱っているため、外壁塗装における周辺工程まで含めた提案ができる。 高機能材料の提案力 耐候性・低汚染性・耐久性を重視した無機・変性無機・低VOC製品など、高付加価値の材料を揃えている点。 ブランド力・信頼性 Sika(スイス本社を持つグローバル企業)傘下/関連というブランドの裏付けがある。シーカジャパン自体も統合を機に組織体制を強化している。 認定施工店制度などで品質維持を図る仕組み 特定製品については認定業者しか施工できない仕組みを持つなど、材料だけでなく施工品質にも一定のコントロールを掛けていこうという姿勢が見られる。 過去実績・導入事例 住宅や集合住宅などで採用されている施工事例が複数見られ、実践への適用経験があること。 注意点・判断すべき点 宣伝スペックと実際性能のギャップ 耐用年数・耐候性を強く打ち出す製品でも、現場の施工品質・下地状態・気象条件などでその性能を引き出せないことがある。高機能材料を使えば「長寿命になる保証」が必ず成立するわけではない。 施工業者選定の影響大 どれだけ良い塗料を用いても、施工(下地処理、養生、塗布厚・塗布回数、施工環境管理など)がいい加減だと劣化が早くなる可能性が高い。認定施工店制度があっても、その施工業者が実際に丁寧に仕事をするかは別次元の要因。 コスト・価格プレミアム 高機能・高耐久型材料であるがゆえに、一般的な塗料より材料コストは高めになる可能性が高い。その分、見積もり時に材料単価・施工手間をよく確認する必要がある。 宣伝情報の信頼性 塗装業者のブログや紹介サイトで「24〜26年持つ」などの耐用年数を強調している例もあるが、こうした数字はあくまで“条件良好時の理論値・試験値ベース”である場合も多い。実際の環境劣化(紫外線・温度変化・塩害・降雨・結露など)の影響を受けることを前提に考えるべき。 製品の相性・互換性 シーカジャパン製品を用いる時は、すべての下地材・下塗り材・仕上げ材を自社で設計しているという強みがあるが、それでも既存塗膜や他社材料との組み合わせになる場合は相性リスクがある。   ③KFケミカル(セミフロンスーパーマイルド2、セミフロンスーパーアクア2) 会社概要・立ち位置 KFケミカルは、本来はファインケミカル(化学薬品、顔料、添加剤など)の領域を基盤に持つ企業で、塗料事業・建装事業(建築塗料事業)を展開しています。  建装・建築塗料事業を企業の主要事業の一つとして位置づけており、住宅・マンションなどの外壁・屋根向け製品を「外壁用塗料/屋根用塗料」という形で揃えています。 製品サイト・カタログにおいて、無機ハイブリッド・高耐候性塗料を前面に打ち出しており、特色あるプレミアム仕様での勝負を図っている印象があります。 製品販売や施工店ネットワークを整備する体制も持っており、「KF認定施工店」制度や「KFパートナーズアソシエーション(KFPA)」という組織を通じた取扱店/施工店の紹介体制を整えているようです。 このように、KFケミカルは「塗料の専門メーカー」かつ、建築用途、特に外壁・屋根に向けた高性能仕様で市場参入を進めている企業と言えます。 製品・技術・特徴 外壁塗装分野において、KFケミカルが打ち出している主な製品群・技術特徴を以下にまとめます。 項目 内容/特徴 意義・強みになる点 無機/ハイブリッド無機+有機塗料 「セミフロン」シリーズ(無機ハイブリッド・フッ素混合型など)を中心に、無機成分を活かしつつ柔軟性を持たせた設計を行っている。  無機成分を取り入れることで耐候性・耐久性を強化できる可能性がある フッ素樹脂塗料 「セミフロンⅡ」シリーズなど、2液型弱溶剤フッ素樹脂を用いた製品もラインナップに含む。  高耐候性・低汚染性を求める仕様ニーズに対応可能 無機+有機ハイブリッド高耐候仕様 「セミフロンスーパー」シリーズが、無機成分「オルガノポリシロキサン」と 4フッ化フッ素との融合型として、高耐候性・耐汚染性を打ち出している。  通常の有機塗料に比べて長持ち性をアピールできる 超高耐候ウレア塗料 「KFスーパーウレアコート(KF SUPER URETHANE / UREA コート)」という製品が無機塗料を超える耐候性と高透明性を特徴とする仕様として打ち出されている。  透明仕上げや意匠性重視、長寿命を求める用途に対応可能性。従来ウレア塗料では難しかった透明性も追求されていると説明。  遮熱・断熱塗料 「スダースコート」など、遮熱・断熱性を意識した親水性遮熱断熱塗料をラインナップに入れている。 夏場の温度上昇抑制・省エネ対策を意識した仕様提案が可能 意匠性・クリヤー対応 クリヤー塗料(透明塗料)仕様を保持し、意匠性を活かす用途に対応可能な“セミフロンスーパークリヤー”などの製品を展開。 サイディング素材などの意匠維持や意匠回復ニーズに応えられる 製品保証・耐用性主張 製品ページでは、たとえば「セミフロンアクア」は “耐候性・耐汚染性に優れ、光沢・美観を長く保持できる” という訴求をしている。 顧客に「長期間メンテナンス間隔を延ばせる可能性がある」印象を与えられる 施工店ネットワーク・認定制度 KF認定施工店/KFパートナーズアソシエーションを通じた取扱店・施工店紹介体制を持っている。 材料だけでなく施工品質面をある程度フォローしようという意図がある 強み・メリット KFケミカルが外壁塗装工事分野で選ばれる可能性のある強み・メリットを、以下のとおり挙げます。 比較的新しい技術志向・差別化性 無機・ハイブリッド無機、ウレア塗料、遮熱塗料などを含む高付加価値仕様を積極的に打ち出しており、他社との仕様差別化を図れる可能性がある。 耐候性・耐汚染性訴求力 無機成分やフッ素成分を取り入れた製品を強調しており、長寿命性・劣化抑制を訴える材料が揃っている。たとえば「セミフロンアクア」では、1液型フッ素樹脂塗料ながら耐久性と美観維持をアピールしている。  意匠性対応の柔軟性 クリヤー仕上げ、意匠性保持・回復などの仕様に対応する製品をそろえている点。透明仕上げや模様仕上げを求める物件でも選択肢を提供できる。 施工店制度・安心提供体制の整備 認定施工店制度や取扱施工店ネットワーク整備により、施工品質の確保を一定程度目指す体制がある点。 提案幅の広さ 外壁・屋根・防水など関連分野を含めた製品ラインが揃っているため、外壁にとどまらない幅広い提案が可能。 将来性・注目度 比較的新規参入気味の塗料メーカーであり、業界での評価を上げようという動きが見られ、今後普及拡大の可能性を秘めている。 注意点・リスク・限界 優れた面がある反面、利用・採用を判断する際には以下のような点に注意する必要があります。 実績の比較的浅さ KFケミカルの建築塗料事業は、他の歴史ある塗料メーカーと比べると参入期間が短いという指摘が業界サイト上で見られます。  そのため、「長年使用された建物でどう劣化したか」の実証例が、他社製品ほど豊富ではない可能性があります。 施工技術依存度が高い 無機・ハイブリッド無機・ウレア塗料といった仕様は、塗膜が硬くなる傾向があり、ひび割れ追従性や柔軟性が課題となることがあります。業界サイトの記事でも「無機塗料は硬いためヒビが入りやすい」「施工が難しい」などの注意点が指摘されています。  したがって、施工者の技術・経験が非常に重要になります。 コスト高・初期費用上昇 高機能材料ゆえに材料単価は一般的な塗料より高めになる傾向があります。初期コストが上がりますので、見積もり時に材料代・施工工数代をしっかり確認する必要があります。 宣伝仕様と実環境とのギャップ 「耐用年数○年」「○○年保証」といった謳い文句は、あくまで設計・試験条件下での数値である可能性が高いです。風雨・日照・塩害・立地条件などにより実際の劣化速度は変動します。 適材適所の選定が不可欠 すべての建物・下地状況に無機・ウレア仕様が最適とは限りません。躯体・旧塗膜・ひび割れ状況・伸縮性要件などを見て、仕様を選定する必要があります。 保証・アフターフォロー確認 高性能塗料を採用する場合、保証制度・定期点検・メンテナンス体制が実際に機能するかを事前に確認しておいた方が安心です。特に新興仕様では、実際に対応可能な保証がどの程度かは着目すべき   ④日本ペイント(グランセラトップシリーズ) 会社概要・立ち位置 日本ペイントは、建築用・工業用・自動車用・船舶用・特殊用途用など幅広い塗料を手がけており、国内外で大規模な展開をしている総合塗料メーカーです。 建築用塗料では戸建て・集合住宅・公共建築などで多く採用実績があります。 外壁・屋根用の製品ラインナップが非常に豊富で、用途・素材・仕様(遮熱・高耐候性・意匠性など)に応じた選択肢を持っており、施工業者・設計者から選ばれやすいメーカーです。建材系・建築仕上げ分野において、塗料の「定番品」や「高機能品」の主力メーカーの一角をなしています。 外壁塗装用製品・技術の特徴 日本ペイントが外壁塗装分野で力を入れている製品・技術には、以下のような特徴があります。 特長 内容 意義・評価される点 多様な製品ラインナップ ウレタン系・シリコン系・ラジカル制御系・フッ素系・遮熱型塗料など、多くのカテゴリを揃えている 顧客・現場の条件(素材・予算・耐久性要件など)に応じて最適な仕様を選択できる ラジカル制御技術 「パーフェクトシリーズ」などに代表される技術で、紫外線や酸化により塗膜劣化を引き起こす「ラジカル」の発生・伝播を抑える工夫をした塗料を展開  通常のシリコン塗料より高耐候性を狙える仕様として差別化可能 遮熱・断熱性能の提案 屋根・壁用の遮熱塗料(サーモアイシリーズなど)を投入し、表面温度抑制・エネルギー効率向上を訴求 夏の温度上昇抑制・建物内部の快適性向上を重視するプランに適合 意匠性・クリヤー塗料 デザイン性を重視したサイディング素材を活かすクリヤー塗料(透明仕上げ)を扱うなど、見た目を重んじる仕様に対応 材質の風合いを活かした仕上げが可能 実績・信頼性 外装用上塗り塗料の製品ページにおいて、複層仕上げ塗材・単層弾性塗料・薄付仕上げ塗材などのラインを豊富に取り揃えていることを公式に示している 多くの選択肢があることは、業者・設計者からの信頼性につながる メーカー側情報発信・推奨仕様 外壁塗り替えにおいて、「パーフェクトトップ」を推奨する記事を自社情報発信サイトで紹介している メーカーとして主力製品を前面に打ち出し、仕様選定支援も行っている 強み・メリット 日本ペイントが外壁塗装分野で評価される主な強み・メリットは、以下のような点です。 安心感・ブランド力 長い歴史と実績、国内での普及率、業者との取引実績などから、「信頼できる塗料メーカー」という印象を持たれやすい。 選択肢の多さ 用途・予算・条件に応じて仕様を変えられるため、柔軟な提案が可能。 高性能仕様の対応 ラジカル制御技術や遮熱塗料、意匠性重視仕様など、「普通以上」の性能を求める要望にも応えられる。 サポート・情報体制 製品仕様・技術資料・施工ガイド・色見本など、メーカーとしての支援体制が整っているケースが多い。 市場での実績 多くの住宅・集合住宅・公共建築に採用されている施工実績があるため、業者側が扱い慣れている可能性が高い。 注意点・限界・検討すべき点 ただし、どんな大手・高性能メーカーでも万能というわけではないので、外壁塗装を考える際には以下の注意点を押さえておくとよいです。 高性能仕様はコストアップ要因 ラジカル制御塗料や遮熱塗料などは、従来品に比べて材料コストが高めになる可能性があるので、見積もり内容をよく確認すること。 施工の品質依存性が大きい いかに高性能な塗料を使っても、下地処理・養生・塗布厚・乾燥管理など施工技術が粗雑だと性能を発揮できず、劣化が早まることがある。 宣伝スペックの妥当性確認 「○○年耐久」などの謳い文句は、あくまで理論・試験条件下の値であり、実際の建物立地(気候・日照・風雨・地形など)で同じ結果が出るとは限らない。 相性リスク 既存の旧塗膜・下地材・補修材との相性が悪いと、剥がれや不具合を起こすリスクがあるため、仕様選定時に確認が必要。 仕様過多による混乱 製品ラインが非常に多いため、業者・設計者側が仕様を混同したり、適切でない塗料を使ってしまうミスが起こることも。   ⑤関西ペイント(ラグゼMUKIトップシリーズ) 会社概要・立ち位置 まず関西ペイントの基本的な会社概要と、業界内での位置づけを押さえておきます。 社名:関西ペイント株式会社  設立:1918年5月  本社所在地:大阪市北区梅田  規模(資本金・従業員・売上など): ・資本金 256億5,800万円(最新公表値)  ・従業員数(単体):約1,507名、連結:17,414名  ・売上高(連結ベース):5,888億2,500万円(2025年3月期) 事業領域:建築用塗料・工業用塗料・自動車用塗料・防食・船舶塗料など多岐に渡る分野を手がけており、塗料の総合メーカーとして位置している 業界内ポジション:日本の主要塗料メーカーの一角。「日本ペイント」「エスケー化研」と並ぶ“三大塗料メーカー”のひとつとして挙げられることが多い  このように、関西ペイントは歴史・規模・製品展開ともに業界の中核を担う企業です。 製品・技術・強み(外壁塗装分野での特徴) 外壁塗装の分野で、関西ペイントが他社と比べて強みを発揮する部分、あるいは差別化を図っている技術・製品面の特徴を見ていきます。 項目 特徴・内容 強みになる点 ラジカル制御技術 関西ペイントでは「アレスダイナミックシリーズ」などで、塗膜劣化の原因となるラジカル(活性ラジカル)の発生を抑制する技術を導入している 紫外線などの劣化要因に強い仕様とし、耐候性を引き上げる設計として差別化できる 豊富なラインナップと使い分け 標準的なシリコン系・ラジカル制御形・無機ハイブリッド・遮熱仕様など、多様な製品を揃えており、建物・環境条件に合わせて選べるようになっている 汎用性と対応性が高く、顧客の要望・予算・建物条件に応じた提案が可能 遮熱・親水性・低汚染性 関西ペイント製品の中には、遮熱性・親水性(雨で汚れを流しやすくする性質)・低汚染性を意図した仕様を持つものがあるとの説明が複数見られる 汚れが付きにくく清掃性を高められ、美観維持性という観点でアピールできる 耐用年数への訴求 たとえば関西ペイントのリフォーム向けサイトでは、「プライムPro無機」等の製品で耐用年数 17〜20年という目安を掲げている 長期維持を狙いたいオーナーへの訴求力がある ブランド力・信頼性 長年の実績と業界での知名度を持ち、塗料メーカーとしての安心感を提供できる点 顧客・設計者・施工業者の信頼を獲得しやすい 下地材との整合性・体系設計 アレスダイナミックシリーズは、上塗りだけでなく下塗材も含めた体系構成を備えており、素材・下地に応じた仕様構成が可能な体制を持っている 下地・中塗り・上塗りの相性問題を抑えた提案ができる余地がある 留意点・リスク・チェックすべき点 どんなに優れたメーカーであっても、利用時には注意すべき点があります。関西ペイントを外壁塗装で選ぶ際に特に注意したい点を挙げます。 施工品質への依存度が高い 高性能塗料を使っても、下地処理・養生・塗布厚・乾燥管理など施工の手順が雑だと、期待耐久性が実現できないリスクがある。 宣伝耐用年数は条件付き 「17〜20年」などの耐用年数表示は、理想条件・試験条件下での目安であり、実際の環境(気候・日照・立地・風雨・汚染)によって差が出ることを理解しておく必要がある。 仕様混同のリスク ラインナップが多いため、仕様を間違えて選定してしまう可能性がある。たとえば、ラジカル制御形と通常のシリコン形との違いを理解しておくことが重要。 コストとのバランス 高性能仕様(無機、遮熱、ラジカル制御形など)は材料単価が上がる傾向があるので、コストと効果の兼ね合いを吟味すべき。 既存塗膜・旧下地との相性 既存の旧塗膜や補修材などとの相性(密着性・界面剥離リスクなど)をチェックしなければ、不具合の原因になる可能性がある。 保証・アフターケア内容の確認 高性能仕様を使うなら、施工後の保証体制や定期点検・補修対応など、メンテナンス面での約束が実際にどの程度機能するかを事前に確認すべき。   ⑥スズカファイン スズカファイン株式会社(Suzuka Fine Co., Ltd./スズカファイン)は、建築用塗料分野で外壁・屋根・内装・防水など多用途を扱う総合塗料メーカーであって、外壁塗装工事においても一定の存在感を持っている会社です。以下、外壁塗装工事の観点から「スズカファインとはどのような会社か」を、特徴・強み・注意点という観点で整理します。 基本情報・事業概要 まず、スズカファインの会社としての概要・立ち位置を確認しておきましょう。 会社名:スズカファイン株式会社 創業年:1948年(昭和23年) 三重県公式ウェブサイト+2マイナビ+2 所在地:本社は三重県四日市市楠町小倉 三重県公式ウェブサイト+2スズカファイン+2 資本金・従業員:資本金約4億1,234万円、従業員数は数百名規模(例:従業員約245名という情報もあり) Metoree+2三重県公式ウェブサイト+2 事業内容:建築用塗料の製造・販売、エアゾール製品(スプレー製品)の製造・販売、仕上材・塗替えシステムなども扱う AtEngineer+5三重県公式ウェブサイト+5Metoree+5 製品の用途範囲:外壁用上塗材・下塗材・下地調整材、遮熱塗料、模様仕上げ材、屋根用、金属部塗料、屋上防水、内装用など幅広いラインナップを持っている 三重県公式ウェブサイト+4スズカファイン+4スズカファイン+4 環境対応・開発姿勢:VOC低減、ホルムアルデヒド放散量の抑制、有害物質(鉛・クロム・ノニルフェノール・DBP 等)の除去、耐久性向上、促進耐候性試験といった性能向上技術にも取り組んでいることを自社情報で掲げている スズカファイン+2三重県公式ウェブサイト+2 外壁塗装分野での製品・技術的特徴 スズカファインが外壁塗装工事で提供できる特徴・強みと、それを生かす技術的要素を以下にまとめます。 項目 特徴・技術 意義・強みに貢献する点 製品ラインナップの広さ 外壁用(上塗・下塗・下地調整)・遮熱・模様仕上げ・屋根・金属用など多数の製品カテゴリを持つ スズカファイン+2スズカファイン+2 建物の素材・仕様・環境条件に応じて適切な塗料を選べる柔軟性がある 遮熱塗料・熱反射技術 太陽熱反射塗料「クールトップ」シリーズを開発し、遮熱効果を訴求している(高反射顔料・セラミックバルーンとの組み合わせなど) Metoree+4岡崎市の外壁塗装屋さん岡鈴+4スズカファイン+4 屋根・外壁の温度抑制、冷暖房負荷軽減という付加価値提案が可能 意匠性・模様仕上げ技術 「WB(ウォールバリア)多彩仕上工法」「WB アート Si」など、複数色使い・模様仕上げをする工法が紹介されており、認定施工店制度を持つ例もある スズカファイン+3外壁塗装|リフォーム|愛知県春日井市|名古屋|麻布+3雅屋+3 単色では表現しにくい重厚感・趣・風合いを残す外観を実現したいニーズに対応可能 水性塗料・環境配慮 環境対応(水系タイプ)製品を中心に開発・展開しており、VOC低減や無害性重視の設計を自社アピール材料としている 三重県公式ウェブサイト+3スズカファイン+3マイナビ+3 環境規制対応・住環境への配慮を求める顧客に訴求できる点 認定施工制度・施工指導体制 「WB多彩仕上工法」などの工法は認定施工店でしか扱えない例が紹介されており、施工制度で品質を一定レベルに保とうとする仕組みがある 雅屋+2外壁塗装|リフォーム|愛知県春日井市|名古屋|麻布+2 施工品質をコントロールし、塗料性能を引き出す体制を整えることを目指している 施工実績の紹介 外壁・屋根塗装事例、認定施工店での工法適用例が複数業者サイトで紹介されている 北村塗装店+3川洋建装+3平野塗装 四日市店+3 実際の使われ方・見た目などが参照でき、信頼性を示す材料となる 強み・メリット スズカファインが外壁塗装分野で選択肢として有力になる可能性のある強みを挙げると: 中堅〜専門寄りメーカーとしてのバランス 大手ほど圧倒的な資本力はないかもしれませんが、特定の技術や工法(遮熱、意匠仕上げ、多彩仕上げなど)に特色を持ち、差別化要素を打ち出す力がある。 環境配慮型製品を前提に据えている姿勢 VOC低減・水性塗料や無害性材料の開発を重視しており、環境規制強化・健康意識の高まりに対応する製品群を備えている点。 遮熱・省エネ性という付加価値提案 「クールトップ」など遮熱技術を活用した製品を持つことにより、見た目だけでなく機能的価値も訴求できる。 デザイン性・外観重視顧客への対応力 模様仕上げ・意匠表現を残すような工法を持っており、単純な単色塗り替えでは満足しにくい外観志向の顧客に訴えることができる。 品質管理・施工制度を活かした信頼構築 認定施工制度や施工指導・仕様提案体制を整えることで、塗料の性能を引き出す施工品質を比較的コントロールし易い形を構築しようとしている。 注意点・限界・評価すべきポイント どんなメーカー・仕様でも盲信すべきではないので、スズカファインを選ぶ際に留意すべき点を以下に挙げます。 施工依存性の高さ 高機能塗料、遮熱塗料、意匠仕上げ工法などは、施工精度(下地処理、塗布厚、乾燥条件、ローラー技術など)により性能が大きく左右される。認定制度があっても、実際に施工する業者の技術を見極める必要がある。 宣伝スペックの限界 遮熱効果、耐用年数、耐汚染性などの数値は、試験条件下・理想条件下でのものであり、実際の環境(気候、日照、風雨、地形、汚染物質などの影響)では性能が劣化することを想定すべき。 ラインナップが広いため仕様選定ミスリスク 下塗材・上塗材・模様材・遮熱材などの組み合わせが多岐にわたるため、適切な組み合わせを選ぶ知識と経験が求められる。 知名度・信頼の地域差 大手メーカーと比較すると、地域によっては知名度・施工業者数・アフターサポート体制などが弱い可能性があるので、あなたの地域での対応可否・実績を確認したほうが良い。 保証・アフターフォロー内容の確認 高機能塗料を採用する際は、保証期間・保証範囲・点検・補修体制が実際に機能するものかを見ておくべき。   ⑦水谷ペイント 会社概要・基本情報 まず、水谷ペイントの基本的な会社情報を確認しておきましょう。 項目 内容 社名 水谷ペイント株式会社 ポリマ+2ポリマ+2 本社所在地 大阪府大阪市淀川区西三国4-3-90 ポリマ 事業内容 建築用合成樹脂塗料の製造・販売 ポリマ+1 創業 大正11年3月(=1922年)といわれており、100年以上の歴史を持つ会社 外壁塗装、その前に+2ポリマ+2 規模・従業員 非上場企業。直近で社員数160名(2022年時点)などの公表値あり。 ポリマ 製品展開 屋根用塗料・内外壁(壁)用塗料・床用塗料など複数用途の塗料を製品ラインアップしている 外壁塗装、その前に+3ポリマ+3ポリマ+3 これらから、水谷ペイントは中堅~専門系の塗料メーカーとして、外壁・屋根を含む幅広い建築用途の塗料を扱ってきた歴史ある会社であることがわかります。 外壁塗装用途での製品・技術・特色 外壁塗装工事で使われる材料・製品として、水谷ペイントにはいくつか特徴的なラインや技術があります。以下に、それらを整理します。 項目 内容・特色 強み・アピール点 ナノテク・ナノコンポジット技術 水谷の “ナノテクシリーズ” や “ナノコンポジット” 系製品が代表例として挙がっており、塗膜をより緻密にすることを狙った技術設計を行っているという説明が見られます。 ポリマ+3カベトップ+3外壁塗装、その前に+3 緻密性・耐久性・低汚染性を意図した設計で、長期間の美観維持を目指す用途に適す可能性 水性・環境配慮型製品 外壁用製品カテゴリに「内外壁用塗料(上塗材・下塗材)」があり、水系/弱溶剤系も含めて複数の製品をそろえていると公表。 ポリマ また、業界解説サイトでは、環境対応(VOC低減、鉛・クロムフリー宣言など)にも配慮してきたという記述があります。 カベトップ+1 施工時の臭気抑制、安全性・環境性を重視した仕様提案が可能 期待耐用年数表記型製品 例えば「ナノウォール15」という製品名が使われており、“15”という数字が期待耐用年数の目安を示すシリーズ構成になっているという説明が、塗装業者ブログ等で紹介されています。 島田塗装工業所 顧客に対して「この塗料を使えばこれくらい持つ」という目安を示しやすい製品ラインとすることで、選択しやすくしている可能性 コストパフォーマンスを意識した製品群 例えば、外壁用の 「ナノウォール15」 について、「コスパ重視の塗料」として紹介する業者ブログが見られており、性能と価格のバランスを取る製品を売りにする動きがあるようです。 島田塗装工業所 高耐久な仕様を求めつつ、過度に高価になりすぎない仕様を狙う顧客に訴求可能 屋根用・外壁用双方対応 製品ページでは「屋根用塗料」「内外壁用塗料」「床用塗料」など用途別ラインナップを掲げており、屋根・外壁をまたぐ提案が可能なポートフォリオを持っていることが公表されている。 ポリマ+1 建物全体(外壁+屋根)を一括して塗り替えるプランで材料調達がしやすい体制を持てる可能性 これらから、水谷ペイントは「美観性・耐久性・環境性のバランスを重視した製品群」を志向しており、特に“ナノテクノロジー”をコア技術として差別化要素を持とうとする姿勢が見てとれます。 評判・実際の使用上の評価・業者からの視点 外壁・屋根塗装の観点から、業者ブログや比較サイトなどで語られている水谷ペイントの評判・評価もいくつかあります。以下、主なものを挙げておきます(ただし、これらは塗装業者・比較サイトの主観を含むものです)。 評価・指摘 内容 老舗・歴史があるという信頼感 創業が100年以上であるという紹介が複数サイトに見られ、長い年月で培った技術力というイメージが語られることが多い。 外壁塗装、その前に+2カベトップ+2 屋根塗料性能での評価 屋根用塗料分野で、特に“水系屋根塗料”での実績・評価が高いという記述が比較サイトで挙げられている。 外壁塗装、その前に+1 外壁用途での耐久性・汚れに対する期待 外壁用シリコン・水性塗料で「耐候性・低汚染性」が特徴として挙げられており、色あせ・汚れ抑制性能への期待が語られることがある。 外壁塗装、その前に コストとの兼ね合いでの評価 「ナノウォール15」などの製品を “コストパフォーマンス重視の選択肢” として紹介する施工業者のブログが見られるなど、性能・価格のバランス面で選ばれる傾向がある。 島田塗装工業所 注意・批判的観点 宣伝される期待耐用年数や性能について、実際の立地条件や施工品質によって差が出るという指摘が、塗装比較サイトで若干言及されている。 外壁塗装、その前に これら評価から見ると、水谷ペイントは「性能とコストのバランスをとるメーカー」として一定の信頼性を持たれつつも、施工条件や環境条件による性能のばらつきに注意が必要であるという見方が妥当と言えます。 強み・メリット、そして注意点や限界 外壁塗装工事にあたって、水谷ペイントを選ぶ際に知っておいた方がよい利点・強みと、リスク・制約を以下にまとめます。 強み・メリット 歴史と実績 長い歴史を持っており、塗料メーカーとしての実績と市場での信頼が一定程度ある。 技術差別化要素(ナノ技術など) ナノテクノロジーやコンポジット構成など、緻密性・汚れ抑制性を高めるための技術を製品に取り入れようとする姿勢が見られる。 用途展開の広さ 屋根・外壁・床など複数用途を扱う製品ラインがあるため、建物全体の塗替プランを組みやすい。 環境対応性 水性塗料・低VOC対応など環境配慮型仕様を一部で展開しており、住環境や施工現場の安全性を重視する提案が可能。 コストパフォーマンス性 “性能 × 価格” のバランスを重視する仕様(例:ナノウォール15)を打ち出しており、過度に高価格ではない選択肢を提供できる可能性。 目安性がわかりやすい製品ネーミング 製品名に期待耐用年数を示す数字を付けるようなネーミング方式を採ることで、顧客にも分かりやすく伝えやすい可能性。 注意点・リスク・限界 施工品質への依存度が高い どれほど良い塗料を使っても、下地処理・塗布厚・施工手順・養生などが不適切だと性能を引き出せない。特に高性能な仕様では技術的な施工が重要。 宣伝仕様と実環境のギャップ 期待耐用年数はあくまで試験条件下での値である場合が多く、実際の立地環境(紫外線強度・風雨・温湿度変化・汚染)での劣化速度は異なりうる。 ラインナップの幅と選定リスク 用途や仕様のバリエーションが多いがゆえに、適切な塗料の選定を誤るリスクがある(例:下地との相性、適用条件外での使用など)。 性能追求型仕様ではコスト上昇 ナノ技術・緻密設計などを取り入れた高性能仕様になると、一般的な塗料に比べて材料コスト・施工管理コストが高くなる可能性がある。 保証・メンテナンス体制の確認 高性能塗料を採用する場合は、施工後の保証や定期点検・補修対応が実際にどこまで機能するかを事前に確認しておくべき。   ⑧エスケー化研(プレミアム無機シリーズ) 会社概要・立ち位置 まず、エスケー化研の基本的な情報・業界での立ち位置を押さえておきます。 項目 内容 会社名 エスケー化研株式会社(SK Kaken Co., Ltd.) エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+2Metoree+2 設立・創業 昭和30年代創業。公式資料では、「創業昭和30年」以降、建築仕上塗材分野で展開。 エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+2Metoree+2 所在地 本社:大阪府茨木市中穂積3-5-25 エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+1 資本金・売上規模 資本金:26億62百万円(公表値) エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+1 売上高(連結):1000億円超規模(直近) キャリタス就活+3マイナビ+3エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+3 従業員・拠点 従業員数(連結ベース):約2,300名程度 マイナビ+2エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+2 営業拠点:全国に多数(支店・営業所) 工場:複数拠点(全国) キャリタス就活+3エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+3Metoree+3 事業領域 主力は建築仕上塗材、建築用塗料、無機・有機系塗料、特殊塗材、装飾材、耐火断熱材など。塗装材料製造・販売だけでなく、特殊仕上工事の請負も手がける。 PAINTコンシェルジュ+3エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+3キャリタス就活+3 業界での位置づけ 建築用仕上げ塗材分野で「国内シェア No.1」と称されることがある(建材・仕上げ塗材分野で強み) Metoree+3エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+3PAINTコンシェルジュ+3 このように、エスケー化研は規模・範囲ともに一流の塗料メーカーであり、建築分野で非常に強いプレゼンスを持っています。 外壁塗装における製品・技術・強み 外壁塗装工事で実際に使われる材料・技術・仕様面で、エスケー化研が持っている特徴や強みを以下に整理します。 項目 内容・特徴 意義・強みになる点 製品ラインナップの広さ・多様性 外装用上塗材(機能性塗料)、下塗材・下地調整材、塗替え用水性塗料、弱溶剤型塗料、無機ハイブリッド/有機ハイブリッド型、遮熱型、低汚染型など、多様な仕様を揃えている。 キャリタス就活+3エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+3エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+3 建物の構造・基材・環境条件・予算・目的に合わせて最適仕様を選びやすい 機能性重視の塗料 低汚染・超低汚染型、遮熱型、ひび割れ追従性を持つ弾性タイプ、クリヤータイプなど、用途・環境に応じた機能を備えた塗料を用意している。 エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+4エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+4池田塗装+4 外壁の汚れ抑制、熱日射抑制、割れ対応、意匠性維持など、付加価値提案が可能 高意匠性・装飾性塗材 装飾性仕上げ塗材や意匠性を意識した外装材(高意匠性仕上材)も扱っており、見た目と質感を重視する設計に対応可能。 Metoree+4エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+4キャリタス就活+4 単調な塗り替えではなく、デザイン性を重視した提案ができる 公共・大型建築での実績 空港、駅、ランドマーク建築など多くの大型建築物で採用実績を持つという記述が採用事例紹介サイトで見られる。 キャリタス就活+2エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+2 信頼性・ブランド力として強く働く 研究開発・技術基盤 長年の事業基盤を背景に研究所・技術開発体制を持ち、機能性・環境性・耐久性向上に取り組んでいる。 キャリタス就活+3エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー+3Metoree+3 新技術投入・仕様改善能力が比較的高い可能性 コスト・価格競争性 一部情報では、「他の大手メーカーに比べて、比較的コストを抑えられる仕様ラインがある」とする見方が見られる。 外壁塗装駆け込み寺+1 高機能な仕様にもっていきやすい価格調整余地を持つ可能性 また、エスケー化研の公式製品情報には、外装用上塗材(機能性塗料)カテゴリに複数の製品がリストされており、さまざまな条件を想定した仕様が揃っている様子が確認できます。 エスケー化研株式会社 - 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー 強み・メリット これら特徴を踏まえて、外壁塗装工事においてエスケー化研を選ぶメリットとなりうる点をまとめます。 信頼感・ブランド力 規模が大きく実績も多いため、設計者・施工業者・エンドユーザーからの信頼を得やすい。 仕様選択の自由度 機能性・耐久性・意匠性といった要件を加味した多様な仕様が揃っているため、条件に応じた提案が可能。 機能性提案ができる 汚れ抑制・遮熱・ひび割れ追従などの機能を加えられる塗料を選べるため、「美観の持続」「メンテナンス軽減」「省エネ性」などを訴求できる。 実績裏付けになる導入例 大型建築・公共施設などでの採用例があるという実績は、信頼性を担保する材料となる。 コスト調整可能性 機能性仕様だけでなく、比較的抑えた仕様ラインも持っているため、コストとのバランスをとりやすい。 注意点・限界・見極めるべき点 優れた面があっても、採用する際には注意すべき点も存在します。以下は、エスケー化研を使う際に留意すべき点です。 性能は「条件下」見込み値が多い 耐久性・機能性(遮熱・低汚染など)の数値は、試験・設計条件下での理論値がベースであることが多く、実際の建物立地・気象条件・施工品質によって劣化速度が変わる。 施工品質への依存性が高い 特に機能性・意匠性を重視した仕様では、下地処理、塗布厚、養生、施工環境管理、乾燥タイミングなどが適切でなければ性能が十分発揮されないリスクがある。 仕様選定ミスのリスク 多数の仕様が存在するため、用途不適合な仕様(例えば弾性仕様をサイディング壁に使うなど)を誤って選ぶ可能性がある。 コスト上昇の可能性 機能性・高耐久型仕様にすると、一般的な仕様より材料代・管理手間が上がるため、見積もり比較をしっかり行うべき。 保証・アフターフォローの実効性確認 高機能塗料を採用するなら、施工後の保証・定期点検・補修対応がきちんとしているかを確認しておきたい。   ⑨日本特殊塗料 会社概要・事業領域 まず、日本特殊塗料という会社自体がどのような性格・強みを持っているかを確認しておきます。 項目 内容 会社名 日本特殊塗料株式会社(Nihon Tokushu Toryo) ウィキペディア+2マイナビ+2 本社所在地 東京都北区王子 3-23-2 大規模修繕積算協会+1 創業・沿革 1929年に航空機用塗料の製造を目的として創設。戦後は塗料事業を拡張。 ログミーファイナンス+2ウィキペディア+2 主な事業分野 <ul> <li>塗料事業:建築用・防水・遮熱・意匠性塗料など</li> <li>自動車製品事業:防音材・制振材・防錆材など</li> <li>特殊用途塗料:航空機用・宇宙用塗料など</li> </ul> nttoryo.co.jp+3nttoryo.co.jp+3ログミーファイナンス+3 売上の主軸 自動車製品事業(防音材など)も強く、塗料事業だけが主力というわけではない。 マイナビ+2nttoryo.co.jp+2 製品ラインナップ 遮熱塗料(パラサーモなど)、防水塗料(プルーフロン等)、特殊・意匠性塗料、外壁用弱溶剤/水性塗料など takase-t.co.jp+5ウィキペディア+5nttoryo.co.jp+5 特殊技術分野 航空機・宇宙用途塗料、極めて高い耐候性・遮熱特性を持つ製品、強い塗膜特性を要する用途への対応。 takase-t.co.jp+4ウィキペディア+4ログミーファイナンス+4 このように、日本特殊塗料は「特殊・機能塗料」の技術基盤を持つ会社であり、住宅用普通塗料だけでなく高付加価値な用途・性能を目指す塗料を多数展開しています。 外壁塗装用途での特徴・強み 外壁塗装工事に使う製品という観点で、日本特殊塗料が持つ強み・特色となる要素を以下に示します。 特徴 内容/技術 利点・用途での強み 遮熱・断熱性能 日本特殊塗料の代表製品「パラサーモ」シリーズは、屋根用遮熱技術を応用した外壁用遮熱塗料として展開されており、太陽光反射性能と熱放射特性を併せ持つ設計がなされている。 nttoryo.co.jp+4塗料屋さん.com+4株式会社 太陽電工+4 夏季の室内温度上昇抑制・冷房負荷軽減を訴求できる製品として提案できる 環境配慮型・水性仕様 「水性パラサーモ」など、外壁用の水性1液シリコン樹脂塗料として展開されており、臭気低減や環境配慮という特徴が挙げられている。 塗料屋さん.com+3株式会社 太陽電工+3nttoryo.co.jp+3 住宅地での塗装作業時の臭気問題や安全性配慮、環境対応を重視する案件で強みになる 高度な用途技術を背景にした材料開発力 航空機・宇宙用途塗料、防音材・制振材・防水材など、過酷条件下で使われる塗料分野のノウハウを持っており、耐久性・高性能性への技術力が裏付けられている。 nttoryo.co.jp+3ウィキペディア+3ログミーファイナンス+3 外壁でも耐候性・劣化抑制性を重視した仕様設計を行いやすくなる可能性 製品多様性・補助材ライン 外壁トップコートだけでなく、プライマー・下塗り材・補修用材・防水材なども製品ラインナップに含まれており、塗装体系をトータルで設計できる余地がある。 塗料屋さん.com+2nttoryo.co.jp+2 材料調整の自由度があるため、下地条件に応じた仕様対応がしやすい 意匠性・中・上級仕様の展開 一般的な塗料よりも多少高性能・高機能を意図した仕様を展開しており、顧客ニーズに応じて高付加価値提案が可能 「普通より良い・長持ちさせたい」という顧客に対する差別化材料になる たとえば、建築外壁用に使われる パラサーモ外壁用 U という製品は、弱溶剤系アクリルウレタン塗料であり、遮熱性能・耐久性・美観維持性を標榜する仕様です。 塗料屋さん.com また、外装用としての製品群(パラサーモ、ユータックシリーズ、プルーフロン等)が取り扱われており、外装用途への適用が意図されていることも確認できます。 大規模修繕積算協会+2塗料屋さん.com+2 課題・注意点・選定時のチェックポイント 日本特殊塗料を外壁塗装で採用する際には、次のような注意点やリスクを把握しておくことが重要です。 施工品質の重要性 遮熱塗料や高機能仕様は、施工(下地処理、塗布厚、養生、乾燥管理など)が適切でないと、本来の性能(遮熱性・耐候性など)が発揮できない。良い材料を使っても施工でコケることがある。 高機能仕様ゆえのコスト増 遮熱性・環境性・耐久性を高めた仕様は、材料コスト・管理コストが通常塗料よりも上がる可能性が高い。コスト対効果を事前に見積もるべき。 耐用年数・性能の宣伝値と実環境とのギャップ 遮熱・耐候性スペックは試験・設計条件下での値であることが多いため、実際の立地(直射日光強度・気候条件・風雨影響・汚染)ではこれより劣化が速くなる可能性がある。 取扱い・流通網の限定性 一般的な住宅塗装市場では、他の大手塗料メーカーに比べて取扱施工業者数が少ない可能性があるため、あなたのお住まいの地域で扱っているか・対応できる業者があるかを事前に確認する必要がある。 仕様選定・相性の確認 遮熱塗料を取り入れる際には、上塗材だけでなく、下塗材・下地材との相性やトータル仕様構成に注意する必要がある(適合性不良による剥離や膨れなど)。 保証・アフターケア制度の確認 高機能塗料を採用する際は、施工後の保証期間・補修対応体制・定期チェック制度が実際に機能するかを事前に確認しておくことが重要。   ⑩AGCコーテック(グランロック、イベリアン) 会社概要・事業内容 まず、AGCコーテックがどのような会社か、基本情報と事業ドメインを押さえておきます。 項目 内容 社名 AGCコーテック株式会社(AGC Coat-Tech Co., Ltd.) AGC Coat Tech+2AGC Coat Tech+2 設立 昭和38年10月10日設立 AGC Coat Tech 本社所在地 東京都千代田区神田錦町2-9 コンフォール安田ビル 5階 AGC Coat Tech+1 資本金 約3億円 AGC Coat Tech 事業内容 建築用・工業用・防食用フッ素樹脂塗料の製造・販売、建築用仕上塗料・塗材の販売、各種フッ素樹脂コーティング材の製造・販売など AGC Coat Tech+2AGC Coat Tech+2 所属グループ AGCグループの関連会社として、ガラス・化学素材・コーティング技術を持つグループ内企業との関係が深い ctiweb.co.jp+3AGC Coat Tech+3mitsubishi.com+3 最近の動き 2025年8月に、大日本塗料がAGCコーテックを子会社化する株式譲渡契約を結ぶ旨のニュースが報じられている 日本M&Aセンター+1 このような概要から、AGCコーテックは “塗料・コーティング” を専門分野とし、特にフッ素樹脂技術を柱に据えた企業であることが分かります。 外壁塗装用途での製品・技術・強み 外壁塗装工事で使われる塗料・仕様という観点から、AGCコーテックの特色・強みを以下に整理します。 製品ラインナップ・主要ブランド 建築用塗料(住宅・外壁用) 外壁・屋根向けのフッ素樹脂塗料を取り扱っており、住宅用途にも対応した「ルミステージ(LumiStage)」というブランドが使われています。 AGC Coat Tech+4AGC Coat Tech+4メイクアップショップ+4 この「ルミステージ」は、クリヤータイプ、エナメル(光沢)タイプ、完全艶消し、土壁調、セラミック調など多様な意匠設計が可能なラインも揃えられています。 株式会社スマートペインティング | 埼玉県所沢市の外壁塗装・屋根塗装+4メイクアップショップ+4カベトップ+4 フッ素樹脂技術の活用 AGCコーテックは高耐候性型フッ素樹脂塗料「ボンフロン®(Bonflon)」を中心製品として持っており、建築物の屋根・外壁に高耐久性を与えることを重視しています。 ctiweb.co.jp+6AGC Coat Tech+6外壁塗装|リフォーム|愛知県春日井市|名古屋|麻布+6 「ボンフロン」には、遮熱型(赤外線反射顔料入り)やセルフクリーニング機能(親水性処理)を持つ仕様も展開されている記載があります。 カベトップ+2外壁塗装|リフォーム|愛知県春日井市|名古屋|麻布+2 高耐候性・長寿命訴求 AGCコーテックは、「高性能フッ素樹脂塗料で建造物を長期間保護し、塗り替え回数を削減する」ことを事業コンセプトに掲げています。 AGC Coat Tech 実物件での耐久性能も実証例として挙げられており、35年近く採用されている建築用途実績という説明も見られます。 AGC Coat Tech 認定施工制度・保証体制 AGCコーテックでは、「メイクUPショップ」という認定施工店制度を設けており、認定施工店で施工を行うことで塗膜保証(10年保証、条件を満たせば最長15年保証)を発行する仕組みを採用しています。 株式会社スマートペインティング | 埼玉県所沢市の外壁塗装・屋根塗装+2メイクアップショップ+2 この制度は、ただ材料を供給するだけでなく、施工品質・工程管理・アフターフォローまでを視野に入れた体制を構築しようという姿勢を表しています。 メイクアップショップ+2株式会社スマートペインティング | 埼玉県所沢市の外壁塗装・屋根塗装+2 環境配慮・素材の安全性 AGCコーテックは、水性フッ素樹脂塗料「ボンフロン水性」などの製品を紹介しており、環境負荷を抑える方向性も模索していることが見られます。 カベトップ+2SuMPO EPD+2 また、企業情報には「環境への取組み」などの表記がある点から、持続可能性・環境性能を意識した企業姿勢があるようです。 AGC Coat Tech 強み・アピールポイント これら技術・製品面の特徴を踏まえると、AGCコーテックは外壁塗装工事において以下のような強み・強調できる点を持つ会社と言えます。 耐候性・光沢維持力 フッ素樹脂の物性を活かし、紫外線・風雨・温度変化などによる劣化を抑制する能力が比較的高いと期待できる。 塗り替え間隔の長期化 耐久性が高いため、塗り替えサイクルが長くできるという訴求力を持つ(ライフサイクルコスト低減の観点でアピールできる)。 意匠性・選択肢の豊富さ クリヤー・艶消し・模様調・セラミック調などの設計選択肢があるため、見た目や仕上げのこだわりを持つ顧客にも対応できる。 品質保証・施工体制支援 認定施工制度や保証制度を備えているため、施工業者・顧客双方に「材料だけで終わらない」体制を提供しようとする姿勢が見える。 ブランド力・信頼性 AGCグループの一翼として、技術基盤・ブランド力を背景に持つ点が安心感や説得力になる。 技術継承と事業統合展開 2025年には大日本塗料がAGCコーテックを子会社化する動きが報じられており、資本・技術統合による事業強化が見込まれている。 日本M&Aセンター+1 注意点・リスク・見極めるポイント ただし、AGCコーテックを外壁塗装の選択肢とするときには、以下のような注意点や課題も意識しておくべきです。 価格の高さ 高性能フッ素樹脂仕様ということもあって、他の一般的な塗料(シリコン系など)に比べて材料コストが高めになるという評価が業界で見られます。 外壁塗装、その前に 施工品質への依存 どれだけ優れた塗料を使っても、下地処理、塗布厚・回数、乾燥管理、施工手順が不十分だと期待性能を発揮できない。特に高性能仕様では施工精度がシビアになる。 認定施工店でないと保証対象外 保証制度を適用するには認定施工店(メイクUPショップ)で施工する必要があるという条件があるため、あなたの地域に認定施工店があるかどうかを確認する必要があります。 株式会社スマートペインティング | 埼玉県所沢市の外壁塗装・屋根塗装+1 宣伝スペック vs 実環境のギャップ 耐候性・寿命などの宣伝値は、試験条件や最適環境下での想定値であることが多く、実際の気象条件・日照強度・風雨・汚染などでは性能低下がより早くなることもある。 取扱店・流通の制限 高級仕様・ブランド塗料という性格が強いため、すべての地域で扱っている業者が存在するとは限らない。あなたの地域でAGCコーテックの材料を使える施工業者があるかを調べておく必要がある。   ⑪和信化学工業(ガードラックシリーズ) 会社概要・得意分野/主力分野 まず、和信化学工業の事業の中心や強み・得意分野を見ておきます。 和信化学工業は、木材用塗料(木部保護用塗料、木部仕上げ用ニス・ステイン・オイル系塗料など)を得意とする企業で、木材を対象とした塗料事業を主要事業として展開しています。 和信化学工業+3和信化学工業+3和信化学工業+3 同社はまた、特殊塗料・特殊被覆材料・塗料補助材なども扱っており、「特殊コーティング」「特殊塗料」分野にも業務展開しています。 和信化学工業+2和信化学工業+2 こちらの英語サイト紹介によれば、「stamping foils(型押しホイル)」「special coatings(特殊塗料)」も事業領域として扱っており、汎用塗料だけでなく、専門性の高い塗料・加工分野にも関与している会社です。 和信化学工業 また、DIY・家庭向け塗料ブランド「和信ペイント」は、和信化学工業のDIY・一般消費者向け塗料部門が分離して設立された企業であり、主に木部用ニス・ステイン・オイル塗料などを扱っています。 ウィキペディア+2和信ペイント+2 これらから、和信化学工業は「木材向け保護・仕上げ塗料」の技術に強みを持つ会社であり、通常の外壁塗装(モルタル・RC・外装仕上げ材への塗装)を主業務とする塗料メーカーではないという印象を持ちます。 外壁塗装工事における使われ方・可能性 和信化学工業が、外壁塗装工事分野でどのような役割を果たしうるか、使われる可能性がある分野を以下に考察します。 可能な適用領域 木部外装部分 外壁塗装物件において、軒天・破風・羽目板・木製外壁材・木製通路・木製庇・デッキ・木製格子など、外装木部を保護・仕上げする用途で、木部用塗料として使われる可能性があります。 部分補修・意匠部材 例えば、外壁にモールディング・装飾板・サッシ枠・飾り格子など木材を用いた意匠要素がある場合、和信化学の木部用ニス・ステイン・透明仕上げ材などが使われることが考えられます。 外壁装飾板・材料の下地・仕上げ もし外壁仕上げ材料(装飾板・木調パネルなど)として木材系・木目調パネルが使われていれば、その表面保護・仕上げ塗料として採用されることがあります。 DIY・補修塗装用途 小規模な補修・部分塗装やDIY用途では、和信化学系列・和信ペイントの塗料が選ばれることがありますが、これは通常の外壁全面塗装というよりは補修的用途の側面が強いです。 限界・適さない部分 ただし、普通の外壁塗装工事(たとえばセメント系壁・モルタル壁・RC躯体・窯業系サイディング等の全面塗装)を対象とした上塗り・中塗りには、和信化学工業が一般的な仕様として強みを持っているとは言い難いです。主力事業と実製品構成から見て以下のような制約・注意点があります: 汎用外壁用上塗り塗料ラインが主力に見えない 和信化学の公式情報を見る限り、一般的な外装用アクリル・シリコン・無機系上塗り塗料のラインナップ・プロモーションは前面には見られません。主力は木部用塗料・特殊塗料です。 和信化学工業+2和信化学工業+2 耐候性・耐久性の仕様設計が外装壁用と比べて圧倒的に高いものではない可能性 木部用ニス・ステイン・オイル系塗料と、外壁用塗料(紫外線・風水・温湿度変化への耐久性)とは求められる性能水準が異なります。木部用に強みを持つ塗料が、そのまま厳しい外壁環境で長期耐久を発揮できるとは限りません。 施工ノウハウ・対応実績の少なさ 外壁全面塗装の受注・施工実績・仕様評価という点では、同業界の大手塗料メーカーに比べると表立った事例が少ないようです。 保証・アフターフォロー対応の明示が乏しい 外壁用性能保証を前提にするような制度を、公開情報からは見つけにくいです。   ⑫ロックペイント 会社概要・立ち位置 まずロックペイントの基本的情報と、業界での立ち位置を確認しておきます。 ロックペイントは、大阪を拠点とする塗料メーカーで、建築用塗料・工業用塗料・車両用塗料など幅広く手がけています。 ロックペイント+1 建築用塗料(外壁・屋根用など)は同社の主力事業の一つとして紹介されており、「建物外壁の美粧性と長期維持を実現する高耐久性塗料」の提供を掲げています。 ロックペイント ロックペイントは1952年創業で、長年にわたる塗料製造の実績を持つ老舗の部類に入ります。 カベトップ+1 また、環境配慮・安全性にも配慮した製品提供を行っており、VOC(揮発性有機化合物)抑制、重金属不使用のサビ止め材などを手がけているという紹介があります。 カベトップ+2外壁と屋根は塗装エキスパート+2 これらから、ロックペイントは「一般住宅・中小規模建物の外装用途にも十分使える実績と製品体制を持つ」であろう塗料メーカーと位置づけられます。 外壁塗装での製品・技術・強み 外壁塗装用途に関して、ロックペイントが打ち出している製品・技術・強みを以下に整理します。 項目 内容・技術 強み・差別化要素 代表的な製品群 「ユメロック」シリーズ(アクリルシリコン樹脂塗料)、「クリスタルロック UV ガードクリヤー」など 外壁の基本仕様として信頼性を持たせられるラインを持っている カベトップ+2外壁と屋根は塗装エキスパート+2 耐候性・耐久性の訴求 光安定剤(HALS)や特殊顔料、コーティング処理を用いて、ラジカル抑制・劣化抑制を図る設計の塗料を展開しているという紹介が複数見られる。 外壁と屋根は塗装エキスパート+2カベトップ+2 紫外線・風雨・温度変化への耐久力を強化し、色あせ・退色・劣化を抑えることを目指している 遮熱・断熱対応製品 「シャネツロック」など、近赤外線反射(遮熱)性能を持たせた屋根/外壁向け塗料を使い分ける事例がある。 ジャパネット外装+2外壁と屋根は塗装エキスパート+2 夏期の温度上昇抑制、室内への熱影響軽減を求める用途でアピールできる機能 コストパフォーマンス性 ロックペイントは、「塗料の品質を保ちつつコストを抑える」という点を強みとして挙げる業者評価が見られる。 外壁と屋根は塗装エキスパート 高級仕様ばかりでなく、比較的価格を抑えた仕様でも妥当な性能を担保できる可能性 環境・安全性配慮 VOC削減、重金属不使用など、人体・環境への配慮を意識した製品設計が、紹介文などで言及されている。 カベトップ+2ロックペイント+2 施工時の臭気や環境負荷を抑えたい現場で強みになる 施工適性・仕上がり レベリング性(塗料の広がり・表面の滑らかさ)を意識した仕様を持つという紹介がある。 株式会社リペイント+1 見た目品質・仕上がり感を重視するニーズに応える可能性 さらに、外壁塗装の一例として、越谷市でロックペイントの遮熱塗料「シャネツロック」を使って屋根と外壁の塗装を行ったという事例もあり、実際に塗装業者に選ばれて使われていることが確認できます。 ジャパネット外装 強み・メリット これらの情報をもとに、ロックペイントを外壁塗装で選ぶメリットを以下のように整理できます。 バランス型仕様が得意 高性能仕様ばかりでなく、価格との兼ね合いを見ながら適切な仕様を選ぶ余地を持っている可能性が高い。 耐候性・色あせ抑制性能への設計意図 劣化抑制(ラジカル抑制、光安定剤、特殊顔料など)の工夫を取り入れている仕様が多数存在するという点が強みとなる。 遮熱・断熱への対応オプション 遮熱性能を持たせた製品を扱っており、性能付加価値を訴求できる。 環境・安全性を意識した製品設計 施工環境や室内影響を抑えたい現場に対して、「比較的安全性を考慮した仕様」を提案できる余地がある。 実績・信頼性 老舗企業であり、建築塗料分野で実績があり、選択肢の一つとして信頼を得やすい側面がある。 注意点・限界・検討すべきポイント どんな塗料メーカーでも万能というわけではないので、ロックペイントを使う際には以下の点を注意・検討した方がいいです。 施工品質が性能を左右する どれだけ良い塗料を使っても、下地処理・養生・塗布厚・乾燥管理などが適切でないと、耐久性能を発揮できない可能性が高い。 宣伝スペックと実環境のギャップ 耐候性・耐久性の表記は試験条件下・最適条件下での値が多いため、実際の気象・立地条件・汚染条件での劣化速度は異なる。 高性能仕様ではコスト上昇 遮熱型・高耐候型・低汚染仕様などを選ぶと、材料費や施工管理コストが上がる傾向があるのでその見積を必ず確認すべき。 仕様選定のミスリスク 複数の製品群があるため、外壁の素材・旧塗膜・クラック状態・構造適応性などをよく検討しないと、仕様ミスマッチが起こる可能性。 取扱業者・施工店網の有無 あなたの地域(例:岡崎市付近など)で、ロックペイントの塗料を扱っている施工業者・認定施工店があるかどうかを確認する必要がある。   ⑬アサヒペン アサヒペンの基本情報・事業領域 まず、アサヒペンの基本スペック・事業領域を押さえておきます。 会社名:株式会社アサヒペン ウィキペディア+2アサヒペンの公式ホームページ+2 本社:大阪府大阪市鶴見区(登記上の本店)、また東京都江東区に拠点も持つ ウィキペディア+2アサヒペンの公式ホームページ+2 創業:昭和15年(=1940年)創業、昭和22年に法人化・設立 Metoree+3アサヒペンの公式ホームページ+3ウィキペディア+3 主な事業内容: ・建築用塗料(家庭用・補修用を含む)および各種塗料の製造・販売 ウィキペディア+4アサヒペンの公式ホームページ+4アサヒペンの公式ホームページ+4 ・塗装用品、補修材、ハウスケア用品(洗剤、ワックス等)、インテリア用品(壁紙・障子紙など) Metoree+3アサヒペンの公式ホームページ+3アサヒペンの公式ホームページ+3 製品技術・特性: ・水性化・環境対応(たとえば家庭用塗料の水性化、ノンフロン系、ガス抜きキャップ付きスプレーなどの採用) アサヒペンの公式ホームページ+1 ・家庭用・DIY市場への強みと全国流通網 アサヒペンの公式ホームページ+2アサヒペンの公式ホームページ+2 つまり、アサヒペンは「住生活・家庭向けの塗料・補修製品・住まいケア製品」の総合メーカーとしての色合いが強い会社です。 外壁塗装工事分野での関わり・使われ方 アサヒペンは、外壁塗装工事において以下のような形で関わることが多いと考えられます。 使われる可能性のある領域・用途 補修用途・タッチアップ 建物全体を高耐久仕様で塗替える際に、ひび割れ補修や小面積のタッチアップ用としてアサヒペンの補修材・補修塗料が使われる可能性があります。 一般住宅向け軽仕様 外壁性能や耐用年数要求がそれほど高くない一般住宅向け塗り替えで、比較的手頃な仕様としてアサヒペンの塗料が選ばれることもありえます(特にDIY向け市場での製品提供力が強いため)。 付帯部・木部・金属部の塗装 外壁材そのものではなく、庇・破風・軒天・鉄部などの付帯部や金属面で、補助的な塗装用途としてアサヒペンの製品が利用される可能性が比較的高い。 小規模住宅リフォーム用途 戸建て住宅の小規模な改修・リフォーム案件で、コストを抑えたい場合や DIY 対応性を重視する場合に使われやすい。 限界・弱み・注意点 外壁塗装工事を考える際に、アサヒペンを選ぶことの注意点・制約も抑えておく必要があります。 耐久性・性能スペックでの差 大手建築塗料メーカーが持つ高耐候・無機・ハイブリッド仕様などの上位性能と比べると、アサヒペンの製品群はその分野での実証・規模展開では見劣りする可能性があります。 施工業者・採用実績の限定性 地域によっては、アサヒペンの外壁用仕様を取り扱う施工業者が少ないか、仕様選定に慣れていない場合もあります。 仕様設計・組合せ適性 外壁本体(モルタル・サイディング・RCなど)に長期耐久性を求める仕様では、下地処理・中塗り・上塗りのシステム設計が重要であり、アサヒペン製品だけでは対応しきれないことも。 保証・アフターケアの明示不足 高性能塗料を扱う大手に比べて、公的に保証を前提とした外壁塗装仕様でのアフターケアの制度が公開されている例が少ないようです。 総合的な評価・位置づけ(外壁塗装観点で) 外壁塗装工事の視点から見ると、アサヒペンは「主力外壁仕様を追求する大型案件・高耐久仕様」では最前線メーカーというよりは、「補修・付帯部・中低仕様・DIY/小規模案件対応型」の選択肢として使われることが多いタイプの会社だと考えられます。 ただし、住宅需要は多様であり、「そこそこのコストで一定の性能を取れれば良い」ようなニーズには、アサヒペンの強み(流通網、塗料・補修材の品揃え、コスト対応力など)が活きる可能性があります。   ⑭アステックペイント(OEMメーカー) 会社概要・基本情報 社名:株式会社アステックペイント(ASTEC PAINTS INC.) 建築用塗料メーカーのアステックペイント 設立:2000年10月 建築用塗料メーカーのアステックペイント+2ゆず塗装+2 資本金:約72,765,000円 建築用塗料メーカーのアステックペイント 事業内容:建築用塗料の研究開発・製造・販売。特に屋根・外壁・改修用途の機能性塗料を中心とする。 建築用塗料メーカーのアステックペイント+1 直販体制:アステックペイントは “直販体制” を採用しており、仲介商社を挟まずに施工店へ供給する構造を持っていると自社サイトで主張している。 建築用塗料メーカーのアステックペイント ネットワーク事業:「プロタイムズ」という、外壁塗装・屋根塗装の全国施工店ネットワーク組織を自社運営している。 外壁塗装・屋根塗装のプロタイムズ<公式> |+2建築用塗料メーカーのアステックペイント+2 市場シェア・実績:遮熱塗料分野で、シェア No.1 を複数年取得しているという主張をしている。 AP ONLINE+3建築用塗料メーカーのアステックペイント+3建築用塗料メーカーのアステックペイント+3 これらから、アステックペイントは比較的新しい会社ですが、「機能性塗料」「直販」「施工ネットワーク運営」といった戦略を打ち出した、特色ある塗料メーカーという位置づけだと言えます。 外壁塗装用途での製品・技術・強み アステックペイントが外壁塗装工事でアピールしている、また施工業界で評判のある技術・製品特徴を以下に挙げます。 特徴 内容・技術 意義・強み 遮熱性能重視 高反射顔料、赤外線反射技術を使った塗料を「遮熱塗料」として多数ラインナップしている。 建築用塗料メーカーのアステックペイント+2建築用塗料メーカーのアステックペイント+2 夏期の熱の侵入抑制、室内温度上昇抑制、エアコン負荷軽減などを訴求できる 低汚染性・耐候性塗料 雨水や風により汚れを洗い流しやすい設計・耐候劣化抑制設計を持つ上塗り塗料を扱っている。 外壁塗装パートナーズ+3建築用塗料メーカーのアステックペイント+3高松市で外壁塗装・屋根修理・雨漏り修理なら『絆』+3 美観維持性が高く、メンテナンスサイクルを延ばせる可能性 直販体制によるコスト・情報制御 商社を通さず施工店へ直接供給する体制をとることで、流通マージンを抑えたり、情報共有を密にできたりするという主張がある。 建築用塗料メーカーのアステックペイント 塗料価格の透明性、仕様の一貫性、技術フォローがしやすい体制を作れる可能性 施工店ネットワーク(プロタイムズ)運営 アステックペイントが本部運営する全国施工店ネットワーク「プロタイムズ」によって、一定の施工基準・保証体系を設けている。 外壁塗装・屋根塗装のプロタイムズ<公式> |+2建築用塗料メーカーのアステックペイント+2 施工品質管理、保証制度、顧客安心感という付加価値を与えやすい サポート・営業支援体制 塗装会社への営業支援、販促ツール提供、技術フォロー、現場支援などを強化しているという声・公開情報がある。 AP ONLINE+2建築用塗料メーカーのアステックペイント+2 施工店が扱いやすく、推奨しやすい塗料としての地位を得やすい 取扱社数・普及度 取扱店・施工会社数は多く、3,400社超(ある種程度)に取り扱われているという塗装業界の情報も見られる。 AP ONLINE 普及性があり、地域で使っても “扱える業者がいる可能性” が比較的高め また、業者側の評価として、塗装会社100社を対象にしたインタビュー調査記事では、「営業フォロー・サポート・塗料特性を営業で訴えやすい」など、取扱業者からの評価が高いというコメント例がいくつか出ています。 AP ONLINE 強み・メリット・評価される点 これら特徴を踏まえると、外壁塗装工事分野でアステックペイントを選ぶことのメリットは以下のような点が挙げられます。 機能性を売りにできる仕様設計力 遮熱・低汚染・耐候性などの高機能仕様を持った製品ラインがあるため、通常塗料以上を求める物件での提案力が高い。 施工品質の担保体制が比較的整っている可能性 プロタイムズなど施工ネットワークを運営し、施工店を選別・基準運用している構造がある点。 情報・サポート体制が手厚いという評価 業者からの評判として、営業・フォロー・技術支援が手厚いという声が目立つ。 コスト制御の余地 直販体制で中間マージンを抑えられる可能性があるため、材料コストが過度に肥大しにくい構造的優位性を持つ可能性。 保証や安心感という訴求材料 自社運営施工店ネットワークとメーカー保証を組み合わせる “W保証” 提案を行っている例があり、顧客に安心感を提供しやすい。 外壁塗装・屋根塗装のプロタイムズ<公式> |+1 注意点・限界・見極めポイント 良い面が多い一方で、採用を検討する際には注意すべき点もあります。以下は、アステックペイントを外壁塗装で使う際にチェックしておいた方がよいリスク・課題です。 施工品質への依存度は依然高い 高機能塗料ゆえに、下地処理・塗布厚・養生・施工条件管理などが粗いと、本来の性能が出せないというリスクが通常以上に強まる。 宣伝仕様と実環境のギャップ 遮熱性・耐候性・低汚染性といった性能値は、試験条件・理想条件下でのものが多く、実際の立地・環境条件(気候・日照・汚染度など)では劣化が早まることもある。 認定施工店でないと保証適用外となる可能性 プロタイムズ加盟店や正規認定店であることが、保証適用条件になっている可能性が高いため、施工店選びを慎重にする必要がある。 知名度・取扱い業者の偏在 全国的には名前が知られてきているが、地域によっては施工実績・取扱業者数が十分ではないケースもありうる。 コスト対効果のバランス 高機能仕様を選ぶと材料価格・施工管理コストが高くなるため、見積もり比較時に標準仕様とのコスト差効果を慎重に評価する必要がある。   ⑮プレマテックス(OEMメーカー) 基本情報・会社体制 まず、プレマテックスの基本情報と事業体制を押さえておきます。 項目 内容 会社名 プレマテックス株式会社(PREMATEX Co., Ltd.) プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー 創業 / 設立 創業 1999年4月、設立 2000年3月 プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー+1 資本金 約6,000万円 プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー 所在地 本社:東京都江東区有明 プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー+2プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー+2 工場:埼玉県和光市 プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー 認証 ISO 9001(品質マネジメント)、ISO 14001(環境マネジメント) を取得 プレマスタイル+1 事業内容 建築用塗料の企画・設計・研究開発・製造・販売、技術管理サービス、住宅塗装工事の仲介・施工管理事業など プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー+2プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー+2 販売体制 メーカー直販体制を謳っており、一般的な代理店ルートを経ず、塗装業者と直接取り引きする体制を強調している プレマスタイル+2プレマスタイル+2 施工店ネットワーク 自社で「プレマスタイル(Premastyle)」という塗装業者紹介サイトを運営し、推奨施工店を紹介する体制をとっている プレマスタイル+1 このように、プレマテックスは「塗料メーカーとしての研究開発力・一貫生産体制」と、「施工品質管理・直販ネットワーク構築」を重視している会社です。 外壁塗装用途での製品・技術・特徴 プレマテックスが外壁塗装工事で採用されうる技術・仕様・製品群について、特徴を以下にまとめます。 項目 内容・特徴 優位性・差別化要素 無機・ハイブリッド無機塗料 プレマテックスは、無機成分を多く含む塗料(無機ハイブリッド)を主力のひとつとして扱っている。 紫外線や風雨などでの劣化を抑制し、寿命を延ばす設計を目指している ラジカル制御技術 無機との複合構成や多重構造で、紫外線照射による劣化因子(ラジカルなど)の進行を抑える技術導入を行っているという説明が複数見られる 高松市で外壁塗装・屋根修理・雨漏り修理なら『絆』+2レオ・シールド+2 長期的な耐久性・色あせ抑制を訴求しやすい 代表製品シリーズ “ウルトラ” 系列(例:ウルトラSi など)や “タテイル” 系列などが、外壁用にしばしば挙げられている製品名 プレマスタイル+3高松市で外壁塗装・屋根修理・雨漏り修理なら『絆』+3レオ・シールド+3 意匠性と性能性を兼ね備えた複数仕様を提供 下塗り材・プライマー 「シリコン浸透シーラーEX」など、さまざまな基材や旧塗膜に対応する下塗り材・プライマーをラインナップしている プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES 下地の密着や補強機能を強化し、全体の耐久性を支える 保証制度 メーカー保証制度を設けており、外壁塗装では最長 15年保証をうたう例がある クマリペ+2プレマスタイル+2 顧客にとって安心材料となる設計 環境配慮・低臭性 水性塗料で刺激臭を抑えたり、環境配慮型製品を打ち出す記述が複数紹介されている 外壁塗装、その前に+2レオ・シールド+2 近隣住宅・住環境配慮を重視する案件で強みとなる 施工店の認定制 施工を「認定施工店(パートナーショップ)」制度で制限する方式を採用しており、正確な施工技術を確保するしくみを整えているという説明がある クマリペ+2プレマスタイル+2 品質管理およびブランド維持の手段として機能する可能性 また、プレマテックスは無機・耐候性技術を核としつつ、コストパフォーマンスの観点も意識しているという塗装業者紹介ブログの記述などもあります 平野塗装工業+2外壁塗装、その前に+2 強み・メリット これら特徴を踏まえると、プレマテックスを外壁塗装で選ぶ際のメリット・強みは以下のような点になります。 高耐久・耐候性訴求力 無機成分導入、ラジカル制御、多層構造設計などにより、長期間美観や性能を維持しやすい仕様を目指している点。 保証制度の提示 最長15年保証などを明示する例があるため、信頼感を持たせやすい。 施工品質管理体制 認定施工店制度・直販体制・施工管理支援を自前で持っており、塗料と施工の一体品質管理をはかろうとする姿勢。 直販体制による情報管理 代理店を介さず直接取引する体制を採ることで、誰がいつどの塗料を使ったかを把握でき、品質管理・出荷管理がしやすいというメリット プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー+3プレマスタイル+3プレマスタイル+3 意匠性と仕様選択肢 複数の製品シリーズ(ウルトラ、タテイルなど)を用意しており、外観デザイン・性能仕様の幅を持たせた提案ができる点。 環境・住環境配慮 低臭性・水性型仕様などを打ち出しており、近隣配慮や健康配慮を重視する現場で訴求しやすい。 注意点・リスク・見極めポイント どんなメーカー・仕様を選ぶにしてもリスクはありますので、プレマテックスを採用する際に注意すべき点を挙げておきます。 施工品質への依存性が高い 高度な仕様・無機・ラジカル制御型などでは、下地処理・塗布厚・乾燥管理・施工手順誤差によって、期待性能が発揮できない可能性が高くなります。 保証適用条件・認定施工店制限 保証制度があっても、認定施工店で施工し、定められた仕様・工程を守ることが条件になることが多いため、施工業者選び・契約仕様確認が重要。 宣伝仕様と実環境との差 耐候性・寿命・防汚性などの性能値はあくまで試験・理想条件下での数値が多く、実際の環境(立地、日照、風雨、汚染物質など)では劣化が速まる可能性がある。 流通・取り扱い業者の地域差 比較的新しい/専門性の高い製品を扱うメーカーという性格もあるため、あなたの地域(岡崎・愛知など)で取り扱っている施工業者があるかどうかを事前に調べておく必要がある。 コスト vs 効果のバランス 高機能仕様(無機・長寿仕様など)を選ぶと材料価格・管理コストが高めになるので、見積もり比較時に他仕様とのコスト差と効果差を慎重に評価すべき。    

2025.09.23(Tue)

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コラム外壁・屋根塗装のイロハ

用語集その⑤!~劣化編~

①チョーキング現象 チョーキング現象(チョーキング現象)とは、外壁塗装や屋根塗装の劣化症状のひとつで、手で触ると白い粉がつく現象を指します。主に塗料中の顔料(主に白色顔料である酸化チタンなど)が劣化して表面に浮き出てくることで発生します。 チョーキングの主な原因 紫外線・雨風による経年劣化 塗膜が紫外線や雨風にさらされることで、塗料の樹脂成分が分解されて、顔料がむき出しの状態になります。 塗料の質や種類 アクリルなどの耐久性の低い塗料ほど、早期にチョーキングが発生しやすいです。逆に、フッ素や無機塗料は発生しにくいです。 施工不良・下地処理不良 高圧洗浄や下塗りが不十分だった場合、早期劣化の原因となることがあります。 チョーキングの確認方法 「手で外壁をこする」だけで簡単に確認できます。白い粉が手につくようであれば、それがチョーキングのサインです。 チョーキング現象がもたらすリスク 防水性能の低下 美観の悪化(色褪せ・粉っぽい外観) カビや苔の発生リスク増加 下地の劣化促進(塗膜の剥離など) チョーキングが起きたらどうすべきか? 再塗装のタイミングと判断 チョーキングは再塗装のサインです。発生した場合は、外壁の状態を専門業者に見てもらうのがおすすめです。 高圧洗浄による粉の除去 再塗装前にはしっかりとチョーキング粉を洗い流す必要があります。 適切な下塗り剤の選定 吸い込みが激しい場合は、フィラーやシーラーの適切な選定が重要です。  チョーキングが起こりやすい場所 日当たりが強い南面 雨風にさらされやすい面 アクリル・ウレタン塗料が使用された外壁  チョーキングを防ぐ方法 耐候性の高い塗料(例:無機・フッ素)を選ぶ 適切な施工(洗浄・下塗り・上塗りの3工程) 定期点検・メンテナンス(5〜10年周期)   ②変色・褪色 変色(へんしょく)・褪色(たいしょく)とは、外壁や屋根の塗装表面が本来の色から変化する現象を指します。どちらも経年劣化の代表的な症状であり、見た目の美観の低下だけでなく、塗膜の劣化や機能低下の兆候でもあります。 【変色と褪色の違い】 用語 説明 変色 塗膜が化学反応や汚れの付着などにより、本来の色とは異なる色に変わること。例:白が黄色っぽくなる、黒が茶色がかるなど。 褪色 紫外線や雨風などの影響で、色が徐々に薄くなる・あせていく現象。例:濃いグレーが薄いグレーに変わっていく。 【主な原因】 1. 紫外線による劣化(UV劣化) 日光に含まれる紫外線は、塗料の顔料や樹脂を分解します。 特に**有機顔料(赤・青・緑系)**は劣化しやすい。 2. 雨風や湿気 酸性雨や塵埃による化学反応で変色が起こる。 北面など湿気の多い場所では苔・カビによる変色も。 3. 排気ガス・工場煙などの外的要因 交通量の多い場所や工場の近くでは大気汚染物質が色調変化を引き起こすことも。 4. 塗料の選定ミス・品質不足 耐候性が低い塗料(例:アクリル)を使うと早期に褪色・変色しやすい。 【見分け方と兆候】 現象 兆候 変色 一部の場所だけが違う色に見える/黒ずみ・黄ばみ・緑がかりなど 褪色 全体的に色が薄くなっている/色がぼやけた印象になる/ツヤが消える 【変色・褪色が進行すると】 建物の見た目の印象が悪くなる 塗膜の保護機能(防水・防汚など)が低下 劣化が進むと再塗装費用が増大するリスクも 【対策・防止策】 高耐候性塗料の選定 無機塗料・フッ素塗料・シリコン塗料など ラジカル制御型塗料もおすすめ 定期的な点検とメンテナンス 5~10年周期で外壁診断を行う 変色しにくい色選び 有機顔料よりも**無機顔料(白・黒・グレー系)**を使うと褪色しにくい 日当たり・風通しの調整(可能であれば) 直射日光が強い面は対策を講じる   ③クラック クラックとは、「ひび割れ」のことで、外壁や屋根、基礎、コンクリート部分、モルタル・サイディングなどに発生する建物の劣化現象のひとつです。特に外壁塗装の点検・診断においては重要なチェックポイントとされます。  クラックの種類 クラックにはいくつかの種類があり、それぞれ原因や補修方法が異なります。 クラックの種類 特徴・原因 ヘアークラック 幅0.3mm未満、浅く細かいひび割れ。塗膜やモルタル表面の経年劣化・乾燥収縮が主な原因。 構造クラック 建物の構造に影響を与える深刻なひび割れ。幅0.3mm以上。基礎の沈下や地震、不同沈下が原因のことも。 乾燥クラック モルタルやコンクリートが乾燥する際の収縮によって起きる。施工初期によく見られる。 縁切れクラック(開口クラック) 窓枠やドア周辺など開口部に発生。建物の動きや伸縮に伴い割れやすい部位。 縦クラック・横クラック 板間や外壁パネルの継ぎ目、ジョイント部分、サイディング目地部などに見られる。  クラックの見分け方と目安 幅の目安 状態 補修の必要性 0.3mm未満 ヘアークラック 緊急性は低いが塗り替え時には対応推奨 0.3〜1.0mm 軽度な構造クラック 早期補修を検討すべき 1.0mm以上 構造上の問題が懸念 早急な専門業者による調査・補修が必要 ※クラックスケールなどの測定ツールで幅をチェックすることが一般的です。  クラックを放置すると? 雨水の侵入 → 下地材の腐食・カビ発生 シロアリ被害の原因に 建物の耐久性低下・構造材の劣化 室内の湿気・断熱性低下につながることも  クラックの補修方法 クラック種類 補修方法 ヘアークラック 微弾性フィラー塗布/上塗り再塗装 幅0.3mm以上のクラック Uカットシーリング充填/エポキシ樹脂注入 構造クラック 専門業者による構造補強・外壁張り替え  外壁塗装とクラック補修の関係 外壁塗装を行う前には必ずクラックの有無を点検し、事前に補修してから塗装を行うことが基本です。補修を怠ると、塗膜内部に再び水が侵入し、塗装の早期剥がれや内部腐食の原因となります。   ④爆裂 爆裂(ばくれつ)とは、鉄筋コンクリート構造の外壁や基礎、梁などで発生する深刻な劣化現象で、内部の鉄筋が膨張してコンクリートを内側から押し出し、ひび割れや破片の剥落(はくらく)を引き起こす現象を指します。  爆裂の概要  主な発生メカニズム コンクリート内部の鉄筋が酸化(錆びる) 鉄が酸化して体積が約2〜3倍に膨張 周囲のコンクリートに強い圧力がかかる コンクリート表面が割れる・剥がれる(爆裂)  発生しやすい場所 鉄筋コンクリート造(RC造)建物の外壁・基礎・梁・柱 打継ぎ部・開口部周辺(窓の角など) 雨水が染み込みやすい箇所(防水不良部位やひび割れがあるところ) 海沿いや工場周辺など塩害や酸性雨の影響が強い地域  爆裂の兆候 コンクリート表面に浮きや盛り上がりが見える 小石状の破片が落下する 赤茶色のサビ汁が染み出している ひび割れの中に金属が見える  放置するとどうなる? 破片の落下事故(通行人・車両への被害) 鉄筋の断面減少 → 耐震性の低下 建物の構造的な安全性に重大な影響 雨水や湿気の侵入による内部腐食の進行  補修方法 状態 補修方法 軽度な浮き 表面の浮き除去 → 防錆処理 → 補修モルタル → 塗装 鉄筋露出あり 鉄筋ケレン(錆落とし) → 防錆塗布 → 欠損部補修(樹脂モルタル等) 大規模爆裂 範囲が広い場合は打ち替えや外壁パネルの張替えが必要  予防策 定期点検・打診調査(タイルやコンクリートの浮き確認) 塗装や防水工事による浸水防止 中性化抑制に効果のある塗料選定(中性化防止塗料) ひび割れ(クラック)を放置しないこと   ⑤雨漏り 雨漏り(あまもり)とは、屋根・外壁・ベランダ・サッシなど建物の外部から雨水が建物内部に浸入する現象です。天井からポタポタと水が垂れるような目に見える症状だけでなく、目に見えない箇所から静かに侵入しているケースもあり、建物の構造劣化や健康被害につながる重大な問題です。  雨漏りの主な発生箇所 発生箇所 原因の例 屋根(瓦・スレート・板金) 割れ・ズレ・錆び・施工不良 外壁(モルタル・サイディング) クラック・コーキング劣化 ベランダ・バルコニー 防水層の劣化・排水口詰まり サッシまわり シーリング劣化・取付不良 天窓・換気口・配管まわり 隙間・取付不良・老朽化  雨漏りのサイン(兆候) 天井や壁紙のシミ・変色 室内でカビ臭さ・湿気 雨が降った後に窓枠まわりに水が溜まる クロスの剥がれやフローリングの浮き 屋根裏での水音・シミ  雨漏りの調査方法 方法 特徴 目視点検 クラックや隙間の確認。初期診断に有効。 散水調査 実際に水をかけて浸入口を特定。時間と技術が必要。 赤外線サーモグラフィ 水分のある場所を温度差で検出。非破壊で可能。 発煙調査・色水調査 室内から煙や色水を流して侵入口を確認。  雨漏りを放置すると? 木材腐食(柱・梁が弱くなる) 断熱材の機能低下 シロアリ被害の誘発 カビ発生 → アレルギーや健康被害 建物の資産価値低下  雨漏りの対策・補修方法 原因 対策 屋根材のズレ・割れ 屋根材交換・差し替え・防水シート補修 クラック 補修材充填+外壁再塗装 シーリング劣化 打ち替え or 打ち増し施工 防水層劣化 ウレタン防水・FRP防水・シート防水など再施工  雨漏りと塗装の関係 外壁や屋根塗装は防水機能の維持に直結します。 雨漏りがある状態での塗装は根本解決にはならず、事前の補修が必須です。 塗装の際は防水・シーリング・下地補修をセットで提案することが重要です。   ⑥サビ サビ(錆)とは、金属が酸素や水分、塩分などと化学反応を起こして腐食し、劣化していく現象です。特に外壁や屋根、鉄部(手すり・庇・配管・ベランダの笠木など)において、見た目の劣化・構造上の劣化・建物全体の寿命短縮につながる非常に重要な劣化症状のひとつです。  サビの発生メカニズム サビは主に次のような化学反応で発生します。 鉄(Fe)+ 酸素(O₂)+ 水(H₂O) → 酸化鉄(Fe₂O₃)= 赤茶色のサビ この反応が進行することで、金属が腐っていく=錆びていくという状態になります。  サビの種類 種類 特徴・発生原因 赤サビ(酸化鉄) 最も一般的。鉄部の表面に出る赤茶色のサビ。 白サビ(酸化亜鉛) トタンや亜鉛メッキ鋼板などに発生。白っぽい粉状。 黒サビ 鉄の高温酸化でできる安定した被膜。悪性ではない。 緑青(ろくしょう) 銅や真鍮に発生する緑色のサビ。美観的には味わいとも。 サビの主な発生箇所(住宅・外装) トタン屋根・ベランダの笠木 鉄製階段・手すり スチール製のシャッター・庇・水切り エアコン配管のカバー・室外機台 アンテナや看板の支柱  サビを放置すると… 腐食が進行し、穴あき・崩壊・落下の危険性 外壁や屋根にサビ汁が流れて美観を損ねる 建材の交換が必要になり、補修費用が高額化 シロアリ被害や雨漏りを誘発することも  サビ対策・補修方法 状態 対応方法 表面のサビ(軽度) ケレン作業 → 錆止め塗装 → 上塗り サビが進行している場合 サビ転換剤+錆止め → 補修塗装 穴が開いている 補修材や金属板で成形 → 塗装/場合により部材交換 ※ケレンとは、サビや旧塗膜をヤスリや工具で除去する作業です(1種〜4種ケレンが存在)。  サビ止め塗料とは? 金属表面に防錆層を形成する塗料 代表的な成分:エポキシ系、フェノール系、亜鉛リッチ系 塗装前には必ず下地処理(ケレン)が必須 上塗りは耐候性・耐水性のある塗料を推奨(ウレタン・シリコンなど)   ⑦剥離 塗膜の剥離(とはくのはくり)とは、塗装された塗膜が下地から浮いたり、めくれたり、はがれてしまう現象を指します。外壁や屋根、鉄部、木部など塗装されたあらゆる箇所で発生する劣化症状のひとつで、防水性・美観・耐久性の低下につながります。 【塗膜とは?】 「塗膜」とは、塗料を塗った後に乾燥・硬化してできる保護の膜のことです。塗膜は、建物の外壁や屋根を紫外線・雨風・汚れ・サビ・カビなどから守るバリアの役割を果たしています。 【塗膜の剥離が起こる主な原因】 原因 内容 下地処理の不良 高圧洗浄不足・ケレン不足・ホコリや油分残留による密着不良 下塗り(プライマー)不足・不適切な塗料選定 下塗りなし、または素材と塗料の相性不良による密着不良 経年劣化 紫外線や雨風によって塗膜自体が劣化・硬化・脆弱化 湿潤状態での施工 雨上がり・結露など、水分を含んだ下地への塗装 素地の動き・膨張収縮 木材やモルタルなどが動くことで、塗膜が追従できず割れる/浮く 旧塗膜の劣化 上塗りする際に、前回の塗膜が傷んでいると新しい塗膜が密着しにくい 【塗膜剥離の見分け方】 外壁や屋根の一部がめくれ上がっている 指でこするとペリッと表面がはがれる 表面に膨らみ・浮き・フクレがある(前兆) 塗料片が粉状やフィルム状に剥がれる 【塗膜剥離を放置するとどうなる?】 下地がむき出しになり、雨水の侵入やサビ・腐食の進行 建物の劣化スピードが加速 外観が著しく悪化し、資産価値も低下 塗装の意味(防水・保護)がゼロになる 【塗膜剥離の補修方法】 状態 対応方法 部分剥離(軽度) 剥離部を除去 → ケレン → 下塗り → 上塗り 広範囲の剥離 全面の塗膜を除去(ケレンまたは剥離剤) → 下地調整 → 再塗装 下地の劣化あり 素地補修(クラック補修・パテ埋めなど)→塗装工程へ 【塗膜剥離の予防対策】 高圧洗浄やケレンなどの下地処理を徹底 下地と塗料の相性確認(素材別のプライマー選定) 適切な気温・湿度で施工を行う 耐候性・密着性の高い塗料を使用 定期的な点検と再塗装の時期を守る(10年目安)   ⑧ブリード ブリードとは、塗装後の仕上がり面に下地やシーリング材などに含まれる成分がにじみ出て、汚れ・変色・ベタつきなどを引き起こす現象を指します。主に外壁塗装の仕上がり品質を大きく損ねる美観上の不具合であり、再塗装時やシーリング上の塗装でよく発生します。  ブリード現象の例 白い壁に黒っぽいにじみが出てきた コーキング(シーリング)上だけ汚れたような筋が残っている 塗った直後はきれいでも数週間〜数ヶ月後に変色してくる 表面がベタベタしている/ほこりが付着しやすい  ブリードが起こる原因 原因 内容 可塑剤のにじみ出し シーリング材に含まれる可塑剤(柔らかくする添加剤)が塗膜ににじみ出る 下地との相性不良 特にウレタン・シリコン系シーリング材の上に塗装した場合 下塗り・プライマーの未使用/選定ミス 専用プライマーやブリード対策塗料を使わないと発生しやすい 旧塗膜に含まれる有機成分の移行 古い塗膜の中の油分や色素が新しい塗膜へ浸出することもある  発生しやすい箇所 シーリング材の上(特に打ち替え・打ち増し箇所) モルタル外壁のヘアークラック補修跡 雨樋や鉄部との接合部 サイディングの目地部  ブリードを放置すると? 見た目が悪く、美観を著しく損なう 塗り替え直後なのに**「失敗感」や「老朽化感」が出る** 再塗装しても同じ症状が再発する可能性が高い 汚れが定着しやすく、長期的に清掃が困難になる  ブリード対策・予防方法 方法 内容 ノンブリードタイプのシーリング材使用 可塑剤がにじまないよう設計されたシーリング材 ブリードオフプライマーを使用 可塑剤を遮断する専用プライマーをシーリングの上に塗布 下塗り材の選定を適切に 弾性対応・ブリードブロックタイプの下塗り材を選ぶ 可塑剤の少ない高性能材料選び 弾性シリコン・変性シリコンなど高耐候性シーリングの使用  再発防止のための塗装工程例(シーリング上) シーリング施工(ノンブリードタイプ推奨) 乾燥養生期間の確保(2〜3日) 専用ブリードオフプライマー塗布 適切な下塗り塗布 上塗り2回塗布(ブリード対応塗料)   ⑨エフロエッセンス エフロエッセンスとは、コンクリート・モルタル・レンガ・ブロックなどの表面に白い粉や結晶が浮き出てくる現象です。「白華(はっか)現象」とも呼ばれ、外壁塗装やタイル工事などの現場で美観を損ねる代表的な劣化・変質症状のひとつです。  エフロエッセンスの正体 コンクリートやモルタルなどのセメント系建材には、水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)などのアルカリ性成分が含まれています。 建材内部の水に成分が溶け出す それが毛細管現象で表面に移動する 表面で水分が蒸発 炭酸カルシウム(CaCO₃)や塩類が結晶化して白く残る  エフロエッセンスの見た目と特徴 特徴 内容 色 白色(まれに灰色) 形状 粉状・結晶状・モヤモヤした汚れ 質感 手でこするとパウダー状になることが多い 発生箇所 ブロック塀・擁壁・基礎・タイル目地・外壁のモルタル部など 発生条件・原因 原因 内容 水分の過剰供給 雨水・湿気・施工時の水分残留など 通気・排水不良 内部にたまった水分が逃げにくい構造 材料の未乾燥・養生不良 セメントが完全に硬化する前に雨にあたるなど 目地・隙間の防水不良 隙間から水が浸入し、内部の成分を押し出す  エフロを放置するとどうなる? 外観が非常に悪くなる(白い汚れが広範囲に出る) タイルや目地の剥離・劣化を招く カビや苔の発生を助長 **建材の中性化(鉄筋コンクリートの劣化)**が進行する可能性  エフロエッセンスの除去方法 方法 対応内容 軽度の場合 乾いたブラシでこすって除去 or 水洗い 中程度 酸性洗浄剤(クエン酸・専用除去剤)で洗浄し水で中和・洗い流す 再発防止策 防水材の塗布・通気性の確保・防水層の見直し 再発防止対策 透湿防水材・撥水剤の使用 目地やクラックの補修・シーリング施工 雨仕舞(排水・傾斜設計)の改善 セメント系部材の施工時には十分な乾燥・養生   ⑩コーキングの破断 コーキングの破断(はだん)とは、サイディング外壁などの目地や継ぎ目に施工されたシーリング材(コーキング)が裂けたり、断ち切れた状態になる現象です。これは外壁塗装や建物メンテナンスにおいて非常に重要な劣化サインであり、雨水の侵入や外壁材の劣化を引き起こす重大なトラブルの原因となります。 コーキング(シーリング)とは? 外壁の目地(ボードとボードの隙間)やサッシまわりなどの隙間を埋めるゴム状の防水材。 主な役割: 防水 伸縮追従(建物の動きを吸収) 気密・断熱性能の確保 美観の維持  コーキング破断とは? コーキングが引き裂かれるように縦に割けて、目地の内部が見える状態を「破断」と呼びます。これは、表面の劣化(ひび割れや肉やせ)よりも深刻な症状です。 コーキング破断の見た目の特徴 症状 説明 中央から縦に裂けている 両側の外壁材からシーリングが引っ張られ断裂している 隙間ができて奥が見える 目地の底が見える場合も 表面ではなく内部から割けている印象 経年劣化の最終段階に近い なぜ破断が起こるのか? 原因 内容 経年劣化 紫外線・雨風の影響により弾力性が失われ、硬化・脆化 目地の伸縮追従に限界がきた 建物の揺れや温度変化による膨張収縮にシーリングが耐えられなくなる 三面接着 シーリングが底面にもくっつくことで、伸び代がなくなり割れやすくなる(※プライマー施工不良など) 施工不良・材料不適合 不適切な材料選定や下地処理不足、厚み不足など 放置するとどうなる? 雨水が目地内部に侵入 → 外壁の裏面が濡れる サイディングの反り・腐食・カビ発生 躯体の断熱材・柱などの劣化・腐食 最終的には雨漏りや外壁材交換など大規模工事に発展  補修方法 状態 対応方法 破断のみ・下地は健全 コーキング打ち替え(旧材完全撤去→プライマー塗布→充填) サイディングが反っている 下地補修・サイディングのビス留め補強+コーキング打ち替え 壁全体が劣化 外壁塗装や張替えを併用検討 破断を防ぐためには? 高耐久シーリング材(変性シリコン・オートン・サンライズ等)を使用 打ち替え工事は10年前後で定期的に実施 三面接着を避けるために“バックアップ材”を正しく使用 塗装との相性を確認(ノンブリードタイプなど)

2025.09.23(Tue)

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コラム外壁・屋根塗装のイロハ

用語集その①!!~建物の部位解説~

本日は建物の部位に注目して名称解説していきます!!   ①雨樋(あまどい) 1. 定義と役割 **雨樋(あまどい)**とは、屋根に降った雨水を効率よく地面や排水口へ流すための排水設備です。屋根の端に設置される「軒樋(のきどい)」と、そこから地面へ流す「堅樋(たてどい)」などで構成されています。 2. 雨樋の主な目的 目的 詳細 ✅ 外壁や基礎の劣化防止 雨水が直接外壁に当たるのを防ぎ、カビ・コケ・汚れを防止します。 ✅ 地盤沈下・浸水の予防 屋根から落ちる雨水が周囲の地面に集中するのを防ぎ、地盤への影響を軽減します。 ✅ 美観の維持 外壁の雨筋汚れを防ぎ、家の見た目をきれいに保ちます。 ✅ 安全性の確保 雨だれや水たまりを防ぐことで、滑りや転倒のリスクを減らします。 3. 雨樋の構造と名称 部位 説明 軒樋(のきどい) 屋根の端に沿って水平に設置される樋。雨水を受け止める部分。 集水器(じゅうすいき) 軒樋と縦樋の接続部。水をまとめて縦樋へ流す。 縦樋(たてどい) 建物の側面に設置され、雨水を地面へ導く縦の樋。 呼び樋・自在ドレン 屋根やベランダの排水口から縦樋へつなぐパイプ。 排水マス 雨水を公共排水や浸透マスへ流すための地面の排水設備。 4. 材質の種類と特徴 材質 特徴 塩ビ(PVC) 軽量・安価・錆びない。一般住宅で最も普及している。 ガルバリウム鋼板 耐久性が高く、スタイリッシュな外観。金属系住宅に人気。 銅製 高級感があり、長寿命。ただし価格は高め。 ステンレス 錆びにくく頑丈。工場や大型施設向け。 5. 雨樋の不具合とメンテナンス トラブル 原因 対処法 詰まり 落ち葉・砂・ゴミ 清掃・防止ネット設置 割れ・変形 紫外線・強風・経年劣化 補修・部分交換 外れ・傾き 施工不良・雪害 再固定・勾配調整 漏れ 接合部の劣化 コーキング補修・交換 6. 雨樋と外壁塗装の関係 外壁塗装工事の際には、雨樋も一緒に点検・塗装・交換されることが多いです。理由は以下の通り: 足場を設置するタイミングで一緒に施工するとコスト効率が良い 劣化している雨樋が放置されると、外壁に悪影響を及ぼす 塗料の付着・色の統一感を出すため  まとめ 雨樋は目立たない存在ですが、建物を雨から守るために非常に重要なパーツです。定期的な清掃・点検・塗装といったメンテナンスを怠ると、外壁や基礎、地盤にまで被害が及ぶ可能性があります。 外壁塗装を検討する際には、雨樋の状態も一緒に確認することが、住宅全体の長寿命化につながります。 ②破風(はふ) 1. 破風の定義 破風(はふ)とは、屋根の妻側(建物の横側)に設置される板状の部材で、屋根の端(軒先)の構造を保護するためのものです。破風板とも呼ばれます。 屋根と外壁の境界に取り付けられており、外観上も重要なポイントとなります。 2. 破風の主な役割 役割 詳細 ✅ 雨風の侵入を防ぐ 屋根の構造内部(垂木など)への雨水の侵入を防止します。 ✅ 風の巻き込み防止 台風・強風時に屋根材がめくれるのを防ぎます。 ✅ 美観を整える 屋根の端を整え、外観を引き締める役割があります。 ✅ 雨樋の支持 雨樋を取り付ける基礎となる部材でもあります。 3. 破風の位置と構造図解(言葉で説明) 建物を正面から見たとき、屋根の**「三角形になっている部分の側面」**にある板が破風です。 破風の下側には「鼻隠し」と呼ばれる別の部材があり、雨樋はこの鼻隠しに取り付けられます。 屋根が「切妻(きりづま)」や「寄棟(よせむね)」の場合、特に破風が目立ちます。 4. 破風の材質と特徴 材質 特徴 木製(杉・檜など) 古い家に多い。通気性・風合い良いが劣化しやすい。 窯業系(セメント+繊維) 耐火・耐水性あり。近年の住宅に多い。 金属系(ガルバリウム等) サビに強く、耐久性抜群。モダン住宅向き。 樹脂製(塩ビなど) 軽量でメンテナンスが楽。安価。 5. 外壁塗装との関係 外壁塗装工事の際、破風板も塗装対象となることが多く、次の理由があります。 雨風にさらされ劣化しやすい部分 色褪せ・剥がれが目立つと外観が損なわれる 雨樋とセットで補修・塗装がしやすい 足場を組んだタイミングで一緒に作業する方がコスパ良好 6. よくある破風の劣化と対処 劣化症状 原因 対処法 塗膜の剥がれ 紫外線・雨水 再塗装(3回塗り推奨) 腐食・割れ 雨水の浸入 木部補修+塗装/板金カバー 黒ずみ・カビ 通気不良・経年 洗浄+防カビ塗料で保護 7. 破風の補修・リフォーム 破風の状態が著しく悪い場合には、以下のような対応が必要です: 破風板の交換(木部の腐食がひどい場合) 破風板金巻き(ガルバリウムカバー):劣化防止&高耐久化 シーリング補修:接合部のひび割れや雨漏り対策に有効 まとめ 破風は、家の構造保護・美観・防水・耐風性を兼ね備えた重要な部分です。外壁塗装と合わせてメンテナンスすることで、住宅の寿命を伸ばし、美しさを保つことができます。 ③鼻隠し(はなかくし) 1. 鼻隠しの定義 鼻隠し(はなかくし)とは、屋根の軒先(のきさき)にある垂木(たるき)の先端を隠すための横板状の部材です。屋根の「正面側」に設置され、主に美観の向上と雨樋の支持を目的としています。 2. 鼻隠しと破風の違い 項目 鼻隠し 破風板 位置 屋根の軒先(水平) 屋根の妻側(三角の側面) 主な役割 垂木の先端保護・美観・雨樋の設置 屋根構造保護・風雨の侵入防止 見える場所 正面や側面から見える 側面から主に見える ※混同されやすいですが、「破風」は側面、「鼻隠し」は前面と覚えるとわかりやすいです。 3. 鼻隠しの役割 役割 詳細 ✅ 垂木の保護 木材の切り口を紫外線や雨から守ります。 ✅ 美観の向上 屋根の輪郭を整えて、家の印象を引き締めます。 ✅ 雨樋の設置ベース 雨樋は基本的に鼻隠しに取り付けられます。 ✅ 屋根の防水補助 鼻隠しがあることで、屋根の内部への雨水浸入を防ぎやすくなります。 4. 鼻隠しの材質 材質 特徴 木材 通気性あり、見た目も良いが劣化しやすい 窯業系(セメント+繊維) 不燃性・耐水性に優れる、最近の住宅で多い 金属系(ガルバリウム等) 高耐久・スタイリッシュ。モダン住宅向き 樹脂製 軽くて錆びず、メンテナンスが楽 5. 鼻隠しの劣化とメンテナンス 劣化症状 原因 対処法 塗膜の剥がれ 紫外線・経年劣化 再塗装(耐候性塗料で3回塗り) 木部の腐食 雨水の浸入・カビ 交換または板金カバー 雨樋のぐらつき 鼻隠しの破損・変形 鼻隠しの補強・修繕と雨樋固定し直し 6. 鼻隠しと外壁塗装 外壁塗装の際は、鼻隠しも一緒に塗装・点検するのが一般的です。 足場を立てるので作業効率が良い 美観を揃える意味でも塗り替えが推奨 雨樋の脱着時に下地の状態を確認できる まとめ 鼻隠しは外観美と実用性を兼ね備えた屋根の重要部材です。破風と並んで風雨や紫外線から屋根構造を守るだけでなく、雨樋の取り付けや家全体の印象にも大きく関わります。 外壁塗装のタイミングで鼻隠しの塗装や補修も合わせて行うことで、住宅の寿命と美観を同時に守ることができます。 ④軒天井(のきてんじょう) 1. 軒天井の定義 軒天井(のきてんじょう)とは、建物の屋根の軒(のき)裏部分の天井部分を指します。一般的には「軒天(のきてん)」と略されることも多く、屋外にある屋根の裏側にあたる部分のことです。 2. 軒天井の役割 役割 説明 ✅ 屋根裏の保護 雨や風、ホコリから屋根内部を守ります。 ✅ 防火性能の向上 不燃材を使うことで火災の延焼を防ぐ効果。 ✅ 美観の整備 建物の外観をスッキリ美しく見せます。 ✅ 通気・換気 通気孔が設けられており、屋根裏の湿気対策に。 3. 軒天の場所と見た目 軒天は、建物の外に出ている屋根(軒)の真下から見上げたときに見える平らな板の部分です。玄関やベランダの天井部分、車庫の天井なども軒天として扱われることがあります。 4. 軒天井の主な材質 材質 特徴 ケイカル板(珪酸カルシウム板) 不燃性・軽量で最も一般的。 化粧合板 木目柄などで見た目が美しいが、防火性は低め。 金属板(ガルバリウム等) 耐久性抜群・高級感あり。 樹脂系パネル 軽量でメンテナンス性が良いが、価格はやや高め。 5. 軒天の劣化と症状 劣化症状 原因 対処法 塗膜の剥がれ 紫外線・経年劣化 再塗装(防カビ・防藻塗料推奨) カビ・コケの発生 湿気・通気不良 洗浄+通気性の改善 割れ・腐食 水の侵入・雨漏り 部分交換や全面張り替え 6. 外壁塗装と一緒に行うべき理由 軒天は普段あまり見ない部分ですが、建物の耐久性に関わる非常に重要なパーツです。外壁塗装時に以下の理由で一緒に施工するのが一般的です。 足場を使って作業が効率的 雨漏りの予防につながる 美観と統一感が得られる 湿気・カビ対策として防カビ塗料を使える 7. 軒天塗装のポイント 項目 内容 使用塗料 通気性が高く、防カビ・防藻効果のある塗料が望ましい 色の選び方 白系が定番。落ち着いた印象と光の反射効果あり 工法 基本はケレン(下地処理)→下塗り→中塗り→上塗りの3回塗り まとめ 軒天は目立たない場所ですが、屋根裏の湿気対策・防火・美観・耐久性すべてに関わる、重要な部位です。外壁塗装や屋根工事を検討する際には、軒天のチェック・塗装・修理も忘れずに行うことが、住まいを長持ちさせるコツです。 ⓹幕板(まくいた) 1. 幕板の定義 幕板(まくいた)とは、建物の外壁の中間や境目に取り付けられる横板状の装飾部材のことです。特に1階と2階の間や、ベランダ下、基礎上部などに設置されることが多い部材で、建物の美観と機能性を両立する役割を持ちます。 2. 幕板の役割 役割 説明 ✅ デザイン性の向上 建物にアクセントを与え、外観を引き締める効果。 ✅ 水切り・雨だれ防止 雨水の流れをコントロールし、下部外壁の汚れを軽減。 ✅ 外壁のつなぎ目を隠す 異なる素材・色・構造の境界線を美しく整える。 ✅ 配線や構造の目隠し 建物内部の通線や梁などを隠す場合もある。 3. 幕板がよく設置される場所 1階と2階の境目(ツートンカラーの境界など) ベランダの下部 建物の基礎と外壁の間 屋根の軒先や破風下に装飾的に取り付けるケースもあり 4. 幕板の素材と特徴 素材 特徴 木材(杉・檜など) 自然な風合い。塗装が必須で劣化しやすい。 窯業系(セメント+繊維) 耐久性・防火性が高く、住宅によく使われる。 樹脂系(塩ビなど) 軽量・耐水性あり。メンテナンスが容易。 金属系(アルミ・ガルバリウムなど) 高耐久・シャープな印象。モダン建築向き。 5. 幕板の劣化症状と対処 劣化内容 主な原因 対処法 塗膜の剥がれ 紫外線・風雨 再塗装(高耐候塗料を使用) 割れ・反り 木材の乾燥や劣化 交換または板金カバー工法 シーリングの劣化 地震・経年 シーリングの打ち替えや増し打ち カビ・コケ 湿気・通気不良 高圧洗浄+防カビ塗料で塗装 6. 外壁塗装との関係 外壁塗装の際、幕板も一緒に塗装・補修されることが一般的です。 足場設置時に同時施工すればコストダウン 外観の統一感を維持できる 劣化放置で雨水侵入や外壁破損につながるリスクがある 7. 幕板の塗装・補修時のポイント 項目 内容 使用塗料 高耐候性・防水性のある塗料が推奨 色の選び方 建物の配色に合わせたアクセントカラーが人気 施工注意点 幕板裏の通気や雨水の逃げ道をふさがないことが重要 まとめ 幕板は家の印象を左右する装飾性の高い部材であると同時に、雨水の流れや外壁の保護にも大きな役割を果たします。塗装や補修のタイミングを見逃さず、外壁全体のバランスを整えることが、長持ちする美しい家づくりの鍵です。 ⑥水切り板金(みずきりばんきん) 1. 水切り板金の定義 水切り板金とは、建物の外壁や屋根の接合部などから雨水が内部に侵入しないように導くための金属部材のことです。「水切り」や「水切り金具」「水切り板」とも呼ばれ、水を建物の外へ効率よく排出するための“雨仕舞(あまじまい)”の重要パーツです。 2. 水切り板金の主な役割 役割 内容 ✅ 雨水の侵入防止 外壁と基礎、屋根と外壁などの接合部からの雨水浸入を防ぐ。 ✅ 建物内部の腐食防止 木部や断熱材、下地への浸水を防ぎ、腐食・カビを防ぐ。 ✅ 外壁の美観保持 雨だれ跡を防ぎ、外壁の汚れ・劣化を抑える。 ✅ 通気や排水の確保 通気構造の外壁では、水と空気の流れを調整する役目もある。 3. 水切り板金が使われる主な場所 設置場所 目的 基礎と外壁の間(基礎水切り) 雨水が基礎内部に回らないようにする。 屋根と外壁の取り合い部 屋根から流れた雨水が壁を伝わらないようにする。 出窓や庇(ひさし)の上部 隙間からの雨漏り防止。 バルコニー笠木の下部など 水はけの悪い場所の排水補助。 4. 材質と種類 材質 特徴 ガルバリウム鋼板 耐久性・防錆性に優れ、住宅で広く使用されている。 ステンレス 錆びにくく強いが、価格はやや高め。 アルミ 軽くて扱いやすいが、強度・耐久性はやや低め。 銅板 高級感があり、伝統的な建物に使用される。価格は高い。 5. 水切り板金の劣化と症状 劣化症状 主な原因 対処法 サビ・腐食 経年劣化、塩害、酸性雨など 交換または塗装(防錆処理必須) 浮き・はがれ 施工不良、地震・台風の衝撃 ビスの打ち直し、部分補修 隙間からの雨漏り シーリング劣化、板金の変形 シーリング打ち直し、板金交換 6. 外壁塗装と水切り板金 外壁塗装時には、水切り板金も一緒にチェック・補修・塗装されることが推奨されます。 足場が必要な場所なので同時施工が効率的 塗装によって防錆性能を補強可能 シーリング補修とセットで防水性を高められる 7. 水切り板金を放置すると? 水切り板金が破損・劣化したままだと、以下のような深刻な問題に繋がります。 雨水が壁内部へ侵入し、断熱材や木材が腐食 外壁材の反り・浮き・剥がれ 白アリの発生やカビの繁殖 基礎や構造体の耐久性低下 まとめ 水切り板金は、家の寿命や美観を守るために不可欠なパーツです。外壁や屋根を塗り替えるタイミングで、水切りのチェック・補修・再塗装を行うことが、雨漏りを未然に防ぐ最良の方法です。 ⑦雨戸(あまど) 1. 雨戸の定義 **雨戸(あまど)**とは、窓の外側に設置される戸板状の建具で、雨風・防犯・遮光などから住まいを守るための設備です。古くから日本の住宅に使われており、今でも多くの住宅やアパートで採用されています。 2. 雨戸の主な役割 役割 内容 ✅ 雨風から窓ガラスを守る 台風や強風の際に、窓の破損を防止。 ✅ 防犯性の向上 閉めることで侵入を難しくし、空き巣対策に有効。 ✅ 遮光・断熱・防音 光・熱・音を遮断し、快適な室内環境を保つ。 ✅ プライバシー保護 外からの視線を遮ることで、生活を守る。 3. 雨戸の種類 種類 特徴 引き戸型 昔ながらのタイプ。左右にスライドして開閉。 折れ戸型(アコーディオン式) 開閉時に折りたたむ方式。省スペース。 シャッター型(手動・電動) 現代住宅で主流。耐風・防犯・操作性に優れる。 板戸(木製) 和風建築に多い。趣があり断熱性も良いが重く、手入れが必要。 4. 素材と特徴 素材 特徴 アルミ製 軽量・耐久性・防錆性に優れる。 スチール製 丈夫で防犯性が高いが、錆に注意。 木製 昔ながらの趣があり、断熱性が高いが手入れが必要。 樹脂製 軽量で耐候性が高く、腐食しにくい。 5. 雨戸のメンテナンス メンテナンス内容 頻度 ポイント 清掃(レール・戸板) 月1回程度 ゴミ・砂・落ち葉を除去し、動作スムーズに。 塗装(特に鉄製・木製) 5〜10年ごと 防錆・防腐・外観維持に有効。 部品交換(戸車・鍵) 状態に応じて 劣化部品は早めに交換して安全性を確保。 6. 外壁塗装と雨戸の関係 外壁塗装時には、雨戸の塗装や補修も一緒に行うのが一般的です。 足場設置時に同時施工すればコストダウン 錆や色あせを防ぎ、美観を維持 雨戸を外して塗装する「吹き付け塗装」が主流(仕上がりがきれい) 7. 雨戸を交換・リフォームするタイミング タイミング 理由 動きが悪い・重い 戸車やレールの摩耗・歪み 錆や腐食が目立つ 塗膜劣化・防水性低下 デザインを現代風にしたい シャッター雨戸への交換がおすすめ 自動化したい 電動シャッター化で利便性アップ まとめ 雨戸は、単なる窓のカバーではなく、防災・防犯・断熱・美観を守るための重要な住宅設備です。特に自然災害の多い日本では、しっかりとした雨戸の設置・メンテナンスが住宅の安心・安全につながります。 外壁塗装や住まいのメンテナンスを考える際は、雨戸の状態も一緒にチェックすることをおすすめします。 ⑧付け柱(つけばしら) 1. 付け柱の定義 付け柱(つけばしら)とは、建物の構造を支える本来の柱とは異なり、外観のデザインや装飾、意匠性の向上を目的として外壁に取り付けられた飾りの柱のことです。構造的な機能は持たず、見た目を良くする「ダミーの柱」**と考えると分かりやすいです。 2. 付け柱の主な目的・役割 役割 詳細 ✅ 外観デザインのアクセント 和風・洋風・モダンなど、建築様式に合わせた装飾効果。 ✅ 立体感の演出 フラットな外壁に陰影を生み、奥行きのある外観に。 ✅ 構造の統一感を出す 本物の柱と見た目を合わせ、全体のバランスを整える。 ✅ リフォーム時のデザイン性向上 外壁塗装や改修時に、付け加えることで高級感をプラス。 3. 付け柱の設置場所の例 玄関まわり:門構えやポーチ柱のような見せ方で重厚感を演出 外壁のコーナー部分:建物の縁に設けて、輪郭を強調 バルコニー下や庇下:建築的な支えのように見せる 和風住宅:化粧柱のように使って風格を演出 4. 材質の種類と特徴 材質 特徴 木製 自然な風合いで和風住宅に最適。定期的なメンテナンスが必要。 樹脂製・FRP製 軽量・腐食に強く、メンテナンスが楽。洋風住宅に多い。 窯業系 外壁材と一体化させやすく、デザインが豊富。 金属製(アルミ・スチール) モダンな印象に。耐久性は高いが、錆対策が必要な場合も。 5. 外壁塗装と付け柱 外壁塗装時には、付け柱も一緒に塗装・補修するのが一般的です。 色あせや塗膜の剥がれを防止 本体との色調を合わせて外観に統一感を出す 腐食や劣化の兆候があれば交換や補修が必要 6. よくあるトラブルと対処法 トラブル 原因 対処法 塗装の剥がれ 紫外線・雨風による劣化 再塗装(防水・防UV塗料推奨) 腐食・カビ 木材の吸湿・経年劣化 補修または樹脂製への交換 割れ・破損 台風や地震などの衝撃 早めの交換が安全 7. デザイン的な活用例 南欧風住宅:白壁にレンガ調の付け柱で温かみを演出 和モダン住宅:黒塗りの木柱で重厚感と落ち着きをプラス シンプルモダン:グレーやブラックの細い付け柱でシャープな印象に まとめ 付け柱は構造的な柱ではありませんが、建物の印象を大きく左右する重要なデザインパーツです。外壁塗装やリフォーム時に一緒に点検・塗装・交換を行うことで、住まい全体の美観と価値が大きく向上します。 ⑨玄関柱(げんかんばしら) 1. 玄関柱の定義 玄関柱とは、住宅の玄関ポーチ(屋根付きの出入口空間)に設置されている屋根や庇(ひさし)を支えるための構造柱です。「ポーチ柱」「化粧柱」とも呼ばれ、建物の構造的強度とデザイン性の両面を担う重要な部材です。 2. 玄関柱の主な役割 役割 内容 ✅ 玄関屋根や庇を支える 雨除け・日除けとしての庇を安全に保持する。 ✅ 建物の構造強化 地震や風による揺れを抑える効果もある。 ✅ 外観の印象を決定づける 柱の太さ・素材・色で玄関の印象が大きく変わる。 ✅ 玄関ポーチの区切り役 内と外の境界線を明確にし、格式や美しさを演出する。 3. 玄関柱の設置場所の例 玄関ポーチの左右や中央 屋根付きの車寄せやカーポート玄関 和風建築では縁側の柱と連続性を持たせることも 4. 玄関柱の主な素材と特徴 素材 特徴 木製(杉・檜など) 和風住宅に最適。温もりがあり意匠性が高いが、腐食や割れに注意。 アルミ・スチール製 モダン住宅向き。錆びにくく耐久性も高い。 FRP・樹脂製 軽量で劣化に強く、塗装も可能。 RC造やコンクリート調 重厚感・高級感のある外観を演出。 5. 玄関柱の劣化とそのサイン 劣化症状 主な原因 対処法 塗装の剥がれ・色あせ 紫外線・風雨 再塗装(防水・UVカット塗料) 腐食・カビ・ヒビ割れ 湿気・経年劣化 補修または交換 グラつき・傾き 地盤沈下・施工不良 基礎補強・根元の再施工 6. 外壁塗装・リフォーム時の注意点 外壁塗装の際、玄関柱も一緒に点検・補修・塗装することが非常に重要です。 足場設置が必要なため、同時施工でコストダウン 家の「顔」である玄関まわりの美観を保つ 柱の根元からの雨水侵入を防ぐシーリング処理が重要 7. デザイン性も重視したい玄関柱 スタイル 特徴 和風住宅 丸太柱や黒塗りの角柱で格式高い印象 洋風住宅 白いクラシカルな柱や石調カバーでエレガントに モダン住宅 シャープなメタリック調でシンプルにまとめる ナチュラル住宅 木目調のアルミ柱や明るい色味で温もりを演出 まとめ 玄関柱は、見た目だけでなく、構造的にも家を支える非常に重要な部位です。雨風や紫外線に常にさらされるため、定期的な塗装・補修が必要不可欠です。 外壁塗装やリフォームを機に、玄関柱も合わせてチェック・美装することで、住まい全体の価値を高められます。 ⑩戸袋(とぶくろ) 1. 戸袋の定義 戸袋(とぶくろ)とは、雨戸や引き戸を開けたときに収納するための箱状のスペースで、建物の外壁側に設置されている「収納箱」のような部分です。特に引き戸式の雨戸や和風建築の障子戸・格子戸などで使われており、建具をスッキリと隠すために欠かせない部材です。 2. 戸袋の主な役割 役割 詳細 ✅ 雨戸の収納スペース 雨戸を使わないときに収納しておく箱。 ✅ 建物の美観を保つ 開けたときに戸が見えず、外観がスッキリ整う。 ✅ 防犯・防風対策の補助 雨戸をきちんと収納できることで、スムーズに施錠できる。 ✅ 開閉の利便性 戸袋があることで雨戸の開け閉めがしやすくなる。 3. 戸袋が使われる建物・窓の例 引き違い雨戸付きの窓 和風住宅の格子雨戸や板戸 木造家屋や町家造り マンションのバルコニー付き窓(稀に) 4. 戸袋の構造と材質 材質 特徴 木製 昔ながらの和風建築に多い。風合いはあるが腐食しやすい。 トタン・スチール製 一般的な戸建て住宅でよく使われる。錆びには注意。 アルミ製 軽量・耐久性が高く、現代住宅に最適。 窯業系サイディング仕上げ 外壁材と一体化したデザインも多い。 5. 戸袋の劣化とメンテナンス 劣化症状 原因 対処法 塗膜の剥がれ・色あせ 紫外線・風雨 再塗装(サビ止め+耐候性塗料) 錆び・腐食 水の浸入・経年劣化 防錆処理または交換 戸の引き込み不良 レールのゴミ・戸袋の歪み 掃除・修理・調整 カビ・虫害 湿気・通気不良 洗浄・換気・防虫対策 6. 外壁塗装と戸袋の関係 外壁塗装を行う際には、戸袋の塗装もセットで行うことが一般的かつ推奨されます。 外壁と色を揃えて統一感のある美観に 金属製ならサビ防止塗装が必須 劣化が進んでいる場合は板金カバーや交換も検討 7. 戸袋のリフォームや交換のタイミング タイミング 対処法 雨戸の動きが悪い レールの修理・戸袋の調整 錆び・変形・穴あき 板金による補修または新規取り付け デザインを一新したい 外壁リフォームとあわせて戸袋も交換可能 まとめ 戸袋は日常生活ではあまり意識されませんが、雨戸をスムーズに使い、家の外観を整えるための重要な存在です。劣化を放置すると、雨戸の使用に支障が出たり、美観を損ねたり、雨漏りの原因になることもあるため、外壁塗装の際には必ず点検・補修・塗装を行うことが大切です。

2025.09.23(Tue)

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コラム外壁・屋根塗装のイロハ

外壁塗装で使用される無機塗料と耐久性の高い塗料の種類集!!

今回は無機塗料とその他の耐久性が高い塗料の種類を紹介します! 無機塗料といえども耐久性やメリット・デメリットも様々です!!   ①ラーテル(菊水化学工業) ラーテル(キクスイ)の製品概要・基本仕様(押さえておきたい特徴) 以下は、ラーテルの公表仕様・メーカー情報をもとにした概要です: 製品体系として 2液弱溶剤形 W無機ハイブリッド塗料 として設計されている。菊水化学工業+2菊水化学工業+2 主剤と硬化剤の混合比や可使時間(ポットライフ)は、23℃条件下でおよそ5時間以内など。菊水化学工業 促進耐候性試験において「光沢保持率 80 %以上」などの成績を示すデータが公表されている(ただし、あくまで代表値)菊水化学工業+1 無機顔料を使用して、変退色を抑制するよう設計されている。愛知建装+3菊水化学工業+3imagawa-paint.com+3 塗膜は「柔軟性を有する」旨の記載もあり、ある程度の伸張性を持つ設計であることを想定。菊水化学工業+2菊水化学工業+2 色調・艶については、標準色や調色対応が可能。ただし、原色系・鮮やかな色には制約が生じる可能性。ペイントシティーコム+1 見積サイト等では 14 kg セット等の容量表示があり、2回塗装でおおよそ 50〜58㎡をカバーする例も記載されている。塗料の通販・PaintBox(ペイントボックス) このような仕様を前提に、メリット・デメリットを見ていきます。 メリット(ラーテルを外壁塗装で採用する利点) ラーテルが外壁塗装で選ばれる理由・強みには、以下が挙げられます。 超高耐候性・長寿命化 - ラーテルは「W無機複合技術」によって、従来の無機塗料よりさらに強固な耐候性を実現する設計であると宣言されています。菊水化学工業+2imagawa-paint.com+2 - 施工店サイトなどでは「期待耐用年数 30年超」などの表現が使われることがあります。ハウスメイク牛久+3imagawa-paint.com+3外装リフォーム+3 - 促進耐候性試験において、光沢保持率・色差・白亜化等の評価項目で良好なデータを示している仕様書も存在します。菊水化学工業+1 → 結果的に、塗り替え周期を長くできる可能性があり、長期的な維持コストを抑えやすい利点があります。 変退色・色あせ抑制(顔料無機化の効果) - ラーテルは顔料に無機成分を使うことで、色あせ・変退色を抑制することを設計意図としています。愛知建装+3菊水化学工業+3imagawa-paint.com+3 - 実際、業者サイトでは「無機顔料のみを使用し、変退色を大幅に抑える」旨の説明がされています。ハウスメイク牛久+1 → 外観の美観維持性(長期間、鮮やかさを保つこと)が強みになります。 低汚染性・親水性(セルフクリーニング性) - 無機複合設計により、親水性を持たせたり、汚れを雨水で洗い流す設計としている旨の説明があります。imagawa-paint.com+2菊水化学工業+2 - これにより、黒ずみや雨だれ、カビ/藻発生リスクを抑えられる可能性が高くなります。 柔軟性・クラック追従性の確保 - 仕様書には「仕上材は乾燥すると柔軟性を有する塗膜となる」旨の記載があり、クラック追従性が全くないわけではないことが明示されています。菊水化学工業 - また、施工業者ブログ等では「架橋部分も無機成分とすることで耐久性を確保しつつ柔軟性を持たせる」といった解説も見られます。愛知建装 → 外壁に微細なひび割れが出やすい建物や構造変動があるケースでも、追従性を発揮できる可能性があります。 高性能であるという付加価値・訴求性 - 「最強無機塗料」「W無機ハイブリッド」などのキャッチフレーズを使えるという訴求力があります(営業・販促面の差別化)。愛知建装+2imagawa-paint.com+2 - 信頼感・ブランド性も加わるため、塗装業者が提案できるグレード感が得られやすい。 長期トータルコスト低減の可能性 - 初期投資(材料費・工事費)は高くなりがちですが、耐久性・メンテナンス性が高ければ、再塗装回数を抑えられ、長期的にはコストパフォーマンスが改善する可能性があります。多くの業者ブログでもその点を強調しています。愛知建装+2愛知建装+2 デメリット・注意点(ラーテル採用時に気をつけるべき点) ラーテルの高性能性を活かすために注意すべき落とし穴や制限もあります。 初期コスト(材料費・施工費)が高くなりやすい - 高性能塗料ゆえに、シリコン塗料・ウレタン塗料などと比べて材料価格が高く設定されることが一般的です。 - また、施工管理・手間・仕様通りの厚み確保・下地処理などの要件が厳しいため、施工費用も上乗せが出やすい。 施工技術・管理能力が要求される - 混合(主剤+硬化剤)、可使時間管理、希釈調整、乾燥管理、気温・湿度条件など施工条件管理が精緻でなければ性能を十分発揮できない可能性が高い。 - 仕様書でも、乾燥過程で水分影響・湿度・結露などに注意するよう記載されています。菊水化学工業 - 下地処理不備や吸い込みムラ、旧塗膜剥離不良などがあると塗膜の密着性・耐久性が損なわれやすい。 色・調色制約・原色不対応の可能性 - 調色仕様で「鮮やかな原色は耐候性に問題が出る可能性があるため、ラーテルには用意されていない」旨の注意が見積サイトで示されています。ペイントシティーコム - 色番号や見本帳色は標準色範囲で調整するケースが多く、かなり特殊な色・個性的な色は対応不可または追加コストとなる可能性。 過度な期待リスク(“30年耐久”の表現) - 多くの施工店が「30年超え」を宣伝文句に使いますが、これらはあくまで「期待耐用年数」であり、環境条件・日射量・気象負荷・メンテナンス状態・建物形状などによって実際の寿命は変動します。 - 建物の伸縮・構造変動、大きなクラック発生、地震・振動ストレスなどでは追従性・防割れ性に限界が出る可能性があります(仕様書でも注意喚起あり)菊水化学工業 - また、促進試験と実使用条件では差が出やすいため、過度な長寿命表現は慎重に読み取る必要があります。 膜厚設計・塗回数の制約 - 高性能を出すには、所定の膜厚を確保する設計(複層仕上げなど)を守る必要がある。1回厚塗りでは性能を発揮できないリスク。仕様書では主材膜厚や塗布量の指示が記されています。菊水化学工業+1 - 吸込みムラ・下地の粗さ・凹凸部などを均す下地補修が不可欠。 未知の長期実績・地域適合性 - 無機ハイブリッド塗料という分野自体が比較的新しい技術であり、非常に長期の実績(数十年経過後のデータ)が十分に公開されていないケースもあります。 - 特に高温多湿、塩害地域、寒冷地、凍結融解サイクル地域などでは、地域環境適性を事前に検証すべき。 採用時のチェックポイント・導入ガイド ラーテルを採用する際、失敗を防ぎ、性能を発揮させるために以下のポイントをチェックすべきです。 チェック項目 内容 建物の環境条件 日当たり・紫外線強度・海風・塩害・降雨・湿度・凍結融解などの地域条件を把握する 下地状態・劣化診断 旧塗膜の劣化・浮き・剥離・ひび割れ・吸込みなどを正確に診断する 信頼できる施工業者の選定 無機ハイブリッド塗料の施工実績・技術力がある業者に依頼する 膜厚設計と塗回数の遵守 メーカー仕様(塗布量、膜厚、重ね塗り)を守る 色選定と調色可否確認 希望の色がラーテルで対応可能か、追加コストが発生しないか確認 保証・アフター体制 メーカー保証・施工保証、定期点検体制の有無を確認 コスト比較・収益性検討 初期投資と将来のメンテナンス費とのバランスをシミュレーション 実例・施工写真の確認 同じ気候・立地条件での施工実例を確認し、劣化実態を把握する まとめ:ラーテルは選ぶ価値があるか? 結論として、ラーテル(キクスイの W 無機ハイブリッド塗料) は、外壁塗装において非常に魅力的な選択肢になり得ます。特に「耐候性」「変退色抑制」「低汚染」「美観維持性」といった点で強みがあります。 ただし、それらの利点を実際に得るには、適切な施工・管理が不可欠であり、初期コスト・色制約・施工技術リスクなどをきちんと把握しておくことが重要です。   ②スーパーセランフレックス(シーカジャパン) スーパーセランフレックスとは?【製品の概要と特徴】 スーパーセランフレックスは、株式会社ダイフレックスが開発した無機+有機ハイブリッド塗料です。従来の無機塗料は「硬くて割れやすい」欠点がありましたが、スーパーセランフレックスはそこに**高い柔軟性(フレキシビリティ)**を加えたことで、画期的な性能を実現しています。 主な特徴 超高耐候性(期待耐用年数20〜30年) フレキシブル性(柔軟性)を兼ね備えた無機塗料 汚れが付きにくいセルフクリーニング性 ラジカル制御技術で退色や劣化を抑制 艶の選択可(艶あり、3分艶、艶消し) 塗膜が割れにくく、ひび割れ追従性あり 【メリット】スーパーセランフレックスを外壁塗装で使う理由とは? ① 圧倒的な耐候性で塗り替え周期が延びる スーパーセランフレックスの最大の特長は「長寿命」。紫外線・酸性雨・排気ガスなどによる劣化に強く、20〜30年の高耐候性を実現。塗り替え回数を減らしたい方に最適です。 ② 無機塗料なのに柔らかい!ひび割れしにくい 従来の無機塗料は固く、モルタル壁などに塗るとクラックが発生しやすいのがネックでした。しかしスーパーセランフレックスは、有機成分をバランスよく配合し、柔らかく伸びる塗膜を実現。微細なひび割れにも追従できるため、住宅の構造変動にも強いです。 ③ 美観が長持ち!汚れが付きにくい親水性塗膜 スーパーセランフレックスは、親水性塗膜を形成し、セルフクリーニング効果を発揮します。雨が降るたびに汚れを洗い流してくれるため、黒ずみや雨だれの発生を抑え、長期間きれいな外観を維持可能。 ④ 幅広い下地に対応(サイディング・モルタル・ALCなど) スーパーセランフレックスは、さまざまな下地に対応可能。 窯業系サイディング モルタル壁 ALCパネル コンクリート壁 など、一般住宅から大型施設まで、幅広い用途に使える汎用性があります。 【デメリット】スーパーセランフレックス使用時の注意点 ① 材料費・施工費ともに高め 高機能な分、スーパーセランフレックスは価格帯が高めです。シリコン塗料やウレタン塗料と比較すると、1.5〜2倍以上の価格差が出ることも。 とはいえ、長期的な塗り替え頻度を抑えられるため、トータルコストでは逆に安くなるケースもあります。 ② 施工業者の技術力が重要 スーパーセランフレックスは高性能ゆえに施工管理が難しいとされます。乾燥時間、希釈率、気温や湿度の管理など、施工技術に慣れた塗装業者に依頼することが必須です。 ③ カラー選択に制限あり 一部の濃色や艶消しカラーについては、調色制限や追加コストがかかる場合があります。希望の色が使えるかどうかは、事前に業者とカラーシミュレーションをすることが大切です。 スーパーセランフレックスはこんな方におすすめ! タイプ 理由 長期的にメンテナンス費を抑えたい人 20〜30年の耐候性で塗り替え回数を減らせる 美観を保ちたい人 汚れに強く、色あせしにくい モルタル壁のひび割れに悩んでいる人 柔軟な塗膜で追従可能 信頼できる業者に頼める人 高性能ゆえに技術力が重要 【まとめ】スーパーセランフレックスを外壁塗装で採用すべきか? 「スーパーセランフレックス」は、無機塗料の中でも非常にバランスの取れた製品であり、耐久性・美観・柔軟性の三拍子が揃った高性能塗料です。 ただし、価格の高さや施工業者の技術的な差がデメリットになることもあるため、信頼できる塗装会社選びが成功の鍵です。   ③スーパーセランソフィア(シーカジャパン) スーパーセランソフィアとは?(仕様・特徴の整理) まず、製品の基本仕様・特徴を押さえておきましょう。 スーパーセランソフィアは、弱溶剤系の変性無機塗料(2液/着色仕上材) として位置づけられています。 pocket-ban.com+3jpn.sika.com+3jpn.sika.com+3 「柔軟性に優れた塗膜」「透湿性」「超耐候性」「超低汚染性」などが製品説明で打ち出されている特長です。 jpn.sika.com 製品説明には以下のような文言が見られます:   1. 変性無機塗料としての特性を持ち、「フッ素樹脂塗料をしのぐ耐候性」を訴求 jpn.sika.com+2pocket-ban.com+2  2. 柔軟性を持たせた塗膜で、シーリング目地上などでのひび割れリスクを軽減 jpn.sika.com  3. 親水性塗膜により汚れを寄せ付けにくく、雨で汚れを落とす性能を目指す設計 jpn.sika.com+1  4. 透湿性を比較的高めており、壁体内の水蒸気を逃がしやすくする機能も強調 jpn.sika.com+2MK企画+2  5. 下地適性:モルタル・コンクリート・ALC・窯業系サイディング・既存塗膜面などへの適用可能性が示されている jpn.sika.com また、施工業者や塗装店ブログなどでも、「従来の弱溶剤スーパセランからより柔軟性を高めたハイブリッド無機+有機構成」といった説明がなされている例があります。 大野塗装|岐阜の外壁塗装会社 認定施工店の案内では、スーパーセランソフィアは「弱溶剤型/油性無機塗料」であり、屋根・付帯部にも用いられるという説明も見られます。 株式会社マルタカ塗建 これらを前提に、メリット・デメリットを見ていきます。 メリット(スーパーセランソフィアを選ぶ利点) スーパーセランソフィアを外壁(および屋根・付帯部併用)で使う際に得られる強み・優位点には、以下のようなものがあります。 高耐候性・長期美観維持性  - 製品説明で「変性無機塗料の持つ特長を活かし、フッ素樹脂塗料をしのぐ耐候性」 を謳っており、長期間にわたって外壁の美観を保つことを目的に設計されています。 jpn.sika.com+1 - 塗膜劣化(退色、チョーキング、劣化進行)を抑える設計意図が期待されます。 柔軟性・ひび割れ軽減性能  - 他の無機系塗料では硬くなりすぎてクラック(ひび割れ)追従性に弱くなることがありますが、スーパーセランソフィアは柔軟性を備えた塗膜設計が特徴です。特にシーリング上への施工時にひび割れリスクを抑えることが期待できます。 jpn.sika.com - 建物の微細な動きや揺れ、温度変化による伸縮変動への追従性が改善される可能性があります。 低汚染性・セルフクリーニング性  - 親水性塗膜の特性を持たせ、汚れが付着しにくく、雨で洗い流されやすい構造を目指しているという説明があります。 jpn.sika.com - 結果的に、汚れ・黒ずみ・雨筋汚れの付着を抑え、きれいな外観を維持する期間を延ばす効果が期待できます。 透湿性(湿気対策性)  - 塗膜が水蒸気をある程度通しやすい(透湿性を持つ)設計であるとされ、外壁内に滞留した湿気を逃がす機能が強調されています。 jpn.sika.com+2MK企画+2 - これにより湿気による建材内部の劣化・躯体損傷を軽減する手助けになる可能性があります。 下地適性・適用範囲の広さ  - モルタル、コンクリート、ALC、窯業系サイディング、既存塗膜面など様々な下地に適用可能という仕様説明があります。 jpn.sika.com - 付帯部(屋根・外壁間・雨樋・付帯金属部など)にも弱溶剤型で使える可能性があることが施工業者サイトで言及されています。 株式会社マルタカ塗建 設計上の用途併用性  - 認定施工店の説明では、スーパーセランソフィアは弱溶剤型無機塗料として、屋根・付帯部などで使われることが可能という言及があります。これにより、外壁と屋根・付帯部を統一仕様で仕上げられる可能性があります。 株式会社マルタカ塗建 訴求力・差別化要素  - 「変性無機」「超耐候・超低汚染」「柔軟性・透湿性」などの表現は、塗装会社の提案メニューとして差別化しやすいキーワードになります。 - 長寿命・美観維持性を訴えることで、顧客への付加価値提案が可能です。 デメリット・注意点(導入時に理解・対策すべきこと) 性能を引き出すには注意すべき点や制限が存在します。以下に主なリスクや注意点を列挙します。 初期コスト・材料価格の上昇傾向  - 高機能無機ハイブリッド塗料であるため、一般的な有機塗料(シリコン塗料・ウレタン塗料など)に比べて材料単価が高くなる可能性があります。 - 施工精度・下地処理・仕様遵守が求められるため、施工コストも上昇する傾向があります。 施工管理・技術力依存性  - 混合比、硬化剤管理、希釈・攪拌条件、塗布膜厚、乾燥時間、気温・湿度条件などを厳格に管理しないと、期待性能を発揮できないリスクがあります。 - 特に無機成分を多めに扱う設計では、施工ミス(ムラ・膜厚不足・未混合など)が性能劣化につながりやすいです. 色・調色・艶制約の可能性  - 無機成分が多い設計であるため、極端な色・鮮やかな原色・艶消し仕様に対しては調色制約または追加コストが発生する可能性があります。 - 艶設定を変えると塗膜性能(耐久性・汚染しにくさなど)に影響が出る可能性もあり、艶選定には注意が必要です. 過度な寿命期待リスク  - 製品説明で「フッ素樹脂塗料をしのぐ耐候性」を謳っているとはいえ、実際の使用環境(紫外線量・風雨・塩害・温度変動など)によって劣化速度は大きく異なります。 - 説明文や施工業者宣伝で「25年以上塗り替え不要」などの表現を見かけることがありますが、これはあくまで期待値であり、過度に鵜呑みにしないことが重要です. - また、施工不良・下地不備・設計ミスなどがあると、寿命が著しく短くなる可能性もあります。 膜厚・重ね塗り仕様の厳守が必須  - 設計通りの膜厚を確保し、重ね塗り仕様(上塗り回数・乾燥時間インターバルなど)を遵守しなければ、塗膜性能のばらつき・劣化リスクが高まります。 - 薄膜施工・ムラ・未塗部の存在などは性能低下の主要因となります。 透湿性とのバランス・水蒸気透過リスク  - 透湿性を持たせてあることは湿気対策上有利ですが、過度に透湿性を重視しすぎると防水性・耐久性とのトレードオフが生じる可能性もあります。設計・施工時にバランスをとる必要があります。 実績・長期データの限定性  - 他の長期間使われてきた無機/ハイブリッド塗料と比べて、長年経過した後の実地データ(20年、30年後の劣化挙動など)が十分に公開されているわけではありません。 - 特に地域差(気候・紫外線量・湿度・塩害地域など)における耐久性変動を確認しておくことが望ましいです。 他塗料との比較・選定判断ポイント スーパーセランソフィアを他の塗料(無機ハイブリッド、フッ素、シリコン等)と比較する際、以下の視点が有効です。 比較対象 スーパーセランソフィアの優位点 留意点・比較で注意すべき点 一般シリコン塗料 耐候性・低汚染性・透湿性・柔軟性などで長持ち性・美観維持性が有利 材料コスト差、施工管理精度差が結果に大きく作用する フッ素塗料 変性無機構造で「フッ素を超える耐候性」を訴求できる可能性 フッ素塗料は実績が豊富なため、信頼性面で有利な点がある 他無機ハイブリッド塗料 透湿性+柔軟性設計で差別化できる可能性 他製品との実耐久性実測データを比較検討すべき 弾性系塗料 柔軟性・追従性をある程度持ちつつ、無機特性(耐候性・低汚染性)も取り込める 大きな構造変動・大クラックには対応が難しい可能性あり 選定時には、以下の要素を重視することが成功の鍵です: 建物の立地環境(紫外線量・風雨・塩害・湿度など) 予算・初期コストとのバランス 施工業者の技術力・無機ハイブリッド塗料の施工実績 下地劣化度合い・補修必要性 色・艶・意匠要望 保証体制・アフターサポートプラン 採用時チェックポイント・施工注意点 施工業者の無機塗料実績・認定施工店か確認 - 無機/ハイブリッド塗料の施工経験が豊富な業者かどうか - 認定施工店など制度があればその活用可否を確認(例:認定店制度を持つ塗料ブランド) - 混合・膜厚管理・仕様順守能力があるかどうか 下地調査・補修の徹底  - 旧塗膜の浮き・剥離・クラック・吸込みムラ・汚れ残りなどを丁寧に調査 - 必要な補修(ひび割れ充填・シーリング打換え・下地整正など)をしっかり行う 膜厚・塗回数・重ね塗り仕様の遵守  - メーカー仕様通りの塗布量・膜厚を守ること - 上塗り間隔・乾燥時間(インターバル時間)を正しく守ること - 薄膜・ムラ塗り・未塗部分を出さないよう注意する 色・艶・調色可否の確認  - 希望色が対応可能かどうか(無機成分比率の関係で調色制約が出る可能性) - 艶設定が性能に与える影響を考慮する - 同系統/グレードの他塗料との色合わせも考慮 保証・点検・メンテナンスプランの明確化  - メーカー保証/施工保証範囲と期間を契約書で確認 - 定期点検・軽微補修・汚れ落とし洗浄プランを施工契約時に取り決めておく 環境適合性・立地条件検証  - 紫外線強度、風雨条件、湿度、海風・塩害地域かどうかなどを把握 - 建物方向・日当たり・遮蔽物(近隣建物、樹木など)の影響を考慮 - 気温・湿度変化条件(塗装可能温度範囲)を十分検討 施工後初期点検・フォロー体制  - 塗装直後のチェック(ひび・剥がれ・ムラなど)を予定 - 定期点検スケジュールを構築し、早期異常発見できるようにする まとめ:スーパーセランソフィアを選ぶ価値は? 結論として、スーパーセランソフィア(Sika の変性無機/弱溶剤型塗料) は、耐候性・低汚染性・柔軟性・透湿性という複数の要素をバランスよく兼ね備えた外壁塗料として、非常に魅力的な選択肢になり得ます。特に、以下のようなニーズ・条件を持つ建物には適性が高いと考えられます: 長期間にわたって外壁の美観を維持したい住宅 汚れ・黒ずみ・雨筋の付着を抑えたい立地(交通量多、埃・排ガス多発地域など) 微細なひび割れ・建物変動リスクがある構造を持つ建物 躯体・下地内の湿気対策を重視したい建物 外壁と屋根・付帯部を統一仕様でまとめたいケース ただし、これらの性能を実際に発揮させるには、施工技術力・下地補修・仕様順守 が非常に重要になります。また、色・艶の調整制約、初期コスト上昇、過度な長寿命期待リスクなどを事前に理解しておくことも大切です。   ④スーパーセランマイルド(シーカジャパン) スーパーセランマイルドとは?(製品概要・特長整理) まず、スーパーセランマイルドの仕様・特徴を整理しておきます。 スーパーセランマイルドは、ターペン可溶形変性無機塗料 の着色仕上材として位置づけられています。シーカ・ジャパン+1 「無機の特徴(超耐候性・超低汚染性・難燃性・高硬度)」と、「有機の特徴(柔軟性、耐酸性・耐アルカリ性など)」をハイブリッド的に持たせた設計が、メーカー説明の主張になっています。シーカ・ジャパン+2シーカ・ジャパン+2 期待耐用年数として「25〜28年」程度が表記されており、ライフサイクルコスト削減につながることを訴求しています。シーカ・ジャパン 適用下地として、モルタル、コンクリート、PC 板、石綿スレート板、鉄鋼構造物などが挙げられています。シーカ・ジャパン 「スーパーセランマイルド IR」という遮熱機能付きバージョンもあり、遮熱用途を加えた仕様が存在します。シーカ・ジャパン+2横浜で外壁塗装・屋根塗装なら街の外壁塗装やさん横浜店+2 製品説明には、外観耐久性・汚れにくさ・傷つきにくさなどを長期に維持する設計を意図している旨が記されています。シーカ・ジャパン これらを前提に、メリット・デメリットを見ていきましょう。 メリット(スーパーセランマイルドを選ぶ強み) スーパーセランマイルドには、他塗料と比較した際に差別化できる強み・利点がいくつかあります。 超耐候性・長寿命性の追求  - 無機成分を取り入れ、それに有機成分を適度に組み合わせることで、従来の有機塗料よりも劣化しにくい構造を目指して設計されています。シーカ・ジャパン+1 - 期待耐用年数として「25〜28年」が提示されており、長期的な性能維持が売りの一つになっています。シーカ・ジャパン - 結果的に、長い間外壁の美観や保護機能を保てる可能性があるため、塗り替え周期を延ばして総合コストを抑えることが期待されます。 低汚染性・美観維持  - 汚れがつきにくく、傷つきにくい性能を持たせた設計という文言が、公式説明に含まれています。シーカ・ジャパン - 長期間にわたって外壁が綺麗な状態を保ちやすいという訴求がされており、外観の維持性が強みになります。 柔軟性・耐久性(クラック追従性)  - 無機だけだと硬くなりすぎてクラック追従性が弱くなりがちですが、スーパーセランマイルドは「変性無機+有機成分併用」によって柔軟性を持たせた設計が意図されています。シーカ・ジャパン+2MK企画+2 - シーリング目地上など、建物変動が起きやすい部位でのひび割れリスクを軽減できる可能性があります. 難燃性・高硬度性  - 無機成分の持つ「難燃性」「硬度」を併せ持つよう設計されており、塗膜としての耐傷性・耐久性を高めることを意図している説明があります。シーカ・ジャパン+1 遮熱機能付き仕様の選択肢(IR タイプ)  - スーパーセランマイルド IR バージョンを選べば、遮熱効果も付加可能。外壁の表面温度抑制や室内への熱の伝わり軽減が期待されます。シーカ・ジャパン+2横浜で外壁塗装・屋根塗装なら街の外壁塗装やさん横浜店+2 - 遮熱機能を持たせつつ、スーパーセランマイルドの本来の耐候性・低汚染性を維持する設計が謳われています。Pocket Ban+1 訴求力・差別化要素  - 「変性無機」「超耐候・超低汚染」「25〜28年期待耐用年数」などの表現は、営業提案やお客様向け訴求として強みになります。 - 建物の保守・長寿命化を重視する顧客にとって、訴求力のあるブランドメッセージになる可能性があります。 デメリット・注意点(導入時のリスク・制限) 一方で、スーパーセランマイルドを選ぶにあたって注意すべきポイント・限界もあります。 初期コストの高さ  - 高機能な設計であるため、一般塗料(シリコン系・ウレタン系など)と比べると材料費は高くなる傾向があります。 - また、仕様どおりの膜厚確保・丁寧な下地処理・施工精度を求められるため、施工コストも上がる可能性があります. 施工管理・技術力依存性  - 混合比、攪拌、希釈、膜厚管理、乾燥時間、重ね塗り間隔、気温・湿度管理などを厳密に守る必要があります。施工ミスが性能劣化を招くリスクがあります。 - 特にハイブリッド無機系塗料は施工不備(ムラ、未塗部、薄膜、重ね塗り不足など)が寿命を大きく縮める可能性があります. 色・調色・艶制約  - 無機成分を使っている設計のため、鮮やかな原色や特殊色、極端な艶消し仕様などには調色制約や追加コストが生じる可能性があります。 - また、艶を落とす仕様は耐候性・防汚性に多少影響が出やすくなる可能性も念頭に置くべきです. 過度な期待寿命のリスク  - 「25〜28年」という期待耐用年数は、あくまで設計上/促進試験上の目安であり、実際の環境条件(紫外線強度、風雨、湿度、温度変動、塩害など)によって劣化は進行します。 - 建物構造変動(揺れ・伸縮・クラック発生など)には限界があり、追従できないケースもあります. 膜厚・重ね塗り仕様の遵守が不可欠  - 設計膜厚を確保し、適正な重ね塗り仕様を守らないと、塗膜性能にムラ・劣化リスクが発生しやすくなります。 - 施工時には薄膜・未塗部・重ね塗りインターバル違反などを極力排除する必要があります. 実績・長期データの限界  - 他の長年使われてきた無機/ハイブリッド塗料と比べて、30年・40年の経過後の実地データが十分に公開されているわけではないかもしれません. - 地域差(気候・紫外線・湿気・塩害条件など)での耐久性のばらつきが生じる可能性もあります。 スーパーセランマイルド IR(遮熱タイプ)についての注意点・利点 スーパーセランマイルドには、遮熱機能を持たせた「IR」仕様も存在します。これを選ぶかどうかも検討対象になります。 利点 赤外線吸収を抑える特殊顔料を配合することで、外壁表面温度を下げ、室内温度上昇を抑制する効果を持たせる設計がなされています。シーカ・ジャパン+3横浜で外壁塗装・屋根塗装なら街の外壁塗装やさん横浜店+3塗装屋さん13+3 遮熱機能を持ちつつ、スーパーセランマイルドの耐候性・低汚染性を維持する設計が訴求されています。Pocket Ban+1 特に日射負荷の高い地域・南面壁・屋根近接部などで遮熱性のメリットが効きやすく、冷房負荷軽減などが期待されるケースがあります。 注意点 遮熱仕様を選ぶときは、色・艶・配色・顔料設計に制約が出る可能性があります。 遮熱化に伴うコスト上乗せが発生することがあります。 遮熱性を強調するがゆえに他の性能(耐候性・耐汚染性など)とのバランスを見なければなりません。 他塗料との比較・選択判断の視点 スーパーセランマイルドを他の無機ハイブリッド塗料、フッ素塗料、シリコン系塗料などと比較する際には、以下のような観点が有効です。 比較対象 スーパーセランマイルドの優位点 注意すべき比較点 一般シリコン系塗料 長寿命性・低汚染性・耐候性で優位 初期コスト・施工精度差が結果に大きく影響する フッ素塗料 無機ハイブリッド構造でフッ素塗料を凌ぐ耐候性を訴求可能 フッ素塗料は実績が豊富で信頼性がある 他無機ハイブリッド系 透湿性・柔軟性設計で差別化できる可能性 他製品との耐久実測データ・コスト差を慎重に検証すべき 弾性系塗料 クラック追従性をある程度持ちつつ、耐候性も取れるバランス型 大きな構造変動には対応力が劣る可能性あり 選定時には以下を重視するとよいでしょう: 建物の立地環境(紫外線量・風雨・湿度・塩害など) 予算範囲・コストに対する耐久性期待のバランス 施工業者の技術力・無機塗料施工経験 下地劣化・補修の必要性 色・艶・意匠要望 保証体制・アフターサポート計画 導入時チェックポイント・施工注意 施工業者の実績・技術力確認 - 変性無機ハイブリッド塗料の施工経験があるかどうか - 混合・膜厚管理・乾燥管理・仕様順守できる技術体制があるか確認 下地診断・補修の徹底 - 旧塗膜の浮き・剥がれ・クラック・吸込みムラ・汚れ残りを精査 - 必要な補修(ひび割れ充填・シーリング打替え・下地整正など)をしっかり行う 膜厚・塗布回数・重ね塗り仕様の遵守 - 指定塗布量・膜厚を守る施工 - 上塗り間隔・乾燥時間(インターバル時間)を正しく確保 - 薄膜・ムラ・未塗部を出さないよう配慮 色・艶・調色条件の確認 - 希望色や艶度が対応可能かどうか(特に無機成分比率による制限がある可能性) - 艶設定の変化が性能に影響を及ぼさないか注意 遮熱仕様の選択可否確認 - スーパーセランマイルド IR を使う場合、遮熱仕様の色・艶・顔料設計制約を確認 - 遮熱性能を加えることで他性能が犠牲になるリスクを理解しておく 保証・点検・メンテナンスプランの明示化 - メーカー保証/施工保証内容・期間を契約書で明記してもらう - 定期点検・軽補修・洗浄プランを施工契約時に取り決めておく 環境適合性・立地条件の検討 - 紫外線強度、風雨、湿度、塩害地域かどうかなどを把握 - 建物方位・日当たり・遮蔽物(隣家・樹木など)を考慮 - 気温・湿度変化条件(塗装可能温度範囲など)に注意 まとめ:スーパーセランマイルドを外壁塗装に採用すべきか? 結論として、スーパーセランマイルド は、耐候性・低汚染性・柔軟性・クラック追従性といった複数特性をバランス良く備えようと設計された変性無機ハイブリッド塗料であり、外壁塗装における有力な選択肢になり得ます。 特に以下のようなケースでは魅力が大きくなるでしょう: 長期間にわたって外壁の美観を保ちたい住宅 汚れ・雨筋付着を抑えたい立地(交通量多・埃・排ガス環境など) 建物が微小クラック・伸縮・変形リスクを抱える構造を持つ場合 遮熱性も併せて検討したい建物(スーパーセランマイルド IR の選択肢がある)   ⑤スーパーセランアクア(シーカジャパン) スーパーセランアクアとは?(製品概要・特長) まず、スーパーセランアクアの基本仕様・性質を把握しておきましょう。 公式サイトによれば: スーパーセランアクアは 水系超耐候・超低汚染型変性無機塗料(着色仕上材) として位置付けられています。 シーカ・ジャパン 「フッ素樹脂塗料を凌ぐ超耐久性塗膜」「強靱で緻密な塗膜」「無機成分が汚染耐性を高めた低汚染性」などの特徴を打ち出しています。 シーカ・ジャパン また、「25〜28年の期待耐用年数」を宣言しており、ライフサイクルコストの削減を訴求しています。 シーカ・ジャパン 着色仕上材として 16 kg(セット)での荷姿が公表されており、施工コスト指標(設計価格)も㎡当たりの目安価格が示されています。 シーカ・ジャパン 施工業者サイトなどでは、スーパーセランアクアを「スーパーセランマイルド の水性タイプ」と位置付けて紹介している例もあります。 yuzu-tosou.com また、施工会社の解説によれば、「水性無機スーパーセランアクアは、非常に耐久性に優れて、汚れにくい特徴を持つ」「水性塗料なので人や環境にもやさしい」などの説明が出ています。 大同防水工業(株) このような公式・業者説明を基に、以下メリット/デメリットを整理します。 メリット(スーパーセランアクアを選ぶ利点) スーパーセランアクアを外壁用上塗り材として採用する際の主な強みは以下の通りです。 利点 詳細説明 / 補足 高耐候性・長寿命性 超耐候型変性無機設計で、紫外線・雨風・酸化などによる劣化を抑えることを目指した塗膜を持つとされます。公式で「フッ素樹脂塗料を凌ぐ超耐久性塗膜」などを謳っています。 シーカ・ジャパン 低汚染性・美観保持 汚れ付着を抑える性質(緻密性)や無機成分による汚染抵抗性を持たせており、「超低汚染型」の表記があります。 シーカ・ジャパン 水系塗料ゆえの環境・施工性優位 溶剤臭が少ない、水性タイプである点を強調しており、居住中改修時などで臭気・安全性を配慮した施工がしやすいという説明があります。 シーカ・ジャパン 期待耐用年数・コスト合理性訴求 公式に「25~28年の期待耐用年数」という数値を提示しており、長期視点でのメンテナンス頻度抑制やコスト低減をセールスポイントとしています。 シーカ・ジャパン 施工用途・適用範囲の柔軟性 既存スーパーセランマイルドの水性版という位置づけ例もあり、既存塗料との置き替えや仕様展開のメリットを持つ説明があります。 yuzu-tosou.com 耐久性とコストのバランス 業者説明では「フッ素をしのぐ耐候性能を持ち、フッ素より低コスト」などの比較表現が見られ、水性+無機構造という組み合わせでバランスを取ろうとする意図が読み取れます。 大同防水工業(株) デメリット・注意点(採用時に留意すべき点) 高性能塗料であるからこそ、以下のような注意点・制約も考慮すべきです。 初期コストの高さ - 高耐候性・低汚染性という性能を実現するためには高品質材料・高度設計が要求されるため、普通の有機塗料(シリコン、ウレタン等)と比べて材料単価は高くなる可能性があります。 施工管理・技術力の影響大 - 水性かつ無機ハイブリッド系設計であるため、膜厚管理・塗布ムラ防止・乾燥管理・塗り重ねインターバル管理など施工精度が仕上がりと耐久性に直結しやすい。 - 混合比(主剤+硬化剤などがある場合)や攪拌、希釈、環境条件(気温・湿度など)管理を適切に行わないと、性能低下や不具合のリスクあり。 色・艶・調色制限の可能性 - 無機成分を多用する設計であるため、極端な色・鮮やかな原色・艶消し仕上げなどに制限が出ることがある可能性。 - 艶を落とす(艶消し)仕様を採る場合、性能(耐候性・低汚染性など)への影響を把握しておく必要があります。 過度な期待寿命リスク - 「25~28年の期待耐用年数」はあくまでメーカー公称値/設計値であり、実際の使用環境(紫外線量、気候条件、立地環境、建物形状、維持管理状態等)によって寿命は大きく変動する。 - 下地補修不良・施工不良・部分的な施工ミスなどがあると、劣化進行が早まる可能性。 膜厚・重ね塗り仕様の遵守必要性 - 指定膜厚を確保し、重ね塗り/インターバル時間等を正しく守らなければ、ムラ・薄膜・未塗部などの不具合が出やすくなる。 - 薄膜施工やムラ施工、隅部・凹部・複雑形状部位の塗り残しが耐久性を損なう主因になりやすい。 実績・長期データの限定性 - こうした高機能無機ハイブリッド塗料は比較的新しい技術が使われていることが多く、非常に長期間(30年・40年)経過後の耐候劣化実地データが十分公開されていない場合がある。 - 地域・気象差(豪雨地域、塩害地域、高紫外線地域、寒暖差地域など)での耐久性変動リスクを検討・確認する必要あり。 他塗料との比較視点・選定判断のポイント スーパーセランアクアを他の無機/ハイブリッド/フッ素/シリコン塗料と比較検討する際、有効な論点を以下にまとめます。 比較対象 スーパーセランアクアの優位点 注意すべき点 / 差別化ポイント 一般シリコン/ウレタン塗料 耐候性・低汚染性・長寿命性で明確優位性が出る可能性 材料コスト・施工精度差・施工業者対応力がハードルになる フッ素塗料 無機構成により、フッ素塗料を超える耐久性を訴求できる余地あり フッ素塗料の実績や信頼性・ブランド力にはまだ根強い支持あり 他無機ハイブリッド系塗料 水性かつ無機構成でのバランス型アプローチで差別化ポイントになり得る 他製品との促進劣化試験データや実地検証データを比較して評価すべき 弾性塗料/高伸縮性塗料 超耐候性+ある程度の柔軟性を兼ねる設計ならばバランス型の選択肢になりうる 大きな構造変動・大クラックには弾性塗料の方が有利な場合もある 選定判断時に重視すべき観点としては、次のようなものがあります: 建物の立地条件(紫外線量、風雨量、湿度、塩害地域など) 予算・塗装コストとのバランス(初期コスト vs 保守頻度コスト) 施工業者の技術力・塗料取扱実績 下地状態・既存塗膜の劣化具合・補修必要性 色・艶・意匠要求 保証体制・アフターサポートプラン 実地施工例・長期劣化事例の確認 採用時チェックポイント・施工上の注意 実際にスーパーセランアクアを外壁塗装で採用する際には、以下の点を確実にチェックしておくと、トラブルや性能低下を防ぎやすくなります。 施工業者の実績・技術力確認 - スーパーセランアクア(または類似無機ハイブリッド水性塗料)の施工経験がある業者かどうか - 混合・膜厚管理・乾燥管理・希釈管理・仕様順守体制がしっかりしているか 下地調査・補修徹底 - 旧塗膜の浮き・剥離・ひび割れ・吸込みムラ・汚れ残りなどを丁寧に調べる - 必要な補修(クラック補修、シーリング打ち替え、下地整正など)をしっかり行う 膜厚遵守・重ね塗り仕様の厳守 - メーカー仕様の塗布量・膜厚をきちんと守る - 重ね塗り間隔(インターバル時間)・乾燥時間を正しく設定して施工 - 薄膜・ムラ・塗り残し部位を出さないよう丁寧に施工する 色・艶・調色可否の確認 - 希望色・艶がこの塗料で導入可能かどうか(特に艶消しや特殊色) - 艶を落とす(艶消しなど)仕様を採る場合、性能への影響を業者/メーカーに確認しておく 保証・点検・メンテナンスプラン明示 - メーカー保証・施工保証の内容・期間を明示してもらう - 定期点検・部分補修・汚れ除去洗浄スケジュールを施工契約時に取り決めておく 環境・立地条件の適合検証 - 紫外線量・風雨条件・湿度条件・塩害地域かどうかなどの環境要因を把握 - 建物方向・日当たり・隣接障害物・遮蔽物等の影響を検討 - 気温・湿度変動、乾燥温度範囲など施工適性条件を確認 施工後の初期点検およびフォロー体制 - 塗装直後~初期段階での点検(クラック・剥がれ・ムラなど)を予定 - 定期点検スケジュールを設け、早期異常を発見できる体制にしておく まとめ:スーパーセランアクアを採用する価値・向く建物 総じて、スーパーセランアクア は、水性かつ変性無機設計を採用した高性能外壁用塗料として、以下のような条件を持つ建物に適した選択肢になり得ます。 おすすめできるケース: 居住中改修を前提とする住宅や商用建物で、溶剤臭を抑えたい環境 汚れ・色あせを抑えて、長期間にわたって外観を維持したい物件 高耐候性・長寿命性を重視し、メンテナンス周期を長く取りたいケース 既存塗料に「スーパーセランマイルド」などを使っていて、水性仕様への更新を希望する場合 比較的高度な施工管理体制を持つ業者が使える環境 ただし、性能を実際に引き出すには、施工の精度・下地補修・膜厚管理 が非常に重要です。また、色・艶・調色制約、初期コスト上乗せ、過度な寿命期待リスク、実地データの限界といったリスクも事前理解が必要です。   ⑥セミフロンスーパーマイルド2(KFケミカル) セミフロンスーパーマイルドⅡとは?(仕様・特徴概要) 製品カテゴリ:2液弱溶剤型 無機フッ素ハイブリッド塗料 として位置付けられています。 モノタロウ+2ペイントシティーコム+2 樹脂構成:特殊変性オルガノポリシロキサン系樹脂と 4-フッ化フッ素樹脂を組み合わせたハイブリッド設計とされます。 モノタロウ 耐候性・耐汚染性:高耐候・低汚染性をうたっており、フッ素樹脂塗料を超える性能を目指しているとの説明があります。 ペイントシティーコム+2reformoyakudatitai.com+2 2コート仕様(2工程での仕上げ可能):通常の3工程(下塗り・中塗り・上塗り)を省略し、「下塗り+上塗り」の2工程で外壁を仕上げられる設計を「2コートプロセス」として訴求している塗装業者説明があります。 reformoyakudatitai.com+2gaiheki110.com+2 耐用年数の目安:カタログ上は「20年以上」を想定しているという記載。 ペイントシティーコム+2reformoyakudatitai.com+2 可撓性/クラック追従性:無機成分だけで硬すぎないよう、有機成分(フッ素系など)の弾性性も取り入れて、外壁の動きへの追従性を確保する設計も意図されています。 ペイントシティーコム+3浜松市で外壁塗装・屋根塗装なら創業100年の加藤塗装へ+3reformoyakudatitai.com+3 下地適用性:窯業系サイディング、金属サイディング、モルタル、吹付タイル、リシンなど複数の外壁素材に対応可能との説明があります。 gaiheki110.com+2reformoyakudatitai.com+2 色・艶:艶あり・5分艶などの艶度展開が可能とする例が見られます。 gaiheki110.com+1 これらをベースに、メリットとデメリットを見ていきます。 メリット(セミフロンスーパーマイルドⅡを選ぶ利点) この塗料を採用することで得られる強みには、以下のような点があります。 工期短縮・施工コスト低減の可能性(2コート仕様) - 通常の3工程塗装(下塗り・中塗り・上塗り)を、耐候性を備えた下塗り+上塗りの 2工程(2コートプロセス) で済ませられる設計が訴求されています。 ペイントシティーコム+3児玉塗装+3reformoyakudatitai.com+3 - この設計により、人件費・工程コスト を抑えられる可能性があります。 児玉塗装 - ただし、下地条件・劣化度合い次第では中塗りや下塗り2回施工が追加されるケースもあると説明されています。 reformoyakudatitai.com+1 高い耐候性・色あせ・白亜化抑制 - 無機成分(オルガノポリシロキサン)+フッ素樹脂を組み合わせたハイブリッド構成により、紫外線・酸化・風雨などの外的ストレスに耐える設計とされています。 児玉塗装+4モノタロウ+4ペイントシティーコム+4 - 色あせや劣化などを抑え、長期にわたり美観を維持しやすい可能性があるというアピールがあります。 reformoyakudatitai.com+2ペイントシティーコム+2 低汚染性(親水性・汚れにくさ) - 汚れを雨で洗い流しやすくする親水性機能・低汚染性を有する塗膜とされ、雨筋汚れ・黒ずみの付着を抑える効果が期待されます。 児玉塗装+3reformoyakudatitai.com+3gaiheki110.com+3 - 汚れにくさを通じて、美観維持コストを下げる効果も得られやすい。 reformoyakudatitai.com+2ペイントシティーコム+2 適度な柔軟性・クラック追従性 - 無機材料だけで極端に硬くなりすぎないよう、有機性質(フッ素系など)の要素を配合することで、素地の微細な伸縮に追従できる性質を持たせている説明があります。 ペイントシティーコム+3浜松市で外壁塗装・屋根塗装なら創業100年の加藤塗装へ+3gaiheki110.com+3 - 外壁に小さなひび割れ(クラック)が生じやすい建物などでは、追従性があることがプラス要因になる可能性があります。 ライフサイクルコスト低減の可能性 - 高耐候性・低汚染性・2工程化設計などで、将来的な再塗装頻度を抑えたり、メンテナンス頻度を下げたりすることで、トータルコストを抑えられる可能性があります。多くの施工紹介サイトでそのような視点が語られています。 reformoyakudatitai.com+2gaiheki110.com+2 デメリット・注意点 ただし、どの高性能塗料にもリスクや制約はあり、セミフロンスーパーマイルドⅡも例外ではありません。以下の点を把握しておくことが重要です。 下地・劣化状態によっては中間工程や追加補修が発生 - 劣化が激しい下地、吸込みムラ・旧塗膜の浮き・剥離・クラックなどがある場合、2工程だけでは不十分になり、中塗りや下塗り2回施工が必要になるケースもあります。施工業者説明でそのような注意が見られます。 児玉塗装+1 - 下地補修の内容や補強作業も含めた総額でコストが膨らむ可能性があります。 施工管理・技術力の影響が大きい - 混合比率、可使時間、膜厚管理、乾燥時間、希釈条件、気温・湿度環境などを正確に管理しないと、性能を十分に引き出せないリスクがあります。 - 特に2工程仕様を前提とする設計であるため、施工ミスや不均一な膜厚は致命的になりやすい。 コーキング材上部や大きな変形部での割れリスク - コーキング(シーリング)部分など、伸縮量が大きくなる部分では、塗膜が追従しきれず、割れ(クラック)が発生する可能性が指摘されています。 児玉塗装 - 特に高弾性・大変動に耐える素材との組み合わせでは慎重な施工や仕様選定が必要になるでしょう. 初期コスト・材料価格の高さ - 高機能な塗料であるため、材料単価自体が高めに設定される傾向があります。 - また、施工管理・下地補修・仕様遵守が厳しい分、施工費用が上乗せされやすい。 過度な長寿命期待のリスク - カタログ上の「20年以上」などの耐用年数は設計値・促進試験値をもとにしており、実環境(気候、日射、雨風、塩害、建物形状、維持管理)によって実寿命は変動します。 - 施工不良、付帯条件(立地、風当たり、日当たりなど)が厳しい建物では、耐用予測より早期劣化が生じる可能性があります。 調色・色・艶の制約 - 高機能塗料ゆえに、極端な色、蛍光色、極端な艶消しなどには制約が出る可能性があります。 - 特にクリヤー仕上げを選ぶ場合、下地の汚れやムラ、クラックが透けて見えてしまうというリスクも指摘されています。 浜松市で外壁塗装・屋根塗装なら創業100年の加藤塗装へ 新技術ゆえの実績限界 - 他の長年使われてきた塗料と比べると、超長期(30年~)の実データが十分に蓄積されていない可能性があります。 - 各地域の気候差(高湿度、寒冷地域、塩害地域など)での適合性が未知な面も残るでしょう。 他塗料との比較視点・選定の判断基準 比較対象 セミフロンスーパーマイルドⅡの優位点 留意すべき点/比較注意点 一般シリコン塗料 耐候性・低汚染性で長持ち、美観維持力が上 コスト差、施工精度の影響が大きい フッ素塗料 ハイブリッド構造でフッ素+無機の強みを取れる可能性 フッ素塗料による実績安心性には追いつけない可能性あり 他無機ハイブリッド系塗料 2コート仕様や追従性の設計で差別化が可能 他製品との性能比較・価格差を検証する必要あり 弾性系塗料 耐候性とある程度の追従性のバランスを取れる 大きな構造変形には対応力が及ばない可能性あり 選定時には、予算、立地・気候条件、下地の劣化状態、施工業者の技術力、色・意匠希望、保証体制 などを総合的に判断基準とするのが良いでしょう。 採用時チェックポイント・導入ガイドライン 施工業者の実績・技術力確認 - セミフロンスーパーマイルドⅡでの施工経験があるかどうか。 - 混合・膜厚管理・乾燥管理・塗布量管理などを仕様通り守れる施工体制があるか。 下地調査・補修の徹底 - 旧塗膜の浮き・剥がれ・劣化・クラック・吸込みムラなどを事前に診断。 - 補修が必要な部分には適切な補修を行い、均一な下地状態に整える。 仕様遵守(膜厚・塗回数・乾燥時間) - メーカー指定の塗布量・膜厚・重ね塗り間隔・乾燥時間をきちんと守ること。 - 2工程仕様を前提とするが、下地状況次第では追加工程を提案できる余裕も持つ。 色・艶・調色制約の確認 - 希望色・艶がこの塗料で調色対応可能か、追加コストが出るかを前もって確認。 - クリヤー仕上げを希望する場合は、下地のムラ・汚れ・クラックが仕上がりに影響を与えないかチェック。 保証・点検体制・メンテナンスプラン確認 - メーカー保証・施工保証を契約時に明示してもらう。 - 定期点検や軽微補修計画を含めた維持管理スケジュールを業者と共有しておく。 立地・環境条件の適合性検討 - 紫外線量・雨量・風当たり・湿度・塩害地域などの環境負荷を考慮。 - 建物方位や周囲環境(遮蔽物、樹木、排ガス等)の影響をシミュレーション。 まとめ・結論:セミフロンスーパーマイルドⅡはおすすめできるか? 総合的に見ると、セミフロンスーパーマイルドⅡ はコストと性能をバランスよく追求した無機フッ素ハイブリッド塗料として、十分に魅力的な選択肢になり得ます。特に次のようなケースでおすすめできます: 外壁の塗り替え頻度を下げたいと考えている住宅 工程数や工期を抑えたい、かつ性能も犠牲にしたくない施主 汚れ・色あせを抑えて、美観維持を重視したい環境 建物が小クラック発生しやすい構造で、追従性もある塗膜を望むケース ただし、その性能を引き出すには、施工技術・仕様遵守・良好な下地処理 が不可欠です。初期コスト上昇・色や艶の制約・過度な寿命期待などのリスクも忘れてはなりません。   ⑦セミフロンスーパーアクア2(KFケミカル) セミフロンスーパーアクアⅡとは?(仕様・特徴概要) セミフロンスーパーアクアⅡ(“スーパーアクア2” とも表記されることがあります)は、KFケミカルが展開する無機ハイブリッド系/無機+フッ素構成の塗料ブランド「セミフロンスーパーシリーズ」の一員で、外壁用として設計された高機能塗料です。ペイントシティの販売情報によれば、次のような仕様・特徴が確認できます。 ペイントシティーコム 主な仕様・特長は以下の通りです: 2液型(水性)無機フッ素ハイブリッド設計。無機成分(オルガノポリシロキサン系樹脂)と無機・フッ素的要素を組み合わせた構成であると記載。 Yahoo!ショッピング+1 標準タイプと 遮熱タイプ(SC色・艶有り) の展開がある。 ペイントシティーコム+1 塗装可能面積(2回塗り時の目安):16 kgセットで約 52 m²程度(標準仕様) ペイントシティーコム 他の販売情報では、「無機+フッ素」の融合による高耐候性・耐汚染性・色あせ防止・クラック追従性などを訴求している説明が見られる。 Yahoo!ショッピング+2オリバーリフォーム+2 施工業者紹介サイトでは、耐久年数 30 年という見方や、ライフサイクルコスト削減を訴える内容も出ている。 オリバーリフォーム 施工例説明では、光沢耐候性・白亜化耐性・雨筋汚れ防止などの性能をアピール。 スキザキ塗装+1 また、セミフロンスーパーシリーズ全体の特徴としては、無機成分を取り入れることで耐候性を高め、低汚染性・色保持性を強化する狙いが述べられているという解説があります。 外壁塗装110番 以上を前提として、メリット・デメリットを見ていきます。 メリット(セミフロンスーパーアクアⅡを外壁に使う利点) この塗料を選ぶことで得られる主な強み・利点は以下の通りです。 高耐候性・長期耐久性 - 無機+フッ素構成を用いることで、紫外線・酸化・雨風などの外的ストレスに対する耐久性を向上させる設計がなされています。販売説明でもその点が強調されています。 Yahoo!ショッピング+2ペイントシティーコム+2 - 施工現場紹介では「耐久年数 30 年」という説明がなされ、2回目の塗り替え頻度を抑制できる可能性が述べられています。 オリバーリフォーム - 光沢の保持、白亜化の抑制といった性能を併せ持つとの説明も見られます。 スキザキ塗装+1 低汚染性・美観維持力 - 雨筋汚れや埃の付着を抑え、親水性機能で汚れを洗い流しやすくする性能が訴求されています。施工例サイトで「雨筋汚れ防止」表現が出ています。 スキザキ塗装 - 色あせ・白亜化を抑える性質もアピールされており、外観を長くきれいに保つ可能性が高まります。 スキザキ塗装+1 クラック追従性・しなやかさ - 無機成分だけで硬くなりすぎないよう、弾性性を持たせた構造を意図している説明が販売情報に見られます。 Yahoo!ショッピング+2ペイントシティーコム+2 - 施工例では「しなやかで強靭な塗膜、柔軟でひび割れしにくい塗膜」といった表現が出ています。 スキザキ塗装 遮熱タイプの展開 - 標準タイプのほか、遮熱仕様(SC 色・艶有り)を選べるバリエーションがあり、夏季の温度上昇抑制を意識した設計も可能。 外壁塗装リブウェルペイント+3ペイントシティーコム+3Yahoo!ショッピング+3 - 遮熱性を付加することで、建物の輻射熱対策を兼ねる選択肢になる可能性があります。 ライフサイクルコストの低減可能性 - 初期コストが高めになっても、長寿命化とメンテナンス頻度削減により、総合的なコストパフォーマンスが改善する可能性があるという見方をする施工業者の説明も見られます。 オリバーリフォーム 環境対応性・扱いやすさ(2液水性設計) - 水性タイプであることから、溶剤臭が少なめ、環境性・取り扱い性の面でメリットがある可能性があるという説明が販売情報に含まれています。 Yahoo!ショッピング+1 デメリット・注意点 高機能塗料であるからこそ、次のようなリスク・制限も存在します。 初期コスト・材料費の高さ - 高性能設計を反映して、他の一般的な塗料(シリコン系や一般フッ素系など)と比べて材料コストが割高になる可能性が高い。 - 施工管理・仕様遵守・下地補修を丁寧に行う必要があるため、その分の施工費も上乗せとなる可能性。 施工管理精度・技術力の影響度が大きい - 混合比・可使時間・膜厚管理・乾燥時間・希釈比率などを仕様通り厳守しなければ性能を引き出せないリスク。 - 塗り重ね時間、気温・湿度条件などの適正管理が不可欠という注意点が、施工例サイトや業者説明で挙げられることがあります。 オリバーリフォーム - 下地処理(旧塗膜劣化、剥離、クラック、吸込みムラなど)が不十分だと、性能低下・剥離リスクが高まります。 遮熱仕様の場合の色・艶制限 - 遮熱仕様(SC色・艶有り)という限定色/艶仕様が出ているため、希望する色・艶が遮熱仕様で選べるかどうか確認が必要。 ペイントシティーコム+1 - また、遮熱性を強めようとすると顔料・設計上の制約が生じ、色選定に制限が出る可能性があります。 長寿命期待のリスク - 「30年耐久」「光沢保持性」「白亜化防止」などの表現は、あくまで設計値/促進試験値ベースであり、実際の環境下では劣化要因(気候、日照、塩害、湿気、構造変動など)により性能寿命が変動する。 - 特に施工ミス・劣化進行がはやい環境条件(強紫外線地域、海風地域、寒暖差激しい地域など)では、理論通りの長寿命が得られないことも。 膜厚・塗回数の制約 - 設計通りの膜厚を確保し、適切な重ね塗り仕様を守ることが性能発揮の前提。 - 薄膜施工・ムラ施工だと期待性能が出にくい。 - 吸込みムラ、下地凹凸部の補正、下地の平滑化等、下地の前処理を丁寧に行う必要。 実績・長期データの限定性 - 比較的新しいハイブリッド無機フッ素設計の塗料であるため、超長期(30年以上)の実地データが十分蓄積されていない可能性がある。 - 地域差(気候・紫外線・湿度・塩害など)で劣化傾向が異なる可能性があり、適用地域での実績確認が重要。 他塗料との比較・選択判断の観点 セミフロンスーパーアクアⅡを他の無機・ハイブリッド・フッ素・シリコン塗料と比較検討する際、有効な視点を以下に整理します。 比較対象 セミフロンスーパーアクアⅡの優位点 注意すべき差異・負荷 一般シリコン系塗料 耐候性・低汚染性・長寿命化で有利 材料コスト差、施工技術差が大きく出やすい 一般フッ素系塗料 無機成分併用によりフッ素単独より長寿命・耐候性向上の可能性 フッ素塗料の実績・信頼性には及ばない可能性あり 他の無機ハイブリッド塗料 無機+フッ素構成、遮熱バリエーションなどで差別化可能 競合製品との耐候性データ比較・価格競合性を検討すべき 弾性系塗料 しなやか性を持たせつつ高耐候性も狙えるバランス型 大きな構造変動や大クラックには対応力の限界あり 選定判断時には、建物の立地環境(紫外線量・風雨・塩害地域)・予算・施工業者の技術力・下地劣化度合い・色・艶の要求・保証体制 などを総合的に比較・検討することが重要です。 採用時チェックポイント・施工時注意点 セミフロンスーパーアクアⅡを実際に採用・施工する際には、以下点をきっちり抑えておくと失敗を防ぎやすくなります。 施工業者の無機/ハイブリッド塗料経験と実績の確認 - この塗料での施工実績がある業者かどうか - 混合管理・膜厚管理・乾燥管理・仕様順守をきちんと実行できる体制かどうか 下地調査・補修の徹底 - 旧塗膜の劣化・浮き・剥離・クラック・吸込みムラなどを詳細に診断 - 必要な補修(クラック補修・シーリング・下地整正など)を適切に行う 膜厚遵守・塗回数と重ね塗り仕様の厳守 - メーカー指示の塗布量・膜厚を守ること - 重ね塗り時の乾燥時間・インターバル時間を適切に守ること 色・遮熱仕様・艶仕様の可否確認 - 遮熱仕様を使う場合、希望色・艶が対応可能かどうかを業者・メーカーに確認 - 艶選定による性能影響(特に艶消し・微艶などの場合)についても理解しておく 保証・維持管理プランの合意 - メーカー保証および施工保証の範囲・期間を契約書で明確にする - 定期点検・軽微補修プラン・汚れ除去(洗浄など)スケジュールを決めておく 環境適性・気候条件の適応検証 - 紫外線強度・雨量・湿度・凍結融解サイクル・海風・塩害などの環境条件を把握 - 建物方位、日陰・日当たり、遮蔽物(樹木・隣家)などの影響も考慮 施工後の初期点検・フォロー体制 - 塗装後初期段階での点検(ひび割れ・剥がれ・ムラなど)を実施 - 定期的な点検・メンテナンスを見据えた体制がある業者を選ぶ まとめ・結論:セミフロンスーパーアクアⅡを選ぶ価値は? 総じて、セミフロンスーパーアクアⅡ は、無機+フッ素のハイブリッド構成・遮熱バリエーション対応・高耐候性・低汚染性・クラック追従性などを兼ね備えた、外壁用高性能塗料として非常に有力な選択肢になり得ます。特に以下のようなケースではおすすめできます: 外壁の再塗装頻度を抑えたい、長寿命を重視したい住宅 汚れ・雨筋・色あせを抑え、美観を維持したい環境 遮熱性も同時に求めたい地域・方位条件 小~中規模クラックが発生しやすい建物構造を持つ住宅 ただし、それらの性能を実際に発揮させるには、施工業者の技術力・下地補修・仕様遵守 が不可欠です。また、色・艶・遮熱仕様の選択制限、初期コストの高さ、期待耐久性と実使用差異のリスクなども事前に把握しておくことが重要です。   ⑧グランセラトップシリーズ(日本ペイント) グランセラトップとは?(製品概要・技術背景) まず、グランセラ™トップの基本仕様・特徴をおさえておきます。 日本ペイントが2024年に新たに立ち上げた無機ハイブリッド塗料ブランド「グランセラ」の外壁/付帯部用塗料シリーズの一つ。日本ペイント+2日本ペイント+2 代表製品は グランセラ™トップ 2液ファイン(ターペン可溶性 2液、セラミックハイブリッド、弱溶剤型、無機系寄与設計)fujimototoryo.jp+3日本ペイント+3日本ペイント+3 標語的には「フッ素樹脂を超える高耐候性」「超低汚染性」「美観維持性」をセールスポイントにしており、外壁・付帯部用途を想定している。日本ペイント+2日本ペイント+2 色相:淡彩~濃彩、艶:艶あり~3分艶ありなど多様な艶設定に対応。日本ペイント+2fujimototoryo.jp+2 下地適用:モルタル、コンクリート、窯業系サイディング、ALCパネル、金属部、各種旧塗膜など。日本ペイント+2fujimototoryo.jp+2 乾燥・重ね塗り仕様:23℃で指触乾燥 20分、塗り重ね乾燥 4時間以上(条件による)などの時間目安も公表されている。日本ペイント+1 希釈率・塗布量:例えば 0.12〜0.14 kg/㎡/回 を目安にしており、16kg セットで約114〜133㎡程度を塗装できる目安。日本ペイント 他の技術要素として、「ラジカル制御技術」+「セラミックハイブリッド技術」を組み合わせて、塗膜劣化要因を抑制する設計。fujimototoryo.jp+2姫路市で外壁塗装〖藤原ペイント〗 /+2 防藻・防かび性能も標準で搭載。日本ペイント+2fujimototoryo.jp+2 このような仕様を前提に、メリットとデメリットを整理します。 メリット(強み・選ぶ利点) グランセラトップを外壁塗装で選択するメリットには、以下の点が挙げられます。 高耐候性(長寿命化) - ラジカル制御+セラミックハイブリッド技術を融合し、紫外線や酸化・水分などによる塗膜劣化を抑制する構造になっているとしています。姫路市で外壁塗装〖藤原ペイント〗 /+2日本ペイント+2 - 日本ペイント公式サイトでも、「フッ素樹脂塗料を超える高耐候性」表現を掲げています。日本ペイント+1 - 耐用年数を長く取れる設計で、将来的な塗り替え回数を減らすことが期待でき、長期的な維持コスト抑制につながる可能性があります。姫路市で外壁塗装〖藤原ペイント〗 /+1 超低汚染性・美観維持力 - 親水性機能を備えており、雨が降ることで付着した汚れを洗い流すセルフクリーニング効果を想定しています。日本ペイント+2姫路市で外壁塗装〖藤原ペイント〗 /+2 - よって、長期間にわたって外壁の見た目の綺麗さを保ちやすく、黒ずみ・雨筋汚れ・埃の付着を抑制する効果が期待されます。姫路市で外壁塗装〖藤原ペイント〗 /+1 防藻・防かび機能 - 藻・かびの発生抑制性能が標準搭載されており、湿気の多い場所・日陰側外壁などでのカビ・藻の発生リスクを抑えることが可能です。日本ペイント+2姫路市で外壁塗装〖藤原ペイント〗 /+2 - 外壁の美観を維持しやすくなるだけでなく、衛生性・健康面の観点でもプラス評価されやすい要素です。 多様な下地適応性 - モルタル・コンクリート・窯業系サイディング・ALC・金属・既存塗膜など、多様な素地に対応可能とされています。日本ペイント+2fujimototoryo.jp+2 - また、下塗り材を変えることで下地適性を拡張できるという設計思想が公式仕様に記載されています。日本ペイント 弾性仕様への対応性/クラック追従性 - 弾性タイプの主材(下塗り)と組み合わせることで、外壁の軽微なひび割れに対して追従性を持たせる設計が可能としています。日本ペイント+1 - ひび割れや構造変動が起こりやすい建物において、クラック発生・進展の抑制に寄与する可能性があります。 艶コントロール/意匠性 - 艶あり、7分、5分、3分と複数の艶設定に対応しており、好みの艶感に調整できる点が強みです。日本ペイント+2姫路市で外壁塗装〖藤原ペイント〗 /+2 - 高いレベリング性(塗膜の平滑性を出しやすい性質)を持たせており、仕上がりの光沢感や美観の質を高めやすいという説明があります。日本ペイント ブランド力・安心感 - 日本ペイントという大手塗料メーカーの新ブランドであり、技術基盤・信頼性・供給体制の面で安心感があります。 - また、「フッ素を超える性能」といったキャッチコピーを持っており、付加価値訴求がしやすいという営業メリットもあります。 デメリット・注意点(導入時に気をつけたい点) 高性能ゆえに、以下のような注意点・リスクも考慮すべきです。 初期コストが高くなりやすい - 高機能・高耐候性設計のため、一般的なシリコン塗料・ウレタン塗料より材料単価が高くなる可能性があります。 - また、仕様通りの膜厚確保・施工管理・下地処理などの手間がかかるため、施工費が割高になる傾向があります。 施工管理・技術力の要求が高い - 混合比・可使時間・乾燥時間・希釈制御・湿度・気温条件などの施工環境管理を適切に行わなければ、性能を発揮しきれないリスクがあります。 - 塗り重ね乾燥時間など仕様通りに守る必要があり、特に湿度・気温変化が激しい時期(梅雨・夏・冬)には管理が難しい可能性があります。 - 下地処理(クラック補修、吸込み調整、旧塗膜状態など)をしっかりやらないと、密着不良・浮き・剥がれといった劣化リスクが出やすい。 色・調色制限の可能性 - 無機ハイブリッド設計であるため、鮮やかな原色や極端な色味(強い赤、蛍光系など)には調色制限やコスト上乗せが発生する可能性があります。 - 艶消し(マット)仕上げを多用すると、性能(耐候性・防汚性)への影響が出るという注意コメントを扱っている施工店説明も見られます(艶調整による性能劣化懸念)。 過度な長寿命期待リスク - 「フッ素以上」「高耐候性」「長寿命」などの表現はあくまで設計上・促進試験上の表現であり、実使用環境・気象条件・立地条件・維持管理状態によって実寿命は変動します。 - 建物の構造変動(地震・揺れ・断熱収縮膨張など)やひび割れ発生などには限界があり、追従性・防割れ性には物理的制約が残ります。 膜厚・施工回数の制約 - 高機能性を引き出すには、仕様通りの膜厚確保と複数回塗り重ねを守る必要があります。1回厚塗りなどの簡略施工では性能低下リスクあり。 - 吸込みムラや下地凹凸部の補正が十分でないと、仕上がりムラ・性能バラつきが生じる可能性があります。 実績還元・長期データが限定的 - グランセラブランドは新しく出されたシリーズであるため、十数年・二十年という長期使用後の実測データが十分に蓄積されていない可能性があります。 - 従来型無機やハイブリッド塗料と比べて「実地劣化傾向」「地域差(紫外線強度・塩害・湿気・凍結融解など)への適応性」が未知な面も残るでしょう。 他塗料との比較・選ぶ基準(差別化視点) グランセラトップを選ぶかどうかの判断材料として、以下の比較観点が役立ちます。 比較対象 優位性(グランセラ勝ち) 注意すべき差異 従来シリコン塗料 高耐候性・低汚染性で明らかに長持ち・汚れにくい コスト差が大きく、初期負担がかかる フッ素塗料 「フッ素を超える」性能を銘打っている点で差別化を図れる フッ素塗料実績の安心感・ブランド信頼性で劣る可能性 他無機/ハイブリッド系塗料 最新技術(ラジカル制御+セラミック融合)で差異化できる 他製品との実比較データ・実績優位性を検証する必要あり 弾性系塗料 弾性併用が可能でひび割れ追従性を取り込める 過度な動き・大きなクラックには追従限界がある 選択の基準としては、予算・立地環境(紫外線・湿気・塩害地域など)・建物構造(動き・ひび割れの発生可能性)・将来のメンテナンス計画などを総合的に評価することが重要です。 採用時チェックポイント・導入時ガイドライン グランセラトップを採用・施工する際には、以下の点を確実にチェックしておくと失敗を防ぎやすくなります。 施工業者の技術力・実績確認 - 無機ハイブリッドや高耐候塗料の施工経験が豊富な業者かどうか。 - 仕様通りの施工が保証できるか(膜厚管理、乾燥管理、希釈管理など)。 下地調査・補修の徹底 - 旧塗膜の浮き・剥離・クラック・吸込みムラの有無を丁寧にチェックし、適切な補修を行う。 - 各素地(モルタル・サイディング・コンクリート等)に対して適した下塗り材を選定する。 膜厚管理・塗布回数の遵守 - 規定の塗布量(例:0.12〜0.14 kg/㎡/回など)を守る。日本ペイント+1 - 複数回に分けて重ね塗りを行い、ムラなく均一な膜厚を確保する。 乾燥・塗り重ね時間の管理 - 仕様に記載の乾燥時間・重ね塗り時間を確実に遵守する(23℃条件で重ね塗り 4時間以上など)日本ペイント+1 - 気温・湿度条件を観察し、塗装に不適な時間帯を避ける。 色選定・艶選定の注意 - 希望の色・艶がグランセラで対応可能か、調色制限や追加コストを事前に確認する。 - 艶を落とす仕上げ(艶消しなど)を多用する場合は、性能低下リスクを理解しておく。 保証・メンテナンス体制の確認 - メーカー保証・施工保証がどの程度付くかを契約前に確認。 - 定期点検、メンテナンスプラン(汚れ洗浄・部分補修など)を業者と合意しておく。 立地・環境条件の検証 - 紫外線強度、風雨、湿気、海に近い場合の塩害、凍結融解サイクル地域などの影響を考慮。 - 建物の方位(日当たりや日影)や周囲環境(樹木、塵埃、排気ガス等)の影響も把握しておく。 まとめ:グランセラトップは選ぶ価値があるか? 結論として、グランセラ™トップ は、外壁塗装において非常に有力な選択肢になり得ます。特に以下のようなケースでは、強くおすすめできる塗料です: 長期耐久性を重視し、将来的な塗り替えコストを抑えたい住宅 汚れ・雨筋・黒ずみ対策が特に重要な立地(幹線道路沿い、湿気多湿地域など) デザイン性・艶感を重視した仕上がりを求める施主 ひび割れの発生が懸念される構造を持つ外壁 ただし、高機能ゆえに 初期コスト・施工管理技術・下地補修 が不可欠な要素を伴うため、それらをしっかり担保できる施工体制かどうかを見極めることが成功の鍵となります。   ⑨アプラウドシェラスターⅡ(日本ペイント) アプラウドシェラスターⅡとは?(製品概要・仕様) まず、この塗料の基本仕様・特徴をおさえておきましょう。 アプラウドシェラスターⅡは 超高耐候・超低汚染水性2液形無機系塗料 として設計された外装上塗り塗料です。日本ペイント+2Amazon S3+2 樹脂系統として「無機系樹脂」を主体に、反応性硬化剤を使ってシロキサン結合など無機構造を強化する設計がなされています。Amazon S3+2日本ペイント+2 「建築用塗料最高位の超高耐候性」をうたっており、促進耐候性試験(キセノンランプ試験など)で優れた光沢保持率を示すデータも提示されています。Amazon S3+2日本ペイント+2 汚れを雨で洗い流す親水性機能(超低汚染性)を持つ設計。外壁塗装の達人+3日本ペイント+3Amazon S3+3 難燃性・防藻・防かび性も備えているとされており、無機系特性を活かした設計となっています。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+3Amazon S3+3日本ペイント+3 適用下地が広く、モルタル、コンクリート、ALC、サイディング、鉄・アルミ・金属部材など多種の素材に対応可能と明示されています。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+3日本ペイント+3Amazon S3+3 塗布量・膜厚目安として、0.14~0.18 kg/㎡/回 程度が仕様として示されており(はけ・ローラー・エアレス等で同レンジ)プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+3日本ペイント+3Amazon S3+3 混合(主剤 + 硬化剤)の可使時間(ポットライフ)は、23℃条件で約6時間、30℃で4時間などの目安が示されています。日本ペイント+1 以上を踏まえて、メリット・デメリットを整理します。 メリット(アプラウドシェラスターⅡを選ぶ強み) アプラウドシェラスターⅡを外壁塗装で選ぶ利点は、主に以下の点です。 超高耐候性 → メンテナンスサイクルの延長  - 無機構造を強化しているため、紫外線や酸化、水分の影響に抗する力が高められており、促進耐候性試験でも優れた性能を示しているとされています。Amazon S3+2プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+2 - これにより、外壁の劣化進行を抑え、再塗装までの期間を長く取ることが可能になるため、長期的な維持コストを抑える可能性があります。 超低汚染性・親水性機能  - 建物外壁に付着した汚れを、雨の力で洗い流すような親水性設計がされており、外壁の美観を長期間維持しやすいというメリットがあります。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+3日本ペイント+3Amazon S3+3 - 特に都市部・道路沿い・排ガス・埃の多い場所など、外壁が汚れやすい環境ではこの性能が効果を発揮しやすいです。 難燃性・防火性  - 無機成分を主体とする設計ゆえに、優れた難燃性が得られる点がアピールされています。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+3日本ペイント+3Amazon S3+3 - 建物の外壁における火災延焼抑制や安全性の面でプラスとなる可能性があります。 防藻・防かび性  - 藻・かびの発生を抑制する機能が備えられているとされ、湿気・日陰条件の多い外壁面でも美観を保ちやすくなります。Amazon S3+2日本ペイント+2 広い下地適応性  - 多様な下地に対応しているため、外壁素材が混在している建物(モルタル壁・サイディング・金属部材併設など)でも使いやすいという利点があります。日本ペイント+2外壁塗装の達人+2 意匠性・艶バリエーション  - 各色展開、艶有/7分艶/5分艶など複数の艶設定が可能で、好みの外観表現ができる点も魅力とされています。日本ペイント+2外壁塗装の達人+2 ブランド信頼性・技術基盤  - 日本ペイントという大手メーカーの製品であり、技術的裏付け・供給安定性・アフター支援体制の面で安心感があるという点も選ぶ理由になります。 デメリット・注意点(導入時に気をつけるべき点) 高性能な塗料であるからこそ、以下のような注意点やリスクも存在します。 初期コスト(材料費・施工費)が高くなる可能性  - 高機能無機塗料として設計されているため、一般的な塗料(シリコン・ウレタンなど)に比べて材料コストは高くなることが多いです。 - また、仕様どおりの施工(膜厚確保・重ね塗り・下地処理など)を求められるため、施工費用も上昇する可能性があります。 施工技術・管理が厳しくなる  - 混合割合(主剤+硬化剤)、可使時間、希釈率、乾燥時間、気温・湿度条件などの管理を適切に行わないと、性能を引き出せないリスクあり。仕様書も所定の乾燥時間・重ね塗り時間を守るよう指示しています。Amazon S3+2日本ペイント+2 - 下地処理が不十分だったり、旧塗膜の浮き・剥離・ひび割れ・汚れ残りなどがあると、密着不良・劣化加速の原因になる可能性が高まります。 色・艶・調色制約の可能性  - 強い原色・特殊色・極端な艶消しなど、仕様上制約が生じる可能性があります(無機成分を多く含む設計のため、調色自由度が制限されることもある) - 艶を落とした仕様(艶消しなど)を多用すると、塗膜性能(耐候性・防汚性など)に影響を及ぼすケースが出る可能性があるという塗装業者の注意書きも見られます。 過度な長寿命期待リスク  - 「最高位」「超高耐候性」といった表現は促進試験などの評価条件下の性能であり、実際の使用環境(気候・日射量・風雨・塩害など)では劣化要因が多様であり、寿命は変動します。 - 建物構造変動・ひび割れ発生・揺れストレスなどには、無機塗膜でも限界があり、追従性が不十分な場合もあります。 膜厚設計/塗回数の制限  - 指定の塗布量・膜厚を確保することが性能発揮の前提であり、省略施工・薄膜施工では性能劣化リスクが高くなります。 - 吸込みムラや凹凸部補正、下地平滑化など下地処理工程が重要になってきます。 実績・長期データが限定的な面も  - 新製品というわけではないですが、無機系高性能塗料分野は比較的技術進化が続いており、30年・50年といった超長期での実データが十分に公開されていないことがあります。 - 地域差・気候変動差(高温多湿、塩害地域、寒冷地など)での耐久性比較データは限定的な場合があります。 他塗料との比較・選択判断の視点 アプラウドシェラスターⅡを他の一般的な塗料(シリコン・フッ素・他の無機ハイブリッド塗料など)と比較する観点を以下にまとめます。 比較対象 アプラウドシェラスターⅡの優位点 留意点/差異 一般シリコン塗料 高耐候性・低汚染性で長持ち・美観維持性が優れる コスト差が大きく出やすい。施工管理がより難しい フッ素塗料 無機構造設計で、耐候性で差別化が可能 フッ素塗料実績の安心感やブランド力には根強い信頼があります 他無機/無機ハイブリッド塗料 新しい設計・無機構造強化で技術的訴求力あり 競合製品との実比較データ・価格差を検討すべき 弾性系塗料 無機性能を確保しつつ、場合によってはクラック追従性を補う下塗り設計との組合せも可能 大きな動きや構造的ひび割れには限界が出る可能性 選ぶ基準としては、次のような要素を重視すべきです: 建物の立地・気候条件(紫外線強度、降雨量、塩害環境、湿度など) 予算範囲と長期維持費とのバランス 施工業者の技術力・実績(特に無機塗料施工経験) 下地状態・劣化状況・補修必要性 色・意匠要求・艶感要求 保証内容・アフターサポート体制 採用時チェックポイント・導入ガイドライン アプラウドシェラスターⅡを外壁塗装で実際に採用する際には、以下ポイントを確実にチェックしておくと失敗を防ぎやすくなります: 施工業者がアプラウドシェラスターⅡを使った実績があるか確認 混合・可使時間・希釈制御・乾燥時間など仕様通りに運用できるか管理体制を確認 下地診断を丁寧に行い、浮き・クラック・剥離・吸込みムラなどを適切に補修 指定の膜厚・塗布量を守る施工と、重ね塗り仕様を必ず遵守 色・艶の選定時に仕様制約(調色可能性・艶消し性能への影響など)を確認 保証・点検メンテナンスプランを施工契約時に明記してもらう 施工後の初期点検・定期点検を計画する まとめ:アプラウドシェラスターⅡを選ぶ価値は? アプラウドシェラスターⅡは、超高耐候性・超低汚染性・難燃性・防藻性 といった多機能性を備えた無機系高性能塗料であり、特に美観維持性と耐久性を重視した外壁塗装において魅力的な選択肢になる可能性があります。 ただし、その性能を実際に引き出すには、施工精度・下地処理・仕様遵守 が非常に重要になります。初期コストの上昇や施工管理の難しさ、色・艶の制約、過度な長寿命期待リスクなどをあらかじめ把握しておくことが成功の鍵です。   ⑩ラグゼMUKIトップシリーズ(関西ペイント) ラグゼMUKIトップ/MUKIシリーズとは?(概要・特徴) 以下は、関西ペイントが公表している「ラグゼMUKIシリーズ」の概要と特長です。これを前提にメリット・注意点を整理します。 「ラグゼMUKIシリーズ」は、無機 × 有機 のハイブリッド技術をベースにした、次世代の外装・屋根用塗料シリーズ。無機の強さと有機の柔軟性を融合させた設計を掲げています。 kansai.co.jp+1 紫外線や酸性雨などによる劣化を抑えるため、ラジカル制御技術を4種類備えているという説明があります。kansai.co.jp+3kansai.co.jp+3kansai.co.jp+3 外壁用には、「ラグゼMUKIトップ(水性1液超高耐候性ハイブリッド無機有機塗料)」と「ラグゼMUKIトップマイルド(弱溶剤形2液型)」という2タイプがラインアップされています。kansai.co.jp+2kansai.co.jp+2 適用下地として、窯業系サイディング、コンクリート、モルタル、ALC、既存塗膜など複数の素材に対応可能とされています。kansai.co.jp+2kansai.co.jp+2 規格・仕様:  • 塗装回数:上塗り 2回(標準仕様) kansai.co.jp+3関西アセット+3kansai.co.jp+3  • 標準塗布量:おおよそ 0.12~0.14 kg/m²/回(23℃条件) kansai.co.jp+1  • 艶:艶有り、7分艶、5分艶、3分艶といった複数の艶設定が可能 kansai.co.jp+2関西アセット+2  • VOC 排出量軽減・環境負荷抑制の訴求も公式に打ち出しており、環境対応型塗料の側面も持っています。kansai.co.jp  • ホルムアルデヒド放散等級 F★★★★ 相当という仕様も公表されています。関西アセット このような技術・仕様を前提に、ラグゼMUKIトップが持つ強みを見ていきます。 ラグゼMUKIトップを外壁塗装に採用するメリット(強み) 以下は、ラグゼMUKIトップ(および MUKI シリーズ)を外壁に使ったときの主な利点です。 1. 高耐候性・長寿命性 無機+有機のハイブリッド塗料設計により、無機成分の耐久性を活かしつつ、有機成分で柔軟性を確保する構造を持たせています。これにより、劣化(退色、チョーキング、光沢低下など)を抑制し、長期間の耐候性を実現しやすく設計されています。kansai.co.jp+3kansai.co.jp+3kansai.co.jp+3 特に、従来のフッ素樹脂塗料を上回る耐候性を目指すという表現を公式に用いており、高グレード塗料としてポジショニングされています。kansai.co.jp+2kansai.co.jp+2 関西ペイントは、塗り替えサイクルを延ばすことをコンセプトに掲げていますので、長期視点での維持コスト削減を訴求点としています。kansai.co.jp+1 2. 低汚染性・親水性機能 ラグゼMUKIトップには、親水性塗膜を持たせており、付着した汚れを雨水で流し落とす機能があるとされています。これにより、雨だれ汚れや黒ずみの発生を抑制し、外観の美観を維持しやすくなります。kansai.co.jp+2関西アセット+2 湿度の高い北面・日陰面などで発生しやすい カビ・藻の発生抑制 機能も設計されています。kansai.co.jp+2kansai.co.jp+2 3. ひび割れ追従性(柔軟な塗膜性) 無機成分を強めに使う設計ながら、有機成分を併用して 柔軟性 を持たせ、弾性下地や建物の微細な動きに対応できるよう設計されていることが、公式サイトで特長として挙げられています。kansai.co.jp+1 このため、脆性の無機塗膜だけの場合に起こるクラック(ひび割れ)の進行リスクを軽減できる可能性があります。 4. 多様な下地適性・用途対応 コンクリート、モルタル、ALC、窯業系サイディング、各種旧塗膜など、多種類の素地に適用可能とされており、既存塗膜からの塗り替えにも対応力があります。kansai.co.jp+2kansai.co.jp+2 ラグゼMUKIシリーズは、外壁用のみならず屋根用・遮熱仕様(屋根遮熱塗料)などのラインアップも展開されており、外壁と屋根・付帯部を統一ブランドで揃えられる設計がなされています。kansai.co.jp+2kansai.co.jp+2 水性 1 液型タイプ(ラグゼMUKIトップ)と、弱溶剤 2 液型タイプ(ラグゼMUKIトップマイルド)があるため、施工環境・用途に応じて選び分けできます。kansai.co.jp+3kansai.co.jp+3kansai.co.jp+3 5. 環境配慮・施工性向上 水性 1 液型タイプでは、溶剤系塗料に比べ VOC(揮発性有機化合物)排出量の低減 が強調されており、環境への配慮を訴えることができます。kansai.co.jp+2kansai.co.jp+2 臭気が少ない仕様であり、住宅地などでの施工時に住環境への影響を抑えやすい点も特長として挙げられています。kansai.co.jp+1 ラグゼMUKIトップを使う際のデメリット・注意点 高性能塗料であるがゆえに、以下のようなリスク・制約も認識しておくべきです。 1. 初期コストの高さ 高性能な無機ハイブリッド設計・ラジカル制御技術を採用しているため、一般的な塗料(シリコン・ウレタンなど)より材料価格が高く設定されている可能性があります。 また、施工精度・下地補修・仕様順守を確実に行うためには、施工費が上乗せになる可能性があります。 2. 施工管理精度の影響大 混合条件(もし硬化剤型を使うタイプであれば)、塗布膜厚、塗り重ね間隔、乾燥条件、希釈率、攪拌条件などが性能発揮に直結する設計であるため、施工誤差や不均一性が劣化を早めるリスクがあります. 特に新製品ブランドゆえ、施工業者が仕様を正確に理解していないと、期待性能が出ない可能性があります。 3. 色・艶・調色制約の可能性 標準展開色は 35 色程度との記載があります。kansai.co.jp+1 艶設定(艶有り・7分・5分・3分など)がありますが、極端な艶消し仕様や特殊色については調色制約やコスト上乗せになる可能性があります。関西アセット+1 4. 過度な寿命期待リスク モデル表記で「従来のフッ素樹脂塗料を超越」などの表現が使われていますが、これらはあくまで促進耐候試験など、一定条件下での性能指標であり、実使用環境(紫外線量、風雨、湿度、建物形状、保守状態など)によって劣化速度は異なります。kansai.co.jp+2kansai.co.jp+2 不良施工・下地不良・膜厚不足・ムラ・未塗布部などがあると、局所早期劣化が出やすくなる可能性があります。 5. 膜厚設計・重ね塗り仕様の厳守必要性 標準仕様では上塗り 2 回、各回の塗布量 0.12~0.14 kg/㎡/回という目安が示されています。仕様通りの膜厚を確保しないと性能低下のリスクが高い。kansai.co.jp+2関西アセット+2 吸込みムラ、凹部・隅部の仕上げ不良、塗り残しなどが耐久性を損なう主な要因になり得ます。 6. 新ブランドゆえの実績限界 ラグゼMUKIシリーズは比較的新しくリリースされたブランドであり、長期間(20年以上、30年以上)経過後の実地データがまだ十分蓄積されていない可能性があります。 地域差(紫外線強度・風雨量・塩害地域など)での耐久性変動を確認しておくことが重要です。 他塗料との比較視点・使い分けポイント ラグゼMUKIトップ(および MUKI シリーズ)を他の塗料と比較する際、有益な視点を以下にまとめます。 比較対象 優位性(ラグゼMUKI側) 注意・差異点 従来シリコン系塗料 耐候性・低汚染性・長寿命性で明確なアドバンテージ コスト差・施工精度・施工業者選定が重要になる 従来フッ素塗料 無機混合設計+ラジカル制御でフッ素を超える耐候性を訴求可能 フッ素塗料の実績や信頼性・ブランド力にはまだ根強い支持がある 他の無機ハイブリッド塗料 無機有機ハイブリッド+ラジカル制御という技術セットで差別化可能 他製品と比較した促進耐候試験データや実使用劣化データを検証すべし 弾性塗料/伸縮性重視塗料 柔軟性を持たせた無機設計なら、耐久性+追従性のバランス型に近づける 大きな構造変動や激しいクラックには弾性塗料の方が有利なケースもある 比較検討時には、次の要素を基準にすると良いでしょう: 予算とコスト許容範囲 建物の立地環境(紫外線量・塩害・風雨など) 施工業者の技術力・無機ハイブリッド塗料経験 既存塗膜・下地の劣化状態・補修必要性 色・艶・意匠要求 保証制度・メンテナンスプラン 実地施工例・劣化実績の確認 採用時チェックポイント・施工注意 実際にラグゼMUKIトップを採用する際には、以下の点を施工契約前・施工中に必ずチェックしておくとトラブルを防ぎやすくなります。 施工業者の実績・技術力確認 - ラグゼMUKIシリーズ(または無機有機ハイブリッド塗料)の施工経験があるかどうか。 - 仕様の理解度(ラジカル制御・膜厚管理・塗布間隔など)を確認する。 下地調査と補修徹底 - 旧塗膜の浮き・剥離・ひび割れ・汚れ残り・吸込みムラなどを事前に精査。 - 必要な補修作業(シーリング打ち替え・クラック補修・下地整正など)を適切に行う。 膜厚遵守・重ね塗り仕様の順守 - メーカー仕様どおりの塗布量(0.12~0.14 kg/m²/回など)・膜厚を確保する。 - 上塗り 2 回、適切な塗り重ね間隔(2時間以上、23℃条件など)を守る。kansai.co.jp+2関西アセット+2 色・艶・調色可否確認 - 標準色以外を希望する場合は、調色可否・追加コストの有無を事前に業者/関西ペイントに確認。 - 艶有り・5分艶・3分艶など艶仕様の選択が性能に与える影響を理解しておく。 保証・点検・メンテナンスプラン確認 - メーカー保証・施工保証の内容(期間・範囲)を契約書で明確にしておく。 - 定期点検スケジュール・軽微補修・汚れ除去(洗浄)プランを業者と合意しておく。 環境条件・施工時期の配慮 - 気温・湿度・天候条件を施工に適した日程に設定する(湿度高すぎ・低すぎは品質悪化リスクあり)。 - 紫外線強度・風雨影響・塩害地域かどうか・日当たり条件など環境要因を事前に把握しておく。 施工後初期点検・フォロー体制 - 塗装完了後の早期点検(ひび割れ・ムラ・剥がれなど)を必ず実施。 - 将来的な定期点検体制を構築し、早期異常を発見できる仕組みを作っておく。 まとめ:ラグゼMUKIトップはどのような建物に向くか? ラグゼMUKIトップ(および MUKI シリーズ)は、高耐候性+低汚染性+柔軟性を兼ね備えたハイブリッド無機有機塗料 として設計されており、外壁塗装における 長寿命化・美観維持性の向上 を強く意図している塗料です。 以下のような建物・条件で採用を検討する価値が高いでしょう: 紫外線・酸性雨などの劣化ストレスが強い地域(直射日光が強い、風雨負荷が高い等) 汚れ・黒ずみ・雨筋汚れに悩む建物、また見た目の維持が重要な建物 建物の動き・クラック発生リスクをある程度抱える構造(揺れ・温度変動など) 既存塗膜が比較的健全で、下地補修で再生可能な条件 水性仕様を好む、または溶剤臭低減が望ましい環境(住宅密集地、居住中施工など) ただし、性能を最大限引き出すには、施工精度・下地補修・仕様遵守 が不可欠です。初期コスト・色・艶制約・実績変動リスクなどを見据えた上で、信頼できる施工業者と仕様確認を綿密に行うことが成功の鍵になります。   ⑪プライムPro無機シリーズ(関西ペイントリフォームサミット専用) プライムPro無機シリーズとは?(概要・仕様の特徴) まず、製品の公表仕様・訴求点を整理しておきます。 項目 公表内容・訴求点 製品カテゴリ 無機有機ハイブリッド型塗料(上塗り用) 関西ペイント+1 耐用年数 公式に「17〜20年」の耐用年数が示されている 関西ペイント 艶選択 艶有り、7分艶、5分艶、3分艶など複数の艶度選択が可能 関西ペイント 主な性能訴求 耐候性、低汚染性、防かび・防藻性、弾力性、付着性、低臭気 関西ペイント 会員制・限定性 この製品は「プラチナ会員限定製品」として扱われており、取り扱い業者が限定されるという説明あり 関西ペイント+1 競合との位置づけ 塗料紹介サイトでは「RSプライムプロ無機」が無機塗料のおすすめ塗料として挙げられている例もある 南大阪ペイントセンター これらを前提に、メリット・注意点を以下に示します。 メリット(強み・選ぶ利点) プライムPro無機シリーズを外壁塗装に採用することで得られる主な強み・利点は以下の通りです。 高耐候性・長寿命化 - 無機有機ハイブリッド構造により、無機成分の耐久性(紫外線・酸化耐性など)を活かしつつ、有機成分で柔軟性を補強している設計。これにより、劣化が進みにくく、長期間安定した性能維持が期待できます。 株式会社リペイント+1 - 17〜20年という耐用年数帯を掲げており、他の一般グレード塗料に比べて長期耐久性を訴求できる点。 関西ペイント 低汚染性・セルフクリーニング性 - 汚れの付着を抑える構造、親水性機能などをもたせる設計が想定されており、雨で汚れを流し落とす効果(セルフクリーニング性)を期待できるという説明が、紹介サイトにあります。 株式会社リペイント+1 - 都市部・交通量多地域・埃や排ガスが多い地域など、汚れストレスが高い環境ではこの性能が特にメリットになるでしょう. 防かび・防藻性 - 湿気の多い側壁面や日陰面において、かび・藻の発生抑制性が訴求性能として挙げられています。公式説明にも「防かび・防藻性」が明記されています。 関西ペイント - 見た目の美観維持に加え、衛生性・メンテナンス頻度抑制にもつながる可能性。 弾力性・付着性(密着性) - 弾力性を持たせるとされており、微細な建物の動きや変形に追従しやすい設計要素を含んでいるとの説明があります。 関西ペイント+1 - 付着性(下地との密着性能)を訴求点にしており、旧塗膜や多様な下地との相性確保を目指しているようです。 関西ペイント 艶調整・意匠性の自由度 - 艶有りから艶落とし(3分艶など)まで選べることが仕様に記載されており、意匠性・外観設計の自由度があります。 関西ペイント - 高性能塗料でありながら、このような意匠への対応性を持たせている点が差別化要因になりうる。 限定性・希少性による付加価値訴求 - 「プラチナ会員限定製品」として扱われ、取り扱い業者が限定されるという点から、提案時に“他と差別化できる高グレード商材”として使いやすさがあります。 関西ペイント+1 - 希少価値を訴求できることで、施主への付加価値提示が可能という点も営業上のメリットとなりえます. 中山コーティング 低臭気(工事時の配慮性) - 塗料紹介の仕様として「低臭気」が挙げられており、居住中・近隣環境を重視する改修工事での検討材料になります。 関西ペイント デメリット・注意点 高性能塗料であるがゆえに、以下のような注意点や制約も把握しておく必要があります。 高コスト(材料費・施工費) - 高耐候性や低汚染性、機能性を盛り込んだ設計のため、一般的な塗料(シリコン、ウレタン、一般フッ素など)と比べて材料単価は高くなることが予想されます。 - さらに、施工精度を要求されるため、下地補修・施工管理・仕様順守を丁寧に行う必要があり、施工費も上乗せがでやすい。 施工技術精度依存性 - 混合(主剤・硬化剤があるなら)、膜厚管理、塗布ムラ防止、塗り重ね間隔、乾燥時間、希釈比率、攪拌条件、気温・湿度管理などが性能発揮に直結するため、施工ミスが劣化を早めるリスクがあります。 - 特に、無機有機ハイブリッド設計であるため、過度に硬化または脆性化しないようなバランス制御が肝要です。 取扱業者限定ゆえの選択肢制限 - 「プラチナ会員限定製品」である点から、全ての塗装業者が取り扱っているわけではない可能性があります。塗装業者の選定自由度が制限されることがあり得ます。 関西ペイント+1 - 扱える施工店が限定されることによって、見積り競争力や選択肢の幅が狭くなるリスクがあります。 耐用年数・寿命期待のあいまいさ - 公式に掲げられた「17〜20年」は、設計値・促進試験値に近い想定値であり、実使用環境(紫外線量、降雨量、風風、塩害、気温変化、維持管理状況など)によって実効寿命は変動します。 - 過度に長寿命を期待しすぎると、メンテナンス計画に甘さが出るリスクがあります。 膜厚・重ね塗り仕様の順守が必須 - 上塗り2回仕様・各回の塗布量と膜厚をきちんと守らなければ、ムラ・薄膜部の早期劣化につながるリスクがあります。 - 吸込みムラ、隅部・凹部・複雑形状部位での塗り残しなどが耐久性を損なう主因になりやすい。 色・艶・調色制限の可能性 - 標準色数は限定されており、特殊色・極端な艶消し仕様には制約や追加コストが発生する可能性があります。 関西ペイント - 意匠性重視で特殊色を望む場合には、事前の調色可否確認が必須です。 実績データ・長期劣化事例の限定性 - 新ブランド商材ゆえ、20年以上・30年以上経過後の実地劣化事例が十分公表されていない可能性があります。 - 気候条件差(高温多湿、塩害地域、寒暖差大地域など)での耐久性変動を見極めるため、地域施工実績を確認しておくことが望ましい。 他塗料との比較視点・使い分け判断 プライムPro無機シリーズを他の塗料(シリコン・フッ素・他無機・ハイブリッド)と比較検討する際、有効となる観点は次のとおりです。 比較対象 プライムPro無機の優位性 注意/差別化点 一般シリコン塗料 耐候性・低汚染性・長寿命性で明らかに性能優位性を出せる コスト差・施工技術差がより顕著に出やすい フッ素塗料 無機混合設計+機能性技術(例:ラジカル制御)で、フッ素と比較して劣化抑制性を訴求可能 フッ素塗料の長年の実績・信頼性は厚く、選び手にとって安心材料となる点 他無機/ハイブリッド塗料 「高耐候・低汚染・弾力性・意匠性」を一体化した性能セットで差別化可能 他製品との促進劣化試験データ・実使用劣化データでの比較検証が重要 弾性塗料 / 可撓性重視塗料 弾性性を持たせつつ無機耐性も取り込むバランス型として選べる可能性 大きな構造変動や大きなクラックには、より高弾性塗料の方が有利な場合あり 選ぶ判断基準としては、次の要素が重要になります: 住まいが置かれている立地環境(紫外線量、風雨量、塩害地域など) 予算余力と塗装コスト許容度 施工業者の技術力・無機ハイブリッド塗料の施工経験 既存塗膜・下地の劣化状態・補修必要性 色・艶・デザイン要求 保証・アフターサポート体制 実地施工例・劣化事例を確認できるか 採用時チェックポイント・施工注意リスト プライムPro無機シリーズを外壁塗装で導入する際、失敗や性能劣化を防ぐために以下ポイントをチェックしておくとよいでしょう: 施工業者の実績・認定対応か確認 - この製品は「プラチナ会員限定製品」であるため、取り扱い可能な業者が限定されている可能性あり。 関西ペイント+1 - 混合・施工条件・膜厚管理・仕様遵守力がある業者かどうかを確認。 下地調査および補修の入念さ - 旧塗膜の浮き・剥離・クラック・吸込みムラ・汚れ残りなどを丁寧に診断・補修 - ひび割れ補修・シーリング打ち替え・下地整正などを適切に行う。 膜厚遵守・重ね塗り仕様の順守 - 各回の塗布量・膜厚を仕様通り確保する。 - 上塗り2回や塗り重ねインターバル時間・乾燥時間などをきちんと守る。 色・艶・調色可否の確認 - 希望の色・艶がこのシリーズで対応可能か、追加コストが出るかを事前に確認。 - 艶消し仕様を希望する場合、性能影響(低汚染性・耐久性など)を業者・関西ペイントに確認。 保証・点検・メンテナンス条件を明確化 - メーカー保証・施工保証の内容・期間を契約前に明記してもらう。 - 定期点検・軽度補修・汚れ洗浄スケジュールを施工契約前に共有しておく。 施工環境条件への配慮 - 気温・湿度・天候を見て、乾燥や塗布適正環境を選定 - 施工時の臭気・換気条件なども考慮(低臭気仕様とはいえ環境条件が影響する)。 施工後初期点検およびフォロー体制 - 塗装後、早期に点検(ひび・剥がれ・ムラなど)を必ず実施。 - 長期的な定期点検体制を構築し、異常を早期に発見できる体制を確保。 まとめ:プライムPro無機シリーズは選ぶ価値があるか? プライムPro無機シリーズ(関西ペイント)は、無機有機ハイブリッド構造+高機能付与設計 を掲げた上塗り用商材として、外壁塗装において性能訴求力を持つ塗料です。特に、次のようなニーズ・条件を持つ建物には向く可能性が高いです: 汚れ・色あせが気になりやすい環境(交通量多・埃/排ガス多地域など) 長期間にわたって外観を維持したい住宅 微細なひび割れが出やすい構造を持つ建物 意匠性・艶感へのこだわりがあり、艶選択肢を求めたいケース 取り扱い業者が限定された高グレード塗料を提案要素として活用したい場面 ただし、その性能を実際に発揮させるには 施工品質・下地補修・仕様順守・業者選定 などが非常に重要です。初期コスト・取扱制限・長寿命期待リスクなども考慮の上で、信頼できる施工会社と仕様確認をしっかり行うことが成功の鍵となります。   ⑫超低汚染プラチナリファイン2000IR 超低汚染プラチナリファイン2000IR(Si‑IR/MF‑IR 型)の概要・仕様ポイント まず、この塗料の公表仕様や訴求点を押さえます。これがメリット・デメリットの基礎になります。 製品名例:超低汚染プラチナリファイン2000Si‑IR がアステックの外壁用ラインナップに含まれます。建築用塗料メーカーのアステックペイント+2外壁塗装・屋根塗装|石井建装(プロタイムズ取手店・我孫子店・つくば学園店)+2 特徴として、業界最高水準の「汚れにくさ(超低汚染性)」を実現することを強く打ち出しています。建築用塗料メーカーのアステックペイント 期待耐用年数として、16〜19年相当 を標榜。建築用塗料メーカーのアステックペイント+2プロタイムズ鹿児島中央店+2 主な性能訴求:高耐候性、超低汚染性、防カビ・防藻性、遮熱(保持)性。建築用塗料メーカーのアステックペイント 技術要素として、無機成分を豊富に配合し、劣化要因 “ラジカル” を抑制する技術(ラジカル制御顔料・HALS 混入)を導入していることを明示。建築用塗料メーカーのアステックペイント+2プロタイムズ鹿児島中央店+2 親水性・緻密性、塗膜の強靱性を訴求し、汚れ定着を抑える構造を目指している。建築用塗料メーカーのアステックペイント+2越谷市で外壁塗装・屋根塗装ならジャパンテックへ+2 遮熱性能も持たせた仕様として、特殊遮熱無機顔料使用により近赤外線反射性を付与している旨が記載。建築用塗料メーカーのアステックペイント+1 扱うには、認定施工店のみ取扱可能 という条件があるとの記載も複数の業者紹介に見られます。プロタイムズ蓮田店(リノデクション)+2建築用塗料メーカーのアステックペイント+2 これらを元に、メリット・デメリットを具体的に見ていきます。 メリット(外壁塗装で選ぶ強み・利点) 超低汚染プラチナリファイン2000IR(Si‑IR など)を採用することで得られる利点は多岐にわたります。 以下が主なメリットです: 高耐候性・寿命延長性  - 促進耐候性試験(キセノンランプ式)で、経過後も 光沢保持率 80%以上 を維持できる設計とされており、長期間にわたって劣化が進みにくいことを目指しています。建築用塗料メーカーのアステックペイント - 通常のシリコン塗料の寿命が 8〜15年程度とされるなか、16〜19年という耐用年数を謳うことで、比較的長期の保護性を提供する可能性があります。kawayoukensou.com+2建築用塗料メーカーのアステックペイント+2 超低汚染性・美観維持  - 無機成分を豊富に配合し、緻密な塗膜を形成することで汚れの浸透・付着を防ぐ構造。建築用塗料メーカーのアステックペイント+2プロタイムズ鹿児島中央店+2 - 親水性を持たせており、雨水が汚れの間に入り込み、自然な洗浄作用を促す「セルフクリーニング」効果を狙っている設計。建築用塗料メーカーのアステックペイント+2越谷市で外壁塗装・屋根塗装ならジャパンテックへ+2 - 汚れにくいため、目立ちにくい色を選びやすい、またメンテナンス負担を低くできるという実務メリットもよく紹介されています。プロタイムズ蓮田店(リノデクション)+2プロタイムズ鹿児島中央店+2 防カビ・防藻性  - JIS 規格等のかび抵抗性試験をクリアした防カビ・防藻性能を標準で備えており、湿気多湿面・日陰面での劣化リスクを抑制する効果が期待されます。建築用塗料メーカーのアステックペイント+1 遮熱性・遮熱保持性  - 特殊遮熱無機顔料を採用し、近赤外線反射性能を持たせることで、塗膜表面温度の上昇を抑える設計がなされています。建築用塗料メーカーのアステックペイント - また、遮熱性能を長期間維持することを目的とした「遮熱保持性」も訴求されています。建築用塗料メーカーのアステックペイント - 外壁の温度上昇抑制は、室内温度の上昇抑制・冷暖房効率向上にもつながる可能性を持ちます。 差別化・ブランド価値訴求  - “超低汚染” “プラチナ” “2000” といった名称訴求力があり、提案段階で付加価値感を出しやすい製品です。 - ただし扱えるのは 認定施工店のみ という制限があり、プレミアム性・信頼性のアピール材料にもなり得ます。プロタイムズ蓮田店(リノデクション)+1 長期メンテナンスコストの抑制  - 汚れにくさ・耐候性に優れるため、頻繁な洗浄や再塗装を抑えることができれば、長期的な維持コストの削減効果が見込まれます。 - 特に都市部・交通量多地域での外壁汚染対策として効果が相対的に高いという業者解説もあります。プロタイムズ蓮田店(リノデクション)+1 デメリット・注意点 高機能ゆえに、選定・施工時には以下のようなデメリット・リスクも考慮すべきです。 初期コスト・材料費の高さ  - 高機能性(無機成分・遮熱顔料・ラジカル制御技術など)を込めている設計であるため、一般的な塗料に比べて材料費は高めになる可能性があります。 - 施工精度や下地補修が求められるため、施工費用も上積みになることがあります。 施工技術・管理力依存性  - 混合比、膜厚管理、乾燥時間、塗り重ね間隔、希釈比・攪拌条件、気温・湿度管理など、施工の細かな管理が性能発揮に直結する設計です。 - 認定施工店制度を採用している理由も、技術力を統制するためであり、施工ミスが性能低下を招くリスクを軽減するためです。プロタイムズ蓮田店(リノデクション) 寿命期待過剰リスク  - 16〜19年という耐用年数はあくまで促進試験ベースの設計値であり、自然曝露条件下では下地・立地・維持管理状態などにより耐久性が大きく変わります。 - 過剰な期待をしてしまうと、メンテナンス計画が甘くなり、局所的に早期劣化を起こすこともあります。 取扱店・施工店限定性  - 認定施工店でなければ取扱不能という制約があるため、施工業者の選択肢が限定されるリスクがあります。プロタイムズ蓮田店(リノデクション)+1 - 見積り競争力・業者対応の幅という点で制約を受ける可能性があります。 色・艶・調色制限  - 高機能塗料設計のため、特殊色・極端な艶落とし(マット系)などには制限や追加コストが出る可能性です。 - 艶選択が性能に与える影響(低汚染性・光沢維持性など)も確認が必要です。 膜厚・重ね塗り仕様の遵守が不可欠  - 規定膜厚を確保し、上塗り回数・インターバル時間・乾燥仕様を正しく守る必要があります。これを逸脱すると性能低下リスクが高まります。 - 吸込みムラ・塗り残し・隅部・凹部での薄膜化などは、長寿命性能を揺るがす主因となります。 他塗料との比較視点・選び分けの観点 超低汚染プラチナリファイン2000IR を他の塗料(シリコン、フッ素、無機ハイブリッドなど)と比較検討する際に有益な視点を以下に示します。 比較対象 優位性(プラチナリファイン側) 注意/差異点 一般シリコン塗料 より高い耐候性・超低汚染性・遮熱性を持たせる点で差別化できる コスト差と施工精度差で成果にバラツキが出やすい 高級フッ素塗料 無機要素・ラジカル制御・遮熱性等を併せ持たせた設計で、フッ素に対抗できる性能訴求力がある 実地耐久データ・ブランド信頼性でフッ素系塗料が優位な事案もある 他無機ハイブリッド系塗料 汚染抑制・耐候性・遮熱性を併せ持つバランス型として差別化できる 他製品との耐候性比較データ/価格競争力を検討する必要あり 弾性型・高伸縮型塗料 可とう性や伸縮性を加味した塗料ならば、微細クラック追従性重視型と組み合わせられる 大きな動きや構造変形部には弾性重視塗料の方が向く場合がある 比較検討時には、次の要素を重視して判断するとよいでしょう: 建物立地環境(紫外線強度・汚染負荷・風雨・湿度・塩害地域など) 予算・初期コスト vs 長期維持コストのバランス 施工業者の技術力と認定施工店制度への対応力 下地状態・既存塗膜劣化度合い・補修必要性 色・艶・デザイン要望・調色可否 保証制度・アフターサポート体制 実地施工例・経過劣化事例の公開状況 採用時チェックポイント・施工注意リスト 超低汚染プラチナリファイン2000IR を採用・施工する際には、以下の点を確実にチェックしておくと、失敗リスクを軽減できます。 認定施工店かどうかの確認 - この塗料は認定施工店制度を採用しており、非認定店では扱えない場合があるため、施工業者が認定店であることを必ず確認する。プロタイムズ蓮田店(リノデクション)+1 - 認定要件・施工品質基準を満たしているか、見積り段階で仕様確認をする。 下地診断・補修の徹底 - 旧塗膜の浮き・剥離・クラック・吸込みムラ・汚れ残りを丁寧に調査・補修 - クラック補修・シーリング打ち替え・下地整正などの前処理をしっかり行う。 膜厚遵守・塗回数仕様順守 - 規定膜厚を確保し、上塗り回数・インターバル時間・乾燥条件を正しく守ること - 薄膜・ムラ・未塗り部を出さないよう注意。 色・艶・調色可否の確認 - 希望色・艶(艶有り・5分艶など)について、塗料仕様上可能か・追加費用が発生するかをあらかじめ確認。 - 艶を落とす仕様を取る場合、性能(耐候性・低汚染性など)への影響も把握しておく。 保証・点検・メンテナンス条件合意 - メーカー保証および施工保証の範囲・期間を契約書で明示してもらう - 定期点検・軽微補修・汚れ除去(洗浄)プランを事前に業者と合意しておく。 施工適正環境・時期の選定 - 気温・湿度・天候条件を見て施工時期を選定(乾燥しづらい時期は避ける) - 直射日光強すぎる時間帯や雨天予報日は避ける。 施工後初期点検およびフォロー体制 - 完工直後~初期段階で点検(クラック・剥がれ・ムラなど)を実施 - 定期点検スケジュールを構築し、異常早期発見できる体制を担保。 まとめ:超低汚染プラチナリファイン2000IRを選ぶ価値は? 結論として、超低汚染プラチナリファイン2000IR(Si‑IR や MF‑IR 型を含む) は、外壁に対して次のようなニーズ・条件を持つ建物にとって非常に有力な選択肢になり得ます: 汚れ・黒ずみ・雨筋汚れが目立ちやすい立地(交通量多、小道沿い、粉塵多い地域など) 長期にわたって外観を保ちたい住宅・建物 紫外線影響・風雨影響が強い地域 認定施工店制度を活用できる信頼施工体制が確立されている環境 遮熱性・断熱性も併せて向上させたい設計条件 ただし、この塗料の性能を最大限引き出すには、施工技術・下地補修・仕様順守 が極めて重要であり、初期コスト上昇、施工店限定性、色・艶制約、耐用年数期待リスクなどを事前に見据えて業者と仕様確認を緻密に行うことが成功の鍵となります。   ⑬プレマテックスの無機塗料 プレマテックスの無機塗料シリーズ(概要・主な製品) まず前提として、プレマテックス社とその無機系製品を簡単に紹介します。 プレマテックス株式会社は、建築用塗料を設計・製造する企業で、無機塗料を中心とした製品群をラインナップしています。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー 公式サイトの製品一覧には、「無機塗料」「無機系上塗材」などが掲載されています。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー その中で「グランデ無機(GRANDE Muki)」という製品が、“水溶性2液溶剤型ハイグレード無機塗料” として紹介されており、以下のような特長が挙げられています。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー  • 超耐候性:ガラスと同じ珪石(石英)を原料とする合成樹脂を使った複合架橋反応設計で、無機塗料の高耐久性能を高めている。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー  • 高付着性:特殊エポキシ架橋剤と無機成分の相乗効果により、2液油性塗料並みの密着性を実現するとされている。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー  • 超低汚染性:親水性塗膜・緻密性設計などで汚れの付着を抑制し、雨で洗い流しやすくする構造を意図している。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー  • 透湿性:強靱な塗膜性能とともに、適度な透湿性を持たせる仕様。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー  • 可とう性(追従性):硬化剤設計により、塗膜に柔軟性を持たせ、基材の動きへの追従性を確保する設計。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー  • 環境性:環境負荷の高い有機化合物を使用せず、水溶性溶剤+水を溶媒とすることで低VOC設計を目指している。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー また、プレマテックスは「無機有機ハイブリッド EPO(塗料)」といった仕様の製品を改良・販売する動きも見られ、「難付着外壁にも強い付着性・浸透性」などの訴求をしている例が存在します。レオ・シールド 他にも、プレマテックスの代表的な製品群には「タテイルシリーズ」「ケイセラ」など、無機・ハイブリッド塗料が挙げられており、これらは耐候性・低汚染性・高靭性などを特長として扱われています。高松市で外壁塗装・屋根修理・雨漏り修理なら『絆』+1 これらを前提に、プレマテックスの無機塗料を選ぶメリット・デメリットを整理します。 メリット 以下は、外壁塗装においてプレマテックス(プレンテックス誤記と思われる)の無機塗料を採用することで得られる利点です。 超耐候性・長寿命性  - グランデ無機などの仕様では「超耐候性」をセールスポイントとして掲げ、合成樹脂と無機成分の複合架橋設計により、紫外線・雨風・気候変動等による劣化を抑えようとしている。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー - 長期間にわたって外壁表面を維持できれば、塗り替え頻度を抑制し、長期コストを低減できる可能性。 高付着性・密着性  - 特殊なエポキシ架橋剤と無機成分を組み合わせることで、2液油性塗料に匹敵する付着力を目指しているとされています。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー - 特に「難付着外壁」や旧塗膜が残るような条件でも密着を確保できる可能性を持つ設計(無機有機ハイブリッドEPO方式など)も訴求されている。レオ・シールド 超低汚染性・美観維持  - 緻密な塗膜+親水技術により汚れ付着を抑制、そして雨水で汚れを洗い流すセルフクリーニング効果を発揮する設計とされています。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー - また、カビ・藻の抑制性も特長として掲げられており、湿気多湿な面での劣化予防に有利。 透湿性と可とう性の両立  - 強靱な塗膜を保持しつつ、適度な透湿性(湿気逃がし性)を持たせており、内部結露や壁体内部の湿気抜けをある程度確保する設計要素が挙げられています。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー - また、可とう性(柔軟性)を持たせた塗膜設計で、建物の温度変化・収縮膨張や小振動に追従しやすくする設計が含まれていると主張されています。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー 環境性・低VOC対応  - 無機塗料でありながら、水溶性溶剤+水を溶媒に用いる設計を採用しており、環境負荷の高い有機溶剤を用いない点を訴求。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー - これにより、施工時の揮発性有機化合物(VOC)排出を抑え、近隣・居住環境への配慮を強調できる点もメリットになるでしょう。 美しい仕上がり・高光沢性  - 製品説明によれば、水溶性溶剤の造膜特性を活用し、高い光沢とレベリング性(塗膜の平滑さ)を実現する設計という訴求があります。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー - 視覚的な付加価値を重視する施工・提案案件で強みになり得ます。 差別化・ブランド訴求性  - 他社無機塗料との差別化要素として、「最強無機」「超低汚染」「高密着性」などのキャッチコピーを用いやすく、提案性のある上位グレード塗料として扱える。 - また、施工店側でも「プレマテックス無機塗料を使える」「認定施工店化できる」といったブランディング効果を狙える可能性があります。 デメリット・注意点 高機能を備えた塗料であっても、以下のような制約・リスクを理解しておくことが重要です。 初期コストが高め  - 高耐候・低汚染・高密着性といった機能を盛り込む設計という性質上、材料コストがかなり上がる可能性があります。 - また、施工管理・下地補修・仕様順守を丁寧に行う必要があるため、施工費も上乗せになることが予想されます。 施工精度・仕様遵守が極めて重要  - 混合比(主材+硬化剤等)、塗布膜厚、乾燥時間、塗り重ねインターバル、希釈比率、気温・湿度など施工条件管理を厳密に行わなければ、期待性能が発揮できない可能性があります。 - 特に無機塗料や高機能ハイブリッド塗料は「設計通り施工できる職人力・管理体制」が性能の差を決めやすいため、この点を甘く見ると失敗リスクが高くなります。 色・艶・調色制限  - 高性能無機系設計であるため、極端な原色や蛍光色、強い艶消し仕様などには調色上の制約・追加コストが生じる可能性があります。 - 特に艶を落とした仕様(マット系等)を多用すると、性能面(低汚染性・耐候性など)に影響を及ぼすこともありうるため注意が必要です。 過度な寿命期待リスク  - 製品説明では「期待耐用年数 30年超え」などの宣言がなされており、これはあくまで設計上または促進試験上の値であり、実使用環境(紫外線強度・風雨・気候・建物形状・維持管理状態など)によって劣化速度は大きく変動します。プレマテックス株式会社|建築用塗料メーカー - また、施工不良・下地劣化・膜厚不足・ムラなどが存在すると、局所的な劣化進行が早まり、寿命低下を招くリスクがあります. 膜厚設計・多重塗り仕様順守が必須  - 規定の膜厚を確保し、複数回塗り重ね仕様や間隔・乾燥時間を厳守しなければ、性能ばらつき・耐久性低下のリスクがあります。 - 吸込みムラ、塗り残し、隅部・凹部での薄膜化などは長寿命無機塗料にとって致命的となる可能性が高い。 実績・長期劣化データの限定性  - 高機能無機塗料は技術進化が速く、長年(20年以上・30年以上経過後)の実地劣化データが十分公開されていない可能性があります。 - 地域差(紫外線・風雨量・湿度・塩害地域など)での耐久性変動を確認しておくことが望ましいです。 他塗料との比較視点・選定判断基準 プレマテックスの無機塗料を他の塗料と比較する際、有効な判断観点は次の通りです。 比較対象 プレマテックス無機塗料の優位性 注意すべき差異点 従来シリコン・ウレタン系塗料 耐候性・低汚染性・長寿命性で明確に優位になりうる コスト差が大きく、施工精度が成果に直結しやすい フッ素系塗料 無機構成+高性能技術で「超耐候性」を訴求可能 フッ素塗料の実績・信頼性が依然として強い選択肢である 他無機/ハイブリッド塗料 高機能性設計・差別化性能(高付着性・低汚染・可とう性など)で差別化できる 他製品との促進耐候試験比較やコスト比較を慎重に行うべき 弾性系塗料 可とう性を持たせつつ無機特性を活かすバランス型として提案可能 大きな構造変動やクラック発生が頻発する構造では、より弾性重視塗料の方が優位になることもある 判断時には、以下の要素を意識して検討するとよいでしょう: 建物の環境条件(紫外線強度・降雨・風雨負荷・湿度・塩害地域など) 予算許容度と長期維持費とのバランス 施工業者の無機塗料施工経験および技術力 下地の劣化状況、補修必要性 色・艶・意匠要求および調色可否 保証体制・アフターサポートの内容 実地施工例・長期劣化事例の確認可能性 採用時チェックポイント・施工注意リスト プレマテックスの無機塗料を外壁塗装に採用する際、性能を最大限引き出すために以下の点を施工契約前後・施工中に注意してチェックすることをおすすめします。 施工業者の無機塗料施工実績・技術力確認 - グランデ無機やタテイルシリーズなど、プレマテックス無機製品での施工実績がある業者かどうか。 - 混合・膜厚管理・乾燥管理・仕様遵守力があるかどうかを事前に確認。 下地調査・補修を丁寧に行う - 旧塗膜の浮き・剥離・クラック・吸込みムラ・汚れ残りなどを丁寧に診断・補修。 - クラック補修・シーリング打ち替え・下地整正などを適切に実施。 膜厚遵守・塗回数仕様順守 - 規定膜厚を確保し、複数回重ね塗り仕様を守ること。 - 塗り重ねインターバル時間・乾燥時間をきちんと遵守。 色・艶・調色可否確認 - 希望色・艶がその無機塗料で調色可能か確認。 - 艶消し仕様を採用する場合、性能への影響を業者・メーカーに確認しておく。 保証制度・点検プランを明確にしておく - メーカー保証・施工保証の範囲・期間を契約書で明確化。 - 定期点検・軽微補修・汚れ除去洗浄スケジュールを施工前に業者と合意。 施工適正環境・天候条件を選定 - 気温・湿度・天候条件を施工に適したタイミングに設定。 - 直射日光強い時間帯や雨予報日は避ける。 初期点検およびフォロー体制 - 施工後早期点検(クラック・剥がれ・ムラなど)を行う。 - 将来的な定期点検体制を構築し、早期劣化を発見できる体制を整備。 まとめ:プレマテックスの無機塗料を選ぶ価値と向く建物条件 まとめると、プレマテックス(プレンテックス誤記と仮定)の無機/無機ハイブリッド塗料は、超耐候性・高付着性・低汚染性・可とう性・環境性 などを兼ね備えた上位グレード塗料として、特に以下のような建物・用途条件に適性があります: 汚れ・色あせ・劣化進行が早い立地(強紫外線地域・風雨負荷地域など) 建物構造上、小さなクラックが発生しやすい、または振動・温度変動がある構造 建物外観を長期間きれいに保ちたい住宅・施設 環境性(低VOC・近隣配慮)を重視する案件 高意匠性・光沢感を重視する仕上げを希望する案件 ただし、これらの性能を実際に得るには、施工技術・下地補修・仕様順守 が極めて重要であり、コスト・色制約・寿命期待リスク・実績データの限界といった要素も事前に把握しておく必要があります。   ⑭スーパーウレアコート(KFケミカル) スーパーウレアコートとは?(製品概要・技術特性) まずこの塗料の概要と、他塗料と異なる技術的な特徴を整理します。 製品名:KFケミカルの「KFスーパーウレアコート(Super Urea Coat)」というウレア系塗料。公式に “超高耐候性・防水性・高透明性” を特徴とする外壁用塗料として紹介されています。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+2KF Chemical Partners Association+2 期待耐用年数:30年相当を目指す設計との説明あり。 四葉建装+3株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+3フォーグッド株式会社+3 構成・材料特性:  • ポリウレア樹脂を使った強靭な塗膜設計。外壁用としての応用を可能にした変性設計。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+2KF Chemical Partners Association+2  • 1液タイプ(湿気硬化型)としての設計がなされており、施工時の混合ミスリスクを軽減するという説明。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+2KF Chemical Partners Association+2  • 高透明性を持たせており、塗布後も色調変化を抑えるという特長をうたっている。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+2スキザキ塗装+2  • 塗り漏れ防止機能:蛍光顔料を混入し、ブラックライトで塗り残しが検知できる仕様が紹介されています。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社  • 強度・柔軟性:ひび割れ・剥離を防ぐホールド力、伸び率・引張強度の性能を確保する設計が説明されています。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+1  • 防水性・耐薬品性・耐摩耗性・耐熱性なども性能訴求要素として掲げられています。 アトトソウ+2株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+2 施工仕様例:  • 塗布量:0.15~0.18 kg/㎡/回(標準仕様) 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社  • 塗回数:3回(下塗+中塗+上塗)で完工を目指す例が紹介されています。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社  • 下塗り/中塗/上塗の乾燥間隔・温度条件など仕様指示あり。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社 これらを前提に、メリット・デメリットを整理していきます。 メリット(スーパーウレアコートを外壁に使う強み) この塗料を外壁用として採用することで得られる主な利点は以下の通りです。 非常に高い耐候性・長寿命への期待  - 促進耐候性試験として SUV1600 時間(30年相当と扱う条件)をクリアしたという記録が紹介されており、長期的な耐候性を目指す設計とされています。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+2スキザキ塗装+2 - 無機塗料を超える “新ハイグレードウレア塗料” として訴求され、「無機をも超える耐候性」という表現も使われています。 スキザキ塗装 防水性・耐薬品性・耐摩耗性など複数性能の両立  - ポリウレア樹脂の特性を活かし、防水性・耐薬品性・耐摩耗性・耐熱性といった複数物性を強化しているという説明がなされています。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+2KF Chemical Partners Association+2 - 外壁は風雨・飛散物・紫外線等にさらされるため、これらの耐性が高いほど劣化進行を抑えやすくなります。 高透明性・色調変化抑制  - 非常に透明性の高い塗膜設計(塗布しても見た目の差がほとんど出ない)という説明が見られます。 株式会社ミヤケン+2スキザキ塗装+2 - これによって、色味を変えたくない既存の素材・アクセント色などをそのまま生かしやすいという利点があります。 塗り漏れ防止機能  - 蛍光顔料を配合しており、ブラックライト照射で塗り残し部位を可視化できる仕様が紹介されています。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社 - これにより施工時の塗り忘れやムラのリスクを抑制し、品質安定性を高めることが狙われています。 施工性向上(1 液タイプによる簡便性)  - 1 液湿気硬化型設計で、混合ミスリスクを低減できるという説明がなされています。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+1 - 2 液型塗料に比べて管理負担が軽く、施工ミスを減らしやすいという利点があります。 ひび割れ抑制・高強度保持  - 塗膜の柔軟性・伸び率を確保しており、シーリング上やクラック発生部位への追従性が向上する可能性が示唆されています。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+1 - 強靭なホールド力で、剥離・剥がれに対して強い設計とされている点もアピール要素。 株式会社シモダ | 塗料・接着剤・塗装資材の総合商社+2京都ペイント販売+2 差別化訴求力  - 「ウレア塗料」「30年耐久」「透明性」「塗り漏れ防止」など、他社との差別化要素が多く含まれており、上位提案材料として使いやすいという営業メリットがあります。 - 高機能材料として訴求性が高く、付加価値を出しやすい素材です。 デメリット・注意点(採用・施工時に気をつけたい点) 高性能ゆえに、導入時には以下の制約やリスクも把握しておく必要があります。 初期コストの上昇  - 高機能設計(ウレア樹脂、高透明性、塗り漏れ防止機能等)を盛り込んだ塗料ゆえ、材料単価が一般的な高性能塗料より高くなる可能性が高い。 - また、施工精度・下地補修・仕様順守を徹底する必要があるため、施工費も上乗せされやすい。 施工管理・品質制御の重要性  - 特に 1 液湿気硬化型設計であるとはいえ、膜厚管理、乾燥条件、塗り重ね間隔、換気管理、下地含水率管理などが非常に重要で、これを怠ると期待性能が出ないリスクあり。 - 蛍光顔料を使った塗り残しチェックは便利ですが、それを前提とした施工管理設計が必要。 寿命期待過信リスク  - 「30年耐久」という表現はあくまで促進耐候試験や設計値ベースであり、実際の自然曝露環境(紫外線量・気候・建物形状・保守状態など)では劣化速度は大いに変動します。 - 過度な期待を抱くと、メンテナンス計画を甘く取るリスクがあります。 色・艶・調色制限  - 高透明性設計や特殊顔料混合仕様ゆえ、調色自由度が制限される可能性があります。 - 艶を落とす仕様(艶消しなど)を選ぶと、透明性や高機能設計に与える影響が出る可能性もあるため、仕様と意匠のバランスを考慮する必要があります。 施工可能業者の制限・経験要件  - 新しい高機能材料であることから、扱える施工業者が限られていたり、認定制度が設けられている可能性があります(性能を十分引き出せる施工体制を求めるため)。 - 施工経験・ノウハウが乏しい業者が使うと、期待性能に達しないケースが出やすい。 膜厚・重ね塗り仕様の順守必須  - 規定膜厚を確保し、重ね塗り回数・乾燥間隔・施工期間制約をきちんと守らなければ、ムラ・薄膜部・未塗部などが劣化を早める可能性。 - 吸込みムラ・塗装しづらい部位(隅・凹部等)の注意が必要。 他塗料との比較・使い分け視点 スーパーウレアコートを他の塗料(シリコン・フッ素・無機ハイブリッドなど)と比較検討する際、有効な観点は以下のとおりです。 比較対象 ウレア塗料側の優位性 注意すべき差異点 高性能シリコン/ラジカル制御型塗料 耐候性・透明性・強靭性で上回る可能性 コスト差・施工精度差で成果にばらつきが出る フッ素塗料 ウレア+高機能設計で、フッ素+α 訴求が可能 フッ素塗料の長期実績信頼性は根強く、比較材とすべき 他無機/ハイブリッド塗料 透明性・塗り漏れ防止や高屈曲性能などで差別化可能 他製品との促進耐候性比較・コスト比較は慎重に行うべき 弾性塗料系 可動部対応・大きな変形部には弾性重視塗料が有利な場面もある ウレアは高機能だが、劇的な構造変動には限界がある可能性もある 比較判断時には、以下要素を重視するとよいでしょう: 建物の環境条件(紫外線強度、風雨、塩害、湿度など) 予算・初期コスト vs 長期維持コストとのバランス 施工業者のウレア塗料・高性能塗料施工経験 下地や既存塗膜の状態・補修必要性 色・艶・意匠要求・調色可否 保証・アフターサポート制度 実施工例・経過劣化事例の確認可能性 採用時チェックポイント・施工注意 スーパーウレアコートを実際に選ぶなら、以下点を施工前後・施工中にチェックしておくと失敗リスクを減らしやすくなります。 施工業者の経験・技術力確認 - ウレア塗料施工経験がある業者かどうか。 - 混合・膜厚管理・仕様遵守・品質管理体制がしっかりしているか確認。 下地調査・補修の徹底 - 旧塗膜の浮き・剥離・クラック・吸込みムラ・汚れ残りを十分診断・補修。 - クラック補修、シーリング打ち替え、下地整正などを適切に実施。 膜厚遵守・重ね塗り仕様順守 - 規定の塗布量・膜厚を確実に守ること。 - 塗り重ね間隔・乾燥時間・温湿度条件を仕様どおり守る。 色・艶・調色可否確認 - 希望色・艶(艶有り・艶落ちなど)が仕様可能か事前に確認。 - 高透明性設計を活かした色維持性への影響も施工前に把握しておく。 保証・点検・メンテナンス計画の明確化 - メーカー保証・施工保証の期間・範囲を契約時に明記してもらう。 - 定期点検・軽微補修・洗浄プランなどを施工段階で決めておく。 施工時期・条件配慮 - 気温・湿度・天候条件を適切な時期に選んで施工(乾燥不良リスク回避)。 - 直射日光強すぎる時間帯や雨天リスク日を避ける。 初期点検およびフォロー体制構築 - 完工後早期点検(ムラ・剥離・クラックなど)を必ず実施。 - 長期的な定期点検体制を業者と構築し、異常早期発見できる体制を整える。 まとめ:スーパーウレアコートはどんな建物・環境に向くか? 総括すると、スーパーウレアコート(KFケミカル) は、非常に高機能なウレア樹脂塗料設計を採用した次世代型塗料であり、特に以下のような条件・ニーズを持つ建物に適する可能性があります: 汚れ・色あせ・劣化が目立ちやすい立地(強紫外線地域・風雨負荷地域・埃・飛来物多環境など) 長期間にわたって外壁美観を維持したい住宅・建物 透明性を重視する意匠設計(基調色を変えたくない、色を活かしたいなど) 高品質・高付加価値提案物件で差別化を意図する案件 信頼できる施工業者(施工管理能力が高いところ)が使える環境 ただし、この塗料の性能を最大限引き出すには、施工品質・下地補修・仕様厳守 が極めて重要です。また、初期コスト上昇、色/艶制約、寿命期待過信リスク、施工店の経験制限なども十分に把握したうえで、仕様設計・業者選定を行うことが成功の鍵となります。      

2025.09.23(Tue)

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用語集その④、作業編!!

①ケレン作業 ケレン作業(けれんさぎょう)とは、主に塗装工事や防水工事の前処理として行う「素地調整」の作業のことです。塗装やコーティングを施す前に、下地(鋼材、木材、コンクリート、旧塗膜など)のサビ・汚れ・旧塗膜・付着物などを除去して、塗料がしっかり密着できる状態にする目的で行われます。  ケレン作業の主な目的 塗料の密着性向上 塗る面に汚れやサビがあると塗料がうまく定着せず、早期剥離や膨れの原因になります。 下地の劣化防止 サビやカビを放置したまま塗装すると、見えない部分で腐食が進行します。 仕上がりの品質向上 表面を平滑にすることで、均一できれいな塗膜を実現できます。  ケレン作業の種類(等級) ケレンは目的や施工箇所に応じて「1種~4種」に分類されます。 等級 内容 具体的な作業内容 適用例 1種ケレン ブラスト処理 高圧の砂や鋼粒を吹き付けて全面除去 発電所・橋梁など重防食が必要な鉄構造物 2種ケレン 電動工具使用 グラインダーやディスクサンダーでサビ・旧塗膜除去 さびた鉄骨階段や鉄製手すりなど 3種ケレン 手工具併用 ワイヤーブラシ、皮スキなど手作業中心 軽度のサビやチョーキング除去 4種ケレン 清掃・洗浄中心 雑巾ふき、水洗いなど 汚れのみの外壁、塗り替え前の軽い下地処理  使用される道具 ワイヤーブラシ 皮スキ サンダー・グラインダー 高圧洗浄機 電動ディスクグラインダー ケミカル(薬剤)によるサビ除去剤 など  注意点 ケレン不足は施工不良の原因 特に鉄部塗装では、ケレンを怠ると数ヶ月でサビが再発することもあります。 音や粉塵が出るため周囲への配慮が必要 集合住宅や近隣がある場所では作業時間や養生の工夫が求められます。  外壁塗装におけるケレンの例 雨戸やシャッターボックスの旧塗膜除去 ベランダ手すりや鉄骨階段のサビ落とし 木部の古いニスや汚れの除去 まとめ ケレン作業は塗装工事の品質を左右する「最重要工程のひとつ」**です。見えない部分の手間を惜しまないことで、塗膜の持ちや仕上がりが格段に向上します。信頼できる業者かどうかは、ケレン作業の丁寧さで分かるとも言えるでしょう。   ②下地処理 外壁塗装における下地処理(したじしょり)**とは、塗装を行う前に外壁の表面状態を整え、塗料がしっかり密着し、長持ちするようにするための重要な工程です。単なる「掃除」や「準備」ではなく、仕上がりの美しさ・耐久性・防水性に直結する非常に重要な作業です。  下地処理の目的 塗料の密着性を高める 外壁の劣化・傷みを補修する 美しく均一な仕上がりを実現する 塗装後の早期剥がれや不具合を防止する  外壁塗装における主な下地処理工程 工程名 内容 使用する工具・資材 備考 高圧洗浄 汚れ・カビ・コケ・チョーキング粉などの除去 高圧洗浄機 必須工程。1日かかることも ケレン作業 サビや旧塗膜、付着物の除去 ワイヤーブラシ、皮スキ、グラインダー等 特に鉄部や木部に重要 クラック補修(ひび割れ補修) 外壁のひび割れを埋める コーキング材、樹脂モルタル等 幅や深さで補修方法が変わる シーリング(コーキング)打ち替え 目地部分の劣化したシーリング材の撤去・新設 カッター、シーリングガン等 窯業系サイディングなどで重要 パテ処理 小さな穴や段差を平らにする パテ材、ヘラ等 美観向上目的。主に下地調整 素地調整剤・フィラーの塗布 下地の吸い込み止め・微細な凹凸の補修 微弾性フィラー、サーフェーサー等 塗装の下塗りとは別の意味合い 養生 塗装しない箇所の保護 マスキングテープ、ビニールシート等 窓や植栽、玄関などに実施  下地別の処理ポイント モルタル外壁 → クラック補修が重要。浮き・爆裂がある場合は左官補修。 サイディング外壁 → シーリング(コーキング)の打ち替えが重要。反りや浮きのチェックも。 ALC外壁 → 専用のシーリング材で目地補修。吸水性が高いためフィラー処理が必須。 鉄部・付帯部(雨戸・水切りなど) → ケレン・錆止め塗装が必須。  下地処理を省略するとどうなる? 数年で塗膜が剥がれる 水の浸入による構造材の腐食 膨れ・浮き・ムラの発生 美観の劣化が早まる 保証対象外になる可能性も  まとめ 下地処理は、塗装の仕上がりを左右する「縁の下の力持ち」**です。表面がどれだけキレイに塗れていても、下地処理が不十分だと長持ちしません。特に外壁の状態が築10年以上経過している場合、下地処理の質=塗装の品質といっても過言ではありません。   ③ローラー塗り ローラー塗りとは、外壁塗装や屋根塗装などにおいて、塗料を「ローラー」と呼ばれる道具で塗布する施工方法です。塗装工事において最も一般的で、刷毛塗り(はけぬり)や吹き付け塗装と並ぶ代表的な塗装手段の一つです。  ローラー塗りとは? ローラー塗りは、「筒状のスポンジ(ローラー)」に塗料を含ませて、壁や屋根の表面に転がすようにして塗装する方法です。ムラが出にくく、均一な仕上がりが得られやすいため、多くの塗装業者が採用しています。  ローラーの種類と使い分け 種類 特徴 主な用途 ウールローラー(万能タイプ) 毛が長めで凹凸面にも対応 モルタル、サイディングなど一般外壁 短毛ローラー 平滑面向き。塗膜が薄めに仕上がる 鉄部、室内、ドアなど 中毛ローラー 汎用性が高く、広く使われる 外壁、屋根の下塗り〜中塗り 多孔質ローラー(砂骨ローラー) 塗膜を厚く付けられる特殊なローラー 微弾性フィラーの下塗りに使用 スモールローラー 幅が狭く、細かい場所にも対応 サッシ周りや細部の塗装に便利  ローラー塗りのメリット 飛散が少なく、近隣への配慮がしやすい → 吹き付け塗装に比べて、塗料が風で飛びにくい。 塗料のロスが少ない → 塗装面にしっかり密着させやすい。 仕上がりが安定して美しい → 均一な膜厚(塗膜の厚み)で塗りムラが出にくい。 狭い範囲や複雑な形状にも対応しやすい  ローラー塗りの注意点・デメリット 凹凸の深い面や細かい装飾には不向き → 刷毛や吹き付けとの併用が必要なことも。 手作業なので職人の技術差が出やすい → 適切な力加減、塗りスピード、塗布量が求められる。 施工時間が吹き付けより長くなる場合がある 外壁塗装でのローラー塗りの活用例 下塗り:フィラーやシーラーを均一に塗布 中塗り・上塗り:主剤塗料で耐候性や美観を確保 細部:スモールローラーや刷毛との併用で丁寧な仕上げ  まとめ ローラー塗りは、高品質な仕上がりと周囲への安全性を両立できる非常に優れた塗装方法です。特に住宅地や商業地などでの塗装に適しており、外壁塗装では「標準的かつ信頼性の高い施工方法」として広く用いられています。   ④刷毛塗り(はけぬり) 刷毛塗り(はけぬり)とは、塗装作業において「刷毛(はけ)」という道具を使って塗料を塗る、もっとも基本的で手作業による塗装方法のことです。ローラー塗りや吹き付け塗装と比べて、細かい作業や複雑な形状への対応力が非常に高いのが特徴です。  刷毛塗りとは? 「刷毛」とは、動物の毛や合成繊維などを束ねた塗装用の道具で、これに塗料を含ませて、塗る・伸ばす・なじませるといった繊細な作業を手作業で行う塗装技法です。主に細部・隅・入り組んだ箇所など、ローラーでは塗りにくい場所に使われます。 刷毛塗りのメリット 細かい部分に正確に塗れる → 窓枠まわり、配管の裏、入隅(角の内側)などに最適。 塗料の調整がしやすい → 濃度・量・伸びを職人の感覚で調整可能。 凹凸のある素材にも対応しやすい → 模様付きの外壁や木部などに向いている。 仕上がりが繊細で美しい → 熟練職人が丁寧に塗ることで、艶や質感が引き立つ。  刷毛塗りのデメリット・注意点 施工スピードが遅い → 広範囲をすべて刷毛で塗ると時間がかかる。 職人の技術差が出やすい → 塗りムラや刷毛跡が出ることもある。 塗布面積がローラーより小さいためコストが上がる場合も よく使われる刷毛の種類 種類 特徴 主な用途 筋違(すじかい)刷毛 斜めにカットされた先端で、細部に塗りやすい 隅や角、入隅などの細部 平刷毛 幅広くまっすぐな形状 広い平面、木部や戸袋など 目地刷毛(ねじばけ) 細長い形状で溝にフィット サイディングの目地部分など タッチアップ刷毛 修正用の小型刷毛 部分補修、塗り残し対応  外壁塗装における刷毛塗りの実際 ローラーでは届かない隙間や段差部分の補助塗装 鉄部(雨戸・手すり・配管など)の精密仕上げ 雨樋や軒天の塗り分け部分 塗装後のタッチアップ補修(塗り残し対応)  まとめ 刷毛塗りは、機械ではできない「人の手だからこそ可能な、細やかで丁寧な仕上げ」**を実現するために欠かせない技法です。特に外壁塗装の仕上がりや耐久性を左右する細部の塗装では、刷毛塗りの巧拙が施工品質に直結します。   ⑤吹き付け塗装 吹き付け塗装(ふきつけとそう)とは、専用のスプレーガン(コンプレッサーを使った噴霧機)を使って、塗料を霧状にして壁面に吹き付ける塗装方法です。ローラーや刷毛による塗装とは異なり、独特の質感・模様を出せるのが最大の特長で、意匠性が求められる住宅や店舗、マンションなどでも使用されます。  吹き付け塗装とは? スプレーガンにより、塗料を細かい霧状にして噴射することで、外壁全体に均一かつスピーディに塗装ができる方法です。手作業のローラー塗装に比べて仕上がりに立体感や表情を出せることが特徴です。  吹き付け塗装のメリット 項目 内容 施工スピードが速い 広い面積を一気に塗れるため、大規模物件で有利 模様・質感が自由に出せる 吹き付け専用塗材を使うことで、砂壁調・リシン・スタッコ・吹き戻し模様などを演出可能 塗膜が均一に仕上がる 膜厚のばらつきが少なく、見た目が美しい 凹凸面にも塗りやすい サイディングや擬石調外壁などにも対応可能 吹き付け塗装のデメリット・注意点 項目 内容 塗料の飛散が多い 周囲の車や建物に塗料が飛ぶ可能性があり、養生が必須 風の影響を受けやすい 屋外では風により塗料が流され、施工不可になる日もある 施工には高い技術が必要 吹きムラ、垂れなどが起きやすく、職人の経験値が求められる 材料の使用量が多くなる傾向 空気中への飛散が多いため、塗料のロスが発生しやすい 近隣への配慮が必要 騒音や塗料の臭い、飛散リスクにより、住宅密集地では敬遠されることも  吹き付け塗装で使われる模様仕上げ(仕上げの種類) 種類 特徴 リシン吹き 細かい砂粒を混ぜた塗料で、ザラザラとした質感になる スタッコ吹き 厚膜仕上げで、重厚感ある外観に。ツブツブした模様が特徴 吹き戻し仕上げ(タイル吹き) 吹き付け後、表面を軽く平らにすることで、模様を押さえた落ち着いた仕上げに ボンタイル吹き 弾性塗料を使って模様を作り、弾力性・防水性を兼ね備えた仕上がりになる  外壁塗装での活用例 大型の集合住宅や公共施設の外壁 デザイン性の高い住宅や店舗の外観演出 下地に凹凸やクラックが多いモルタル壁のリカバー  近年ではローラー塗りが主流になっている理由 飛散リスクが高く近隣トラブルになりやすいため 環境規制により溶剤系塗料の制限が厳しくなった 養生コストや施工管理の手間がかかる ローラーでも十分に美しい仕上がりが得られるようになったため  まとめ 吹き付け塗装は、高意匠性・短時間施工・広範囲対応などの強みを持つ塗装技法です。ただし、施工環境(周囲との距離・風・養生)や職人の技術レベルによってはデメリットも大きくなるため、使用の可否は慎重に判断する必要があります。   ⑥養生作業(ようじょうさぎょう) 養生作業(ようじょうさぎょう)とは、塗装しない部分を塗料の飛散・付着から保護するために、ビニールシートやマスキングテープなどを用いて覆う作業のことです。塗装前の準備工程の中でも非常に重要で、仕上がりの美しさや近隣への配慮、事故防止に直結するプロの技術が求められる作業です。  養生作業の目的 塗装しない箇所を保護するため 仕上がりの境界を美しく整えるため 塗料の飛散によるトラブルを防ぐため 作業効率を上げるため(養生により作業範囲が明確になる) 主な養生対象(塗装しない場所) 養生箇所 理由 窓ガラス・サッシ 塗料の飛散や付着を防止 玄関ドア・ポスト・門扉 意匠性を保つため ベランダの床や手すり 滑りやすくなるのを防ぐ 室外機・給湯器・電気メーター 故障や安全性の確保 車・植物・外構部分 飛散による汚れ・損傷を防止 近隣の建物や壁 トラブル防止とマナー対応 🛠 養生に使われる道具・材料 道具名 用途 マスキングテープ 細かな縁取りやライン出しに使用 マスカー(テープ付きビニール) 大面積の養生に便利。窓や壁面などに貼る ブルーシート 足場の下や庭などの養生に使用 ノンスリップシート 玄関や通路などの歩行面に使う滑り止め養生材 養生ネット(メッシュシート) 足場全体を覆い、近隣への飛散防止に使用 養生作業のポイント ラインが真っ直ぐ出ているか(仕上がりの美しさ) テープの浮きや隙間がないか(塗料の漏れ防止) 空気の通り道や換気に配慮されているか 室外機や給湯器など熱を持つものに無理な養生をしていないか 住人が日常生活できるように考慮されているか(ドア開閉・窓の一部開放など)  養生の撤去とその後 塗装完了後、養生は丁寧に剥がされます。この際、塗膜がまだ完全に乾いていないと塗料の剥がれやヨレが生じるリスクがあるため、タイミングと手順に細心の注意が必要です。また、剥がしたあとの微調整や清掃作業も仕上げの一環として行われます。  養生を怠るとどうなる? 塗料がサッシやガラスに付着し、取れなくなる 周囲に塗料が飛び、近隣トラブルになる 塗り分けラインがガタガタで、美観が損なわれる 室外機がビニールで覆われて故障・事故の原因になる 足場下の養生不足で、草木や車に塗料が飛ぶ まとめ 養生作業は、塗装そのものと同じくらい重要なプロセスです。見えない部分で丁寧な仕事をしているかどうかが、施工業者の技術力と誠実さの表れともいえます。   ⑦高圧洗浄 高圧洗浄(こうあつせんじょう)とは、外壁塗装や屋根塗装の下地処理において、最初に行う非常に重要な作業の一つで、高圧の水を噴射して、外壁や屋根に付着した汚れ・カビ・コケ・藻・チョーキング粉・旧塗膜などを洗い流す工程です。  高圧洗浄の目的 目的 詳細 塗料の密着性を高める 表面の汚れを取り除くことで、塗料がしっかりと下地に接着します 汚れの再発を防ぐ カビやコケを根から洗浄することで再発を抑制 美観の維持 塗装前に既存の汚れを除去することで、仕上がりの発色や均一性が向上 長寿命な塗装のための準備 汚れや旧塗膜を残したまま塗装すると、剥がれや膨れの原因になります 使用する機材と種類 ● 高圧洗浄機(業務用) 圧力目安:7~15MPa程度 エンジン式やモーター式が主流 作業には必ず水道と排水経路の確保が必要 ● 洗浄方法の種類 種類 特徴 主な用途 通常の高圧洗浄(水洗い) 水のみで汚れを落とす基本的な方法 外壁・屋根の一般洗浄 バイオ洗浄(薬剤洗浄) 専用薬剤でカビやコケを根から分解・除去 カビ・藻がひどい北側の壁面や屋根 トルネード洗浄 回転ノズルで強力に洗浄 スレート屋根やコンクリート表面など頑固な汚れ向け  洗浄作業の所要時間 一戸建て住宅(外壁・屋根)の場合:約4〜6時間程度 汚れの程度、建物の大きさ、屋根の形状などで変動あり  高圧洗浄で落とせるもの チョーキング(白い粉状の劣化した塗料) カビ・コケ・藻 砂・泥・ほこり 排気ガスの煤煙 花粉・黄砂 古くなった塗膜(浮いている部分)  高圧洗浄の注意点 項目 内容 乾燥時間の確保が必要 洗浄後は最低でも1日(24時間)以上の乾燥が必要 強すぎる水圧はNG 木部や古いモルタルは傷むことがあるため、圧力調整が必要 サッシや室内への水の侵入に注意 窓まわりや換気口からの水の侵入を防ぐため、養生との連携が重要 冬場は凍結・乾きの遅れに注意 気温や湿度により施工スケジュールを調整する必要がある 外壁塗装における高圧洗浄の位置づけ 高圧洗浄は「塗装工事の成功を左右する最初の一歩」です。この工程が不十分だと、どれほど高性能な塗料を使っても「持ち」が悪くなる原因になります。「見えない部分をどれだけ丁寧に行うか」が職人の腕の見せ所でもあります。  まとめ 高圧洗浄は塗装工事の基礎中の基礎 作業の丁寧さで塗装の耐久性・美観が変わる 必ず乾燥期間を設けることが重要   ⑧バイオ洗浄 バイオ洗浄とは、外壁や屋根などの洗浄作業において、専用の「バイオ洗浄剤(薬剤)」を使って、カビ・コケ・藻・排気ガス汚れなどの「生物由来の汚れ」を根本から除去する方法です。通常の水だけを使った高圧洗浄では落としきれない微細な汚れや再発しやすい菌類を、薬剤の力で徹底洗浄・殺菌する高度な洗浄技術です。 バイオ洗浄の基本構造 項目 内容 目的 カビ・コケ・藻などの微生物を根から分解・殺菌 方法 薬剤を外壁に散布し、数分~十数分間反応させた後、高圧洗浄で洗い流す 使用薬剤 バイオ洗浄液(中性または弱アルカリ性が主流)、除菌・漂白効果あり  なぜ「バイオ」なのか? 「バイオ(Bio)」とは「生物の」という意味で、生物汚れ(カビ・コケ・藻など)に対応した洗浄手法という意味合いがあります。汚れの“根”を残すと、見た目はきれいでも再発しやすく、塗料の密着にも悪影響を及ぼすため、根絶やしにするためにバイオ洗浄が使われます。  バイオ洗浄のメリット 特徴 詳細 再発防止 微生物の根まで分解・除菌できるため、再発しにくい 塗料の密着力が向上 表面だけでなく下地を清浄にすることで、塗料の剥がれ・膨れを防ぐ 見えない汚れにも対応 高圧水では届きにくい凹凸部分や小さな隙間にも効果的 低圧で洗浄可能 水圧による外壁の損傷リスクが減る(特にモルタルや木部に有効)  バイオ洗浄のデメリット・注意点 注意点 内容 コストが高くなる 薬剤や手間がかかるため、通常洗浄より費用が上がる傾向(目安:5,000~20,000円程度の追加) 近隣への配慮が必要 臭いのある薬剤もあるため、事前に近隣へ説明が必要な場合も 作業時間が長くなる 薬剤の反応時間・丁寧なすすぎが必要なため、1日がかりになることも 材質によっては使えない場合も 特殊な天然石や金属面には注意が必要(変色の可能性)  どんな建物に向いている? 北面や日陰でコケやカビがびっしり生えている外壁・屋根 築年数が10年以上経過しているモルタル外壁やスレート屋根 海沿いや湿気が多い地域の住宅 美観だけでなく、塗膜の長寿命化を重視したい場合  バイオ洗浄の施工の流れ(例) 足場設置・養生 バイオ洗浄剤を全体に散布 10~30分ほど薬剤を反応・浸透させる 高圧洗浄でしっかりとすすぎ洗い 1日以上の自然乾燥 塗装工程へ移行 まとめ バイオ洗浄は、「見た目」だけでなく「下地環境」から整えるための洗浄方法 高圧洗浄の一歩上を行く施工品質を求める場合に最適 長期的に美観・耐久性・防カビ性を保ちたい方におすすめ   ⑨清掃作業 外壁塗装における清掃作業(せいそうさぎょう)とは、主に塗装前後に行われる「周囲や施工面の整理整頓・清掃」を指し、安全性・作業効率・仕上がりの品質・顧客満足度を高めるための非常に重要な工程です。 単なる「掃除」ではなく、職人の丁寧さや現場管理のレベルを象徴する仕事であり、プロ意識の現れとも言えます。  清掃作業の分類と役割 ① 塗装前の清掃 作業内容 目的 高圧洗浄後の汚れや水分の確認 汚れが残っていないか再確認 ゴミ・ほこり・蜘蛛の巣の除去 塗膜の密着性を高める 外壁以外の清掃(窓・サッシまわり) 養生や塗装作業の邪魔になる汚れを除去 足場周辺や敷地の整頓 安全に作業を進めるための準備 ② 塗装中の清掃(中間清掃) 作業内容 目的 塗り替えごとのローラーや刷毛の洗浄 道具の劣化防止・品質維持 養生のズレや汚れの拭き取り 飛散防止と仕上がりの確認 足場や作業導線の掃き掃除 滑りや転倒を防ぐ安全管理 塗料のこぼれ・付着の即時対応 建具・設備への塗料付着を防ぐ ③ 塗装後の清掃(完工清掃) 作業内容 目的 養生材・マスカーの丁寧な撤去 建物への傷や塗膜の剥がれを防止 塗料のはみ出し・垂れの除去 美観向上とクレーム防止 足場解体前の敷地清掃 ゴミや塗料カス、ビスなどの除去 隣家や道路の清掃 近隣配慮・印象向上 お客様への最終確認前の最終美装 引き渡しに向けた仕上げ 清掃作業が重要な理由 理由 解説 塗料の密着性向上 ゴミやほこりが残っていると、塗膜が剥がれやすくなる 塗装仕上がりの美しさ 塗りムラ・ゴミ噛みの原因を防止 お客様の満足度アップ 「きれいにしてくれてありがとう」という声が信頼につながる 事故やトラブルの予防 落下物・滑りなどの危険を減らす ご近所への印象配慮 道路・駐車場・玄関まわりの清掃は近隣クレームを防ぐ効果あり  使用する道具例 ホウキ、ちりとり 雑巾、ウエス スクレーパー 水バケツ・中性洗剤 ブロワー(送風機) 吹き上げ用モップ・乾拭きタオル シンナー(塗料拭き取り用・限定的)  まとめ 外壁塗装における清掃作業は、ただの後片付けではなく、「品質保証・安全管理・顧客対応」のすべてに関わる重要業務です。 職人の「目配り・気配り・心配り」がもっとも表れる部分とも言え、信頼できる塗装業者ほど、清掃に力を入れているのが実情です。   ⑩マスチック マスチック工法とは、外壁塗装などにおいて使用される特殊な下塗り技法の一つで、専用のローラーを使用して「マスチック材(厚付け用下地調整材)」を厚く塗布し、ひび割れの補修や外壁の凹凸調整、意匠性のある模様づけを行う工法です。 特に、モルタル外壁やALCパネルなどの劣化した外壁に対して、下地を補強しながら塗装の下地を整えるために使われます。  マスチック工法の目的 下地の微細なひび割れ(ヘアークラック)の補修 塗膜の厚みを確保し、防水性・耐久性を高める 凹凸模様をつけて意匠性を演出する 経年劣化した外壁を再生・補強する  マスチック工法に使う「マスチック材」とは? マスチック材は主に「微弾性フィラー」や「弾性下地調整材」と呼ばれるもので、 厚塗りができる ひび割れに追従する柔軟性がある 吸い込みムラを防ぐ 凹凸や欠損を埋める といった特性を持っています。  使用するローラー:マスチックローラー(砂骨ローラー) 種類 特徴 マスチックローラー(砂骨ローラー) 表面に網目や穴が空いており、塗材をたっぷり含ませて「模様」や「厚み」を出すことができる  マスチック工法の施工方法(一般的な流れ) 高圧洗浄・ケレンなどの下地処理 シーリング補修・クラック補修 マスチック材の塗布(下塗り) マスチックローラーで厚付けし、模様をつけながら塗布 中塗り・上塗り(仕上げ塗装) マスチック工法が向いている下地 モルタル外壁(クラックが入りやすい) ALCパネル 傷みやすいコンクリート面 旧塗膜が荒れている外壁 意匠性を持たせたい建築外装  マスチック工法のメリット メリット 解説 微細なひび割れをカバー 下地の補修を兼ねて施工できる 防水性・耐久性が高い 厚膜により水の侵入を防ぐ 模様・意匠性を出せる 表面に凹凸をつけられる(吹付の代替にも) 下地の凹凸や劣化を目立たせない 平滑仕上げよりも補修跡が馴染む マスチック工法のデメリット・注意点 デメリット 解説 材料費・手間がかかる 通常の下塗りより高価で時間がかかる 施工技術が必要 ローラーの扱い・厚みの均一化に技術がいる 模様が目立つため好みが分かれる 平滑な外壁を望む人には不向きな場合もある  まとめ ひび割れ補修 × 下地強化 × 意匠性向上 を同時に実現できる優れた工法 外壁の劣化が目立つ建物には特に有効 通常の下塗りよりもプロの技術と判断が問われる施工方法   ⑪スタッコ スタッコ吹き(スタッコ仕上げ)とは、外壁仕上げにおける吹き付け塗装の一種で、厚みのある塗材をスプレーガンで外壁に吹き付け、独特な凹凸模様をつける施工方法です。見た目の重厚感や立体感があり、意匠性の高い外観を演出したい場合に用いられる伝統的かつ高級感のある仕上げ方法です。  スタッコ吹きとは? 「スタッコ」とは、本来は石灰やセメント、樹脂などを混ぜた左官材料を意味しますが、日本の塗装業界では「厚膜状の外壁模様吹き付け仕上げ」を指します。 スタッコ吹きは、多孔質ローラーでは表現できない深い凹凸模様を短時間で作れるのが特長です。  スタッコ吹きの施工方法 スタッコ吹きには主に以下の2種類があります。 種類 特徴 仕上がり スタッコ吹き放し仕上げ 吹き付けたまま乾燥させる 荒々しい質感、骨材感が強い スタッコ押さえ仕上げ 吹き付けた後、コテやローラーで表面を軽く押さえる 少し滑らかで落ち着いた印象、和洋どちらにも合う  使用する材料 スタッコ材(厚膜型塗材) → アクリル樹脂・シリコン樹脂・セメント系などを主成分とし、骨材(砂・石粒など)を含む 専用スプレーガン(塗装機) → 圧送式またはエアレス式のスプレーで吹き付け スタッコ吹きのメリット メリット 解説 高級感・重厚感のある外観 和風建築・洋風建築どちらにもマッチしやすい 模様が深く、意匠性が高い 吹き放し・押さえなどで表情が変えられる 塗膜が厚く、耐久性が高い 厚膜によって外壁の保護性が向上する 下地の傷み・補修跡を隠せる 凸凹模様で補修跡が目立たない  スタッコ吹きのデメリット・注意点 デメリット 内容 塗料の飛散が多い 養生の徹底と近隣への配慮が必要 施工には熟練技術が必要 吹き付け圧・距離・模様の均一さなどの管理が難しい 表面が凸凹しているため汚れが付きやすい 防汚性の高い塗料やクリア仕上げとの併用がおすすめ 補修時の再現が難しい 局所的な補修では模様が一致しない可能性あり  スタッコ吹きが使われる建物例 戸建住宅(特に洋風・南欧風の外観) 店舗やデザイン重視の外装 寺社・伝統建築 高級感を演出したい外壁面 まとめ 厚膜仕上げ×立体的デザインが魅力の吹き付け工法 外壁をただ塗るだけではなく、「魅せる外観」を実現したい人に最適 ただし、費用・技術・メンテナンス性を考慮して検討が必要   ⑫吹付タイル 吹付タイル(ふきつけタイル)とは、外壁の仕上げ塗装において、タイルのような凹凸模様をつける厚塗りの吹き付け工法で、意匠性・耐久性・防水性を兼ね備えた仕上げ方法です。実際の陶器タイルとは異なり、塗材によって模様をつくり、タイル調に見せることから「吹付タイル」と呼ばれます。  吹付タイルとは? 吹付タイルは、「タイル吹き」とも呼ばれる塗装仕上げの一種で、主に「セメント系」または「合成樹脂系」のタイル吹き塗材をスプレーガンで厚く吹き付け、模様をつけたのち、ローラーやこてで押さえたりせずそのまま仕上げる、または押さえて整えることもあります。 施工方法(主に2種類) 工法 特徴 仕上がり タイル吹き放し 吹き付けたまま乾燥させる 粒状感のあるザラついた仕上がり(マット調) タイル吹き押さえ(吹き戻し) 吹き付け後、ローラーで表面を軽く押さえる 滑らかで艶やかなタイル調の見た目になる 使用される主な材料 合成樹脂エマルションタイル(REタイル) セメント系タイル塗材 アクリル・シリコンなどの弾性系吹付タイル材 塗材には「骨材(細かい砂・石など)」が含まれており、立体感ある模様を作ることができます。  吹付タイルのメリット メリット 内容 高級感ある外観に仕上がる 凹凸模様で陰影が生まれ、重厚感が出る 厚膜仕上げで耐久性が高い 下地の微細なクラックをカバーしやすい デザイン性の自由度が高い 模様の大きさ・仕上げ方法の組み合わせが豊富 遮音性・断熱性を高める効果も 厚塗り塗膜により外部音・熱をある程度緩和  吹付タイルのデメリット・注意点 デメリット 内容 塗料の飛散が多い 近隣住宅や車への飛散リスクがあるため、養生が必須 施工には高度な職人技が必要 模様の均一さや厚みの調整が難しい メンテナンス・補修時に模様再現が難しい 補修箇所だけ模様が浮く可能性あり 表面の凹凸に汚れが溜まりやすい 防汚性の高い上塗り材との併用が推奨される 吹付タイル仕上げが選ばれる建物 戸建住宅(特に重厚感や意匠性を求める場合) 公共施設・集合住宅 店舗や商業施設のファサード ALC・モルタル外壁など  吹付タイルとリシン吹き・スタッコ吹きとの違い 比較項目 吹付タイル リシン吹き スタッコ吹き 塗膜の厚み 厚い(1.5〜3.0mm程度) 薄い(0.3〜0.5mm程度) 非常に厚い(3〜5mm程度) 意匠性 タイル調の凹凸が特徴 ザラザラとした砂壁調 重厚な凹凸模様 耐久性 高い やや低い 高い 防汚性 上塗り材による やや汚れやすい 凹凸によっては汚れが溜まりやすい  まとめ 吹付タイルは、塗材でタイル調の立体的な模様を再現する吹き付け塗装仕上げ 外壁に重厚感・高級感・耐久性を求める方におすすめ 熟練した技術者による丁寧な施工が品質を左右する   ⑬吹き付けリシン 吹き付けリシンとは、外壁の仕上げ塗装における吹き付け工法の一種で、リシン材(砂状の骨材を含んだ塗材)をスプレーガンで外壁に吹き付けて、ザラザラとした質感のある表面に仕上げる方法です。 1970年代~1990年代にかけて、戸建住宅や集合住宅で非常に多く採用された仕上げ方法で、現在でもリフォームや部分補修、艶消しでレトロな質感の演出として根強い人気があります。 リシンとは何か? リシンは以下のような材料を混ぜた塗材です: セメントまたは合成樹脂(アクリル樹脂など) 骨材(砂・軽石・寒水石などの細かい粒) 顔料(着色材) 水や溶剤 これをスプレーガンで外壁に吹き付け、マットで自然な風合いのある表面を作ります。 吹き付けリシンの特徴 特徴 内容 ザラザラとした表面 砂壁のような自然な質感が特徴 マットな仕上がり 光を反射しにくく、落ち着いた印象に 塗膜が薄い(0.3~0.5mm程度) 軽量な仕上げだが、耐久性はやや劣る 意匠性が高い 和風建築・洋風建築どちらにも合いやすい  吹き付けリシンのメリット メリット 解説 コストが比較的安い 材料費・施工費がローコストで抑えられる 施工が早く、大面積に対応しやすい 吹き付けで効率的に仕上げ可能 自然な風合いで落ち着いた外観になる 住宅街でも違和感のない仕上げ感 骨材入りで凹凸があるため補修跡が目立ちにくい 吹き付けリシンのデメリット デメリット 内容 塗膜が薄く、耐久性がやや低い 経年劣化が早めで、10年以内で再塗装が必要な場合も 防水性が弱い 下地処理や上塗り材で補う必要がある 表面の凹凸に汚れが溜まりやすい 防汚性の低い場合、黒ずみやカビが発生しやすい 飛散が多いため、養生が必須 近隣への配慮が必要(特に風の強い日)  吹き付けリシンの施工手順(一般例) 高圧洗浄・下地処理 下塗り(シーラーやフィラー) リシン材の吹き付け 上塗り(必要に応じてクリアや保護塗装)  他の吹き付け仕上げとの比較 項目 吹き付けリシン 吹き付けタイル スタッコ吹き 塗膜の厚み 薄い(0.3~0.5mm) 中~厚(1.5~3mm) 厚い(3~5mm) 質感 ザラザラ・マット 粒状・重厚 凹凸が深く重厚 耐久性 △ ○ ◎ コスト ◎ 安い ○ 中程度 △ 高め  こんな建物に使われることが多い 昭和~平成初期の戸建住宅・公団住宅 ナチュラルで落ち着いた印象を求める建物 和風建築、木造モルタル住宅 低コストで意匠性を出したいリフォーム物件  まとめ 吹き付けリシンは、安価・スピーディ・自然な風合いが特徴の仕上げ方法 塗膜が薄いため、耐久性・防水性の確保には上塗りとの組み合わせが重要 和風・ナチュラル系デザインを好む方にはぴったり 外壁リフォームでは「リシン仕上げからの塗り替え」に対応する施工提案も多い   ⑭薬剤清掃 外壁や床などに使用されるタイルにおける薬剤清掃とは、タイル表面に付着した汚れ・エフロ(白華)・カビ・油分・モルタル汚れ・水アカ・シリコン汚れなどを、専用の化学薬剤を使って洗浄・除去する作業です。タイルは耐久性に優れていますが、時間の経過とともに頑固な汚れが蓄積されるため、一般的な水洗いや中性洗剤では落とせない汚れを薬剤で効率的に落とすことが重要です。 タイルに使われる主な薬剤と目的 薬剤の種類 用途・効果 対応する汚れ 酸性洗浄剤 アルカリ汚れを中和・分解 エフロ・モルタル汚れ・カルシウムスケール アルカリ洗浄剤 油分・有機物を分解 油汚れ・カビ・黒ズミ・コケ 中性洗剤 素材を傷めにくい軽洗浄用 軽度な汚れ・日常清掃向け カビ取り剤(次亜塩素酸系) カビ・藻の除去・殺菌 タイル目地や湿気の多い場所のカビ シリコン除去剤 シーリング材の成分除去 タイルに付着したシリコン汚れや曇り 薬剤清掃の代表的な手順(例:エフロ除去) 現状確認・テスト洗浄 素材の種類や劣化度、薬剤の反応を確認 対象部分の濡らし作業(予備湿潤) 酸焼け・薬剤の浸透しすぎを防止するため 薬剤の塗布 専用ブラシやスポンジで均一に塗布(酸性洗剤等) 反応時間の確保 5〜10分程度、汚れを浮かせて分解 ブラッシング・こすり洗い 汚れをしっかり物理的に除去 しっかりと水洗い・中和作業(必要に応じて) 薬剤成分を完全に洗い流すことで素材を守る 注意点 注意事項 内容 酸性薬剤は金属に注意 サッシ・金具などが腐食する恐れがあるため、養生が必須 薬剤の選定ミスは素材を傷める 光沢タイルや天然石には使用不可な薬剤もある 作業者の安全対策が必須 ゴム手袋・保護メガネ・マスクを着用する 強アルカリ・強酸は一般住宅向きでない場合も 高濃度薬剤はプロ施工向け。DIYでは希釈率に注意  薬剤清掃が効果的な汚れの例 汚れの種類 薬剤清掃の効果 エフロレッセンス(白華) 酸性洗浄剤で分解・除去 油・すす汚れ アルカリ洗剤で分解 カビ・コケ カビ取り剤で殺菌・洗浄 モルタルや目地のはみ出し 酸で溶解・除去 シーリング汚れ(曇り) 専用除去剤でクリーニング まとめ:タイルの薬剤清掃とは? 一般清掃では落としきれない頑固な汚れや特殊な汚れに対して、適切な薬剤を使って洗浄・除去する専門作業 薬剤の種類・希釈・反応時間・対象素材の見極めが重要 施工ミスがあると素材劣化・変色・腐食・クレームの原因になるため、専門業者による実施が推奨される     ⑮縁切り作業(えんぎりさぎょう) 塗装工事における縁切り(えんぎり)作業とは、特にスレート屋根(カラーベストやコロニアルなど)を塗装する際に行う工程で、塗装後に屋根材同士の重なり部分が塗料で塞がってしまった部分を切り離し、雨水の排出口を確保する作業です。 縁切りは、屋根の「通気性・排水性・防水性」を守る非常に重要な作業であり、省略したり不適切に行うと、屋根裏への雨漏りや塗膜の剥がれなど深刻な施工不良の原因になります。  縁切り作業の目的 項目 内容 水の通り道を確保するため スレート屋根は重なり部分から雨水が内部に入り込む構造のため、出口を確保しないと毛細管現象で雨水が逆流します 湿気や水分を逃がすため 通気性を確保することで、屋根裏や塗膜内部の結露・腐食を防止します 雨漏り・膨れ・剥がれの防止 塗料で隙間が塞がれたままだと、水分が逃げ場を失い、屋根材の浮きや腐食、塗膜不良が起こります  縁切りの施工方法 ① 手作業による縁切り(塗装後に実施) 内容 詳細 皮スキ(カッター状の工具)を使用 屋根材の重なり部に差し込んで、塗膜を切り離す 音と振動に注意が必要 作業時にカチカチとした音が発生することがある 手間と時間がかかる 1枚ずつ確認・処理する必要があるため慎重な作業が必要 ② タスペーサー工法(塗装前に実施) 内容 詳細 「タスペーサー」という専用部材を挿入 屋根材の重なりにスペーサーを入れて隙間を確保する 塗装後に縁切り作業が不要になる 省力化・均一性の向上が見込める 標準サイズ:2mm~4mm 屋根材の反りや密着度により使い分ける  縁切りが必要な屋根材の種類 屋根材 縁切りの要否 カラーベスト・コロニアル(スレート) 必須! 金属屋根(ガルバリウム・トタンなど) 不要(そもそも隙間なし) 瓦屋根(和瓦・セメント瓦など) 不要(塗装対象外または構造上隙間あり) アスファルトシングル ケースによる(重なり構造・通気性による) 縁切りをしなかった場合のリスク トラブル内容 原因 屋根裏への雨漏り 水の逃げ道がないため、雨水が内部へ浸入 塗膜の膨れ・剥がれ 屋根材内部の湿気や水分が滞留し、蒸気圧で剥がれる 内部の木材や下地の腐食 長期間の湿気による構造劣化  まとめ 縁切りは「スレート屋根の塗装において必須の防水対策」 作業にはタスペーサー方式と手作業方式があり、屋根の状態によって選択 見た目には分かりづらいが、住宅を長持ちさせるために絶対に必要な工程   ⑯白木処理 白木処理とは、玄関柱や長押(なげし)、破風板、格子、窓枠、床柱などに使用される「白木(しらき)=未塗装の木部」に対して、汚れ・紫外線・カビ・水分などから木材を保護するために行う洗浄・薬剤処理・保護塗布などの総称です。 和風住宅によく見られる美しい木肌の風合いを保つために欠かせないメンテナンスで、「洗い」「漂白」「防腐・防カビ処理」「保護コート」の工程を含みます。  白木とは? 白木とは、着色・塗装・加工が施されていない天然の木材のことを指します。例えば: 玄関の檜柱(ひのきばしら) 和室の床柱 縁側の柱 和風の軒天、長押、格子など などが該当します。 白木処理の目的 目的 内容 美観維持 黒ずみやアク(灰汁)、水染みなどを除去し、木の本来の色をよみがえらせる 防カビ・防腐 湿気・カビ・腐食から守る処理を施す 撥水効果・紫外線対策 コーティングにより、木の変色や劣化を抑制 建物全体の価値維持 特に和風建築では、白木の美しさが住宅価値に直結する 白木処理の主な工程 工程 内容 ① 洗い(灰汁洗い) 漂白剤・アク洗い剤(白木専用)で黒ずみや汚れを除去 ② 中和・水洗い 漂白剤の成分を中和し、木材を痛めないようにする ③ 乾燥 自然乾燥または送風乾燥(十分な乾燥が重要) ④ 防腐・防カビ処理 木材保護剤を浸透させて菌や虫を防ぐ ⑤ 撥水・保護仕上げ 浸透性の保護塗料(白木用ワックスなど)で仕上げる  使用される薬剤・道具 種類 用途 白木洗い用漂白剤(アクロンなど) 黒ずみやシミの除去 中和剤(酢酸系など) 漂白剤の成分を中和 浸透性防腐剤(キシラデコールクリア等) 防腐・防虫・防カビ 撥水材・白木保護材(和信クリアなど) UVカット・水弾き ナイロンブラシ・スポンジ 洗浄時のこすり道具  白木処理が必要になるシーン 経年で黒ずんだ玄関柱を元の美しさに戻したい 外気にさらされた和風木部(破風・格子など)がカビてきた 新築当時のような木の白さを取り戻したい 定期的なメンテナンスで木部の寿命を延ばしたい 注意点 注意事項 内容 プロの知識と技術が必要 漂白剤の濃度・反応時間・中和処理を誤ると、木材が変色・脆弱化する 紫外線・雨風の影響が大きい場所は劣化が早い 早い場合は数年で再処理が必要 油性塗料や着色後の木部には使えないことがある 白木専用の処理材でないと逆効果になることも  まとめ 白木処理は、和風住宅の美観を守るための重要な木部メンテナンス 黒ずみ・カビ・水染み・紫外線劣化などから木材本来の風合いを取り戻し、長持ちさせる効果 工程・薬剤選定・タイミングを誤ると素材を傷める恐れがあるため、専門業者による施工が望ましい

2025.09.23(Tue)

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コラム外壁・屋根塗装のイロハ

外壁塗装の塗り替え時期を見極める方法と劣化症状の見分け方

外壁塗装は、建物の寿命を大きく左右する重要なメンテナンスです。適切な時期に塗り替えを行うことで、建物の美観を保ち、雨漏りなどのトラブルを防ぎ、建物の価値を維持することができます。しかし、いつ塗り替えが必要になるのか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。今回は、外壁塗装の塗り替え時期の見極め方について、具体的な目安やチェックポイントを解説します。 外壁塗装の塗り替え時期 築年数から判断する塗り替え時期の目安 一般的に、外壁塗装の寿命は10年程度と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、外壁材の種類や環境条件によって大きく異なります。築10年以上経過している建物は、一度外壁の状態を点検し、塗り替えの必要性を検討することが重要です。特に、築15年以上経過している建物では、劣化が進行している可能性が高いため、早めの点検と塗り替えを検討することをお勧めします。具体的な年数は、後述する劣化症状なども考慮した上で判断する必要があります。 外壁材の種類による塗り替え時期の違い 外壁材の種類によっても、塗り替え時期は異なります。例えば、モルタル外壁は比較的寿命が短く、8~10年程度で塗り替えが必要になることが多いです。一方、サイディング外壁は、種類によっては10年以上持つこともあります。それぞれの外壁材の特性を理解し、適切な時期に塗り替えを行うことが重要です。具体的な寿命の目安は、メーカーの推奨年数などを参考にすると良いでしょう。 前回の塗装からの経過年数で判断 前回の塗装から10年以上経過している場合は、塗り替えを検討する必要があります。前回の塗装の品質や環境条件によっても寿命は変化しますが、10年を目安に点検を行うことをお勧めします。ただし、経過年数だけでなく、外壁の劣化状況も確認することが重要です。 外壁の劣化症状から塗り替え時期を判断するには? ひび割れで塗り替え時期を判断 外壁にひび割れが見られる場合は、塗り替え時期のサインです。ひび割れの大きさや深さによって、塗り替えの緊急度が異なります。細かいひび割れであれば、まだ様子を見ても良いかもしれませんが、大きなひび割れや、ひび割れから水が浸入している場合は、早急に塗り替えを行う必要があります。ひび割れは、雨水の浸入による腐食や建物の構造的な問題に繋がる可能性もあるため、注意が必要です。 色あせやチョーキング現象で塗り替え時期を判断 外壁の色あせや、指で触ると白い粉が付くチョーキング現象は、塗膜の劣化を示すサインです。これらの現象は、紫外線や雨風による劣化が原因です。色あせやチョーキング現象が顕著に見られる場合は、塗膜の保護機能が低下しているため、早めの塗り替えが必要です。特にチョーキング現象は、塗膜が劣化し、防水機能が失われつつあることを示しており、早急な対応が求められます。 コケやカビの発生で塗り替え時期を判断 外壁にコケやカビが発生している場合も、塗り替えのサインです。コケやカビは、湿気や汚れを好むため、塗膜の劣化や防水機能の低下によって発生しやすくなります。コケやカビは、見た目の悪さだけでなく、外壁の腐食を促進する可能性もあるため、早めの除去と塗り替えが必要です。発生したコケやカビを放置することは、建物の寿命を縮めることに繋がります。 塗膜の剥がれで塗り替え時期を判断 塗膜が剥がれている場合は、塗り替えが必須です。塗膜の剥がれは、防水機能の低下を意味し、雨漏りなどのトラブルにつながる可能性があります。剥がれの程度が小さい場合は、部分的な補修で済む場合もありますが、広範囲にわたって剥がれている場合は、全面的な塗り替えが必要となります。 外壁塗装の塗り替え時期を早める原因とは? 紫外線による劣化 紫外線は、塗膜の劣化を促進する大きな原因です。特に、南向きの外壁は紫外線に長時間さらされるため、劣化が進行しやすい傾向があります。紫外線による劣化を防ぐためには、紫外線吸収剤配合の塗料を使用するなどが有効です。 雨風による劣化 雨風は、塗膜を徐々に侵食し、劣化を促進します。特に、台風や豪雨などの強い風雨は、塗膜に大きなダメージを与えます。雨風による劣化を防ぐためには、耐久性の高い塗料を使用することが重要です。 立地条件による劣化 海沿いや工場地帯など、塩害や大気汚染の影響を受けやすい立地条件では、外壁の劣化が進行しやすくなります。これらの影響を受けやすい場所では、より耐久性の高い塗料を使用したり、塗り替えの頻度を高めることを検討する必要があります。 まとめ 外壁塗装の塗り替え時期は、築年数、外壁材の種類、前回の塗装からの経過年数、そして何より外壁の劣化状況を総合的に判断する必要があります。ひび割れ、色あせ、チョーキング、コケ・カビの発生、塗膜の剥がれなど、様々な劣化症状をチェックし、状態に応じて適切な時期に塗り替えを行うことで、建物の寿命を延ばし、資産価値を守ることができます。この記事が、外壁塗装の塗り替え時期の判断に役立てば幸いです。 大府市・豊明市・岡崎市で、お住まいの外壁塗装・屋根塗装・雨漏りなどのお手入れで悩まれている方は、是非お気軽にご相談ください。点検・お見積もりは無料です。 大府市・豊明市・岡崎市で外壁塗装・屋根塗装なら愛知建装にお任せください! 愛知建装は地域密着の外壁塗装・屋根塗装・雨漏り専門店です。お見積もり提案から施工まで親切・丁寧・バカ真面目をモットーに、お客様にとって最善のご提案を心がけております。弊社所属の経験豊富な熟練の一級塗装技能士の職人による正直な施工で、地域の皆様に愛される「地域優良一番店」を目指しております。 お問い合わせは、お電話またはメールにて承ります! 相談無料・診断無料・見積もり無料お電話の場合はこちら:0120-38-8221メールの場合はこちら:お問合せ専用フォーム来店予約の場合はこちら:ショールーム詳細ページ雨漏り診断の場合はこちら:無料診断依頼用フォーム料金表についてはこちら:サービス・料金詳細ページ施工事例も定期的に更新しておりますのでぜひご覧ください!

2025.09.23(Tue)

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