コーキングとシーリングの違いは何?正しい用途と種類を覚えよう!
2024.01.17 (Wed) 更新
コーキングとシーリングに関する正確な知識は、これから外壁塗装を検討している方々にとって重要なものです。
しかし、これらの用語の意味や使い分けについては、一般に誤解されがちな部分が少なくありません。
そこで今回の記事では、これらの用語の基本的な違いから、実践的な使い方、そして材料選びのポイントまで、詳しく解説していきます。
コーキングとシーリングの正しい知識を身につけ、より良いメンテナンスやリフォームを実現しましょう。
目次
□シーリングとコーキングの違いとは?
シーリングとコーキングは、どちらも建築分野で頻繁に用いられる用語ですが、一般的にはその違いがあまり理解されていないのが現状です。
多くの人がこれらの言葉を同義と考えがちですが、実際には微妙な違いが存在します。
それぞれの概念と用途を明らかにし、適切な場面で正しい用語を用いることが重要です。
*シーリングとコーキングの基本的な意味と違い
シーリングとコーキングの最も基本的な違いは、その直訳からも見て取れます。
コーキング(caulking)は、「隙間を埋める」という意味であり、シーリング(sealing)には「密閉する」といった意味があります。
この違いは、それぞれの材料が果たす役割に反映されています。
建築業界では、両者を区別せずに使われることが多いですが、実際には各用語が指し示す機能や用途には差異があります。
*日本工業規格(JIS)における定義
日本工業規格では、シーリングとコーキングの定義に明確な区分けが設けられています。
シーリング材は構造体の目地や隙間に充填して、防水性や気密性などの機能を発揮させる材料として定義されています。
一方で、コーキング材は主にペースト状のシーリング材で、相対変位の小さな目地のシールに使用されるものです。
このJISにおける分類は、業界内での材料選定や用途の理解に大きな影響を与えます。
*一般的な誤解とその訂正
一般的には、コーキングとシーリングは同じものとして扱われがちですが、実際にはそれぞれ異なる特性と用途を持っています。
例えば、シーリング材はしばしば構造的な強度を提供し、建築物の目地や隙間を封じるために用いられます。
それに対して、コーキング材はより柔軟性が求められる状況や、美観を重視する場面での使用が多いです。
このように、適切な材料選びはその用途に大きく依存します。
□シーリング(コーキング)材の多様な用途と効果的な活用方法
1:サイディング壁の補修
サイディング壁のひび割れや破損は、気温変化や地震などによる外部からのストレスが原因で起こります。
これらの問題に対処するため、シーリング材は「目地」と呼ばれる隙間に充填され、壁への負担を軽らし、不具合が起きるのを防ぎます。
この手法は、サイディング壁の耐久性を高め、長期的な保護を実現する効果的な解決策です。
2:接着剤としての利用
シーリング材は接着剤としても使用されます。
特に屋根工事においては、棟板金の固定や、瓦屋根のズレ補修にも役立つのです。
釘で固定した部分にシーリング材を施すことで、飛散防止にも貢献します。
このように、シーリング材は建築材料の固定においても重要な役割を果たします。
3:雨漏り応急処置としての使い方
雨漏りの原因となる金属屋根の穴あきや、屋根・外壁のひび割れ、天窓周りのシーリング破損などの場合、応急処置としてシーリング材を使用することが可能です。
劣化箇所にシーリング材を適用することで、一時的ながら水分の浸入を防ぎ、建物内部への損傷を抑制できます。
ただし、これは一時的な対策であり、長期的な解決には適切な修繕作業が必要です。
□シーリング(コーキング)材選びのポイント!材料の種類と適切な選択
シーリング(コーキング)材を選ぶ際には、その種類と特性を理解することが重要です。
それぞれの材料には特定の利点と制約があり、使用する場所や目的に応じて適切な選択が求められるため、主要なコーキング材の種類とその特性をしっかり確認しておきましょう。
1:アクリル系
アクリル系は水性素材を使用しており、伸びが良く作業しやすいのが特徴です。
湿った箇所でも施工可能ですが、肉痩せしやすく耐久性や耐候性に難点があります。
特に日光が当たる場所では、ひび割れが生じやすいため、外壁への使用は避けるべきでしょう。
2:ウレタン系
ウレタン系は耐久性に優れており、特に外壁に適した素材です。
硬化すると弾力性を持ち、ゴムのような質感になるため、外壁のひび割れや目地に対して高い密封効果を発揮します。
しかし、紫外線に弱く、塗装が必要な点や、硬化に時間がかかる点は考慮すべきです。
3:シリコン系
シリコン系は最も一般的に使用される種類で、耐候性、耐水性、耐久性、耐熱性が優れています。
ただし、表面から油が染み出すため、塗装の上から使用するには不向きです。
そのため、塗装の必要がない場所での使用が適しています。
4:変性シリコン系
変性シリコン系コーキング材は、硬化時間が早く、外壁への使用に最も適しています。
上から塗装しても剥がれにくい特性があり、施工から短時間で硬化するため、扱いやすいです。
ただし、耐久性や密着性に関しては他の種類と比較して若干劣る可能性があります。
□まとめ
本記事では、「コーキング」「シーリング」それぞれの違いと、それらの用途や効果的な活用方法、そして材料の種類と選び方について詳しく解説しました。
シーリングもコーキングも、それぞれ独特の特性を持ち、建築やリフォームにおいて重要な役割を果たします。
この記事を参考に、シーリング・コーキングそれぞれの知識を深め、適切な材料選びと使い方をマスターしましょう。
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