防水層の剥がれや破れが発生する原因とは?劣化症状と補修について解説!
2024.07.09 (Tue) 更新
住居のメンテナンスを行う方にとって、住居の防水層の劣化や破損は不安ですよね。
防水層の劣化を放置すると、雨漏りや建物の腐食など、深刻な問題に繋がることがあります。
そのため、適切な補修方法やメンテナンス方法を知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、防水層の剥がれや破れの原因、防水方法ごとの劣化症状と補修方法、そしてDIYでの防水補修のリスクについて解説します。
目次
□防水層の剥がれと破れの原因とは?
防水層の剥がれは、防水膜が下地や前回の防水層から浮いている状態を指します。
剥がれが発生している場合は、防水膜の亀裂やめくれも同時に起こっている可能性があります。
*剥がれの原因
防水層の剥がれは、紫外線や雨水による影響、歩行時の摩耗などさまざまです。
特にシート防水の場合、シートを複数枚貼り合わせて防水層を形成するため、つなぎ目の劣化が剥がれの主な原因となります。
*防水層の破れの原因
防水層の破れは、防水層の下に雨水が浸入することで発生します。
雨水が防水層の下に浸入すると、熱によって気化し、シートや塗膜が膨らみます。
膨れた箇所が破断することで、防水層に穴が開いてしまうのです。
防水層の種類にかかわらず、劣化を放置すれば、必ず破れや割れが発生します。
ひび割れや膨れは、内部に雨水が入ってしまうため、適切なメンテナンスが不可欠です。
定期的に防水層の状態を確認し、破断や亀裂などが起きていないか、劣化状況を把握しておくことが重要です。
□防水方法ごとの劣化症状と補修方法
防水方法は、大きく分けて「ウレタン塗膜防水」と「シート防水」の2種類があります。
それぞれの劣化症状と補修方法を見ていきましょう。
*ウレタン塗膜防水の劣化症状
1:トップコートの風化
紫外線や風雨に長期間晒されると、トップコートは徐々に風化していきます。
手で触れて粉化した塗料が付くようであれば、劣化のサインです。
これは「チョーキング現象」と呼ばれ、放置すると下の防水層の劣化にも繋がります。
2:塗膜の剥がれや摩耗
よく歩行する場所や空調室外機を置いている場所など、負荷のかかる場所は、塗膜が剥がれたり磨り減ったりします。
防水層の性能が低下するため、早急に補修が必要です。
3:塗膜の膨れ
防水層に小さな亀裂やヒビがある場合、そこから浸入した水分が日光などで熱せられ、防水層が風船状に膨らんでしまいます。
放置すると、大きな剥がれを引き起こすため、早期の補修が必要です。
4:塗膜の大きなひび割れや破断
小さな剥がれや膨れを放置すると、表面のコーティング層だけでなく、防水塗膜そのものが剥がれ落ちたり、深いヒビが生じたりします。
そうなると、雨水が防水層の下まで浸入しやすくなってしまいます。
5:水たまり・コケや藻の発生
屋上やベランダに水たまりや、コケや藻が生えて常に湿っている場所があると、防水塗膜が膨潤劣化(加水分解)を起こします。
これは、水に常に触れ続けることで、防水塗膜に含まれるウレタンなどが変質して分解されてしまう現象です。
表面がベトベトになるだけでなく、防水層としての機能を失ってしまうため、注意が必要です。
*ウレタン塗装防水の補修方法
軽微な劣化であれば、トップコートの再塗装で補修できます。
塗膜の膨れや大きなひび割れ、破断、剥がれなど、深刻な劣化の場合は、防水層からの塗り替えや根本的な補修が必要です。
早期に発見して下地にまで影響が出ていない場合は、部分的な補修も可能です。
水たまりがある場合は、屋上やベランダの床勾配(傾斜)に問題がある可能性もあるため、下地からやり直す必要があるかもしれません。
コケや藻は、水たまり部分だけでなく、水が溜まりやすい排水口周りにも発生しやすいので、こまめなお手入れが不可欠です。
*シート防水の劣化症状
1:シートの破れ
シート防水は、シートを複数枚貼り合わせて防水層を形成するため、経年劣化によってシート同士のつなぎ目が剥がれる可能性があります。
剥がれた部分から雨水が浸入し、シートが破れてしまうことがあります。
2:シートの硬化や収縮
シート防水は、紫外線や経年劣化によって硬化したり収縮したりします。
硬化や収縮によって、シートの伸縮性が失われ、ひび割れや剥がれの原因となります。
3:シートの浮き上がり
シート防水は、下地との密着が弱くなると、シートが浮き上がることがあります。
浮き上がると、雨水が浸入しやすくなり、シートの破れや剥がれを引き起こします。
4:シートの変色
シート防水は、紫外線や経年劣化によって変色します。
変色は、シートの劣化を示すサインです。
*シート防水の補修方法
シートの破れや剥がれは、破損した部分を切り取って新しいシートを貼り直します。
また、シートの硬化や収縮は、柔軟性を回復させるためのシーリング材を塗布したり、シートを交換したりする必要があります。
シートの浮き上がりは、シートを剥がして下地を補修した後、新しいシートを貼貼り直しましょう。
シートの変色は、劣化が進んでいる可能性があるため、シートを交換することが望ましいです。
□DIYでの防水補修のリスク
防水工事は、防水施工技師という国家資格があるほど、専門的な知識や技術を要する高度な技術です。
軽はずみにDIYで防水補修を行うと、かえって被害を拡大させてしまう可能性があります。
例えば、既存の防水材と相性の悪い材料を使ってしまうと、防水層の性能が低下したり、剥がれや破れの原因になったりします。
また、メーカーが指定した塗布量や塗膜厚さを守らなければ、防水能力を十分に発揮できません。
DIYで補修したために、ハウスメーカーや施工店からの施工保証が受けられなくなるケースも考えられます。
そのため、防水工事は専門知識と技術を持ったプロに任せるのが安心です。
プロは、適切な診断を行い、建物の状況に合わせて最適な補修方法を提案してくれます。
プロに依頼すると費用がかかりますが、耐久性や施工レベルの観点から考えると、長期的に見て損はありません。
防水層の劣化を放置すると、雨漏りや建物の腐食など、深刻な問題に繋がる可能性があります。
早期にプロに相談し、適切な対策を講じることで、安心して住み続けられるようにしましょう。
当社は、大府市・豊明市・岡崎市で雨漏り診断や防水工事を行っており、お見積りの提案から施工まで、丁寧・親切な対応でお客様に最善のご提案を心がけておりますので、ぜひご相談ください。」
□まとめ
この記事では、防水層の剥がれや破れの原因、防水方法ごとの劣化症状と補修方法、そしてDIYでの防水補修のリスクについて解説しました。
防水層の劣化は、放置すると雨漏りや建物の腐食など、深刻な問題に繋がる可能性があります。
そのため、定期的に防水層の状態をチェックし、必要に応じてプロに相談することが重要です。
防水層の適切なメンテナンスを行い、建物の寿命を長く保ち、安心して住み続けられるようにしましょう。